「西部警察」の消防車、アフリカへ? 神奈川・真鶴町が業者に売却
かつての人気テレビドラマ「西部警察」で撮影に使われ、その後は神奈川県真鶴町内の公園に展示されていた大型消防車が3月31日、千葉県の中古車輸出業者に引き取られていった。所有していた町が不用品として売却した。 【写真】業者に引き取られて去っていく大型消防車=2025年3月31日、真鶴町のお林展望公園、清水敬久撮影 売却されたのは全長約10メートル、総重量約14.6トンの高所放水車。折りたたみ式の放水塔は高さ約22メートルまで伸び、毎分3.8トンの水を70メートル先まで放水できたという。 「西部警察」を制作していた石原プロモーションが、テレビ朝日のバラエティー番組の企画で贈呈先を募集。名乗りを上げた町が2009年、寄贈を受けた。 真鶴半島の貴重な「お林」(魚つき保安林)の山林火災に備えるとして、当初は町の消防団が運用していた。だが、13年11月の車検切れ後は稼働していなかった。 車両はお林展望公園に建てられた専用の車庫に収められ、巨大なガラス越しに見ることができた。しかし近年は観光資源としてもあまり生かされておらず、町は売却を決定。今年2月に入札が行われ、落札した業者に116万500円で売却された。業者はアフリカの国々への輸出を検討している。 寄贈時には故・渡哲也さんら西部警察の出演者たちが駆けつけて盛大なイベントが行われ、3千人近い町民らが集まった。 この日の引き渡しは、業者2人と町の担当者3人が立ち会っただけだった。(清水敬久)
朝日新聞社