六月「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛……不完全燃焼感が否めねえ」
一夏「だな、物足りねえなぁ。やっぱ深層まで行くべきだったか?」
ダンジョンを抜け、オラリオの街中を歩くふたり
多くの冒険者にとって脅威である階層主もこの2人の手にかかればなんてことはなく、本人たちにとっては軽い運動程度の労力でしかなかった
一夏「そういやお前ってこのあと何か予定とかあったか?」
六月「…あ」
一夏「……あるんだな。ちなみにそれは…」
六月「あ、ああ……今朝の喧嘩鎮めるために、ダンジョンから戻ったら飯でも食べに行こうって行って鎮めたら」
???「あー!!六月!!一夏!!」
話をしていた六月を遮ったその声の方へ振り返った一夏
そこには紅い髪をしたポニーテールのヒューマン、アストレア・ファミリアの団長【紅の正花】(スカーレット・ハーネル)『アリーゼ・ローヴェル』が声をかけており、その後ろには黒髪の和服を着た副団長のヒューマン【大和竜胆】(やまとりんどう)『ゴジョウノ・輝夜』、桃髪のパルゥム【狡鼠】(スライル)『ライラ』、金髪エルフにして新入り団員【疾風】(しっぷう)『リュー・リオン』。その他にはヒューマンの『ノイン』と『リャーナ』と『マリュー』、狼人の『ネーゼ』、ドワーフの『アスタ』とアマゾネスの『イスカ』、そしてもう1人のエルフ、『セルティ』を含めたアストレア・ファミリア総勢11人の女性構成員が集っていた
一夏「ゲッ、現れたな。正義バカ共」
アリーゼ「ちょっと!!誰が正義バカの完璧美少女よ!」
一夏「おい、俺の台詞捏造してんじゃねえぞアホーゼ」
アリーゼ「アホ!?」
リュー「な、と、取り消してください一夏!!アリーゼは確かに言動と行動が噛み合わずよく痛い目を見てますが……決してアホなんかじゃありません!少しが頭がアレなだけです!」
アリーゼ「リオン!?」
ライラ「いやリオン、全くかばえてねえ。それどころか一夏の援護射撃してるぞ」
輝夜「フフフッ、本当の敵は外ではなく内に居たわけですか」
リュー「か、輝夜!!私がいつアリーゼの敵になったというのですか!!」
輝夜「まあまあ、自分の言動が団長様へ追い討ちしている自覚がないとは、流石は恋愛観が古臭すぎるクソ雑魚エルフ様でございましょう」
リュー「クソ雑魚言うな!!」
ネーゼ「あ、また朝の続き始まりそう」
リャーナ「ふたりとも懲りないわね」
今にも乱闘しそうなふたりにあまり慌てた様子を見せないアストレア・ファミリア達
最も、人が通る街中でこの様な騒ぎを起こそうものなら
一夏「その辺にしろお前ら」
輝夜/リュー「「ぐぁ!」」←デコピンされたふたり
一夏に止められるのは必然であった
レベル5の手加減込みのデコピンとは言えそれ以下のレベルのふたりはその威力で地面に叩きつけられた
リュー「い、一夏何をする!」
輝夜「乙女の額にデコピンとは、随分とデリカシーのないお方ですね貴方様は」
痛そうに涙目で額を擦るリューと輝夜
一夏「黙れエセ大和撫子とポンコツエルフ。お前ら今朝もくだらん事で喧嘩して六月の手を煩わせたらしいな?輝夜はそのムカつく猫被りとリューをいちいち煽るような言動をやるな、こいつが短気エルフなのは事実だが怒ることわかってて挑発すんな。リューもいちいち輝夜の煽りを真に受けんな。クソ真面目過ぎて頭が硬いのはお前の悪いとこだってよく言ってんだろうが、お前ら仮にもこの都市の治安を守る正義の使徒だろうが、人の行き交う往来で騒ぎを起こすか普通?」
