直法1-147の謎

直法1-147はプロスポーツチームを所有する親会社への税制優遇で、簡単に言えば所有するプロスポーツチームが出した赤字を補填した場合、その補填分を親会社による「広告料」として親会社の課税対象を減らせ節税になります。
詳細は省略しますが(そもそも説明できるほど知りませんが)、プロスポーツチーム以外に同じ事をしても、節税にはなりません。
1954年にプロ野球にチームに対して国税庁が示した見解が「直法1-147」で、直法1-147は今も有効です。
この直法1-147には有名な論点があります。
「直法1-147の対象はプロ野球だけなのか」
「Jリーグはいつから直法1-147の対象になったのか」
そして自称「国税庁に問い合わせた人」や「国税庁に問い合わせた人の知り合い」のうわさを度々目撃します。
面白いのは「国税庁に問い合わせたら野球だけと答えられた」と「国税庁に問い合わせたら野球以外も該当する答えられた」の両方がいました。
今回「税リーグデマに関して」で直法1-147を取りあげた所コメント欄に色々情報を頂きました。
元の記事内で捌き切れないほどでしたので、もう1つ記事を作ります。

補足
親会社とは簡単に言えばある会社の過半数の株を保有する会社の事です。
プロ野球では広島カープのみが親会社のないチームであり、Jリーグの場合はJ1上位で優勝を争うチームでは親会社のあるチームが多数派ですが、J2やJ3となると親会社のないチームが多数派となります。
親会社のないチームは直法1-147とは無関係です。

まず、直法1-147を見てみましょう。
職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について

一 親会社が、各事業年度において球団に対して支出した金銭のうち、広告宣伝費の性質を有すると認められる部分の金額は、これを支出した事業年度の損金に算入するものとすること。
ニ 親会社が、球団の当該事業年度において生じた欠損金(野球事業から生じた欠損金に限る。以下同じ。)を補てんするため支出した金銭は、球団の当該事業年度において生じた欠損金を限度として、当分のうち特に弊害のない限り、一の「広告宣伝費の性質を有するもの」として取り扱うものとすること。
 右の「球団の当該年度において生じた欠損金」とは、球団が親会社から交付を受けた金銭の額および各事業年度の費用として支出した金額で、税務計算上損金に算入されなかつた金額を益金に算入しないで計算した欠損金をいうものとすること。
三 親会社が、各事業年度において球団に対して支出した金銭を、貸付金等として経理をしている場合においても、当該支出金が二に該当することが明らかなものである場合においては、当該支出をした日を含む事業年度の損金に算入するものとすること。
(後略)

なるべく簡単に説明します。
1は広告費と見なせる出資を親会社は経費にできる(親会社の課税額を減らせる)。
2はクラブの赤字額を限度に親会社の出資を広告費とできる。
3は親会社がすでに貸していたお金を事後的に広告費とできる。
以上が趣旨となります。
また4として1954年にだけ関係する内容もあります。


直法1-147の時系列まとめ

直法1-147に関する出どころが確かな情報を時系列で並べます。

1954年

 直法1-147がプロ野球の親会社への税制優遇として国税庁によって示される
職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について

1993年前後

 川渕三郎氏が国税庁から
「プロ野球球団への親会社の赤字補填のお金が広告宣伝費として認められているのは、国税庁長官の通達でしかない」
「(Jリーグは企業名を名乗らなくても)ユニフォームの胸に企業名でも入れば問題がない」
「ユニフォームのどこかしらに、小さくてもいいから何か出資企業の証になるものを入れてくれれば広告宣伝費として認める」との内容の言質を得る。
川淵三郎 「虹を掴む」(講談社、2006年) 175~176Pより(原文
素直に解釈すればもJリーグの直法1-147の対象とされているとの意味。

1993年~2004年

 浦和レッズが三菱自動車から広告宣伝費という名目で赤字の補填を受ける。(2012年の松本浩明氏の証言

2005年

 プロ野球とJリーグ両方の親会社楽天の三木谷浩史氏が以下の発言。

「野球の球団の場合、税務上、損金を親会社と通算できるんです。たとえば30億円の赤字があったとしても、それは親会社の広告宣伝費として計上していいという、特例が認められています。サッカーはそれが認められておりません。ですから、サッカーは赤字になると赤字がそのまま残ってしまうのですが、ほとんどのチームは親会社の胸のスポンサーシップの金額で調整しているのです。」

