Taj 多事

2009

 
 

7時起床。今週のTERIのメンバーへの宿題を相変わらず作成。完全に自分の宿題に化している。旅行の準備をしていないので、9時になったところで作業を中断して、仕事道具をリュックに、着替えなどをディリー・ハーツで買ったずた袋に詰め込み、着替えを済ます。10時ぐらいにTVをつけると、やっています共和国記念式典、今年が60回目だそうだ。外国人が見てもあまりおもしろくなさそうな気がする。おーっと、VIP席で写真を撮ってる輩が映ってる。一般人に持ち込みを禁止しておいて、それはないんじゃないないのー。土曜日にインド門の外から見た、ジェットモグラのようなミサイルもちゃんと行進していた。


ニューデリーの中心部は、リキシャも含めて車が入れないはずなので、少し速いけど11時に家を出る。案の定、インド門へまっすぐ続く道が通行止めで、ずいぶんと遠回りしてIHCに到着。道はガラガラなのに40分以上かかった。この遠い道程をシャカルプールまで戻らないといけないからRs. 150よこせと運転手が言う。確かに、他の客もいないようだし、ここはいわれたままにRs. 150支払う。


TERIに着いてメールを開けると1時半集合、2時出発というメールが入っている。スケジュールに変更があった場合は、電話連絡じゃなかったけ?機材の積み込みや、急遽フランスからの取材陣3名が同行することになって、それを待ったりして、結局出発したのは2時40分。TERIからダーリア、スマント、アルビンド、ジャネイル、Mさん、小生の6名、現地でお世話になるNGO HPPIからパルールさん、フランス人スタッフ3名がワンボックスカー2台に分乗して出発だ。


デリー市内で共和国記念パレードを終えてラジャースターンに帰る駱駝隊に遭遇。なるほど、これだけ傍でみると、TVよりも本物の迫力は凄い。ラジャースターン州に入ると回りは一面畑が広がり、道行く駱駝の数が増える。3時間ほど経過した6時過ぎにホテル(Hotel Highway King)に到着。観光地のジャイプールまではさらに1時間以上かかるということだ。


ラージャスタン州は、地理的にはデリーの西および西南に広がり、西側はパキスタンと国境をともにする。民族的には、太陽と月と炎から生まれたといわれる戦士一族ラージプートの故郷だ。デリーで遭遇したのは、ラージプートの駱駝隊にちがいない。ラージプート諸王国はマハーラージャと呼ばれる独自の統治者によって統治されてきた。ムガール帝国および英国の統治時代、そしてインドの独立時にも州の独立を維持し続けてきた。しかし、英国の統治時代には、マハーラージャは放蕩生活を繰り返し、インド独立時には、インド亜大陸で最も識字率と平均寿命が低い地域の一つに落ちぶれていった。インディラ・ガンジーの時代にはマハーラージャの様々な特権も奪われた。現在では識字率も60%以上に上昇、平均寿命も全国平均に近づいているが、インドの中で最も貧しい地域の一つであることにちがいはない。


このあと、LaBLを実施しているNGO HPPI(Humana People to People India)の事務所に出向き、そこからヴィラト村(Virat Nagar)に入って充電ステーションを見学する予定だ。食堂で軽く食事をとり、早々に7時に出発する。HPPIの事務所がある村まで30分程度。ここまでは電気が通っていたが、道は舗装されてはいるがでこぼこで車の乗り心地はよくない。


ここからさらに40分でLaBLを実施しているヴィラト村に入ることができる。途中、電気はなく、360度真っ暗で、星明かりしか見えない。なんでこんな離れたところに村落があるのかがまず不思議だ。NGOの人の案内なしには、とても入れない道とは思えない道を車はゆっくり進む。急に樹木の生態系が変わり椰子の木が多くなってくると住居がポツポツと現れ始めるが、真っ暗で人がいるのかいないのかわからない。でもときどき外に人が出ているので、この暗闇の中で生活しているのは間違いない。


突如、明かりが一点。その回りを3、4人が囲んでいる。TERIが提供した太陽電池ランプだということだ。そこからすぐのところに目的地である充電ステーションはあった。暗闇の中を太陽電池ランプをもった男女が出迎えてくれた。車から降りると気温はかなり低く、農村独特の牛糞の臭いがたちこめる。ランプがなければ足もとさえ見えないほど真っ暗だ。


村人は、毎夕太陽電池ランプをこの充電ステーションに借りに来る。昼間の間、ステーションではランプの充電を済ませておく。何か特別なステーションを想像していたのであるが、ステーションサービスを提供する家計の住居の屋根に太陽電池モジュールを設置して、一部屋を充電用に改築した質素なものであった。この家の住人は、充電サービスとランプの貸し出しサービスを提供することで1晩1台あたりRs. 2の収入を得る。


それにしても、明かりがない生活とは、こんなに不自由なものかと実感する。このランプがなければ、何かを燃やすしか明かりをとる手段がないのだ。冬の期間は、この地域でも霧が深く、充電が思うようにならず、全てのランプを完全に充電することができないとのことで、村人は一日おきにしかこのランプを使用出来ないことを余儀なくされるそうだ。


明日また明るいときに訪問するということで、30分程度でおいとました。帰りも同じ道を引き返したが、どうしてこのような陸の孤島のような所に村が独立にできるのかが一番の不思議だ。


ホテルに着いたのは11時過ぎ。明日は7時40分出発。もう眠いので寝よう。

Rajasthanへ

09/01/26

TERIのプロジェクトが提供した太陽電池ランプを手に出迎えてくれた充電ステーションの村人。ランプがなければ暗闇です。

各世帯この一個の明かりが夜の日常生活を支えています。普段何気なく使っている電気ですが、明かりがない夜の不自由さを実感します。