どうも、ずん沼です。
今まで猫が主人公と言う変化球ばかり投げていましたが、今回は直球の鬼威惨vsずんだ虫に挑戦してみました。
拙い文章ですがお楽しみいただければ幸いです。
※この小説はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。また、特定の社会的立場の人々を揶揄する意図は一切ございません。
今まで猫が主人公と言う変化球ばかり投げていましたが、今回は直球の鬼威惨vsずんだ虫に挑戦してみました。
拙い文章ですがお楽しみいただければ幸いです。
※この小説はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。また、特定の社会的立場の人々を揶揄する意図は一切ございません。
冬も過ぎ去り暖かくなってきたある晴れた昼下がり、とある住宅地の一角にて
[のだのだのだのだのだのだ! ぱぱず~ん! このいえのまどさんがあいているのだ!]
一軒家の二階付近でずんだ虫の声が響き渡る。
[やったのだままずん! きょうのかりもだいせいこうなのだ!]
その声に呼ばれて、新たにずんだ虫が一匹飛んできた。 呼び方から察するに番の様だ。
[でもままずん、ままずんのおにゃかさんにはおちびちゃんがいるのだ、かりはきけんだからおうちさんでまっていてもいいのだ?]
[でもぱぱずん、ふゆさんのあいだはごはんさんすくなかったのだ・・・ちゃんとしたおちびちゃんうむためにはもっとごはんさんがひつようなのだ・・・]
よくよく見れば、メスの腹部はわずかに膨らんでいる。
[わかったのだ、ままずんとおちびちゃんは、ぼくがぜったいにまもってみせるのだ!]
[ぱぱずん・・・すごくかっこいいのだ・・・♡ あたちぱぱずんとつがいになれて、とってもちあわせなのだ♡]
二匹の世界に入っていちゃつきだすずんだ虫達、もしこの姿をネコ・カラス・鬼威惨に見られたら死あるのみである。
[よし、じゃあいくのだままずん!]
[のだ!]
こうして二匹は家に侵入して行った。
その窓が、地獄への門であるとも知らずに・・・・・・
[のだぁ? なにもないのだ?]
入った部屋は家具等は何もなくガランとしていた。
[ぱぱずん・・・もしかしてあきやさんなのだ?]
肩を落とすままずん、しかしぱぱずんが部屋の隅を指して言った。
[ままずん! すみっこのあみあみさんのなかをみるのだ! あ・・・あ・・・あれはまさか・・・!?]
[のだ? あ・・・あれは・・・ずんだもちなのだ!?]
よく見ると、部屋の隅に金属の網で作られた箱が置いてあり、その中に全てのずんだ虫達が求めてやまない大好物が置かれていた。
それもただのずんだ餅ではない、成体のずんだ虫と同じくらいの大きさがある超大型ずんだ餅であった。
[やったのだぱぱずん! これでげんきなおちびちゃんがうめるのだ!]
[やったのだままずん! きっとかわいいおちびちゃんがうまれるのだ! はやくあいたいのだ!]
すっかり有頂天になった二匹は揃ってずんだ餅へ突進する。
[ぱぱずん! くちょにんげんがもどってくるまえにはこぶのだ!]
[もちろんなのだ! でもおおきいからちょっとたべてからのほうがいいかもしれないのだ]
そんなことを言い合いながらずんだ餅に触れた瞬間・・・
ガチャン!
背後から突如響いた音に驚いて振り向くと
[な・・・ないのだ・・・いりぐちさんがないのだ!?]
[しょ・・・しょんな・・・これじゃおうちさんにかえれないのだ・・・]
[[だちて! だちて! だちて! だちて! だちて! だちて! だちて! だちて! だちて! だちて!]]
閉じ込められた二匹は半狂乱になり叫びながら箱を叩くが、勿論開くわけがなかった。
[はひ・・・はひ・・・だめなのだ・・・あかないのだ・・・]
息を切らせて青ざめる二匹。
[ま・・・ままずん、いったんおちつくのだ・・・このずんだもちをたべてから、かえるほうほうをかんがえるのだ]
[そ・・・そうねぱぱずん・・・おなかさんいっぱいになれば、きっといいほうほうがみつかるのだ]
現実逃避した二匹はずんだ餅にかぶりついた。
[[おいち!おいち!おいち!おいち!おいち!おいち!おいち!おいち!おいち!]]
くちゃくちゃ下品な音を立てながら食べていく二匹だったが・・・
[[おいち!おいち!おいち!おいち・・・おいち・・・おい・・・ち・・・あれぇ・・・? なんだか・・・ねむ・・・く・・・]]
突如睡魔に襲われ眠りこけてしまうのであった。
[[ずーん・・・ずーん・・・ずーん・・・ずーん・・・ずーん・・・ずーん・・・ずーん・・・ずーん・・・ずーん・・・ずーん・・・]]
[ずーん・・・ずーん・・・・・・はっ!? ぼ、ぼくはいったいどうしたのだ!?]
眠りから目覚めたぱぱずんは飛び起きて周囲を見回す。
[ぱぱずん! よかったのだ、めがさめたのだ!]
すると、すぐ隣からままずんの声が聞こえた。
[ままずん! ぶじだったのだ? けがはないのだ?]
