• ご質問ありがとうございます。多分問題文にある「熱的死」とは、宇宙が膨張をし続けて、素粒子の密度分布が極めて薄くなることを指されているのではないかと思われます。もし仮に量子力学という理論が、超高エネルギー(具体的にはプランクエネルギー以上の高エネルギー)の領域まで正しいとしますと、量子情報は保存され続けると考えられます。実験や観測で量子力学が検証されているのは、このプランクエネルギーよりはるかに低いエネルギー領域に過ぎません。ですから、もしかしたらプランクエネルギーを超えたエネルギー領域では、量子力学が破れている可能性も実際にあるのです。今のところ、そんな超高エネルギー領域を気にしなくても、低エネルギー領域での実験結果は全て量子力学と予言と整合をしているので、問題視する必要はありません。そして、その低エネルギー領域では、量子情報の保存則を意味する量子力学のユニタリー性もちゃんと成り立っています。ところが、未来永劫膨張し続ける宇宙では、エネルギーの高い波長の短い電磁波などの振動も、どんどんとその波長が延ばされて、その振動のエネルギーは小さくなり、赤外領域以下までになります。超高エネルギーであり得る量子力学の破れも、宇宙膨張にしたがって、低エネルギー領域にまで降ろされてくることになります。その場合には、量子力学の破れが低エネルギー物理に出現する可能性が残されています。なお最近では、「宇宙は常に量子情報を保つはずだから、超高エネルギー領域の変な効果が低エネルギー領域に出ない程度にしか宇宙は膨張しない」という仮説も出されていたりします。ご参考になれば幸いです。

    2日(2日更新)
堀田昌寛さんの過去の回答