中日本高速道路によりますと、6日午前0時半ごろETCのシステムに障害が発生し、午後5時の時点で東京、神奈川、静岡、山梨、愛知、三重、岐阜の7都県のインターチェンジ料金所とスマートインターチェンジ、合わせて94か所でETCが利用できなくなっています。
これを受けて、中日本高速道路は今夜記者会見を開き、中井俊雄 取締役常務執行役員が「高速道路を利用する多くのお客様にご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げます」と陳謝しました。
そのうえで、障害が発生している料金所では、復旧するまでの間、ETCレーンの出口でそのまま車を通行させる対応をとることにしています。
通行料金については後日、ホームページなどからQRコードを読み込んで支払ってほしいと呼びかけています。
一方、システム障害が起きた原因については5日、深夜割引の見直しに向けたETCシステムの改修作業を実施したことから、これが関係していると考えていると説明しました。
中日本高速道路ではここまで大規模なETCのトラブルは例がなく、現時点で復旧の見通しは立っていないとしています。
中日本高速道路 ETCシステム障害 復旧の見通し立たず
6日未明から広い範囲の高速道路で発生したETCのシステム障害を受けて、中日本高速道路は会見を開き「多くのお客様にご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げます」と陳謝しました。原因については「きのう(5日)実施したシステムの改修作業が関係していると考えている」と説明しましたが、復旧の見通しは立っていないということです。
復旧までレーン出口でそのまま車を通行
システム障害中 料金所どう通過する?
システム障害が発生している料金所でETCを利用している車両はどうすればよいのか。
中日本高速道路は、入り口では通常どおりETCレーンを通行してほしいとしています。
そのうえで、
1.バーが開いた場合はそのまま通過して高速に入り
2.開かなかった場合は通行券をとってほしいとしています。
一方、出口ではバーは基本的に上がったままの状態にしていることから、
1.通行券を持っていない場合はそのまま通過して高速から降り、料金は後日精算してほしいとしています。
2.通行券を持っている場合は一般レーンで料金の支払いを済ませてほしいとしています。
ただ、入り口、出口ともにバーの開閉に異常が発生する可能性があり、中日本高速道路は安全に十分注意して通行してほしいとしています。
ETC使用し料金支払う車の割合は96.2%
中日本高速道路によりますと、管内の高速道路を1日に利用する車のうち、ETCを使って料金を支払う車の割合はことし1月時点で96.2%に上っています。
普及にともない、ETCの無線通信に対応せず、現金などで支払うレーンは減ってきていて、現在は全体の3割程度だということです。
中日本高速道路では「ここまで大規模なETCのトラブルは過去に例がない」としたうえで、「高速道路をご利用のお客様に料金所の渋滞などで多大なるご迷惑をおかけしたことをおわびします。まずは障害の解消に努め、原因を究明した上で再発防止を進めたい」とコメントしています。
ETC通行するよう発表後 「車の動き 急に速く」
東名高速道路上り線、岡崎インターチェンジの出口付近では、一時、2キロ以上にわたって車が路肩に長い列を作りましたが、中日本高速道路がETCの障害が発生している料金所で、そのまま通行するよう発表したあとの午後2時すぎには路肩にあった車の列はなくなっていました。
車の列に一時いたという愛知県一宮市の配送業の男性は、「1.5キロぐらい手前から渋滞していましたが、側道に入ったぐらいのタイミングで車の動きが急に速くなり、30分ほどで出ることができました。係員から紙を渡されている人もいました」と話していました。
東名高速道路では事故 子ども含む8人けが
警察によりますと6日午後0時20分ごろ、愛知県豊川市の東名高速道路下り線の豊川インターチェンジ付近でETCのシステム障害による渋滞を避けようと車線変更したトラックをきっかけに5台が関係する事故が起き、1人が足の骨を折る大けがをするなど、子どもを含む男女あわせて8人がけがをしたということです。
中日本高速道路によりますとこの影響で東名高速道路の下り線は豊川インターチェンジと静岡県の三ヶ日ジャンクションの間でおよそ5時間にわたって通行止めとなりました。
料金所周辺 渋滞中に追突事故の通報も
警視庁によりますと、中央自動車道のETCに不具合が出ている料金所の周辺で、渋滞中に起きたとみられる追突事故の110番通報が3件入っているということです。
午前9時半ごろに上り線の八王子料金所手前の現場から2件、午前10時ごろに下り線の三鷹料金所手前の現場から1件で、いずれも事故の当事者から「渋滞中に追突事故を起こした」と連絡が入ったということです。
けがをした人はおらず、警視庁が詳しい状況を調べています。
高速道路利用しようとする人 困惑の声
東京・調布市の調布インターチェンジ付近の一般道では、ETCのシステム障害の影響で渋滞が発生し、高速道路を利用しようとする人たちから困惑の声が聞かれました。
法事のため千葉市から甲府市に向けて移動中の70代の男性は「あまりに車が進まないので、もう帰ろうかと考えているぐらいです。ETCの障害なんてあまり聞かないので、驚きました」と話していました。
川崎市から東京・八王子市に家族4人で遊びに出かける途中だという40代の会社員の男性は、「出発してすぐにシステム障害が発生していると聞き、困ってしまいました。システム障害ならばなんとかならなかったのかと考えてしまいます」と話していました。
東京・立川市の病院に入院している次男のお見舞いに向かっているという60代の女性は、「今すぐにでも会いたいのですが、高速道路に乗ってから車がスムーズに進むか心配です」と話していました。
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