歴史系図トリビア　返り咲いた大友皇子の血脈　子孫は一条天皇と藤原道長！？

みなさんこんばんは(´Д` )。

本日は歴史好きなぶたさんの大好物！

楽しい歴史系図でございます(´Д` )！

ぶたさんは歴史上の人物の系図がとにかく好きなんです。

はい(´Д` )。

今回は「返り咲いた大友皇子の血脈」ということで、壬申の乱で敗れて自害した大友皇子の子孫について追っていきたいと思います。

大河ドラマ「光る君へ」ですっかりお馴染みとなった一条天皇と藤原道長にも言及しますので、よろしくお願い致します。

大友皇子は天智天皇の第一皇子で、母は伊賀宅子娘です。

壬申の乱で叔父の大海人皇子（天武天皇）と戦って敗れ、自害しました。

長らくその即位は認められていませんでしたが、明治になって弘文天皇の諡号が贈られました。

大友皇子の妃は、叔父であり壬申の乱で戦った天武天皇の娘・十市皇女でした。

十市皇女の母は万葉の女流歌人として名高い額田王です。

大友皇子と十市皇女はいとこ婚となり、二人の間には葛野王という息子がいました。

大友皇子は自害しましたが、十市皇女と葛野王は生き残り、血脈を後世に伝えました。

大友皇子と十市皇女夫妻の曾孫には、奈良時代の学者・淡海三船がいます。

淡海三船は歴代天皇の漢風諡号を撰進し、また『唐大和上東征伝』を著したとされ、漢詩集『懐風藻』の撰者であるとも言われています。

淡海三船の娘、すなわち大友皇子と十市皇女の玄孫は橘島田麻呂の妻となり、橘常主を生みました。

よって、橘氏のうち、この常主の系統は大友皇子と天武天皇双方の子孫ということになります。

橘常主の玄孫、すなわち大友皇子・十市皇女夫妻の9世孫に当たる橘厳子は、藤原中正の妻となって時姫を生みました。

藤原時姫は藤原兼家の妻で、道隆・超子・道兼・詮子・道長の母です。

そうです(´Д` )。

藤原氏の摂関政治の全盛期を築いた藤原道長は、なんと母方から大友皇子と天武天皇の血を引いていたのです。

びっくりですね(´Д` )。

同時に道長は十市皇女の母、万葉歌人の額田王の子孫でもあります。

藤原道長が大友皇子・天武天皇の子孫ということは、道長以降の摂関家もまた子孫ということになります。

藤原摂関家に大友皇子と天武天皇の血脈が受け継がれていったのはすごいですね(´Д` )。

もちろん、道長よりも先に摂関になった道隆・道兼もまた大友皇子・天武天皇の子孫です。

藤原時姫と兼家の次女・詮子は円融天皇女御で一条天皇の母となりました。

一条天皇もまた、母方から大友皇子・天武天皇そして額田王の血を引いていたのです。

一条天皇は現在の天皇家の直系祖先です。

一条天皇の即位は系図上の画期でした。

前述のように、天智天皇の第一皇子であった大友皇子は壬申の乱で天武天皇に敗れて自害します。

以降、皇位はいわゆる天武系に受け継がれていきました。

光仁天皇からは天智系の天皇となりますが、光仁天皇は天智天皇の孫ではあっても、施基皇子の子であり、大友皇子の子ではありません。

一条天皇は女系とは言え、歴代の中で大友皇子の血を引く初めての天皇でした。

失われし近江朝、大友皇子の血脈が一条天皇の代で返り咲いたというわけです。

なお次代の三条天皇は一条天皇の従兄ですが、彼もまた時姫の娘・超子を母としているため、大友皇子・天武天皇の血を引きます。

壬申の乱の主役たちと一条天皇・藤原道長の系図をまとめました。

一条天皇以降の天皇家、そして藤原道隆・道兼・道長以降の摂関家が壬申の乱で争った大友皇子と天武天皇双方の血を引いていたというのはすごいですね。

しかも万葉歌人の額田王の子孫でもあったとは驚きです(´Д` )。

以上、返り咲いた大友皇子の血脈ということで一条天皇や藤原道長に至るまでの系図を紹介しました。

天武天皇の子孫に関しては、天武系の天皇がいますし、清少納言の清原氏や文室氏・高階氏（途中の系譜に諸説あり）などの後裔氏族がいますが、大友皇子の子孫は葛野王・淡海三船以外はあまり聞かないので、今回取り上げてみました。

浪漫ある系譜でしたね(´Д` )。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

※この系図の作成にあたり『尊卑分脈』の他に以下を参照しました。

・角田文衞監修、古代学協会・古代学研究所編『平安時代史事典　上』角川書店、1994

・小和田哲男監修『日本史諸家系図人名辞典』講談社、2003