吉本興業所属タレント6人書類送検 オンラインカジノで賭博疑い

吉本興業に所属するタレント6人がオンラインカジノで金を賭けていたとして、警視庁は3日、賭博の疑いで書類送検しました。

捜査関係者によりますと、書類送検されたのは、吉本興業に所属する
▽「ダイタク」の吉本大さん(40)
▽「9番街レトロ」のなかむら★しゅんさん(31)
▽「ダンビラムーチョ」の大原優一さん(35)
▽「ネイチャーバーガー」の笹本はやてさん(33)
▽「プリズンクイズチャンネル」の竜大さん(31)と最強の庄田さん(35)の合わせて6人です。

警視庁によりますと、6人はおととし1月から去年12月にかけて、スマートフォンなどからカジノサイトにアクセスし、金を賭けたとして賭博の疑いがもたれています。

起訴を求める「厳重処分」の意見を付けたということです。

匿名の情報提供を受けて、警視庁はことし2月以降、複数の所属タレントから任意で事情聴取を行うとともに、スマートフォンを解析するなどして捜査を進めていました。

6人の中には、2年半で5000万円以上を賭けて、収支がおよそ1200万円のマイナスになったケースがあったほか、オンラインカジノなどが原因で、数千万円の借金を負ったタレントもいたということです。

6人はいずれも容疑を認めたうえで、「YouTubeなどを見て興味を持った。オンラインカジノは“グレー”だと思っていた」などと話しているということです。

一方、「令和ロマン」の高比良くるまさんは、2020年末ごろまでの1年間ほど、オンラインカジノを利用していたことを認めて謝罪し芸能活動を自粛していますが、今回、書類送検の対象には含まれませんでした。

警視庁は「6人については、法と証拠に基づき、時効が成立していないことを確認して立件した」としています。

吉本興業「関係者 ファンの皆さまにお詫び 再発防止に取り組む」

吉本興業は「世間をお騒がせしましたこと、関係者、ファンの皆さまにご迷惑・ご心配をお掛けしたこと、お詫び申し上げます。引き続き、当局の捜査に協力しつつ、研修の実施など会社全体で再発防止に取り組んでまいります」とコメントしています。

警視庁への取材で明らかになった6人の賭け金や供述

▼「ダイタク」 吉本大さん
1年半でおよそ2700万円を賭けて、収支は500万円のマイナスでした。
吉本さんは「SNSの広告か、YouTubeで、ビデオスロットの動画を見て、楽しそうだと興味を持った。当初は、“グレー”だと認識していたが、賭けているうちにまずいのではないかと思うようになっていた。はまっていたときは、ほぼ毎日のように賭けていた」などと話しているということです。

▼「9番街レトロ」 なかむら★しゅんさん
2年半でおよそ5100万円を賭けて、収支は1200万円のマイナスでした。
なかむらさんは「YouTubeで配信されていた実況動画を見て興味を持ち、手軽にスポーツの勝敗などに賭けられるサイトを知った。インターネットで『オンラインカジノはグレー』という記事を見て、よくないことだが、逮捕されることはないという認識で、移動中や仕事の前後に軽い気持ちでやっていた」などと話しているということです。

▼「ダンビラムーチョ」 大原優一さん
1年2か月でおよそ630万円を賭けて、収支は120万円のマイナスでした。
大原さんは「YouTubeの動画を見て、違法ではないと思ってやっていた。飲み会の席や、移動中や自宅で暇なときに賭けていた」などと話しているということです。

▼「ネイチャーバーガー」 笹本はやてさん
2年半でおよそ260万円を賭けて、収支は90万円のマイナスでした。
笹本さんは「インターネットで『オンラインカジノは検挙例はあるがグレーだ』という見解を見て信用してしまった。逮捕されることはないと思っていたのが正直な気持ちだ。ギャンブルが好きで、競艇などの公営ギャンブルが終わった時間でも賭けられる手軽さから始めた」などと話しているということです。

▼「プリズンクイズチャンネル」 竜大さん
5か月でおよそ27万円を賭けて、収支は1万円のプラスでした。
竜大さんは「ギャンブルが好きで、YouTubeでビデオスロットの配信を見てやってみることにした。オンラインカジノで賭けることが法に触れるとはわからず、気にせずにやっていた。パチンコ店で『オンラインカジノは犯罪』というポスターを見て犯罪だとわかった」などと話しているということです。

▼「プリズンクイズチャンネル」 最強の庄田さん
2年5か月でおよそ610万円を賭けて、収支は190万円のマイナスでした。
最強の庄田さんは「当初は“グレー”という認識で、違法かもしれないと思っていたが、そのことに向き合わずにずるずると続けてしまった。去年、ニュースでオンラインカジノで賭けた人が書類送検されたのを見て、今はやっていない」などと話しているということです。

警察が摘発したオンラインカジノ賭博事件 去年最多に

警察庁によりますと、去年、全国の警察が摘発したオンラインカジノの賭博事件は62件、検挙された人は279人に上り、件数、人数ともに、これまでで最も多くなりました。

数年前までは、カジノ店に設置されたパソコンからカジノサイトにアクセスする「店舗型」が主流でしたが、近年は、スマートフォンや個人のパソコンからアクセスする「無店舗型」が増え、去年は検挙された279人のうち、227人が「無店舗型」でした。

新型コロナウイルスによる外出の自粛要請などで自宅からアクセスする人が増えたという指摘もあり、警察は摘発に力を入れています。

警察庁が民間のリサーチ会社に委託して15歳から79歳までの2万7000人余りを対象にWEBアンケートを行った結果、オンラインカジノを利用したことがある「経験者」は336万8000人と推計しています。

さらに年代別の利用率や「経験者」500人の賭け金をもとに、国内での年間の賭け金の総額を推計したところ、1兆2422億円に上ったということです。

警察庁は改めて違法性の周知を徹底し、関係省庁とともに、サイトへのアクセス制限を検討するほか、サイトの広告塔になっている著名人にも注意を促すなど、踏み込んだ対策を進めていくとしています。

警察庁 楠長官 “厳正な取締りを推進”

警察庁の楠芳伸長官は「スマートフォンや自宅のパソコンからアクセスする『無店舗型』の検挙が大幅に増加しているが、背景には国内の口座から賭け金を送金するために利用される決済代行業者や、カジノサイトを宣伝して報酬を受け取るアフィリエイターが関与して、違法な利益を得ている実態がある」と指摘しました。

そのうえで、国内からオンラインカジノに接続して賭博を行うことは違法であることを周知徹底するほか、運営に関与している決済代行業者やアフィリエイターの実態を把握し、厳正な取締りを推進するなど、引き続き、オンラインカジノ対策を進めていく考えを示しました。

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