《読まれています》独自・熊本大病院教授が県内医師の診療従事を妨害か 国立熊本医療センターに要請 大学人権委「裁量権の逸脱」
国立病院機構熊本医療センター(熊本市中央区)の精神科で「診療支援」に従事していた男性医師が、熊本大病院(同区)の男性教授から診療の継続を妨害されたと訴え、熊本大の人権委員会が教授の行為を「裁量権の範囲を逸脱したハラスメント」と認定したことが4日、関係者への取材で分かった。
この医師は熊本県内で精神科病院を経営している。人手不足などを理由に医療機関が互いに医師を派遣する「診療支援」で10年以上、熊本医療センターでの診療を担当してきた。
関係者によると昨年1月、熊本大病院神経精神科の教授が同センターに対し、この医師を従事させないよう求めたという。医師は一時、同センターから「診療に従事させない」との方針を伝えられた。
医師は代理人弁護士を通じて大学側に抗議。送付した文書は「熊本大病院が県内医療機関への医師供給元であることを背景に、教授が大きな影響力を持っている」と指摘し、「就労機会の不当な侵害に当たり、精神的苦痛を受けた」と訴えた。
大学の人権委は今年2月18日付で、調査結果を医師側に伝えた。その文書によると、教授の行為について「医学部教授の業務・権限との関連で必要性や合理性が肯定されるとは評価し難い。裁量権を逸脱するハラスメントに該当する」と認定し、懲戒処分の可否を審議すると回答している。
医師は「以前、ある医師の就職を私の病院で受け入れたことで教授に呼び出されてどう喝された」と過去にも同様のハラスメントがあったと訴えている。
熊本日日新聞の取材に熊本大は「個別の案件については、あったかどうかも含めて答えられない」、教授は「現時点でお答えすることはできない」と話している。(植木泰士、丁将広、小山智史、清水咲彩)
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