「投資」も「相場」も最後は「人間性」-「トランプ2.0危機」が示唆するもの
トランプ大統領: "米経済は「過渡期」にある"
"Tariff Man" は方針を変えるつもりはないようだ。これを受けて米株式市場は続落。パウエルFRB議長が否定したにも関わらず、米国債も年前半の▼0.50%「利下げ」を織込みにいっている
ご本人は「トランプ1.0」の政策をなぞる意識しか無いのかもしれないが、 "Tariff Man" (関税男)の泣き所 - "Deal" の落とし所はどこにあるのか|損切丸 で例示 ↓ したように、経済環境が大きく変っている
問題なのは ”首に鈴を付ける” ブレインが乏しいこと。まああの過酷な米大統領選を2度も勝ち抜いて再登板したのだから、周りが ”イエスマン” だらけになるのも致し方ない。日本に例えれば、この「インフレ」「円安」環境下で「XXノミクス」を再開するようなもの。上手くいくはずがない
最も冷静に「お金」の面だけ見れば、やはり 「大借金」の後始末 - ”株帝国” アメリカと「関税」≓「消費増税」|損切丸 は無視できない。利払いだけで年間▼200兆円もあっておまけに2025年は米国債の借換が9兆ドルもある(全体34兆ドルの約26%)。毎年債務上限問題が出ては解消され "恒例行事" のようになっているが、段々 "リアル" になりつつある。MMT信者の主張通り「お金」を刷りまくった結果がこれ。日本も同様だ
”お前はどうするんだ。まだ頑張るのか、それとも(損)切るのか!”
「欧州通貨危機」(1992)とか「リーマンショック」(2008)とか散々痛い目にあってきた「損切丸」。目の前で▼何億円も消えていく中、いつもマーケットにこう問い詰められてきた。頑張った時もあるし「損切り」してドテン(ポジションを逆にひっくり返す)もあった。背中から 冷や汗が垂れながら思ったのは、いついかなる時でも「相場」には「売り」と「買い」しかないこと。自分が「損」しているかどうかなんてマーケットには関係なく、「正しい売買」のみが己を救う。「損を取り返そう」などと努々思うなかれ
米国を中心に10兆円を超える「外国株投資」に動いている「新NISA」もそろそろ冷や汗が出てくる頃だろうか。家計の事情もあるがこういう局面で最終的に問われるのは「人間性」≓ 自分は一体どんな人間なのか。①さっさと逃げるのか②体を捩りながら堪えるのか、或いは③横を向いてしまうのか
最も危険なのが③横を向いてしまう。「相場」を見なくなれば売り買いの判断が出来なくなる。「日経平均」も1989年末「大納会」での史上最高値@38,915円87銭(終値)に戻すまで30年以上もの月日がかかった。その間 "塩漬け" になった株は所謂 "Dead Stock" (株式市場を Stock Market というからなんたる皮肉)、平易な言葉で言えば「不良債権」化した。「ゼロ金利」政策もあって「お金」は何も生み出さなくなった
現在は少し状況が違う。株を「損切り」しても@4%台の米国債、あるいはJGB(日本国債)も@1%を超えている。JREITに至っては@5%を超えている(除.分離課税▼20%)。高配当株を中心に持っている投資家ならそのまま持ち続ける選択肢もあろう
昨年高値の@42,000円から▼6,000円近く下がってしまった「日経平均」も「ドル円」を加味した「ドル建日経平均」で見ると@240~250ドルのレンジ内の動き ↓ ”投資価値” にはそれ程大きな変動はない。頭を冷やす材料の一つにはなる
怒りに任せて動いていた "Tariff Man" ≓ "Mad Man" も "Crazy Guy" (おかしい奴)ぐらいには ”格下げ” (?)になっただろうか。マーケットの圧力で若干変化しつつある
それにしても今回際立つのはヨーロッパの老獪さ。さすが「100年戦争」や先の世界大戦をくぐり抜け、しかも自国が戦場になった猛者ばかり。*一度も本土で「戦争」(除.内戦)になった事がないアメリカとは年季が違う。今度の「停戦」「関税」騒ぎもちゃっかりビジネスチャンスに繋げようとしている。まあそれもこれもドイツを中心に財政支出を抑えてきて「お金」に余裕があるからこそ成せる技。ここで一気に勝負に出た
*本土が外国に攻められた例としては唯一「9.11」(2001)がある。「湾岸戦争」(1991)が導火線になっているが、筆者はあれがアメリカ凋落の引き金になったと見ている。 ”大量破壊兵器” などと難癖をつけて起こした「イラク戦争」(2003)で ”アメリカ不信” が決定的に。今に至っている
もっともあの国は「南北戦争」(1861~65)で "わざと" 北軍劣勢を演出して株価を下落させ、”底値”を拾ったユダヤ資本が莫大な財をなしたという話がある。 マーケットでは必ず「逆」をする奴が出て来る - 結局この世は「ゼロサムゲーム」|損切丸 今回も壮大な "やらせ" の可能性も否定できない。繰り返しになるが「相場」は「売り」か「買い」の2択。どんな時も「正しい取引」をした者だけが生き残る「ゼロサムゲーム」だ。自分がどんな人間なのか。自問しながら「相場」に臨んで欲しい



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