Taj 多事

2009

 
 

昨日の農村訪問で発覚した壊れた太陽電池ランプの処置などについて、ラージャスタン州の技術パートナーになっているREIL(Rajasthan Electronics & Instruments Ltd.)で話がしたいということで、滞在を1日延長し、今日の予定が終えた後、ラージャスタン州の州都ジャイプル(Jaipur)へ移動することになった。工場見学もするということなので、小生も同行することにした。東大のMさんは明日予定があるということで、今日の予定が終了後デリー(Delhi)へ戻る。


今日の集会予定の場所に到着したが、昨日までのように農村ではなく、HPPIの事務所からすぐそばの町中だ。午後に移動するジャイプルは観光都市としても有名で、Mさんがジャイプルまで同行して町を観てからデリーに戻りたいと希望したが、今日の予定が終了して2時頃にここを出発できたとしても観光は無理だから、今すぐジャイプルへ行けとダーリアは推める。今日の予定は昨日までほど重要とは思えないので、ついでに小生もジャイプルで観光して夕方合流してはいかがとダーリアは言うので、お言葉に甘えさせていただくことにした。今回移動に使っている車は、Mさんが東大のプロジェクトの資金から借り上げているので、車もMさんの移動に伴って動く。つまり、TERIのメンバーのジャイプルまでの移動と、明日の足はこれから確保しなければならない。という意味で、TERIのメンバーに申し訳なかったが、車でジャイプルへ出発する。


ジャイプルは、ラジプートのマハーラージャであるジャイ・スィン2世が、ムガール帝国の衰退とともにアンベール城(Amber Palace)から降りて、城壁に囲まれた都市を建設した。これが、現在の旧市街で、すべての建物がピンク色の砂岩で造られていることから別名ピンク・シティと呼ばれている。


車で2時間ほどでジャイプル市内に入り、最初にアンベール城を訪れる。 戦いを繰り返してきたラジプートの城塞らしく 、万里の長城のような外観の城塞で、 簡単には攻められそうにない。 象に乗って登ることもできるが、車で門まで登る。砂漠に刺す陽射しはきつく、とても熱い。城へ入る門はガネーシャ門と呼ばれ、モザイクが大変美しく、その中央に象頭の神ガネーシャが鎮座している。門をくぐるとすぐに謁見の間と勝利の間が続く。勝利の間には、鏡がいたるところに散りばめられていて、鏡の間とも呼ばれるそうだ。城の建物の中は、まるで迷路のようで、忍びが入ったとしても抜け出せないのではないかと思うほどだ。


ジャイガール要塞(Jaigarh Fort)の入口まで山を車で登って景色を楽しみながら、時間が限られているので要塞には入らず、旧市街へ急ぐ。門をくぐって城壁の中に入ると、城壁そのものと建物のほとんどが砂岩のうすい煉瓦色で彩られ、まさにピンク・シティ。歴史的には1876年にマハーラージャ・ラム・スィンが後のエドワード7世になるウエールズ公を迎えるためにもてなしの色であるピンクに街全体を塗らせたことに由来しているそうだ(Lonely Planet)。


Mさんのお目当てである「風の宮殿」と呼ばれるハワー・マハル(Hawa Mahal)へ向かう。ハワー・マハルに面する通りには、観光客目当ての店が軒を並べ、なかなか黙っては通してくれなくて大変だ。ハワー・マハルは、宮殿というよりは巨大な壁に見える。細工を施された出窓が蜂の巣ように並び、かつてはこの窓から宮廷の女性達が外の様子を眺めていたそうだ。これほど多くの女性を囲うってどういうこと?っていう感じ。


時刻は4時半で、ハワー・マハルの裏にあっていまでもマハーラージャが住んでいるというシティ・パレス(City Palace)を見学しようと思ったが、5時閉館なので断念。TERIのメンバーに電話するも、まだ時間がかかりそうだ。とにかく熱いので、飲み物をとれるところに連れていってもらうことにした。レストランでマンゴー・ラッシーを飲みながら1時間程度休憩し、もう一度ETRIのメンバーに電話するとジャイプルに入ったということで、宿泊するホテルを決めてからもう一度連絡しなおすという。場所のことなど小生達にはわからないので、運転手に代って話してもらうが、運転手が英語を話せないので、結局こちらには情報がうまく伝わらず苦労した。ホテルが決まるまでの間、運転手がコミッションがもらえる店に連れて行こうとする。これからMさん一人でデリーに帰るので、 無下に断って運転手のご機嫌が悪くなってもいけないので、店にはいる。ところが入った途端に、電話があり移動することになってしまった。店員には明日来ると嘘をついて出て来たが(Mさんなかなか機転が利く)、運転手がコミッションをもらえたかどうか。


帰宅ラッシュで、道がひどく混雑する中、待ち合わせのマハラニ・パレス(Maharani Palace)へ辿り着く。ところが、誰もいない。Mさんがチェックインしているのか確認しようとすると、入口からジャネイルが現れて、隣のカンジ(Kanji)というホテルに替えたと言う。マハラニ・パレスの宿泊料は最低でRs. 4000で、彼らの出張予算をオーバーしてしまうようだ。隣のカンジは、1泊Rs. 1200でこれまで泊まっていたホテルと同じ。ダーリアが「luxury」なホテルではないと心配するが、部屋の大きさも設備を、きのうまでのホテルと変わりなく、「ノープローブレム」と返答。


ここでMさんとはお別れ。すでに7時を回っているの、デリーに着くのは明日になってしまうだろう。みなさんで無事着く事を願って、それぞれに部屋に入ってゆるりと休憩することにした。

ジャイプル

09/01/29

ジャイプルのアベール城のガネーシャ門。モザイク模様が大変美しく、象頭の神ガネーシャが中央に鎮座ましましています。

旧市街の障壁の中にあるハワー・マハル。街全体の建物が、みんなこんな色で「ピンク・シティ」と呼ばれています。