男女全種目の器具がそろう「ジムナスティックホール白石」。龍富貴夫さんらが指導し、有力選手の育成を目指す=白石町

 昨春閉校した白石町の福富中の体育館が体操競技場「ジムナスティクスホール白石」に生まれ変わり、28日にオープニングセレモニーがあった。男子全6種目、女子全4種目ができる九州でも数少ない施設。4月から五輪を目指すトップレベルの選手養成が始まり、地域住民の健康づくりにも貢献する。

 体操競技場整備は、学校閉校、全国で知られる体操指導者の龍富貴夫さん(66)の鳥栖高体操部監督勇退、佐賀県内での国民スポーツ大会開催、の三つのタイミングが合致して実現した。町が改修し、龍さんが施設を借りて選手育成や体操教室を展開する。国スポで活躍した選手がスタッフとして加わり、大会の使用器具も活用する。

 競技場は鉄筋コンクリート一部2階建て、建築面積1581平方メートル。厚さ25センチの反発材を14・6メートル四方に施した床ができ、鉄棒や段違い平行棒なども並ぶ。旧ステージ部分にあん馬があり、隣に床を1メートルかさ上げして跳馬を置いた。

 ベビーケアルームや身障者トイレの整備、外壁清掃などを含めた町の総事業費は約3900万円。施設整備や備品購入などで企業版ふるさと納税など多くの寄付もあった。

 オープニングセレモニーで、田島健一町長が「未来のトップアスリートをはぐくみ、町民に愛される施設になることを期待したい」とあいさつ。龍さんは「ここから日本代表を輩出できるよう頑張る」と述べた。五輪と世界選手権を合わせて8年連続世界一に輝いた内村航平さんが鉄棒で現役時代のように技を決め、トークショーでも沸かせた。(小野靖久)