愛しのままずんと抱き合おうとしたぱぱずんだが、その手は鉄格子に阻まれた。
[な、なんなのだこれは!? いったいなにがどうなってるのだ!?]ガシャガシャ
[あたちにもわからないのだ・・・めがさめたらもうこうなってたのだ・・・]
ずんだ虫の理解を待っていると埒が明かないので説明すると、現在二匹は地下室に居て、作業台の上に置かれた二つの鳥籠の中にそれぞれ閉じ込められている状況だ。
また、部屋の隅にはずんだ虫が見たこともない様々な道具が入った工具棚が置かれている。
ガチャリ
状況を掴めず二匹が騒いでいると、部屋のドアが開いて30代程の男が一人部屋の中に入って来た。
「おお、もう起きていたか、手間が省けて好都合だ」
[く、くちょにんげん!? なんなのだおまえは! なんでこんなことするのだ!]ガシャガシャ
[あたちたちはなにもわるいことはしてないのだ! さっさとここからだすのだ!]ガシャガシャ
男は喚く二匹を見て笑みを浮かべると
「くははははは、威勢のいいクソ虫は嫌いじゃない、順番に答えてやろうじゃないか」
そう言ってスツールを作業台の側において腰を下ろした。
「先ず俺は、お前らが勝手に侵入した家の主だ。 そして閉じ込めた理由は、悪い事をしたクソ虫にお仕置きをするためだ」
[わるいことはしていないって、いったああぁぁぁぁーーーーーっ!! ここからだせぇぇぇーーーーっ!]ガシャガシャ
穏やかに説明する男に対してままずんは叫んだ。
男はニヤニヤ笑いながら
「やれやれ、何で裁かれる側がそんなこと決めるんだ? お前たちのやったことは法律で言うと住居侵入罪と窃盗罪に・・・」
[うるさいのだ! なんでいだいなもりのけんじゃであるぼくたちが、くちょにんげんがかってにきめたほーりつさんにしたがわないといけないのだ!!]ガシャガシャ
男の話を遮って身勝手な理屈を叫ぶぱぱずん、しかし男は怒るどころかその笑みを深くした。
「ふむ? つまりお前達は人間社会のルールに従わないというわけだな?」
[あたりまえなのだ! くちょにんげんのつごうなんてしったことじゃないのだ!]ガシャガシャ
[だせ! だせ! これはめいれいなのだ! あたちたちのいうことをきけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!]ガシャガシャ
「よく分かった、それじゃあここからは自然のルールに則って進めようじゃないか!」
男は満面の笑みを浮かべて立ち上がり、ぱぱずんの鳥籠を開けてぱぱずんを掴んで取り出すと・・・思いっきり壁に叩きつけた!
バァン!
[いちゃい!]
男は激痛に叫ぶぱぱずんをそのまま左手で壁に押し付けると、右の拳でぱぱずんの顔面を繰り返し殴りつける。
ガッ! ガッ! ガッ! ガッ! ガッ! ガッ! ガッ!
[いちゃい! いぢゃ! うぐ! げっ! げっ! げっ! や、やめ ぎゃ!]
ぱぱずんの頭部は見る見る腫れ上がり、滲む体液で汚れだした。
[や、やめちゃーーーーっ! ぱぱずんにひどいことちないでっ! なんでこんなことするのだくちょにんげん!]
番の危機に叫ぶままずん。
それを聞いた男は一旦殴る手を止め、ままずんに向き直ると
「何でかって? さっきも言ったが、お前らが人間社会のルールに従えないというから、自然のルールに従っているまでさ」
[の・・・のだぁ・・・? しぜんのるーるさん・・・なのだ・・・?]
困惑するままずん
男はぱぱずんを掴んで手を高く掲げると
「そうとも、自然のルールとは弱肉強食! つまり、強さが正義だ!」
ぱぱずんを床に投げつけた。
[ぎにゃぁぁぁぁぁぁ!!] ばぁん!
「そして、弱さは・・・罪だ!!」
男はそう叫んでぱぱずんを壁に向かって蹴り飛ばした!
[あああああああああああああ!]どばぁん!
叩きつけられて床にずり落ちたぱぱずんは痙攣して呻いている。
[ぱ、ぱぱずぅぅぅ~~~んっ!! くちょ!くちょ! このやばんなくちょにんげんめえぇぇぇーーーーーーーっ!!]
男は叫ぶままずんにニヤニヤ笑いながら言った。
「違うな、間違っているぞ。 先に法と言う社会のルールを否定したのはお前達だ、つまりお前たちの方が野蛮なクソ虫なのだよ!」
[う・・・うぐぅ・・・な、ならあたちたちのほーりつさんにしたがうのだ! あたちたちようせいにひどいことしちゃいけないのだ! いますぐどげざしてどれーになるのだぁぁぁーーーっ!]
しかし、ままずん渾身の屁理屈にも男は笑みを崩さずに
「うるさいのだwww なんでいだいなにんげんさまであるこのおれが、くそむしがかってにきめたほーりつさんにしたがわないといけないのだぁ?wwwwww」
ずんだ虫の声真似をして煽り返したのであった。
[ぐ、ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ・・・うるちゃい!うるちゃい!うるちゃいのだ!! いいからもうひどいこと、やめりょーーーーっ!!]
「くはははははは、言葉を喋れる事を自慢してるのにこの程度かよwwwww もうのだのだとだけ鳴いてろよwwwww」
癇癪を起こすままずんを嘲笑う男。
[ぐ・・・うぐぅ・・・ま、ままずんを・・・ばかに・・・しゅるなぁぁぁーーーっ!!]
痛みに呻いていたぱぱずんが起き上がって叫んだ。
「お、復帰したか。 そう言うわけだから、お前も反撃していいんだぜ? もし俺を倒せたらお前達が正義だ」
[いわれなくてもぉ・・・ぼくのぐるぐるぱんちをくらうのだぁぁぁーーー! うおおおおおぉぉぉーーーーーーっ!!]
