「世の中本当に何故問題が尽きないのであろうな?」
「その気苦労もあと少しと言いたいが・・・例の噂の事お前も知っているのか?」
グランツがオルファンスに向けてそう聞くとああと言ってこう続けた。
「ユフィリアにも確認を取ったが・・・あのバカ息子!男爵令嬢を囲うのは百歩
許すとしてでもだ、少しは節度と言う物を弁えて欲しかった!!」
「本来学院内部の情報はそんな簡単に出るわけではないのだが・・・詰まるは既に
それだけの人間が知っていて表ざたになってきているというわけだな。」
「・・・すまぬグランツ、王家が・・・儂らが無理言って叶えさせてしまった
婚約だったのだが・・・ああ・・・考えるだけで胃が上から大岩で潰されるような感覚が
来そうだあ…!」
オルファンスは何でこんなに胃薬がいる機会が増えたんだと頭を悩まさせていた、
男爵令嬢とそういう関係じゃないかと言う噂がそこ迄広まっているとユフィリアが
王妃だとしてでも婚約前から愛人を囲うか普通と胃がぎすぎすするような感覚に
際悩まされていたのだ。
するとグランツはオルファンスに向けて大丈夫だと言ってこう続けた。
「婚約者の心を繋ぎ止めるのもまたユフィリアの務めだ、アルガルド王子も節度を
弁えていることも分かっているさ。」
そう言ってきたのだ、このグランツと言う男性は職務に忠実であると同時に家族思いの
優しい男性なのだがそれは其れ、これはこれと所用と私用の区別が
はっきりしているがためにユフィリアに対しては次期王妃としての立つことになる
ユフィリアに対してはそれはそれは」厳しい教育を施したのだ。
「表向きだがパレッティア王国は平和だ・・・だがそれはこの王都とその周辺に
限った話、諸国に目を向ければ流行り病・戦・貧困等が所狭しとある。
将来アルガルドだけではこの国を指させると言うのは至難の業であろう、
だからこそ私は幼少期から才能の申し子とも言われておったユフィリアを
婚約者にしたのだがなあ。」
はあとオルファンスは少し冷め始めた紅茶に口を付けるとこう思っていた。
「(あの2人の間にはそういう男女の想いが片鱗すら見えん、どっちもこっちも
義務以上にはなっていないしそう言う恋愛感情すらない・・・どうするべきか。)」
そう思っているとグランツがオルファンスに向けてこう言った。
「しかしそういう一切合切はユフィリアがどうにかすると言っていたが?」
「それはそうなのだが・・・王家が申し込んだこの婚姻の責任をユフィリアにだけには背負いたくない、近々ユフィリアをこっちに来させて今後の・・・最悪は白紙に
戻すことも検討」
せねばなと言いかけて再度紅茶に口付けようとして・・・
ガシャーン!と・・・・・
・・・・・窓からナニカがダイナミックエントリー!!してきたのだ・・・。
あまりの事にオルファンスは・・・「は?」と鳩が豆鉄砲を食ったような顔をすると
グランツがその突き破った正体を見て・・・あああと頭を抱えながらその・・・
箒に跨って現れたアニスと後ろに乗っているユフィと・・・アニスが掴んでいる
ベルの姿がそこにあった。
するとアニスがオルファンスとグランツに向けて笑みを浮かべてこう言った。
「あ!父上!!只今帰って参りましたーー!?」
「ま・・・窓から入って来たんですか!?」
ベルが目を大きくして何やってるんですかと言いながらアニスを見ていた。
説明を聞いているベルは窓から突っ込んで来たことにどうしようとか弁償とかを
考えているがああそれは心配ないよと言って更にその時のことを説明した。
「貴様は・・・貴様は・・・貴様と言う奴は!一体何しているんだーーーーーー!」
「・・・・・おごお・・・・。」
オルファンスは怒り心頭で・・・頭にたん瘤付けて倒れているアニスを
責していた・・・然も何故か両手を現在ソファーに泣かせつけているベルに向けて
両手を翳して・・・両手から出るその黄色い光でベルを包み・・・治していたのだ。
この世界の魔法は6つの属性で成り立っている(尚ベルの世界は7属性)。
火・水・風・土・光・闇(尚ベルの世界は炎・氷・風・雷・岩・光・闇)で構
成されており幾つか派生はある物のこの基本属性で成り立っている(ベルの世界では
派生形はない)。
火ならば其の儘火
水ならば氷とかを併用
風ならば高速戦闘や鎌鼬で雷を発生することが出来
岩ならば土や結晶
闇ならば精神作用
そして光は身体に作用すると言う具合となっている。
ボロボロだったベルを癒しているオルファンスは一体何がどうなったら
こんなケガになるんだと思いながら治療をしているが検討はまあ大体はついていた。
それが・・・これ。
「(この傷から見て恐らくは魔物だろうな、だがこの様な若者が冒険者など
あり得るのか?見た限りはアルガルドよりも年下・・・一体何処で。)」
そう思いながらオルファンスはアニスに向けてこう聞いた。
「アニスよ、この少年は一体何処で拾ったのだ?」
正直に申せと言うとええとですねと・・・アニスはオルファンスに向けてこう答えた。
「いやあそれが・・・空から落ちてきたんですよねえハイ♪」
舌を出し乍らそう言うアニスを見て・・・オルファンスはアニスに向けて・・・大声でこう言った。
「阿保抜かすなこのバカ娘がーーーーーー!」
「真実なのにーーーーーー!」
ぐしゃという拳骨の音と頭を殴られる音が2人の大声と共に響き渡った。