過日、Youtuberの暇空茜氏が、私・駒崎弘樹に対する誹謗中傷により、「侮辱罪」で起訴されたことについて、東京地検より通知を頂きました。

ネット上では、私や認定NPO法人フローレンスについて、名誉を著しく傷つける投稿、誹謗中傷等が長期にわたり散見されていましたが、これまで私は、個人への攻撃に対し、できる限り静観してきました。

しかし今回の暇空茜氏のケースは社会通念から見て明確に一線を越えるものであり、個人の尊厳や名誉が損なわれるだけでなく、放っておくことで「ネットで誰かを傷つけても構わない」という社会的な空気が広がることに加担してしまいかねませんでした。

ネット上の中傷で個人の尊厳が無制限に踏みにじられてもなお放置される社会は、健全ではありません。こうしたネット上の誹謗中傷によって命を絶つケースも、残念ながら現に過去何度も起きてしまっています。

だからこそ今回、あえて公的な手続きを通じて、司法に訴える道を選びました。これは、私個人の問題に留まらず、現代社会における「表現の自由」と「人権の尊重」のバランスを問う、大きな社会的な問いでもあると思っています。

SNS時代において、誰もが発信者になれる一方で、発信の影響力と責任もまた、大きくなっています。「自由な言論」は守られるべきです。しかしそれは、「誰かの尊厳を踏みにじる自由」ではないはずです。

私たちは、お互いを尊重し合いながら建設的に対話できる、成熟した言論空間を育てていけると信じています。今回の起訴を通じて、そのような社会の実現に一歩でも近づくことを心より願っています。

認定NPO法人フローレンス 創業者
駒崎 弘樹