数日前から集まっていた「親パレスチナ」のデモ隊には、環境活動家のグレタ・トゥンベリも参加していたが、BBCは、11日午後に警察とデモ隊が衝突した際に、グレタ・トゥンベリがスウェーデン警察によって逮捕されたと報じた。
グレタ・トゥンベリは、「集団虐殺を行うイスラエルを参加させるユーロビジョンは言語道断で許しがたいことだという考えを示すためここに来た」という声明を発表していたという。
グレタといえば、ニューヨークで開催された「国連気候アクションサミット2019」で演説をし、一躍有名になった少女だ。
当時、グレタは国連での演説のために、ヨーロッパからアメリカまで、CO2を排出しないヨットを使い、大西洋を横断したことでも話題になった。
この時、使用したヨットは、フランス・ロスチャイルド家のエドモン・ド・ロスチャイルドがドイツの実業家ガーハード氏に譲渡したもので、航海でヨットを操縦したうちの一人は、モナコ公国のレーニエ3世とグレース・ケリーの孫ピエール・カシラギだった。
グレタ・トゥンベリの環境活動は、ロスチャイルドの身内で固められていることが知られているが、実はグレタ自身もロスチャイルド一族だ。
ロスチャイルドといえば、グローバリスト中のグローバリストといえる一族だが、グレタの曾祖父、ヨアヒム・ロスチャイルド・トゥーンベリは、英国ロスチャイルド家第2代当主ライオネル・ウォルター・ロスチャイルドの婚外子で、その後、正式に認知され、2歳の時に実父の養子となった人物だ。
それにしても、環境活動家であるグレタが、なぜ「親バレスチナ」のデモに参加しているのか、不思議に思う人もいるだろう。
が、これもロスチャイルド一族としての活動の一貫に他ならない。
元々、英国ロスチャイルド家は、英国のユダヤ人に反シオニズム組織を創設させるなど、「反シオニズム」の立場をとっていた。
国境の概念を越えて国際金融を操るロスチャイルド家にとって、国家や国境をつくろうとするシオニズムは、彼らの掲げるグローバリズムとは、
本質的に真逆のイデオロギーだからだ。
グレタの曾祖父の父ウォルター自身は、そんな英国ロスチャイルド家の中では珍しく、親シオニズム派だったが、シオニズム運動に熱心だったわけではない。
ここで、イスラエルはロスチャイルド家が資金提供してつくった国じゃなかったのか?という疑問を持つかも知れない。
実は、当初、シオニズムを擁護し、入植を支援していたのは、フランス・ロスチャイルド家のエドモン・ド・ロスチャイルドであり、ロスチャイルド家そのものという訳ではなかった。
エドモン・ド・ロスチャイルドが、シオニズムに加担していくきっかけとなったのは、1883年以降、帝政ロシア、ルーマニアでのユダヤ人迫害によりパレスチナに逃れ、入植しはじめたユダヤ人コミュニティに対して、資金援助を行うようになったことだった。
このことについて、ハイファ大学のヨッシ・ベン・アルツィ教授は、「エドモン男爵は元々シオニストではありませんでしたが、最終的にはパレスチナでの初期シオニズム運動に全面的に加担することになります」と語っている。
エドモンが1934年に死去するまでに、パレスチナに投じられた資金は、当時にして総額1200万~1800万フラン(約20~30億円)にのぼるという。
その後、1917年になり、第一次世界大戦の戦費捻出に駆られた英国は、ユダヤ人大富豪のロスチャイルド家に対して、融資と引き換えに、ユダヤ人国家の建国を支持する「バルフォア宣言」を発表したが、これ以降、1948年5月にイスラエルが建国されると、ロスチャイルド家は資産の大部分をイスラエル国家に寄付することになる。
なお、エドモンはイスラエル内のカイサリアの開発を引き続き、積極的に推進していった。
水道網、医療、学校、シナゴーグなどの建設に資金援助し、様々な開発計画を指揮する監督者を現地に送り込んだ。