エセ大和撫子/ポンコツエルフ「「ウゥゥ」」
一夏からの指摘にバツが悪そうな表情を浮かべるエセ大和撫子とポンコツエルフ
一夏「…んで、お前結局このふたりだけでなく全員で食べに行くことになったのか?良かったな、両手に花どころか全身に花畑だぞ」
六月「へ、変なこというな!」
一夏「そんじゃ、そろそろお邪魔みたいだし、俺も行くとこあるしここでお別れだな。せいぜい楽しんでこいよ?お前らもせいぜい、こいつ落とせる様足掻いてみせろよな。あぁ、なんだったらいっそ全員こいつに貰われてやれ」
アストレア・ファミリア「「「「「「「「「「「なっ/////////////!?」」」」」」」」」」」
それだけ言うと一夏は一人歩き出した
リュー「あ、あのヒューマンは何を言って///」
輝夜「いっそ全員、それも良いのかもしれんな」
ライラ「おい!ここにヤバい事考えてるのがいるぞ!」
イスカ「そ、そういえば、一夏はどこに向かったんだろうね」
六月「あ、そうだ…今日はあの日か」
アリーゼ「?」
一夏「よう、お疲れさん」
門番「あ、お疲れ様です。そういえば今日でしたね」
六月達と別れてしばらく経ち、ある建物の扉の前に来た際、門番に挨拶し中へ入った一夏
一夏「よう、調子どうか?」
団員「ああ、まあぼちぼちってとこだな」
団員「珍しく何事もなく平和だけど、束の間の平和って感じがするのよね」
建物の中に入り、道中の団員達に挨拶を交わしながら進んでいく
ここはとあるファミリアのホームであるが、まるでガネーシャ・ファミリアの団員達とやり取りでもしているかのように穏やかに言葉を交わせている
???「やあ一夏。いつもすまないね」
一夏「あぁ、気にすんなフィン。俺が言い出したことだしな」
そんな彼を出迎えたのは、このファミリアの団長をしているパルゥム、【勇者】(ブレイバー)『フィン・ディムナ』
本来他の種族と比べ小柄なパルゥムは強くなりづらい、最弱種と揶揄される存在だが、彼はそのパルゥムどころか現オラリオでも5本の指に入る実力者
フィン「そういえば、ガレスがまた飲み比べしたいって言ってたから、そのうち相手になってあげないかい?」
一夏「はぁ…俺は自分ペースでゆっくりと飲みたいんだよ。そういうのは六月にでも頼め」
それだけ言うと、ホームの上の階へと昇る
その道中
糸目赤髪の露出の激しい格好(なお絶壁)をした女性、女神『ロキ』と翡翠色の長髪美女にして、ハイエルフ(エルフの王族)の副団長、【九魔姫】(ナイン・ヘル)『リヴェリア・リヨス・アールヴ』が見下していた
ロキ「おお、やっぱ来とったか。時間ピッタシ」
リヴェリア「いつも本当にすまない。私がちゃんと教えられたら」
一夏「ようロキ、リヴェリア。さっきフィンにも似たようなこと言われたばっかだ」
軽く言葉を交わし上の階の廊下を歩き、少し立つととある部屋の前に着き、軽くノックをする
一夏「入るぞ」
そう言いドアノブをまわし部屋に入る
よく整った棚やベッド
外の風を入れるために開けてある窓
そんな変哲もない部屋の中心に置いてある机にその娘はいた
扉が開くと
一夏「よう、アイズ」
開いた扉の方へ顔を向けた金色の髪の少女は驚きながらも
アイズ「いらっしゃいお兄ちゃん!」
その少女、『アイズ・ヴァレンシュタイン』は笑顔で出迎えてくれた
ここはロキ・ファミリア
フィンを筆頭とした三頭領が多くの団員をまとめ上げる、フレイヤ・ファミリアと並ぶオラリオ最大派閥