煽られたぱぱずんは前足をぐるぐる回しながら男へ突進する。
ぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこ
男の胸板を何度も殴りつけるが、当然効いた様子はない。
[やったのだ! ぱぱずんのぐるぐるぱんちがかんぜんにはいったのだ!]
それに気付かず歓声を上げるままずん。
「ふははははははは! ネズミ程のパワーも感じんぞぉ!!」
そう言って男は両手を組んで振り上げると、ぱぱずんの脳天にダブルスレッジハンマーを叩き込んだ!
どむぅ!
[いちゃい!!]べちゃん
男は床に叩きつけられたぱぱずんの後頭部を踏みつけ、じりじりと体重をかけていく。
「ヒャハハハ! 弱い!弱い!弱い! 弱すぎるぞ!! なんて罪深いんだ! お前らは!!」
[あががががががが! いちゃいぃ! いちゃいよぉぉ~~~~~っ!!]
[やめちゃ! やめちゃ! あたちたちのいったいなにがつみだっていうのだ!?]
男はぱぱずんの胴体を逆手で掴み上げると、ままずんの眼前に突き付けた。
「分からないなら教えてやろう。 お前らの罪は三つある」
男はぱぱずんを振り上げ・・・
「一つ、敵から隠れられず、見つかったこと!」ガンっ!
[いちゃい!]
「二つ、敵から逃げきれず、捕まったこと!」ガンっ!
[いちゃいぃ!!]
「三つ、敵と戦って撃退できず、敗北したこと!」ガンっ!
[あああああああああああああああああああああああ!!]
男はぱぱずんを作業台に叩きつけながら一つずつ罪を宣告する。
「分かったか? 自然界じゃこれらは死をもって贖うべき大罪なんだよ」
[な・・・なにいってるのだ! あたちたちはにんげんのてきじゃないのだ!]
「はっ! 勝手に人間のテリトリーを汚ねぇ足で踏み荒らして隣人気取りか? 害獣風情が! 身の程をわきまえろ!!」
男はぱぱずんを思い切り振り上げ、脳天を一際強く作業台に叩きつけた!
ガッツン!!
[あびゅちゃ!]
ぱぱずんは白目を剥いて、ビクンビクンと痙攣している。
「ふん、もうグロッキーかよ? まぁいい、お前のメスが甚振られている間に休んでな」
男はぱぱずんを元居た鳥籠に放り込む。
[ぱぱずん!しっかりするのだ! ここからだせくちょにんげん! ぱぱずんをぺろぺろさせろぉぉぉーーーーーっ!]ガシャガシャ
「おいおい、先ず自分の心配をしろよ。 次はお前だって言っただろ?」
男はままずんの鳥籠を開け、ままずんの胴体を鷲掴みにすると引っ張り出した。
[うわっ! はなちぇくちょにんげん! やめろやめろやめろ!]
叫ぶままずん、しかし男は怪訝な顔でままずんの胴体をにぎにぎすると・・・
「この感触・・・お前腹の中にガキが居やがるのか?」
ままずんはギクリっと硬直すると
[し、しらないのだ! くちょにんげんなんかに、はなすことなんてないのだ!]
我が子を守ろうと白を切るままずん、男はそれを見て笑うと、ままずんを振り上げて・・・作業台の角にままずん後頭部を叩きつけた。
ガッ!
[いちゃい! い、いないのだ! おにゃかさんのなかにはにはだれも・・・]
ガッ!
[あぎゃっ! い・・いないったら・・・いな・・・]
ガッ!
[あぐぅ! な・・・なんどいったらわかるのだ・・・おにゃかさんには・・・]
ガッ!
[げぇっ! ぜ、ぜったいに・・・いわな]
ガッ!
[ああああああああああああああああ!! や、やめ]
ガッ!
[かひゅ・・・かひゅ・・・]
ガッ!
[も・・・もう・・・む・・・り・・・ちゃ]
息も絶え絶えになっても黙秘するままずん、しかし・・・
[や、やめちゃーーーっ! ままずんのおにゃかにはおちびちゃんいるちゃあぁぁぁーーーっ!!]
[ぱ、ぱぱずん!? ダメーーっ!!]
目を覚ましたぱぱずんが、痛めつけられているままずんを見て叫んでしまった。
「ハハハハハハ!! せっかくメスが必死に耐えてたってのに馬鹿な奴だな、自分から弱点をばらしちまうなんてよぉ」
男はままずんを作業台に置くと、工具棚を探り出した。
そしてゴム手袋をつけてから、糸ノコギリを取り出すと、二匹に見せつけて言った。
「見ろ、コイツでメスの腹ごとガキ共を切り刻んでやる! クハハハハハハハハハ!」
男の宣言に一気に顔面蒼白になる二匹。
[やめちぇ! ゆるちて! おにゃかのおちびちゃんにはなんのつみもありまちぇん! みのがちておねがい!]
[だめだめだめなのだぁーー! ようやくできた、はじめてのおちびちゃんなのだぁぁぁーーーーっ!!]
産まれてくる我が子を助けようと必死に懇願する二匹、しかし男は笑いながら頭を振ると
「何度も言わせるなよ、裁くのは強者である俺だ、そしてお前らクソザコ虫は存在自体が有罪なんだよ! ヒャハハハハハ!」
[やめろやめろやめろやめろぉ! なんでそんなことができるのだ! くちょにんげんにはこころさんがないのだ!?]
鳥籠の格子を必死に揺さぶりながら叫ぶぱぱずん。
「何でできるか? そうだな・・・お前ら、ずんだ餅好きだろ? あれを食ったときどんな気分なんだ?」
[[の・・・のだ?]]
