【第17回】「宴会より答弁を」― 2か月無視され続ける議員質問と、再委託構造の闇ー補助金行政の透明性と倫理を問う
■ 再委託された大手企業が「補助金審査業務」に関与?
事業再構築補助金の事務局業務を受託しているパソナが、実際の現場業務をさらに某大手航空会社・某大手旅行代理店に再委託していたことが、情報開示請求と元職員からの証言によって明らかになりました。
これら再委託先の職員は、
書類審査
メールや電話での申請者対応指示(電話担当者はこれら職員の下について働いている)
など、補助金交付の適否に実質的に関わる業務を担っていました。
■ 合コン・宴席の内部告発…契約打ち切りという“報復”も?
Xでの情報発信をきっかけに、元事務局関係者から以下の内部通報が寄せられました。
某大手航空・旅行会社の社員と中小企業庁、中小機構職員がパソナ主催の「合コン」や「宴席」に同席していた
これを問題視して内部通報した職員が、契約期間満了前に一方的に打ち切られた
これは明確な公益通報排除・報復人事の疑いがあり、今後法的に大きな問題になる可能性もあります。
■ 2025年2月に提出された議員事務所からの質問、2か月たっても「無視」
上記の事実関係について、浜田聡参議院議員の事務所から正式に中小企業庁に質問が提出されたのは2025年2月初旬。
質問内容は以下の通りです:
再委託契約の詳細と規模
再委託職員への教育・研修内容
パソナ主催の宴席に関する経費の会計処理や職員同席の有無
内部通報体制の実態と対応
上記事案への中小企業庁の認識と今後の調査方針
しかし、4月初旬の現在に至るまで一切の返答がありません。
■ なぜ国会質問を無視しているのか?推測される“4つの事情”
答えられない(=事実)から隠している
宴席の開催や再委託構造の実態が本当にあったため、公表できない。答えると制度全体の正当性が崩れる
再委託が事務的工程を超えていたなら、パソナ契約の正当性や交付取消処分の有効性が問われる。誰も責任を取りたくないため“サイレント対応”中
関係者が多岐に渡ることで、各機関が責任を押し付け合ってフリーズしている。議員個人を軽視している可能性
与党でもない議員であればスルーできる、という誤った判断が背景にあるのかもしれません。
■ 国会質問を軽視するという“本質的問題”
国会議員は行政を監視する国民の代表であり、議員からの質問に対する誠実な回答は、行政の最低限の責務です。
にもかかわらず、中小企業庁はこの質問を2か月以上も無視しており、これは民主主義を揺るがす事態とすら言えます。
少なくとも「無回答」という対応は、事実上の逃避・黙認・責任回避と捉えられても仕方がありません。
■ 国家公務員と独法職員には「接待の禁止」がある
【国家公務員倫理法】第3条:
「国家公務員は、利害関係者から接待その他の供応を受けてはならない。」
また、【独立行政法人通則法】では、職員に対して倫理規程の整備を義務付けています。
つまり、中小企業庁や中小機構の職員がパソナの再委託先と懇親会や合コンをしていたとすれば、それは明確な規定違反になります。
■ 公金と制度のガバナンスを取り戻すために
国民の税金による補助金制度が、なれ合いと不透明な再委託構造で運用されていた疑い。
しかも、それを正そうとした職員が排除され、国会の問いにも回答がない。
これは一企業や官庁の問題ではなく、制度そのものの信頼を損なう問題です。
【まとめ】
某大手航空・旅行会社がパソナの再委託先として補助金審査業務に関与
合コン・宴席の同席疑惑があり、内部告発者が報復解雇
2025年2月の議員事務所の質問に中小企業庁は無回答のまま
国家公務員倫理法・独法の接待禁止規定に反する可能性
国会軽視、ガバナンス崩壊、補助金制度の根幹に関わる問題


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