【第15回】「代理申請は違法」って本当? ― 中小機構とパソナによる“後出しNG通知”の法的矛盾を問う
今回は私がXでつぶやいた内容を基に他の参考文献や事実を基に代理申請禁止問題の問題点を解説します。
■ 突然の「代理申請NG」宣言、その根拠は?
2023年9月21日、中小企業庁の事業再構築補助金公式サイトに掲載された【第10回公募に関するお知らせ】に、多くの申請者や支援者が驚かされました。
「代理申請が疑われる申請が確認されました。該当申請は公募要領違反として審査対象外とします」
というもの。
しかし、この時点で公開されていた**第10回の公募要領(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo010.pdf)には、代理申請に関する記載は一切存在しません。
つまり、**申請締切後に突然出された「ルール違反の告知」**であり、これは法の原則に反している疑いが濃厚です。
■ 「補助金等適正化法」では代理申請が認められている
公的補助金制度を統括する補助金等適正化法(以下、適正化法)第5条では、補助金の申請について、
「補助金の交付申請は私人の公法行為の一種であり、代理も認められる」
と明確にされており、法律上は代理申請は排除されていません。
さらに、学説・実務書でも以下のように明記されています:
「補助金等の交付申請については、一般に代理が許されると解される」(杉村章三郎『財政法(新版)』)
「補助金の申請を代理で行ったからといって違法とはいえない」(『補助金等適正化法解説』全国会計職員協会)
つまり、制度の根幹をなす法律では代理申請が明確に認められているのです。
■ “フルーツサンド屋”を封じたいがための違法判断?
当時、「フルーツサンド屋」「シミュレーションゴルフ」など、複数の事業者が酷似した内容で申請し、採択された問題がSNSでも話題になっていました。中小機構や事務局(パソナ)は、このような“申請代行によるテンプレ使い回し”を封じるため、アクセスIPの共通性などをもとに「代理申請」判定を導入したと考えられます。
いわば、
「IP重複してた=代理申請に違いない」→ NGにして不採択!
という雑すぎる判断が行われていたわけです。
■ 法的には「無効処分」の可能性
申請時に公募要領に記載がないルールを、締切後に適用して不採択とした処分は、
信義則違反
後出しの行政ルールによる不利益処分(遡及適用の禁止)
適正化法の趣旨違反
に該当する可能性があり、法的には**「違法または無効な処分」**とされる余地があります。
■ 申請画面も「代理を想定していた」作りだった?
さらに驚くのは、申請システムには「申請補助者」の入力欄や、補助関係者としての登録機能が存在していなかったことです。
代理申請の可能性を排除する制度設計をしていないにも関わらず、申請後に「代理だからNG」という対応は整合性を欠きます。
■ 優等生の「ものづくり補助金」にまで波及
さらに残念なことに、**2025年2月公募分(第19次)**の「ものづくり補助金」公募要領にも、
「補助事業者が内容を理解しないまま第三者に申請を委ねた場合は、審査・採択の対象外とする」
という記載が初めて盛り込まれてしまいました。
長年、適正な制度運用で“優等生”とされたこの制度が、事業再構築補助金と同じ轍を踏み始めていることに、深い失望を感じます。
その意味でも事業再構築補助金で生まれた中小機構やパソナの歪んだ審査体制の弊害ともいえるかもしれません。
■ 支援機関や中小企業に甚大な被害
すでに、代理申請によって不採択になった企業、過去に遡って処分された支援機関などが存在するとの報告もあります。
特に大阪では、北浜グローバル経営との関連が噂されるケースもあり、この件で倒産が決定的になったともいわれています。
。実際に被害に遭った方は、ぜひDMやメール(junichi-shirakawa@hajimari.co.jp)で情報提供ください。
■ これは国による「越権行為」では?
民間企業(パソナ)が運営する事務局が、「代理申請=違反」と一方的に決めつけ、国(中小機構)がそれを追認した構図は、明らかに越権的かつ恣意的な行政判断です。
【参考】
『補助金等適正化法解説〔全訂新版〕』(全国会計職員協会)
『Q&A補助金等適正化法』(門馬圭一 編、大蔵財務協会)
■ 声をあげよう。代理申請NGは「違法」である可能性が高い
この問題は個別事案ではなく、補助金制度全体の信頼性を揺るがすものです。
適正な申請だったのに、勝手に代理扱いされて不採択になった
支援機関として正しく支援したのに「代理をした」として処分された
そうした声が一つひとつ、補助金行政の改善を後押しします。
どうか、この投稿を見た方、情報提供、法的検討、声の拡散をぜひお願いします。
【まとめ】
✅ 法律上、代理申請は認められている
✅ 第10回公募要領には代理NGの記載なし
✅ 後出しの「代理NG通知」は不当処分の可能性
✅ 支援機関・事業者に対する重大な人権侵害
✅ 中小機構・パソナによる越権的判断の疑いあり


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