トップスポーツビジネスの最前線-スポーツライティングから放映権ビジネスまで 講談社 117P

前段は直法1-147が適用されていないと読め、後段は直法1-147が適用されていると読める。

2010年

 横浜マリノスは少なくともこの年まで親会社からの宣伝広告費名目の赤字補填を受けていた。(嘉悦朗氏の2013年の証言

2015年

NumberでJリーグのクラブは多くが親会社(責任企業)が存在し、赤字となれば、親会社が広告宣伝費としてその赤字を補填することが習慣的に行なわれると報道される。

2020年

 5月にJリーグが国税庁に直法1-147に関して問い合わせ、Jリーグも対象との答えを得る。
基本的に1954年の直法1-147と同様の内容。
Jリーグの当事者の発言も公開される。
2020年度 第5回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

2021年

Bリーグが2020年のJリーグの問い合わせの「Jリーグ」を「Bリーグ」に置き換えても問題ないか国税庁に確認。国税庁は「問題なし」と答える。
税務の「プロ野球特例」をBリーグに適用

2023年

 サッカーライターの宇都宮徹壱氏

「ちなみにプロ野球の球団に対しては1954年に国税庁通達がなされている。これは親会社が、年間に何度拠出しても上限を問わず、すべて損金算入を認めるというものだった(戦後のプロ野球は、この制度が発展の礎になったと言われている)。
 他方、これまでJリーグクラブには、これが認められていなかった。」

『異端のチェアマン 村井満、Jリーグ再建の真実』

2024年

木村正明元専務理事が以下のインタビューに答える。

悲願のJ1昇格、岡山・木村正明オーナーが振り返る社長時代
--そこで木村さんは、Jクラブの親会社が赤字補填のため捻出した協賛金の税制優遇措置を国税庁に認めてもらえるよう努力したそうですね。
木村:そうですね。これはプロ野球球団だけに認められていたんですが、コロナ禍に打診したことでJリーグクラブに適用されることになりました。

こんな所です。

謎なのは明らかに内部事情の知る立場の人間で「Jリーグは直法1-147の対象であったか」という部分の見解が分かれてる事です。
三木谷氏の前段と、宇都宮氏と、木村氏の2024年のインタビューを除けば「Jリーグは直法1-147の対象であった」と認識して良い内容ですが、木村氏は2020年の国税庁への問い合わせの当事者です。

論点整理

最大の肝は川淵三郎氏の「虹を掴む」での証言ですね。

もう少し長く引用します。

川淵三郎 「虹を掴む」(講談社、2006年) 175~176P
第5章 竜虎相博 球界のドンvsチェアマン―読売グル―プとの暗闘
渡邉さんによって磨かれた理論武装
 税金問題にしてもそうだ。渡邉さんはプロ野球のようにチーム名に出資企業の名前を付けることにこだわるあまり、チーム名に出資企業名が付かないと、その企業からクラブへの赤字補填のお金が広告宣伝費として損金扱いされないと主張した。これも全くの誤解。渡邉さんとは逆に、チーム名から企業名をはずすことにこだわっていた私はJリーグを立ち上げる前からこの件について国税庁に相談を持ちかけていた。そしてプロ野球球団への親会社の赤字補填のお金が広告宣伝費として認められているのは、国税庁長官の通達でしかないことを教えてもらっていた。その通達は当時プロ野球チームを所有していた映画会社や鉄道会社からの陳情を受けて昭和29年8月10日ぐらいに出たもので、それが今に生きているということだった。
 われわれは、Jリーグではチーム名から出資企業名を外したい、それでも出資企業から受け取るお金を広告宣伝費として認めてほしいとお願いした。すると国税庁は「ユニフォームの胸に企業名でも入れば問題がない」という。が、名古屋グランパスエイトをサポートするトヨタ自動車や鹿島アントラーズをサポートする住友金属は「そんなケチな真似はしたくない。うちは企業メセナ的な発想でやるのだから」という考えだった。それで「胸に企業名を入れないクラブもある」と答えたら、「それならユニフォームのどこかしらに、小さくてもいいから何か出資企業の証になるものを入れてくれれば広告宣伝費として認めましょう」と言ってくれた。それで名古屋や鹿島はリーグ開幕当初、非常に小さなマークをいやいやながらユニフォームの袖に入れていたわけである。「何も入れたくない」というトヨタ自動車や住友金属に「頼むからマークを入れてくれ」とお願いしたのはこちらだったのである。この件に関する渡邉さんのJリーグ批判は、そういう過去の国税庁のやり取り、出資企業とのやり取りを全くご存じなかったのだと思う。

