悪質ホスト問題、全国7割に警察立ち入り 23年11〜12月
悪質ホストクラブの問題を巡り、警察庁は4日、取り締まり強化の指示を出した2023年11月と12月に、33都道府県警が風営法に基づき延べ729店舗に立ち入り検査したと明らかにした。全国にあるクラブの約7割に相当するとみられる。検査結果などを受けた営業停止を含む行政処分は、24年1、2月に全国で203件に上った。
警察庁によると、ホストクラブに特化して検査数などを集計したのは初めて。問題を巡っては、店やホストが飲食代を肩代わりして客に後払いさせる「売り掛け」を悪用し、多額の借金を背負った女性客に売春などをさせる事例が国会などで取り上げられ表面化した。
警察庁も23年11月、暴力団や、SNSなどでつながる「匿名・流動型犯罪グループ」が背後で不当な利益を得ている可能性があるとみて、全国の警察に対策を強化するよう通達を出した。
行政処分203件のうち、風営法や条例に基づく営業停止命令は5件。18歳未満の客の入店禁止を掲げなかったり料金の表示をしなかったりした事例や、従業員の身元確認をしていなかったケースなどの違反行為に対し是正を求める「指示」の処分は198件あった。
また23年11月〜24年2月に、女性客に風俗店を紹介したなどの職業安定法違反や売春防止法違反、風営法違反容疑で摘発されたホスト関係者は全国で28人(前年同期比11人増)だった。
警察庁の露木康浩長官は4日の定例記者会見で、犯罪グループが特殊詐欺などの収益をもとに風俗事業に進出している疑いがあると指摘し「実態解明を通じて全国警察で戦略的な取り締まりを進める」と述べた。
警察当局は悪質ホストに対し、あらゆる法令を駆使して取り締まるとの姿勢を打ち出しており、警視庁が今年1月、売掛金21万円を支払わせる目的で女性客に売春の客待ちをさせたとして、強要容疑で元ホストの男を逮捕するなどしている。〔共同〕