MtFとかオタクとか発達障害について
オタクとかトランスジェンダーとか、みんなと私の認識が大分違うような気がするから、記事にしておく。
みんなは、「オタクとは趣味に凝っているだけなのにキモいとか差別されてる弱者」とか、「MtFは心と身体の性が不一致してる可哀想な人達」といった認識なんだろうと思う。メディアとかに報道されてるイメージなのだろう。
しかし、直にそういう人達と接してきた私としてはちょっと印象が違う。
まず、MtFについて云うと、例えば親が毒親とか家庭内に問題があったり、発達障害とかコミュケーションが不得手な人がとても多い。そういう人のある種の逃げ道や発散方法として女装とかにハマってしまうという見方だ。この事自体は悪い事ではない。もし、本当にそれで発散出来るならそれにこした事はない。だが、これが女装趣味を超えて性同一性障害という病名を与えられると事態は更に拗れる。人間は病名を与えられると何故か安心する。
「あなたを苦しめてるのはあなたが原因ではない。病気が原因なのですよ。」
と云った具合にだ。別の精神病なのに、違った治療がされる。性同一性障害の障害の治療として主に女性ホルモン投与がある。男性の身体に無理に女性ホルモンを入れるのだから当然心身体に負荷が高い。余計に精神は悪化するというパターンだ。
「LGBT差別をやめよう」とか「全ての人に人権はある」と云った話なら分かり易い。だが、現実はそういったエンパワーメントよりも、もっと手前の世界があるのである。
この事に気付いた人が私以外にいる。碧ちゃんは女装/ニューハーフ・プロパガンダというイベントでDJをしていたのだが、そのイベントのオーガナイザーである盟友モカさんである。
モカさんがある日ツイッターで「友達の作り方」というツイートをしてて、「モカさん良い事ツイートしてるな」と思い、その旨をツイートしたら、モカさんから連絡があり「ここに来てみてほしい。」と言われた。
場所は発達障害者向けの就職支援センターみたいなとこである。ここでモカさんは座談会みたいなイベントをしていた。内容は、"どうやって友達を作るか?"とか、"一人の人に依存すると相手が疲れるので分散しよう"とか、健常者なら学校とか社会生活で自然と身につく当たり前の事である。モカさんは、これを理論的に説明する。私は「それな!」と思った。たぶん、ここまで目線を下げるという事を今の今までトランスジェンダー界で誰もやっていなかったからである。"女性として生きる"とか、"セクシャルマイノリティが〜"とか以前にこういう事が必要だったのである。
その記事がこれ↓
注:今はモカさんが経営する「女の子クラブ」にて「みんなと会う会」として月1で行われている。無料です。
上記の女装/ニューハーフのクラブイベントでは、普通のクラブでは考えられない程、お客さんが癇癪を起こしたりトラブルが多かった。モカさんはクラブイベント主催以外にも、LGBT系のお店を経営する経営者である。当事者の問題を真に捉えた覚悟を感じた。たぶん、セクシャルマイノリティ向けのビジネスをしてる人はとても納得すると思う。
オタクの話をする。
オタクも発達障害と親和性が高いと言われている事は割とメジャーな話で、MtFとオタクと発達障害も親和性が高い。元々、男の娘ブームとかがあったりしてコスプレとかオタク界隈から流れてきたMtFは多い。
発達障害は、"空気が読めない"とか、"暗黙の了解"が分からないといったコミュケーションに難がある為、アニメとかの趣味に現実逃避する。特にこういったコミュケーション・スキルが必要な恋愛事が不得手である。これがトラウマになり"女性が怖い"等のコンプレックスになっている。
こういったコンプレックスがある為、時にオタクカルチャーの中では女性への憎悪の装置として機能する。
ちょっと前にトランス女性が女子トイレを使う事についてフェミニストと問題になったが、フェミニストはある種MtF界隈の一部に性的な発露やオタク的女性嫌悪を内包してる事を嗅ぎ取ってるのだと思う。
上記のモカさんの様に真に問題を捉えて、良い方向に促せばいいのだが、世の中はそんな人間ばかりではない。
MtFにもオタクにも味方のフリをして上っ面の優しい言葉をかけて、女性やフェミニストへの憎悪を煽ったりするビジネス・モデルがある。コミュケーションが苦手な相手に「私はアナタの味方ですよ。あなたを差別してる敵はアイツ等ですよ。」と促すだけで金になるのだからラクである。
私は医者でもなければカウンセラーでもない。いろんな友達がいるし、モカさんのようにセクシャルマイノリティの世界でビジネスをしてる人間ではないから、モカさんのような事は出来ない。事態が悪い方向へ向かってるのは把握してるが、正直、コミュケーションに難があると云ったコンプレックスを抱えてる人達の憎悪をプログラミングして掻き立てて煽られたモノを相手にしたりケアするのは、プロではない私みたいな普通の人間がやるのはこちら側が病んできてとてもしんどい。


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