慎重に読みといていきます。
まず「渡邉さん」で渡邉恒雄氏で間違いないですね。
渡邉恒雄氏は「読売ヴェルディ」なら直法1-147の対象になる一方で、「ヴェルディ川崎」では直法1-147の対象にならないと認識(あるいは主張)していたと言えます。
川淵三郎氏が国税庁に相談をしたのは、上記の事への反論ではなかったと読み取れます。
国税庁は川淵三郎氏にプロ野球球団への親会社からの赤字補填が広告宣伝費として認められているのは、(法律ではなく)国税庁長官の通達である事を教えます。
この「国税庁長官の通達」が直法1-147である事も間違いないですね(違うのなら直法1-147に類似したもう1つの通達が存在する事になります)。
川淵三郎氏の国税庁への要望は「出資企業から受け取るお金を広告宣伝費として認めてほしい」です。
「赤字」が「出資企業から受け取るお金」に差し替っていますが、プロスポーツチームの親会社からの収入を親会社の広告宣伝費として認めて欲しいという意味です。
「出資企業から受け取るお金」が「赤字」を上回らない限りは直法1-147そのものの意味になります。
国税庁は「ユニフォームの胸に企業名でも入れば問題がない」と答えます。
トヨタと住友金属はユニフォームの胸に企業名を入れない事を希望していました。
それに対して国税庁は「ユニフォームのどこかに、小さく企業名を入れれば広告宣伝費として認める」と答えます。
国税庁は「ユニフォームのどこかに、小さく企業名を入れれば出資企業から受け取るお金を広告宣伝費として認める」と言った事になります。

まとめると川淵三郎氏はネーミングライツ(に相当する事)なしでも直法1-147の対象にしてほしいと希望して、国税庁はユニフォームに広告を入れれば直法1-147の対象になる、と答えた事になります。
このやり取りにおいて「出資企業から受け取るお金を広告宣伝費として認める事」が直法1-147以外の意味である、とする合理的な説明は思いつきません。

浦和レッズと横浜マリノスで赤字補填を親会社の広告宣伝費とする手法が取られていた事を内部関係者が明らかにしています。
三木谷氏はプロ野球と違うという前置きをしながら、川淵三郎氏が国税庁に確認した通りの手法が「ほとんどのチーム」で行われていたと証言しています。
前述のとおり川淵三郎氏が国税庁に確認した事は「Jリーグも直法1-147の対象になる事」そのものですので、三木谷氏の発言の後半部分はここまで出てきた事と矛盾しません。
三木谷氏が何か勘違いをしていたのか、直法1-147以外の論点に言及していたかでしょう。

と、2020年までは辻褄があう事ばかりです。

次はもう1つの肝、2020年問い合わせについて見ていきましょう。
木村正明氏の質問はこちらです。

(前略)
そこで、親会社がJリーグのクラブ経営の赤字補填のため、自己の子会社等であるクラブ運営会社に対して金銭の支出等をした場合の税務上の取扱いについて、下記のとおり解して差し支えないか照会いたします。
1 自己の子会社等であるクラブ運営会社に対して支出した広告宣伝費等の取扱い
親会社(直接の親会社だけに限らず、例えば、親会社と同一の企業グループに属する関係会社やスポンサー企業で、当該クラブの事業活動を通じて広告宣伝効果を受けると認められるものを含みます。)が、各事業年度において自己の子会社等であるクラブ運営会社に対して支出した金銭の額のうち、広告宣伝費の性質を有すると認められる部分の金額は、これを支出した事業年度の損金の額に算入される。
2 親会社がクラブ運営会社の欠損金を補てんした場合の取扱い
親会社が、クラブ運営会社の当該事業年度において生じた欠損金(Jリーグに関する事業から生じた欠損金に限ります。)を補填するため支出した金銭の額(既に貸付金等として経理していた金銭の額を含みます。)は、クラブ運営会社の当該事業年度において生じた欠損金額を限度として、特に弊害がない限り、広告宣伝費の性質を有するものとして取り扱われる。
(後略)

なるべく簡単に説明します
1 広告費と見なせる出資を親会社(関連会社含む)は経費にできる(親会社の課税額を減らせる)。
2 クラブの赤字額を限度に親会社の出資を広告費とできる。
(親会社がすでに貸していたお金を事後的に広告費とできる)
1954年版ではこの()内が独立して3を形成しています。

