「ハンバーガーセット」の価格はマックより安い「450円」…値上げラッシュのせいで薄れつつあるモスバーガーの“割高感”
経済本や決算書を読み漁ることが趣味のマネーライター・山口伸です。『日刊SPA!』では「かゆい所に手が届く」ような企業分析記事を担当しています。さて、今回はモスバーガーについて取り上げたいと思います。
「モスバーガーは高い」ーーそんな認識が何となく消費者の間で共有されているかと思います。実際にマクドナルドとの差別化を進めるべく、モスバーガーは高価格・高品質路線を歩んできました。デフレ時代にマクドナルドが際限なく値下げをする一方、安売り路線に走らなかった姿が印象も残っています。しかし、インフレが進む昨今、モスは本当に高いといえるのでしょうか。業績面でも昨今の状態は好調です。あらためてマクドナルドと比較してみました。
◆ハンバーガーの値段を比較してみた
モスバーガーは本当に高いのでしょうか。ハンバーガーの単品とセットの価格を比較すると、次の通りです。
【モスバーガー】
単品価格:240円
セット価格:450円~
【マクドナルド】
単品価格:190円~
セット価格:500円~
今年3月、マクドナルドで10年ぶりに「ハンバーガーセット」が復活したことが話題になりました。しかし、長らく待ちわびていたからではなく、多くの消費者から挙がっていたのは「高い」という意見。いまだに“65円時代”の幻影がちらついているのでしょう。ただ、近年段階的に値上げが行われているものの、過去最高益を更新していることが示す通り、客離れも起こっていません。
それにしても、単品ではなくセットの話ではありますが、マクドナルドとモスで“逆転現象”が起こっているのは隔世の感があります。
モスバーガーにおける看板商品は店名を冠した「モスバーガー」(470円)。それゆえ単純比較するのも野暮な気がしますが、あくまで“最も安価なセット”での比較です。両チェーンの場所がよほど近くにない限り、「ハンバーガーのセットが安いからモスに行く」人は、ほとんどいないはずです。
◆ライバルと一線を画す「高価格路線」と「二等地への出店」
マクドナルドが日本に上陸した翌年の1972年に、モスバーガーは一号店を構えました。創業者は日興証券出身の櫻田慧氏。高品質で集客していたアメリカのバーガーショップ「Tommy’s」を参考にしたため、モスも当初から高価格路線を進めました。マクドナルドとの差別化も意識していたようです。
今の消費者にとってモスの割高感が定着したのは、90年代以降のデフレ経済下と考えられます。特に2000年以降、マクドナルドがハンバーガーを100円以下で提供する一方、モスバーガーは300円以上をキープし、極端な安売りをしませんでした。このころにモスの高価格路線がより認識されたと思われます。ちなみにバーガーキングは価格以上の価値を訴求できず、マクドナルドが仕掛けた価格競争によって2001年に一度日本から撤退しました。
「モスバーガーの場所が分かりにくい」と思ったことは無いでしょうか。効率化を重視するマクドナルドはテイクアウトを含む高回転率で店舗を運営するため、一等地に構えることができます。一方でモスは単価が高いため客数は少なく、マクドナルドのような場所に出店できません。しかし、あえて二等地に出店することにより、余裕をもったオペレーションで、質にこだわった商品を提供できるメリットがあります。
◆値上げしても、業績は好調を維持
2021年3月期から24年3月期までの業績は次の通りです。今期25年3月期も売上高940億円、営業利益42.5億円とやや増加を見込んでいます。
【株式会社モスフードサービス(2021年3月期~24年3月期)】
売上高:720億円→784億円→851億円→931億円
営業利益:14.2億円→34.7億円→4,100万円→41.2億円
「モスバーガーは高い」ーーそんな認識が何となく消費者の間で共有されているかと思います。実際にマクドナルドとの差別化を進めるべく、モスバーガーは高価格・高品質路線を歩んできました。デフレ時代にマクドナルドが際限なく値下げをする一方、安売り路線に走らなかった姿が印象も残っています。しかし、インフレが進む昨今、モスは本当に高いといえるのでしょうか。業績面でも昨今の状態は好調です。あらためてマクドナルドと比較してみました。
モスバーガーは本当に高いのでしょうか。ハンバーガーの単品とセットの価格を比較すると、次の通りです。
【モスバーガー】
単品価格:240円
セット価格:450円~
【マクドナルド】
単品価格:190円~
セット価格:500円~
今年3月、マクドナルドで10年ぶりに「ハンバーガーセット」が復活したことが話題になりました。しかし、長らく待ちわびていたからではなく、多くの消費者から挙がっていたのは「高い」という意見。いまだに“65円時代”の幻影がちらついているのでしょう。ただ、近年段階的に値上げが行われているものの、過去最高益を更新していることが示す通り、客離れも起こっていません。
それにしても、単品ではなくセットの話ではありますが、マクドナルドとモスで“逆転現象”が起こっているのは隔世の感があります。
モスバーガーにおける看板商品は店名を冠した「モスバーガー」(470円)。それゆえ単純比較するのも野暮な気がしますが、あくまで“最も安価なセット”での比較です。両チェーンの場所がよほど近くにない限り、「ハンバーガーのセットが安いからモスに行く」人は、ほとんどいないはずです。
◆ライバルと一線を画す「高価格路線」と「二等地への出店」
マクドナルドが日本に上陸した翌年の1972年に、モスバーガーは一号店を構えました。創業者は日興証券出身の櫻田慧氏。高品質で集客していたアメリカのバーガーショップ「Tommy’s」を参考にしたため、モスも当初から高価格路線を進めました。マクドナルドとの差別化も意識していたようです。
今の消費者にとってモスの割高感が定着したのは、90年代以降のデフレ経済下と考えられます。特に2000年以降、マクドナルドがハンバーガーを100円以下で提供する一方、モスバーガーは300円以上をキープし、極端な安売りをしませんでした。このころにモスの高価格路線がより認識されたと思われます。ちなみにバーガーキングは価格以上の価値を訴求できず、マクドナルドが仕掛けた価格競争によって2001年に一度日本から撤退しました。
「モスバーガーの場所が分かりにくい」と思ったことは無いでしょうか。効率化を重視するマクドナルドはテイクアウトを含む高回転率で店舗を運営するため、一等地に構えることができます。一方でモスは単価が高いため客数は少なく、マクドナルドのような場所に出店できません。しかし、あえて二等地に出店することにより、余裕をもったオペレーションで、質にこだわった商品を提供できるメリットがあります。
◆値上げしても、業績は好調を維持
2021年3月期から24年3月期までの業績は次の通りです。今期25年3月期も売上高940億円、営業利益42.5億円とやや増加を見込んでいます。
【株式会社モスフードサービス(2021年3月期~24年3月期)】
売上高:720億円→784億円→851億円→931億円
営業利益:14.2億円→34.7億円→4,100万円→41.2億円