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『おむすび』の朝ドラ受け いつの間にか3分の1が減らされていた驚き

堀井憲一郎コラムニスト
写真:つのだよしお/アフロ

『おむすび』も100話超え

朝ドラ『おむすび』は100回を超えて、いよいよ終盤である。

ヒロイン結(橋本環奈)は、管理栄養士としてすでに立派に働いている。

これから大きな波乱があるのか、というのも気になるが、もともと小さい世界でまわしているお話なので、その世界観を壊してまで波瀾万丈ということはないのだろう。

永吉おじいちゃん(松平健)が亡くなったのは驚いたが、まあ、年に不足はない、ということだとおもわれる。

『虎に翼』と比較されて気の毒

前作の『虎に翼』と比較検証されることの多かったドラマでもある。

昭和の実話と、平成の架空の話だから、比べても仕方がないのだが、比べられてちょっと気の毒でもあった。

『おむすび』の「朝ドラ受け」回数が激減

ただ、比べて気になったことがある。

華丸大吉の反応の変化だ。(鈴木アナも一緒です)

ドラマ直後の『あさイチ』でのいわゆる「朝ドラ受け」についてである。

減ったのだ。

『虎に翼』に比べて、『おむすび』では歴然と減った。

『おむすび』朝ドラ受けは100話で45%

『おむすび』は2月21日金曜日の放送で100回であった。

この100回のうち、朝ドラ受けがあったのは、45回だった。

45%と聞くとそこそこ多そうだが、これでも少なくなっているのである。

『虎に翼』から三分の一カットの衝撃

前作『虎に翼』100回までで、あさドラ受けは67回だった。

つまり3回に2回は華丸大吉&鈴木アナのドラマコメントが聞けたのだ。

それが『おむすび』では45回。

朝ドラ受け回数は67→45で、「前回比」67%ということになる。

つまり、朝ドラ受けコメントは、『おむすび』では3分の1がカットされたわけである。

朝ドラ受け3分の1削減。

どうりで物足りない。

問いかけVTRで始まる回数が増える

朝ドラを受けないで、どうしているのか。

それは「いきなりVTRで始まる」という回数が増えたのだ。

結の困惑顔でドラマが終わる→

読者投稿の写真とコメントが5秒うつる→

そして→

「きょうだいにモヤモヤすることありませんか!?」といきなりVTRから問いかけてくるのだ。

そういう始まりが多くなった。

「年末年始どうすごしてましたか」「95%もの人が写真写りに満足してないことがわかったんです!」とキャッチーに問いかけてくる。

朝ドラの余韻に引っ張られていても、あ、次にいかなきゃ、という気にさせられる。

落ち着いたゲストの自然なトーク

そういう「強引に始まるVTR」が100話までで20回以上あった。

また、有村架純や永野芽郁や、吉高由里子、三浦大知、松下洸平、瀧内公美らのゲストが登場して、穏やかに始まることもある。

『おむすび』登場人物ゲストのときは朝ドラの話から始まるが、でも関係ないゲストのほうが多く、そのときは朝ドラには触れずに、ふつうのトーク番組として始まる。

かつてはあきらかに朝ドラに興味を持ってないゲストも、強引に朝ドラ受けに巻きこんでいったことがあったが、最近はそれは見かけない。

生放送でいきなり料理

そのほかに、スタジオでいきなり料理をしているところが始まることがあった。3回くらい。

スタジオ生放送で受けているのに朝ドラに触れないというパターンである。

これを見たときに、方針が変わったんだろうと感じた。

半分くらいでいいのではないかという判断か

前作『虎に翼』の「朝ドラ受け」の回数が多すぎた、ということだったのかもしれない。

3分の2も触れているというのは、夏の甲子園中継や、ニュースや祝日など、「あさイチ」じたいが休みもあることを考えれば、ほぼだいたい毎日朝ドラに触れている、という感じになる。

連続してるとはいえ他番組についてそこまで触れなくてもいいのではないか、半分くらいでいいのではないか、とどっかの大人が判断したのではないかと推察するが、まあ、推察でしかない。

でも減らそうという意志は感じる。

『おむすび』の評判のせいか

『おむすび』の評判がいまいちだったから減ったのか、というのは、これは邪推だろう。

そうではないとおもう。

華丸も大吉も鈴木アナも、もう、3人で朝ドラ全話見つづけて、かなりの年数が経つ。

毎日起こることだけを追って見ているだけで、朝ドラは飽きないように作られているのだから、いくらでも楽しめる。

そこに乗らないはずはない。

世間的な評判とは別の次元で見ているとおもう。

朝ドラ「送り」は増えている

朝ドラが始まる前の「朝ドラ送り」もある。

「おはよう日本」のキャスターたちが直前に朝ドラに触れる。

東京地方では、いまは首藤アナ、三條アナ、是永アナ、今井アナの四人のことが多く、金曜は少しメンバーが替わる。

この「朝ドラ送り」は『虎に翼』では回数がすごく減っていた。

ところが『おむすび』では盛り返したのだ。

朝ドラ送りは前作比1.5倍増

『虎に翼』の全130話で、首藤アナが「さて、虎に翼です」と触れたのは20回しかなかった。(最後3話はあさイチと連動して触れるという変則だったのでそれいれても23回)

かなり少ない。

100話までと区切ると、『虎に翼』が14回であった。

それに比べて『おむすび』は22回である。

増えている。

数字で見れば「前作比1.5倍増」となる。

「朝ドラ送り」は『虎に翼』よりも『おむすび』のほうが、ぐんと増えている。

(まあ高瀬耕造アナ時代に比べると総数はかなり減ってはいるんですが)

だからつまり、ドラマ評判と回数は、たぶん関連していないのだ。

是永千恵アナの言葉が気にかかる

「おはよう日本」関東甲信越メンバーの「おむすびの朝ドラ送り」は、「調理師学校時代のモリモリ(小手伸也演じる中年の同級生)」に触れている機会が多かった印象がある。

中年から学び直すモリモリに共感していたのだろう。

「朝ドラ送り」では是永千恵アナの言葉が気にかかる。

元気な女性である。

彼女はいまは誰を推しているのだろうと、気をつけながら見ているばかりだ。

『おむすび』も残り一か月

朝ドラ『おむすび』も残り一か月となった。

波瀾万丈な終わり、というのはちょっと考えにくいが、目が離せない。

是永アナや、華丸大吉&鈴木アナのコメントも、聞き逃せないばかりだ。

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ありがとうございます。
コラムニスト

1958年生まれ。京都市出身。1984年早稲田大学卒業後より文筆業に入る。落語、ディズニーランド、テレビ番組などのポップカルチャーから社会現象の分析を行う。著書に、1970年代の世相と現代のつながりを解く『1971年の悪霊』(2019年)、日本のクリスマスの詳細な歴史『愛と狂瀾のメリークリスマス』(2017年)、落語や江戸風俗について『落語の国からのぞいてみれば』(2009年)、『落語論』(2009年)、いろんな疑問を徹底的に調べた『ホリイのずんずん調査 誰も調べなかった100の謎』(2013年)、ディズニーランドカルチャーに関して『恋するディズニー、別れるディズニー』(2017年)など。

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