国税庁の答えは「あなた(木村正明氏)の考えで大丈夫です」と要約できます。
1954年の直法1―147原文には「左記のとおり定めたから、これにより取り扱われたい。」と新たな取り決めである事が明記されていますが、2020年の方は木村理事の質問を見ても国税庁の答えを見ても何か新しい事が決まった趣旨は読み取れません。
「これで良いですか?」「良いですよ」というやり取りです。
額面通り受け取れば、川渕三郎氏の問い合わせと差異はなく、1993年頃に川渕三郎氏が確認した事を再確認した事になります。

木村理事と村井チェアマンの発言をもう少し引用します。
2020年度 第5回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

A:木村専務理事
ところが、今回の新型コロナウイルスの影響で試合数が減った場合に、それは広告価値が減るとみなされ、税金を払った後に課税されるという税優遇が認められない可能性が生じてしまうため、これをどう考えればいいのかということを、スポンサー保護の観点で国税庁と話をしていました。
A:村井チェアマン
二つの話がありました。一つは試合が当初の契約通りにいかなかった場合、行われなかった部分は損金として参入されずに寄付として扱われるとさらに税金がかかってしまうことになりますが、これは寄付扱いではなく損金算入になるという解釈になりました。
今まではどちらかというとスポンサーを担当される税理士によって解釈が分かれるところもありましたが、改めて今回すべてのスポンサーに共通の解釈が通達されたと理解しています。

Jリーグが懸念していたのは、「コロナ禍で試合が出来ない事で、ユニ広告の広告価値が認められずユニ広告の広告価値を前提とした赤字補填が広告費として認められないかも知れない」という事のようです。
プロ野球ならネーミングライツですので、試合をしなくても宣伝効果がある一方で、胸広告では試合がなければ「広告価値がないではないか」と指摘される事を懸念していたという意味なら色々意味が通ります。

直法1-147も宣伝効果がない事が明白な赤字補填は認めていない(とJリーグが解釈)

プロ野球 ネーミングライツなのでチームが存続する限り宣伝効果がある

Jリーグ ユニ広告なので試合をしないと人目に触れず宣伝効果がない

この違いを懸念して国税庁に問い合わせた所、「プロ野球と同じ」との結論に達した

これなら「プロ野球と違っていた(とJリーグが認識していた)事が、同じであった」という事になり、全体で話が通ります。

木村理事の発言をもう少し引用します。
2020年度 第5回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

例えば、1年の間に親会社がスポンサー料を追加した場合、寄付金、損失補填に見られかねませんが、その場合でも親会社の損金算入が認められるということや、親会社がクラブにお金を貸した場合、またそのお金をクラブが使った場合に、使ったお金を返さなくても親会社の損金に認められるという税優遇がプロ野球にはありました。

こちらはすこし理屈が通りません。
後段は直法1-147の3の事ですが、川渕三郎氏の著書とこの発言が両方正しければ、国税庁は川渕氏に「直法1-147の1と2は良いけど3はだめ」と言った事になり木村氏には「直法1-147の3も良いよ」と言った事になります。
私は税法は全く詳しくないですが、「Jリーグは職業野球ではないので直法1-147の対象ではありません」ならわかります。
しかし、1993年時点で直法1-147の3はだめとして2020年に3を規制緩和したという経緯が事実である根拠がわかりません。

前段は、プロ野球は事後的に赤字を補填した時に確定した親会社の出費を親会社の広告費とできる一方で、Jリーグはあらかじめ広告費の額を確定させる必要があり、予想を超えて発生した赤字は直法1-147の対象にならないという意味でしょう。

松本浩明氏の発言を引用します。

私たちも92年の発足当時から2004年までは、三菱自動車から広告宣伝費という名目で補填していただき、プラスマイナスゼロの運営を行っていました。

浦和レッズがあらかじめ赤字額を正確に予想できていたからプラスマイナスゼロの運営が出来たのか、プロ野球と同じ様に事後的に広告費を確定できるのでプラスマイナスゼロの運営が出来たのか、と考えると後者である可能性が高いでしょう。
プロスポーツチームの経営は不測の事態に大きな影響を受けます。
該当期間の浦和レッズについて言えば、所属する小野伸二選手が膝の靱帯断裂をしてしまうというアクシデントに見舞われた事もあり、逆にその小野伸二選手が見事な復活を遂げ、オランダのフェイエノールトに移籍して、移籍金を浦和レッズに残す結果となった事もありました。
その上で「プラスマイナスゼロの運営を行っていた」のなら事後的な赤字補填も広告費とする直法1-147の対象であったと推察されます。
また前述の嘉悦朗氏を取材した木崎伸也氏は同じ記事の中で以下の様に述べています。