唐突な質問に目を白黒させる二匹。
[え、えーと・・・ずんだもちをたべるとこころさんがみたされて、とってもちあわせなきぶんになれるのだ!]
[そうなのだ! いやなこととかふきとんで、いきててよかったってきぶんになれるのだ!]
二匹の返答に男は満足そうに頷いて
「そんな感じだよ、俺はお前らを痛めつけたり、苦しませたり、絶望させてから縊り殺すとそんな気分になれるんだ」
[[の・・・の・・・のだ・・・ぁ・・・? な・・・なにを・・・いってるのだ・・・?]]
ずんだ虫達は、初めて目の前の人間に恐怖した。
まさか純粋な娯楽の為に、自分達を虐げる者が存在するとは夢にも思わなかった。
まぁ、今までそう言った鬼威惨・鬼寧惨に出会わなかったから生きていられたわけだが。
「そして、メス虫が一番いい声で鳴いてくれるのは、目の前でガキを惨たらしく殺された時ってわけだ。 それじゃいっちょ頼むぜ」
仰向けに押さえつけられるままずん、腹に押し当てられるノコギリ。
極限の状態で、ついに二匹は叫んでしまった。
この残虐な鬼威惨に対して、一番言ってはならない言葉を・・・・・・
[やめりょおぉぉぉーーーーっ! ぼくはどうなってもいいのだ! だからおちびちゃんだけはたしゅけりょおぉぉぉーーーーーっ!]
[やめちゃあぁぁぁーーーーっ! あたちはどうなってもいいちゃ! だからおちびちゃんだけはたしゅけちぇ!]
「ん? 今自分達はどうなってもいいって言ったよな?」
[[の・・・のだ?]]
男の喰いつきに思わず困惑する二匹、男はそれに構わず上機嫌に言う。
「そうかそうか、そんなにガキが大事かwww まぁそこまで言うなら、慈悲をくれてやってもいいだろうwww」
笑いながらままずんを鳥籠に戻すと、棚からおろし金を持ってきた。
しかし一般的な平らなおろし金ではなく、∩形をしている。
[そ、それはいったいなんなのだ!?]
絶対に碌なものではないと確信したぱぱずんが震える声で尋ねる。
「なぁぱぱずんとやら、メス虫が一番いい声で鳴くのがガキを殺された時なら・・・オス虫が一番いい声で鳴くのはどんな時だと思う?」
[え? え? えぇ!? ・・・・・・・・・わ、わからないのだ・・・]
滝汗をかきながら答えるぱぱずん。
男はぱぱずんを鳥籠から出し、おろし金に跨らせる形で乗せる。
「くっくっく・・・本当は分かっているんだろ? 勿論、ずんぽとやらを完膚なきまでにぶっ壊された時に決まってるよなぁ?wwwwww」
そう、このおろし金の名前は『ずんぽおろし』、ある鬼威惨が鉄ヤスリで去勢されるずんだ虫を見て、「もっと苦痛を与えながら去勢できないか?」と考えて開発したずん虐グッズである。
ずんだ虫が味わう苦痛は確かに跳ね上がったが、周囲の肉も摩り下ろすので夥しい出血を伴う為、これで去勢されたずんだ虫は高確率でそのまま死んでしまうのが難点と言えば難点である。
余談だが、開発した鬼威惨がその事を指摘されると、「去勢してすぐ番にペロペロさせれば大丈夫だ!」と言って生放送動画で実演しようとしたのだが・・・
[ずんぽをなくしたおすずんのおまたさんなんてぺろぺろちたくないのだ]
・・・とその番がぺろぺろを拒否した為、去勢されたオスずんがそのまま死ぬという放送事故が起こったそうな。
しかし、その動画は見捨てられたオスずんの、番への凄まじい呪詛の叫びに対して高評価が多くついた為、結果オーライである。
[え?・・・・・・だ、だめだめだめ!! ずんぽは、ずんぽだけはだめえぇぇぇーーーーーっ!! おねがい! ずんぽだけはゆるちて!!]
オスずんの象徴であり、命よりも大切なずんぽ破壊宣言を受けて絶叫するぱぱずん。
「ほ~ぅ? ならメスとガキは切り刻んで良いってことだな?」
ノコギリをちらつかせる男。
[しょんな・・・ぱぱずん・・・うしょなのだ・・・]
愛する番にあっさり見捨てられて呆然とするままずん。
[しょ・・・しょれは・・・だめえぇぇぇーーーーーっ! ままずんとおちびちゃんもだめえぇぇぇーーーーーっ!]
「じゃあずんぽ摩り下ろしの刑だな」
[だめぇーーーーなのだぁ! ずんぽもままずんもおちびちゃんも、ぜんぶぜんぶだめなのだあぁぁぁーーーーーーーーーっ!!!]
四肢をばたつかせて喚き散らすぱぱずん、次の瞬間その首元にノコギリの刃が突き付けられた。
「おい、あまり俺を怒らせない方がいい。 別にお前とメスとガキ共を、皆殺しにしたってかまわないんだぞ?」
その低い声は、男の本気を悟らせるのに十分な威圧感を持っていた。
[はっ はっ はっ はっ はっ はっ はっ はっ はっ]
ぱぱずんは過呼吸を起こしながら、自分の下腹部とままずんを交互に見つめる。
[ぱぱずぅん・・・・・・]
目を潤ませて自分を見つめるままずんを見たとき、ぱぱずんの脳裏に人間の家に侵入する前の会話が蘇った。
([わかったのだ、ままずんとおちびちゃんは、ぼくがぜったいにまもってみせるのだ!])
