ミャンマー大地震 各地で病院が倒壊し医療環境の悪化深刻

ミャンマー中部でマグニチュード7.7の大地震の発生から1週間あまりとなるなか、各地では病院が倒壊し、けが人などの治療が困難を極めています。

ミャンマーで実権を握る軍は、これまでに3354人が死亡し、220人の行方がわからなくなっているとしています。

現地では建物が倒壊した現場で捜索活動が続けられていますが、遺体で収容されるケースが多く、生存者を救出できる望みは少なくなっています。

また被災地では各地で病院も倒壊したため、けが人や病気の人の治療は困難を極めています。WHO(世界保健機関)によりますと、震源に近いザガイン管区では衛生環境の悪化で下痢の症状を訴える避難民が多く、感染症のリスクも高まっているということです。

人道支援に向けて被災地を視察した日本財団の笹川陽平会長によりますと、首都ネピドーでは病院が倒壊したためテントを張って医師や看護師が入院患者やけが人の治療にあたっていたということです。財団では現地が必要とするシートや蚊帳などを送る予定だとしています。

一方、ミャンマー国内で戦闘を続けていた軍と民主派勢力側は地震を受けて、それぞれ一時的な停戦を表明しています。

これについてたびたび停戦の仲介にあたってきた笹川会長は「今後、双方の偶発的な衝突が起きる可能性もあり、停戦をこのあと延長できるかが被災地の復興活動のうえで大変重要だ」との見方を示しました。

軍トップが大地震への支援を国際会議で要請

軍のトップ、ミン・アウン・フライン司令官は4日、タイの首都バンコクで開かれた周辺国との国際会議に出席し、支援を要請しました。

4年前のクーデターを主導した司令官がこうした会議に参加するのは異例で、各国との協力を通じ、国際的に孤立を深めてきた軍主導の政権の承認にもつなげたい思惑があるとみられます。

軍は、4月2日に民主派勢力側との一時的な停戦を表明しましたが、国連の人権高等弁務官事務所は4日、停戦の発表後も軍による空爆を含む攻撃が16回あったと非難したほか、民主派勢力側も、被災地の周辺で空爆が続いているとしています。

また、軍は、国際的な人道支援の活動について「違法なものもある」として制限する姿勢を示していて、被災者への支援が加速するかは依然見通せない状況です。

“地震以降も軍の空爆相次ぐ” 国連人権高等弁務官事務所

ミャンマーで起きた大地震をめぐり、OHCHR=国連人権高等弁務官事務所の担当者らが4日にスイスで記者会見を開き、現地の状況を報告しました。

会見にオンラインで参加したミャンマー支援の責任者は、地震の発生以降もミャンマー軍による国内各地への空爆などが相次いでいると指摘しました。

地震のあと、被災した地域も含めて61回の攻撃があり、このうち16回は、軍が4月2日に民主派勢力側との一時的な停戦を発表したあとに行われたものだとしています。

また会見でOHCHRの報道官は「ミャンマー軍が行ったインターネットや通信の遮断によって情報が断たれ、災害の状況が悪化している」と指摘し、被災地の人道状況に重ねて懸念を示しました。

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