マリノスは、なぜ好調なのに“赤字”なのか

この改革請負人は、親会社を持つクラブの“タブー”にもメスを入れた。これまで大企業を親会社に持つJリーグのクラブでは、たとえ赤字が出ても、親会社から宣伝広告費として追加出資してもらい、最終的に帳簿上はプラスマイナスゼロにすることが慣例になっていた(もちろんすべての経営者がそうではなく、犬飼基昭は浦和レッズの社長時代、三菱自動車からの赤字補填をストップした)。

内部関係者の証言ではありませんが、クラブを持つ親会社は直法1-147を利用して追加の赤字補填が宣伝広告費と認められていたと理解できます。

2020年度 第5回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録を精査しても「従来Jリーグは認められていなかった」「従来国税庁は認めていなかった」とする部分はありません。
村井チェアマンの発言は「改めてJリーグも同じ解釈をいただき、解釈が分かれていたものが統一されました」です。
この発言と川渕三郎氏の証言からすれば、Jリーグが国税庁に求めたのは「再確認」となります。

注意
「直法1-147の3(借金の広告費化)」と「追加の赤字補填」を区別せずに書いていましたので、訂正しました。

まとめ

一連のすべての発言や記録を額面通り受け取ればこうなります。
国税庁は「Jリーグは直法1-147の対象である」
川渕三郎氏は「1993年頃にJリーグが直法1-147の対象であると国税庁に確認した」
木村正明氏は「2020年にJリーグが直法1-147の3の対象であると国税庁に確認した」
そして木村正明氏の発言や2024年のインタビューを拡大解釈して「Jリーグは2020年まで直法1-147の対象ではなかった」と主張していれる方がいる。
以上になるでしょう。

さて今回の内容は、コメント欄に情報を提供して下さった方々のお陰です。
感謝を致します。

また税リーグデマに関してでの村井チェアマンの発言への解釈は不正確であった事をお詫びします。


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コメント

6
アッシー
アッシー

国税庁が変わってないもう一つの論拠として
1954年は「通達」で2020年は「回答」だということです

1954年(昭和29年) 直法1-147 国税庁長官から国税局長への通達
2020年 Jリーグ(木村氏)からの問い合わせに対する国税庁からの回答

税務処理の考え方を変える必要があったための「通達」
(税務処理に関することなので送受信先にプロ野球球団が関係してない)

以降それを変えるよう新たな法律や通達が無いのであれば
国税庁の税務処理としては何も変わってないので「回答」
(問い合わせへの回答なので送受信先に国税局が関係してない)

アッシー
アッシー

最後になりますが
プロスポーツチームへ支出した金銭を「広告宣伝費」とする税制優遇措置はそのプロスポーツチームが努力して価値を示した結果
そしてプロスポーツリーグ全体で勝ち取ってきたものではないでしょうか?
そして異なる競技だからと競合するものでもないプロスポーツ界全体で今後も発展させていくもの

昭和29年に「職業野球団」へ一足先に適用されたからと言って
「プロ野球だけが長年優遇されていた」などと批判するのはお門違いも甚だしいと思います


長文失礼いたしました

Vikings
Vikings

コメントありがとうございます
「Jリーグは税制優遇を受けているから税リーグ」というのはストローマンの一種で、直法1-147は親会社との関係が論点でしょうね
Jリーグが始まった頃ははたしかエスパルスだけが親会社のないクラブであった一方、今は3分の2が親会社のないクラブですから、Jリーグが変化したのはその通りです
ご指摘の2020年に直法1-147の対象の拡大があったのかどうかは、難しい所ですね
その事に触れた信憑性の高い証言でもあれば良いのですが

アッシー
アッシー

直法1-147は何も変わってないしこれからも変わらないと思います

個人事業主が「経費と思って申請したけど経費と認められなかった」と言っている話をよく聞くように
スポーツチームに対し実質的には損失補填として支出した金銭に広告宣伝の性質があるかどうかは国税庁の判断一つだと思います
そこに明文化した基準などを設けてしまうと解釈を巡って混乱することは目に見えてます

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