([ぱぱずん・・・すごくかっこいいのだ・・・♡ あたちぱぱずんとつがいになれて、とってもちあわせなのだ♡])
[う・・・う・・・う・・・うおおおぉーーーっ! おすずんににごんはないのだ! ぼくはどうなってもいいからあいするかぞくをまもるのだ!!]
ぱぱずんは強い決意を瞳に宿し叫んだ。
「プ~~~~クスクスwww まさかお前、今自分が格好いいとか思ってんの?www 散々泣き喚いてたくせにwww お前最高に無様だったぜ?wwwww」
[う・・・うぐぅ・・・くちょう!くちょう!]
しかし、その直後に煽られて涙目になるぱぱずんであった。
「さて、それじゃあメスと大切な大切なずんぽにお別れしな、3分間待ってやる」
男はぱぱずんの背中をしっかりと掴み、擦り下ろしの態勢を整える。
[は・・・はひ・・・はひ・・・ままずん・・・ぼくはもうだめなのだ・・・うまれてくるおちびちゃんたちをたのむのだ・・・]
[ひぐ・・・ひぐ・・・ぱ・・・ぱぱずぅん・・・]
悲壮な覚悟を決めたぱぱずんだが、その胸には秘策があった。
ずんだ虫が持つ切り札、脆弱な身故に降りかかる様々なストレスから精神を守るための、最終安全機構が・・・
[さ、さっさとやれ!くちょにんげん!! ころちぇ!・・・ころちぇ・・ころちて・・・コロチテ・・・コロ・・・]
「じゃあ遠慮なく」
ジュブシャブチャズチャブチャズチャブチャズチャ!!
[あああああああががががががあああああああああががががががががが!!! どうちて!? どうちてえぇぇぇーーーーーーーっ!!]
体を荒いおろし金で擦り下ろされる痛みに絶叫するぱぱずん。
モチ肌はあっという間に擦り切れ、そぎ落とされた肉からは血が噴き出す。
だが、ぱぱずんの戸惑いは痛みではなかった。
[ど、どうちて・・・なれないのだ?・・・どうちて・・・コロチテに・・・]
「お、どうしたどうした?wwwww 大丈夫か大丈夫か?wwwww」
ぱぱずんは、覗き込んでくる男の顔を見て、この男が原因だと悟った。
[く・・・くちょにんげん~~~~っ! ぼくにいったい・・・なにをしたのだぁ~~~っ!?]
「くはははははははは! 心当たりがありすぎて逆に分かんね~よwwwww そらそら、まだまだいくぜぇ!」
ズチャズチャズチャズチャズチャズチャズチャズチャ!!
さらに擦り下ろされるぱぱずん、ずんぽを格納していた部分が削ぎ落され、ついにおろし金の刃がずんぽとずん玉を削りだした。
[あ゛あ゛ががががぎぎぎぎっ! ず ずんぽごわれりゅ・・・! ずんだまごわれぢゃうのぎゃあああぁぁぁぁぁ!!]
「そうだぁ! いいぞぉ!! もっとだ!!! 泣けぇ! 喚けぇ!! 叫べえぇぇぇーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
ブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャ!!
オスずんの象徴が削られていく、ぱぱずんは自分の魂が削られていくのを確かに感じた。
[も゛ も゛う゛や゛め゛! す゛ん゛ほ゜な゛い゛の゛た゛! す゛ん゛た゛ま゛な゛い゛の゛た゛!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛]
「もっと!もっとだ! もっともっともっともっともっともっともっとおぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!!」
ブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャ!!
ずんぽとずん玉が完全に擦り下ろされても男の手は止まらない。
男はずんだ虫の命を削り取る音と悲鳴に酔いしれていた。
[あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ーーーーーー! ゲビュっ!!]
「まだだあぁぁぁーーーーっ!! まだ死ぬなっ!! 命を燃やせえぇぇぇーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
ブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャ!!
すでに両足は千切れ落ち、擦り下ろしは胴体の半ばまで達した。
ぱぱずんの大量の吐血は心肺の致命的な損傷を示している。
しかし最高にハイになった男の手は止まらない!!
[も、もう・・・や゛め゛ち゛ゃ゛ーーーーーーーーーっ!! は゜は゜す゛ん゛ち゛ん゛し゛ゃ゛う゛ぅ゛ーーーーーーーーーっ!!!]
「ヒャハ! ヒャハ!! ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! ヒイィィーーーーーーハッハッハァーーーーーっ!!!」
ブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャブッチャ!!
地下室に、死んだぱぱずんに変わって叫ぶままずんの悲鳴と、男の狂笑が木霊した。
男の息が切れ、擦り下ろす手が止まった時には、擦り下ろしは頭部にまで至っていた。
ぱぱずんの苦痛がどれほどのものだったか、それは歪み切った死に顔が言葉なく物語っていた。
[ぱぱずん! ぱぱずんぱぱずんぱぱずん!! いやなのだぁーーーっ! おへんじしてほちいのだぁーーーーーーーっ!!!]
泣き叫び半狂乱で鳥籠を揺らすままずん、一方男は恍惚の表情で息を整えている。
「はぁ はぁ はぁ ・・・あぁ、全てがクリアだ・・・気分が良い・・・褒美だ、お別れの時間をくれてやる」
男が鳥籠の扉を開けると、飛び出したままずんは、転がっているぱぱずんの頭部に飛びついた。
[あ、あ、ああああああああああああああああ!! ぱぱずぅんーーーーっ! なんて・・・なんてむじゃんなすがちゃにぃーーーーっ!]
