「若者の夢」と「ドラマの志」
主人公は、高校時代から、何をやりたいのかが定まっていなかった。
彼氏が野球選手としてプロを目指していたので、彼のための食事を作って喜ばれて、それで栄養士をめざす。
出産のとき具合が悪くなり、そのとき管理栄養士に助けてもらったことから、国家資格の管理栄養士を目指すことになる。
現実がまずあって、それに対処する。
そこから自分の生きていく道が開けていく。
すばらしい。
身体の動きが先にあって、そこから考えて、人生を切り拓いていくのは、とても正しいとおもう。
夢というのは、ときに頭のなかで考えただけのものだったりする。そうでない身体の延長の夢としての金メダルを獲るなどの夢があるのはわかるが、ごくふつうの人にとってはだいたい「頭の中でおもい描いた理想」が夢である。
それはそれで大事なのはわかる。
でも、頭で先に考えたことを身体があとから追いかけるのと、身体が先に動いて現場現場で判断していくのと、どちらがいいかというと、これは意見の分かれるところであろうが、私は圧倒的に身体を先に動かすほうを、若い人にはおすすめしたい。
若い人は頭を優先しがちだからね。
『おむすび』はそこを示そうとしたドラマで、その意図はよかったとおもう。
ただまあ、その具体的なプレゼンテーションがあまりうまくいかず、届ききってなかったところがあったようだ。そこは残念である。
残念なところはあったけれど、その志は、評価したい朝ドラであった。
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