広島県と岡山県の県境、新見市哲西町大野部で暮らす清水里子さん
は10月上旬、地区の交流会に参加するため、市の乗り合いタクシー
で自宅から5㌔先の複合施設「きらめき広場・哲西に向かいました。
車でどこにでも送迎してくれた夫が亡くなったのは3年前。今年1月
には自身の運転免許証も返納した。乗車の30分前まで予。約でき、料
金が1回300円の乗り合いタクシーは、「気兼ねなく使え、本当にあり
がたい」と清水さん。ただし、利用は哲西町地区内に限られる。市中
心部の病院への通院は、きらめき広場からバスを乗る継ぐしかなく「診
療後に1時間近く待つこともある」と漏らします。
(この記事は11月7日付の【山陽新聞全県版】からの御紹介記事です)
県内の自治体で面積が真庭市に次いで広大な新見市は集落が点在し、65
歳以上の高齢者が4割を超える。
今後、過疎化の進展で民間路線バスの減便などが予想される中、お年寄り
らの移動手段の確保に向け、市が打ち出したのが乗り合いタクシーの導入
です。昨年3月に策定した「市地域公共交通計画」で大きな柱に据えた。
計画では中心部を除く市域を7地区に分け、エリア内で運行。診療所や公共
施設などに乗降場を設置し、自宅との間を結ぶ。既に哲西町や千屋など5地
区では平日に運行され、2023年度には延べ8352人が利用しました。市は24
年度関連予算として8190万円(前年度比2500万円増)を計上。27年度まで
の全地区導入を目指します。
一方、利用者の間では民間のタクシー、バス事業者の経営に配慮して現在は
見送っている市中心部の乗り入れに加え、土日祝日の運行を求める声が上が
る。「一足飛びにはいかないが、できることから改善を図る」と市交通対策
課は説明します。
鉄路を巡る問題にも直面しています。利用低迷に伴い、国が全国で初めて設置
した「再構築協議会」で今年3月から存廃議論が進むJR芸備線の一部区間(新見
市-庄原市間、68.5㌔)。利用客の約6割は通学客とされます。
廃線も視野に入れるJR西日本に対し、交渉のテーブルに着く沿線自治体の新見市
は「あくまでもJRによる運行を求め、利用促進や潜在需要の掘り起こしに務める」
とする。協議会では原則3年以内に何らかの結論を出す予定です。
人口減少社会にあって、中山間地域を取り巻く状況はとりわけ厳しい。将来にわた
り住民の足をいかに守っていくのか。市の公共交通政策は大きな分岐点を迎えてい
ます。
計画では中心部を除く市域を7地区に分け、エリア内で運行。診療所や公共
施設などに乗降場を設置し、自宅との間を結ぶ。既に哲西町や千屋など5地
区では平日に運行され、2023年度は延べ8352人が利用しました。市は24年
度、関連予算として8190万円(前年度比約2500万円増)を計上。27年度ま
での全地区導入を目指します。
一方、利用者の間では民間のタクシー、バス事業者の経営に配慮して現在は見
送っている市中心部の乗り入れに加え、土日祝日の運行を求める声が上がる。