ぱぱずんの頭部を抱きしめ泣き崩れるままずん。
[ひぐっ・・・ひぐっ・・・やくそくなのだぱぱずん・・・かたみのおちびちゃんは、あたちがりっぱにそだてるのだ・・・]
[いっぱいごはんさんをたべて・・・いっぱいあそんで・・・いっぱいおちびちゃんをつくれる、りっぱなようせいにそだててみせるのだ・・・]
[だから・・・だから・・・てんごくさんで、あたちたちのことをみまもっていてほちいのだ・・・]
ままずんは悲劇のヒロイン気分に酔っぱらっているが、苦悶に歪み切った表情の生首に、頬を摺り寄せて泣くずんだ虫は、かなりシュールである。
「満足したか? それじゃ今度はお前の番だぜ!」
男はそんなままずんの左の枝耳を両手で掴むと・・・上半分を一気に引きちぎった!
ブチャァー!!
[あああああああああああああああああああああああ!!]
突然の痛みに、ぱぱずんの生首を放り出して悲鳴を上げるままずん。
[な、なにをするのだくちょにんげん! あたちとおちびちゃんはたすけるって、いったああぁぁぁーーーーーーーーーっ!!]
「おいおい、何しれっと自分を含めてるんだよ? あたちはどうなってもいいちゃw だからおちびちゃんだけはたしゅけちぇwww だろ?wwwww」
[くちょにんげんはおばかさんなのだ!? あたちがちんじゃったら、おちびちゃんたちはうまれてこれないのだ!!]
「ハハハハハ 安心しろ、殺しはしねぇよ。 ・・・だが、逆に言えば殺さなければどうしてもいいってことだ!」
そう言うと、男は素早くままずんの右の枝耳を掴み、また上半分を千切り取った。
ブチャァー!!
[あああああああああああああああああああああああ!! あたちのかわいいおみみさんがぁぁぁーーーーーーーっ!!]
「うひゃひゃひゃひゃ!! すげぇ不細工で草生えるぜwww 耳が欠けたクソ虫はモテないって噂は本当かもなwwwww」
[ああああああああ!! もういやちゃ! だちて! ここからだちてぇ!!]
ままずんは作業台から飛び立つと、扉に向かって体当たりやぐるぐるぱんちを繰り返す。
[だちて! だちて! だちて! だちて! だちて! だちて! だちて! だちて! だちて! だちて!]
ドアノブを回していないのにドアが開くわけがない、ついでに言うとこのドアは引いて開けるドアである。
なので男はゆっくりと道具を選んでから、ままずんを追いかけそのおちりを捕まえた。
[あああああああああ!! はなちて!はなちて! もういたいのいやなのだ! おねがいこれいじょうひどいことちないで!]
「へ、そいつは出来ない相談だな・・・っと」
男はままずんを作業台にうつ伏せに押し付ける。
[たちゅけて!たちゅけて! ゆるちて!ゆるちて! もうにんげんさんにめいわくかけない! だからおうちさんにかえちてぇ!!]
「ほ~ん? 迷惑かけないって具体的には?」
許しを請うままずんからは見えないが、ニヤニヤととても許す気のない笑みを浮かべて男が問う。
[も、もうにんげんさんのおうちさんにはいらない!]
「それだけかぁ?」
[な、なかまのようせいたちにも、にんげんさんのおうちさんにはいらないようにいいまちゅ!]
「そんな当たり前の事も言われなきゃ分かんねぇのか! だからお前らは害獣なんだよ!」
シュボーーー!
男は先程用意した道具の一つ『クッキングバーナー』で、ままずんの右の枝耳の傷口を焙り焼きにする。
[あああああああああああああああああ!! あちゅいぃーーっ! あちゅいのだぁぁぁーーーーーーっ!!]
体を焼かれる痛みにもだえ苦しむままずん。
「で、言いたいことはそれで終わりか?」
[はひっ! はひっ! ・・・・・・あ、あたちがにんげんさんのどれ~になりまちゅ! だからもういちゃいことちないで!]
ままずんは恨みもプライドもかなぐり捨て、ついに先程までくちょにんげんと見下していた男の奴隷になると宣言した。
「へぇ~~~~~。 ・・・で、奴隷になったお前は何ができるんだ?」
[え? え? ・・・な、なにがって・・・?]
[だ~か~ら~、奴隷になったお前は、何をして俺に貢献するんだよ?]
男はままずんの目の前で、クッキングバーナーを点火したり消したりを繰り返しながら問う。
[えっと・・・えっと・・・た、たのちいおはなしあいてになれるのだ!]
「はぁ~~~? ダメダメ、お前と今まで会話してても全然楽しくなかったぜぇ?」
嘘だぞ、すごく楽しそうだったぞ。
[じゃ・・・じゃ・・・じゃあ、にんげんさんがずんちしたら、おちりをぺろぺろちてあげるのだ!]
その瞬間、地下室の空気が凍った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
[・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・]
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
[・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・]
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
[・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・]
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
[・・・・・・あ・・・あの・・・にんげんしゃん・・・?]
沈黙に耐えかねたままずんが、恐る恐る声をかけると
「クソボケが! 二つの意味で人間様をナメるんじゃねぇ!! 人を怒らせる事だけは一流だな、この害獣はよぉ!!!」
シュボボボーーーーーーーーーー!
[ああああああああああああああ!! あちゅい! あちゅいよぉ~~~~っ!! な、なにがいけなかったんちゃ~~~~~~~!?]
