「現場のお荷物」になった依頼主の父親

「例えば芸人あるあるなのですが、引っ越しとなると後輩芸人がゾロゾロやって来るんです。はっきり言って邪魔でしかありません(笑)。あと、一人暮らしの娘さんの引っ越しに田舎のお父さんが張り切って参加することも多いです。僕たちは段ボールを3つ同時ぐらいに運ぶのが普通ですが、お父さんは1つだとリズムが狂います。お父さんが床に段ボールを落として中身が壊れてしまい、『誰が弁償するんだよ』と微妙な空気になることも。怪我をされたりするともっと困ります」

依頼主がやるべきことは新居でのモノの配置を決めて伝えることぐらいだ。

プロの引っ越し作業に、素人が混じると、テンポが狂ってかえって邪魔になりやすい。「プロに任せて素人は手伝わない」が正解だ。
撮影=プレジデントオンライン編集部
プロの引っ越し作業に、素人が交じると、テンポが狂ってかえって邪魔になりやすい。「プロに任せて素人は手伝わない」が正解だ。

また、旧居で家具の後ろなどが汚れていると申し訳ない気がしてしまうが、髙倉さんによれば掃除する必要すらない。

「洗濯機の裏に下着が落ちていたりするのは、むしろ普通のことです。僕たちは見慣れているので、すべてゴミにしか見えません。一切気にせずに作業しています」家具についたホコリなどをいちいち掃除をしていたら作業の邪魔になりかねない。すべての荷物を搬出してからまとめて掃除するのが良さそうだ。