いいことしか起こらない。
東京在住の女性N様から「お酒飲みませんか」とご連絡をいただいた。宮本武蔵の弟子は、いかなる時も敵と戦える男であるために幼少期から酒をガンガン飲まされた後に稽古を受けていたという逸話を聞いて育った、私の正しい使い方である。三十五歳になるN様は言った。私には軸がない。同年代の友達は卵子凍結とかをしているというのに、私は大阪に暮らしてみたいなと思っている。男とうまくいかないと転職がうまくいく。社会的にちゃんとしている人だと思われたいが、気分いいこともやりたい。ゴミ捨て場みたいな場所で死ぬか、安心安全を得るか。中間はない。どちらにも振り切れないまま、40〜70点の間を行き来する日々だ。N様は、そのようなことを言った。
N様の発言は、全女性の気持ちを代弁しているように思えた。未婚者だろうが既婚者だろうが関係なく、社会的にちゃんとしている人だと思われたい部分と、狂人だと思われてもいいから自分の好きなことをやりたい部分、面白くなければ生きていけないと感じている部分に、この世の女性たちは引き裂かれそうになっている。引き裂かれ具合が面白くて「N様は面白いですね」と言ったら、N様は「え?面白いですか?私はセルフイメージ面白い人になりたいので嬉しいです」と、ちびまる子ちゃんみたいな笑い方をした。めちゃめちゃいい意味で卑しく、陽気な卑屈さを持った人は愉快だと思った。往生際が悪いから、話が面白い。
陽気な卑屈さを持った人の卑怯さは愛くるしい。私みたいな社会不適合者を呼び出して身の上話をする割には、どれだけ「君は素敵だ」と言っても「お前みたいな人間に言われたとて」と、とて感を出す。彼女たちの人生は、私みたいな人間からではなく、国民的な俳優や経営者から見初められた時にはじめて価値を持つように作られている。自分から会いたいと連絡をしておきながら、どれだけ話を聞いても「お前みたいな人間に慰められたとて」と、とて感を出す。この『とて感』が面白い。この『とて感』に、女の卑怯さを感じる。
男にも女にも生存戦略があるから、致し方ないことだ。だが、私に会いたいと思ってしまっている時点で、本当は「面白くなければ生きられない」タイプの人間なのだと思う。面白くなければ生きられないことをわかっているくせに、往生際悪く普通の人生にも憧れているなどと言うところに、愛くるしさを感じる。私にも人並みに悩みはあるなどと言うが、俺には見える。お前の悩みは軽薄だ。ただのお調子者であり、元来、調子のいい人間なのだ。そこがあなたの最大の魅力だと言うのに、ちゃんとしている人だと思われたい願望が自分自身を歪めていて、倒錯的な形になっている。
断言する。あなたは普通の結婚をしても、普通であることに飽きて、すぐに死にたくなるだろう。郊外に家を持ち、週末はイオンで買い物をしてみたいな人生に、微塵も魅力を感じていない。そんな生き方は、生きながらにして死んでいると思うだろう。どうでもいい人から好かれることに命を懸ける人生はゴミだ。真に普通の人間は、私に会いたいと思わない。私はあなたに呪いをかける。つまらなければ死。これが私に会った罰である。精一杯面白く生きて、死ぬ時にああ愉しかったなと言う。これ以外に、我々が目指す境地はない。お互いが人生に行き詰まり、後にも先にも引けなくなった時は、一緒にゴミ捨て場で裸になって抱き合おう。恍惚の笑みを浮かべながら果てよう。
坂爪さん
今日はありがとうございました!!
いま誕生日で憑き物がとれたような気分です
これからの人生
元気に生きていこうと思います!
ヘッセの本、うなぎパイ、ハッピーなサングラスまで、本当にありがとうございます。
またぜひお会いしたいです。
P.S. 餓死しかけたら教えてください
おおまかな予定
4月5日(土)静岡県熱海市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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