怒りのあまり男は、左の枝耳を傷口だけでなく丸ごと焼き焦がした。
「ふぅ、うっかり殺したくなったが、俺は理性ある人間だからな。 約束は守ってやるよ」
[ああああああああああああ!! もうむりちゃぁ~~~~っ!! たしゅけて! たしゅけて! ぱぱずん! ぱぱず~~~~んっ!!]
ままずんは、必死に四肢をばたつかせ、死んだぱぱずんに助けを求めながら、男の手から逃れようとする。
すると当然男は、逃がさないようにままずんをさらに強く押し付ける。
「おいおい、あんまり暴れるなよ。 うっかりガキ共が潰れちまうかもしれないぜ?」
[ううううう・・・おちびちゃん・・・おちびちゃん! おちびちゃーーーん! ままずんがぜったいまもってあげるからね!]
ままずんの抵抗が弱まったのを確認して、男はもう一つ選んだ道具をままずんの首と背中の間に押し当てる。
男が選んだ二つ目の道具、それは尖った金属棒が螺旋に巻かれている『コルク抜き』であった。
ぐりっ・・・っと男がコルク抜きを捻る。
[あああああああああああ!! そこは・・・そこは、そらまめさんなのだぁぁぁーーーーーっ!!]
ぐりっ・・・ぐりっ・・・
ゆっくりとコルク抜きがままずんの体に埋まっていく。
[やめてやめてやめて! とべなくなっちゃう! あたち、とべなくなっちゃうのだぁぁぁーーーーーっ!!]
ぐりっ・・・ぐりっ・・・
螺旋がままずんのモチ肌を、肉を、飛行器官を幾重にも突き破っていく。
[いちゃい! いちゃいよおおおおおおおおおお!! ぬいちぇ! はやくぬいちぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!!]
「いいだろう」
そう言うと男は、2cm程ねじ込まれたコルク抜きを・・・一気に引き抜いた!!
グッチャアァ!!
[ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!]
ままずんは、文字通り体を抉り取られる激痛に絶叫し、意識を失ったのだった。
翌朝
[うぅ・・・うぅ・・・はっ!? ・・・こ、ここはどこなのだ? あたちはどうちたのだ?]
目を覚ましたままずんが起き上がり周囲を見回すと、どこかの路地裏に居た。
[しらないばしょなのだ・・・もといたおうちさんはどこなのだ?]
気絶していたままずんには分からないが、ここは男の家があった場所の隣町である。
男は逆恨みしたままずんが戻って来ない様に、また元の縄張りに帰れないようにする為、わざわざ隣町で放り出したのだ。
[うぅ! ・・・いちゃい、いちゃいのだ・・・せなかさんがいちゃいよぉ・・・]
不意にままずんの背中に痛みが走る。
自分では見られないが、背中の傷からの出血は止まっていた。
男が気絶したままずんの口内に綿棒を突っ込み、採取した唾液を傷口に塗りたくったからだ。
しかし、治癒効果はペロペロには及ばなかったようで、出血は止まったものの、表皮の再生には至っていない。
[はぁ・・・はぁ・・・おうちさんにかえらないと・・・ごはんさんもないのだ・・・]
よろよろと歩き出そうとしたままずん、しかし次の瞬間、ままずんの腹部から強い痛みが襲ってきた。
[あううぅぅ・・・おにゃかさんがいたいのだ・・・いきがくるちいのだ・・・う、うまれちゃうのだ!?]
どうやら陣痛が始まってしまったようだ。
[しょんな・・・こんなところで・・・なんとかものかげさんにいかないと・・・]
安全が確保された巣も、護衛してくれるオスずんもない出産など自殺も同然である。
ままずんは陣痛に耐えながら、必死に這いずって何とか物陰に隠れた。
[うまれる、うまれるのだ!・・・・・・う・・・うまれりゅうぅ・・・!!]
そう叫んだままずんが、おちりに力を籠めると・・・
ぽんっ! ぽんっ! ぽんっ! ぽんっ! ぽんっ! ぽんっ!
軽い音を立てながら、6匹の赤ずんがままずんのあにゃるさんから飛び出した。
[おぎゃー! おぎゃー! おぎゃー! おぎゃー! おぎゃー!]×6
[うまれたのだ!? いっぱいうまれたのだ!]
ままずんは歓喜の涙を浮かべて、赤ずんにまとわりつく羊水を舐め取っていく。
[ぺろぺろ・・・ぺろぺろ・・・ぺろぺろ・・・よかったのだ、どのこもおててさんもあんよさんもしっぽさんもあるのだ! うまれてきてくれてありがとうなのだ!]
[はぅ・・・はぅ・・・おかーちゃ! おかーちゃ!]
赤ずん達は嬉しそうにままずんに抱きついて体を摺り寄せる。
[あぁ・・・どのこもぱぱずんのおもかげがあってとってもかわいいのだ・・・いぢゃ! あいちゃちゃちゃ・・・]
出産の興奮で忘れていた背中の痛みがぶり返してきて、たまらずままずんは蹲って震える。
[のりゃ? おかーちゃ、せなかしゃんがいたいのりゃ?]
[きょーだい! ぺろぺろちてなおちてあげるにょだ!]
[にょだ!]×4
赤ずん達はよちよちよちよちとままずんの背中に這い上がり、傷口を舐め始めた。
[ぺろぺろ・・・ぺろぺろ・・・]×6
ままずんの傷口はみるみる塞がり、モチ肌が再生していく。 1分後には少しへこんでいる以外はすっかり完治していた。
[おちびちゃんたち、ありがとうなのだ! おかげでいたくないのだ!]
