閉校した大川小の校舎は外廊下だった=伊万里市大川町

 3月末で閉校した伊万里市の大川小の校舎は、今ではあまり見られない構造をしていた。教室横の廊下に外壁や窓がなく、吹きさらしになっていて「外廊下」「開放廊下」と呼ばれる。

 校舎は鉄骨造りで1966年に建てられた。その頃、建設費が安くなるなどの理由で外廊下を取り入れるのがはやっていたという。市内では、同時に閉校した松浦小(61年建設)の一部や、4月から新しい校舎になる東山代小(66~69年建設)も外廊下だった。

 雨が吹き込むなどデメリットもあって学校から姿を消していったが、市内は小中学校の数が多く、校舎の更新や改修が遅れる傾向にあったため、今まで残っていた。「雨や寒い日の移動が大変だった。当たり前だと思っていたけど、よその人に驚かれるんですよ」と大川小の卒業生。少々不便だった古い校舎も、大切な思い出として記憶に刻まれている。(青木宏文)