深刻な自衛隊の人員不足、続けたくても辞めざるを得ない隊員が毎年多数に 長期雇用でない「任期制」親御さんが反対も
自衛隊に足りないことを書くと、懸命に対策に取り組んでいる方々から嫌がられがちだ。ただ、現在進行中の施策に落ち度があると言いたいわけではない。まして関係者の仕事を増やしたいわけではないので、悪しからず受け止めていただきたい。
2022年度に採用された「任期制自衛官候補生」(最初の3カ月は候補生、その後の階級は『士』)が、計画の半分以下だったことが分かった。
任期制自衛官は18~32歳で、任期は2~3年という短期間。18年に採用年齢が改定され、27歳未満の者に限られていた採用年齢の上限33歳未満へと引き上げられた。
任期満了後に自衛隊に残る道があるとはいえ、「曹」という階級への昇任試験に合格することは難しく、自衛官を続けたくても制服を脱がざるを得ない隊員が毎年多数いるのも事実だ。
高卒の若者が減っていることや、長期雇用でないことから親御さんが反対するという話も聞く。将来に渡って安心が得られる仕組みになれば、状況は大きく変わるのではないだろうか。具体的には、警察や消防などに再就職できるような、危機管理組織内での人事の融通性などが望まれる。