[ど~いたちまちてなのりゃ! おかーちゃがげんきになってうれちいのりゃ!]
[にょだ! うれち! うれち!]×5
[あぁ・・・このこたちはなんていいこたちなのだ・・・こんないいこにめぐまれて、あたちはとってもしあわせなのだ!!]
感極まって赤ずん達を抱きしめるままずん。
その胸はこれから待ち受ける幸せなずん生への期待で膨らんでいた。
しかし、現実と言う名の死神は、ままずんのすぐ後ろまで迫っていた。
ぐうううぅぅぅ~~~~・・・×6
[のりゃ・・・おかーちゃ! ずんちゃはおなかしゃんがへったのりゃ!]
[にょだ! ずんちゃもなのだ! おなかしゃんぺっこぺこなにょだ!]×5
赤ずん達が次々と空腹を訴えだした。
[うふふ、わかったのだ! ほ~らかわいいおちびちゃんたち、えだみみみるくのおじかんでちゅ・・・よ・・・]
我が子達へ笑顔で枝耳の先端を差し出そうとしたままずん、しかしままずんの枝耳は半ばから引き千切られて焼き潰されていた・・・
ついでに言うと、左の枝耳に至っては真っ黒こげである。
[そ・・・そうだったのだ・・・あたちのおみみさんはくちょにんげんに・・・これじゃあ、えだみみみるくが・・・]
出産の興奮と幸福から覚め、呆然とするままずん。
[のりゃ? おかーちゃどうちたのりゃ?]
[はやくみるくしゃんのみちゃいにょだ!]×5
[え・・・えっと・・・ちょっとままずんはおみみさんけがしてるのだ・・・でもだいじょうぶなのだ! すぐにぱぱずんがごはんさんをみつけ・・・]
そのぱぱずんは、体を擦り下ろされて死んでいる。
[のりゃ? そういえばおとーちゃはどこなのりゃ?]
[おぎゃー! おとーちゃ! どこ、どこ? さびち! さびち!]×5
[だ・・・だ・・・だいじょうぶなのだおちびちゃんたち! ままずんがすぐにごはんさんをもってきてあげるのだ!]
そう言ってままずんは身体を上下にぶよぶよと伸縮させる。
恐らく飛ぼうとしたのだろう、しかし飛行器官を抉り取られたままずんは、もう二度と空を飛ぶことは無い。
[あ・・・あ・・・とべなくなっちゃったのだ・・・あたちもうとべなくなっちゃったのだ・・・]
[のりゃぁ? ・・・おかーちゃ、さっきからどうちたのりゃ?]
[はやくごはんさんほちいにょだ!]
[どこ、どーこー? ずんちゃのごはんしゃんどこなにょだ?]
[はやくきょーだいといっちょに、おいちおいちしたいにょだ!]
[ずんちゃはうまれたばかりなにょだ! まだちいさいにょだ! ごはんしゃんたっくさんほちぃにょだ!]
[おかーちゃ! みりゅく! みりゅくのませてほちいにょだ!]
赤ずん達は口々に給餌を要求する。 その顔は産まれて初めてのごはんさんへの期待で輝いていた。
しかし、ままずんの顔はそれらとは正反対に青ざめ滝の様に汗を流していた。
[な・・・ないのだ・・・おみみさんも・・・ぱぱずんも・・・そらまめさんも・・・おうちさんも・・・なにも・・・かも・・・]
[おぎゃー! おぎゃー! おぎゃー! おなかしゃんぺっこぺこ! ぺっこぺきょぉ!! はやきゅ! ごはんしゃんはやきゅぅ!!]×6
赤ずん達は、ひっくり返って四肢をばたつかせて駄々をこね、大声で泣き出してしまった。
ままずんは、その様子を呆然と眺めながら、目の前が真っ暗になるのを感じた。
[あたちはいったい・・・どうすればいいのだ・・・?]
こうしておちびちゃん達は、ぱぱずんとままずんの必死の命乞いによって、無事産まれてくることができたのでした。
めでたし、めでたし
~おしまい~
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よかったです。とことん虐に走るスタイルは。
しかし、「こころさんがないのだ!?」だあ!?w笑わせてくれるw
この中に傲慢な害獣に慈愛や慈悲で心が動く奴いるぅ!?いねぇよな!!!
害獣に対して動く心はなぁ。「嗜虐心」「復讐心」だけだぁ!!恐怖し、絶望し、悲鳴を奏でろや、害獣!!
こういうお話を待ってました
あっさりと殺してしまうよりも、痛めるだけ痛め付けてボロボロのまま放置する
その方が、面白い展開ですよね
このままずんがこの後どんな地獄を味わったのか想像するだけでも楽しいです
さいっこうですね!!!!
メスを生かしてにがすなんて!?って一瞬思いましたけど逃がした方がいいですね!今後の展開を想像すると最高に心がずんずんします!幸せ!
最高
ここまで虐に特化した作品を待っていた
今迄糞虫の自分ルールは鬼威惨を怒らせるためや、ずん虐のきっかけとして使用されていましたが今回は自分ルールを聞き流さず完全論破して反論出来ない、ずんだ虫を自分ルールに沿ってのずん虐は素晴らしいですw
特に力こそ正義は自然の摂理であり力を持たない無力な、ずんだ虫は力のある人間に蹂躙されて当然とずん虐の正当性を説いた瞬間は強者の権利と納得しました。
しかも約束を守りつつも希望を一瞬で絶望に変え家族の死を予感させつつ終わる展開も詰め将棋の終盤戦を見ている様で頭脳プレーが光るずん虐で読み応えがありました!