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サッカーで循環生む=15

ブランデュー弘前(弘前市)
 代表取締役 西澤雄貴さん(33)
弘前市豊田の弘前市運動公園球技場にて

 10年間の公務員生活に昨年、終止符を打った。32歳で得た新しい肩書は、社会人サッカーチーム「ブランデュー弘前」の運営会社社長。「社長インタビュー? もちろん初めてですよ」
 サッカーとの出合いはJリーグが開幕した小学1年生の時。華やかなスタジアムや選手を見て、サッカー選手になりたいと思った。部活動ができる小学校4年生から本格的に始め、中学・高校もサッカー部に入部した。
 東京の大学に進み、フットサルの社会人チームに所属。体を動かす程度だったサッカーとの関わりは、就活も終わった4年生の秋に激変する。
 偶然にも、後にブランデュー弘前を立ち上げる黒部能史さんのブログを見つけた。そこに書かれていたのは〈弘前にJリーグチームをつくりたい〉という言葉だった。
 大学の講義がきっかけで、地元をスポーツで元気にしたいと考えていただけに衝撃を受けた。
 「同じ思いの人が弘前にいる。こういう活動がしたい」
 東京のベンチャー企業の内定を辞退して地元に就職。前身の「リベロ津軽」社会人チームの選手になった。
 ブランデュー弘前が発足した2012年から15年まで主将を、16年からはチームを運営するNPO法人で副理事長を務めた。Jリーグ昇格を見据え、運営を株式会社にするタイミングで昨秋、社長に就任した。
 「たくさんの方に支えられているのが会社の強み」。遠方の試合にも足を運んでくれる個人サポーターは約200人。スポンサー企業は約200社で、所属する地域リーグレベルでは多い方という。食事や車両の提供、トレーニング施設の利用のほか、弘前大学整形外科学講座とは今年、初の公式協定を結び、メディカルチェックを受けられるようになった。協賛金以外の多彩な支援・協力もまた、選手の競技力向上とモチベーションアップにつながっている。
 目指すのは「スポーツによる人とお金の循環」。現に選手の雇用や域外サポーターの来弘といった循環が生まれているが、地域課題の解決や新ビジネスにつなげるため、より多くの企業や人と関わっていく仕組みづくりに、日々まい進する。
 好きな言葉は「夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ」。
 チームは次の段階に進んだ。「諦めなければ『夢に近づく』というのを、身をもって体感しているところです」

※続きは本紙紙面をご覧ください。

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掲載日

2020年04月19日

記事タイトル

サッカーで循環生む=15

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