その結果、カイサリアは急速に発展していった。
1962年にカイサリアの所有名義人が「エドモン・ド・ロスチャイルド財団」に移管されると、その新組織の50%をイスラエル国が所有することになった。
その際、カイサリアから生み出された全利益をイスラエルの高等教育を支援するプロジェクトに提供するかわりに、イスラエル国は財団に対し、税の全額控除を認めるという取り決めが行われた。
ところが、1980年代以降、税の全額控除をめぐり、財団とイスラエルの関係は緊張しはじめる。
イスラエル側は、ロスチャイルド財団はあまりにも多くの資産を貯め込んでおり、社会に充分還元していないと主張するようになったからだ。
そしてついに1989年、イスラエルの財務相シモン・ペレスと、エドモン・ド・ロスチャイルドの間で協定が結ばれた。
財団は、投資によって得た利益の3分の2を、毎年、イスラエル国に寄付という形で支払うこと、国側は財団への税控除を継続し、税控除は長期的なものとすることを、法律で明文化するよう推進するという内容だった。
が、その後、この法案が可決されることはなかった。
イスラエルの政権は、格差の広がっているイスラエル国内において、ロスチャイルド財団のために税控除法案を国会に提出しようとしなかったのだ。
これ以降、エドモンの功績は過去のものとなる。
2004年、イスラエルとロスチャイルドの争いはさらに激化した。繁栄するカイサリアに対し、政府はあらためて税控除を廃止しようと動きはじめたのだ。
現在、カイサリアは依然として私有都市だが、税の控除をめぐり、ロスチャイルド財団とイスラエル政府の軋轢の種となっている。
フランス・ロスチャイルド家は、エドモンの功績であるカイサリアの地位を守るため、資金投入を継続してはいるものの、エドモンの唯一の直系の子孫、バンジャマン・ド・ロスチャイルドとイスラエル政府との関係は冷えきっており、2007年以後、パンジャマンは一度もイスラエルを訪れていない。
そんなフランス・ロスチャイルド家がイスラエルの首相ネタニヤフと熾烈な戦いを繰り広げるようになったのは、2011年3月11日、東日本大震災で、ネタニヤフの実働部隊であるマグナBSP社がマルウェアを使い、福島原発のシステムを遠隔操作し、爆破させたことに端を発する。
その結果、世界中で反原発運動が起き、ヨーロッパを中心に、原発を廃炉にする動きが盛んになり、原子力利権を握ってきたロスチャイルド家は大損害を受けた。
それ以降、ロスチャイルド家は、ネタニヤフ政権のイスラエルを孤立化させるため、周辺のアラブ諸国との連携を深め、親パレスチナの立場を明確にするようになった。
グレタが「親パレスチナ」デモに参加し、イスラエルに対して抗議活動しているのは、ロスチャイルド家のこうした事情があるからなのだ。
ちなみに、日本はイスラエルのネタニヤフだけではなく、第二次世界大戦では、原爆製造を監督・資金援助し、OSS(現CIA)に情報提供した、英国ロスチャイルド家の第3代当主でMI5危機監理官
だったビクター・ロスチャイルドをはじめ、ロスチャイルド家からも甚大な被害を被っている。
フランス・ロスチャイルド家の第4代当主ギー・ロスチャイルドは、原爆の威力を目の当たりにし、ビジネスにしようと試みるも、思った程の利益にならなかったため、平和利用と称し、その後、原発ビジネスの分野に乗り換え、原子力利権屋となったという経緯がある。
東日本大震災前まで、狭い日本に54基もの原子力発電所が設置されていたのは、時の自民党政権(ここでは敢えて名前は出さない)が、フランス・ロスチャイルド家と直接取引したからだ。
過去から現在にいたるまで、こうした輩から、何度も「核」で攻撃され、さんざんな目に合ったことも、我々日本人は知っておく必要があるだろう。