昨年12月に実施された日本語能力試験で、日本と海外数カ国で同じ解答が不自然に集中するなど「判定不能」が相次いだ問題を巡って、海外で試験を運営する「国際交流基金」の下山雅也理事は2日の衆院外務委員会で「中国を発信源とするSNSで、試験の解答に関する複数の投稿がなされた」と明らかにした。中国は時差の関係で他国より早く試験が実施されている。
「氷山の一角」
立憲民主党の小熊慎司氏の質問に答弁した。
日本語能力試験は外国人の在留資格取得や就職の要件に使用され、例年7月、12月の二度行われている。
今回問題が起きたのは「N2」と呼ばれる大学進学に求められるレベルの試験。マークシート方式で国内外の23万人以上が応募した。
小熊氏は「中国のテストは改善策が取らなければ中止すべきだ。全世界に影響してしまう」と指摘し、「氷山の一角で、中国で起きたことも昨年12月だけとは思えない。問題の根は深い」と訴えた。
「中国などで試験時間重ねる」
再発防止策として下山氏は「中国を中心とした東アジア、東南アジア、南アジアくらいの範囲において可能な限り、試験の時間が重なることを含めて対策を検討している」と語った。
国際交流基金は「統計上、極めて不自然と思われる事象」が発生したと認定したが、「不正」とはしていない。下山氏は「判定不能となった受験者が、これらの投稿を参照したのかを確認することは困難だ」と述べた。
判定不能とした人数も明らかにしていない。下山氏は「統計上不自然な回答に関するデータを公表した場合、不正利用され、将来の試験の適正な実施に影響が出る懸念がある」と語った。
小熊氏は「理由がちょっとよく分からない」と述べ、下山氏の答弁を疑問視した。(奥原慎平)