Taj 多事

2008

 
 

5時45分起床。今日は、かねてからやってみたかったことを実行する。それは、シャカルプールからIHCまで歩いて行くことだ。10月18日からセナさんのところでお世話になっているが、それからおよそ2ヶ月の間、家と仕事場の往復は、ほとんどリキシャを使っている。運転手によって道順に

少々のばらつきがあるものの、どこをどういけばIHCに辿りつけるのかは把握できていると思う。往きのリキシャで、つまり道がすいていれば約20分、地図でみると10Kmほどの行程だ。


7時半に家を出発。まずは、ヤムナ河にかかるVikas Margに向けて歩き出す。ヤムナ河に出るのにリキシャでも往きは迂回し、帰りは直線的に走ることができるので、Lakshmi交差点へ出て左折してヤムナ河へ向けて歩く。ところが、往きのリキシャの迂回路へ出てしまった。結局、ヤムナ河に出るまで30分を要してしまった。つまり、Lakshmi交差点へ出て左折して、そのまま左側を歩くとこうなってしまうのだ。交差点をいったん渡って右側を歩けば直線的にヤムナ河に出られるようだ。いきなりとんでもない時間ロス。


ヤムナ河を渡り始めると雲行きが怪しい。日本でいうにわか雨が降りそうな雰囲気で、暗くなってきた。あたり一面セピア色の世界だ。気軽な格好で出て来てしまったので、レインコートやザックカバーを持参していない。いざとなったらリキシャを拾うしかない。ただ、にわか雨の前と違うのは、この暗さに切れ目がまったくないことと、視界が非常に悪いことだ。実は、これが悪名高きデリーの霧であった。視界は100m程度しかない。道路から50mもないヤムナ河の土手に象やら駱駝がいるけど、霞んでずいぶん遠くにいるように見える。このヤムナ河は遥かタージ・マハルまで続く大河であるが、ぜんぜん見えない。夜のニュースで知ったが、デリーの国際空港では霧が原因でそうとう混乱があったようだ。


当然河上の道路の両側にフェンスがあるのだが、ところどころに穴が開けられている。開いちゃった穴ではなくて、意識的に開けてある。車やバイクで来て、はたまたわざわざリキシャを止めて、そこからゴミを捨てているけしからん輩が一人や二人ではない。ところが後で聞いてみると、ヒンズー教の人達は、家のお寺にお供えしてある花が枯れてしまうと、ヤムナ河に流すのだそうだ。そのために開けてある穴なわけだ。それだったら、ビニール袋になぞ入れないで花だけ撒けばよいものを。川岸には、ゴミが堆積してしまっている。


写真を撮りながらゆっくり歩いて約20分ほどでヤムナ河を渡り終え、ニューデリーに入る。このままインド門に向かって西へ歩き、国立現代美術館の前を通って、Taj Ambassador Hotelに向かって南下する。Ambassador Hotelの隣がKhan Marketで、こことIHCの間は何度も往復している。途中、寄り道をしながらゆっくり歩いて、TERIで着席したのは、9時半過ぎ。2時間ちょっとのウオーキング、お疲れさまでございました。教訓、一. レインコート、ザックカバーを忘れない。一. 一般道ではあるが、ときに山道のようになるし、埃がすごいので 靴と靴下をウオーキングに適したものにする。一. 着替えのシャツを持って行く。以上。これくらいの行程なら、運動不足を補うためにも週二回ぐらい歩いてもよいかもしれない。


午後からは、Mr. Singhツアー。昼は、いつものMr. Singh御用達のPunjabi Dhabaではなくて、Khan MarketにあるSubhashに行く。こちらの方が、ちょっときれいで、ノンベジ料理はちと高い(あくまでPunjabi Dhabaと比べての話で、PindyやChicken Innに比べれば半額以下)。Rada ChickenのHalf(チキンカレーであるが、キーマつまりミンチ肉も入っている、Rs.150)、Mixed Vegetable(野菜カレー、Rs.40)、Tandoori ChickenのHalf(4本でRs.90)、Roti(パン、Rs.3)を全部4枚注文。それと消化に良いとMr. Singhが嘯くレモン・ソーダを1本。ここの鶏肉料理は美味い。Rada Chickenは、ちょっとオイリーであるが絶品。タンドーリ・チキンもいままで食べた中で一番美味いと思う。それもこの値段。一人用に2本というメニューがあればよいのに。税金をプラスしてRs.339。Punjabi DhabaよりRs.100くらい高くなるが、味はこちらのほうに軍配があがる。量は、あちらの方が断然多い。


今日も先週見逃したガンジーの記録映画を見るために、Gandhi Smritiへ。上映時間は2:30-4:00のはずであるが、2:15に入ったらすでに始まっている。最初の30分弱は先週見ているので、まあよいか。ガンジーの念願であった統一インドは、いまだに実現の可能性はない。独立当時からヒンズー教徒とモスリムの争いは絶えないのだが、ムンバイのテロは明らかにその目的が異なる。もはやインド、パキスタンだけの問題ではなくなっている。ガンジーなら武力を使わない解決を模索するだろう。またしても、ガンジーの願いは、願いだけで終わってしまうのだろうか。それにしても、この記録映画を見ていると、映画『ガンジー』のベン・キングスレーの役造りはすごいと思う。最近は、人間版『サンダーバード』の悪役フッドで見たが、とても同じ人物には思えない。インドで撮影したときには、ガンジーが蘇ったと勘違いした人もいるのではないだろうか?


次に、大統領官邸と国会議事堂を見学する。見学といっても中に入れるわけではない。大統領官邸の庭園が一般公開される時期もあるそうだが、今日はその日ではない(2月、3月はじめ)。国会議事堂も、許可を取らないと入れない。いかにも大英帝国の時代に建築されたという優雅さをもった建物である。もう少し接近して見たいのであるが、11.26以来見学できる距離を遠くなってしまったそうである。また、この一帯は車の駐車が一切禁止されているそうで、客を見学させているリキシャが広い道路をクルクル回っているのには笑わされる。Mr. Singhもあわてて国会議事堂の方へ走り去ろうとするので、「降りてゆっくり見させろ」というと渋々降ろして、小生が見学している間は他のリキシャと旋回していた。この大統領官邸とインド門は、片側3車線の大通りであるRajipath(ラジパト通り)で一直線に結ばれていて1月26日の共和国記念日にはパレードが催され、沿道には数百万人が集まるそうだ。


Connaught Placeの東南にあるBengali Marketのファースト・フード的なレストランに寄って、TikkiとHalawaをChaiを飲みながら食べて帰途についた。

12/20の天気予報 最高気温23℃、最低気温14℃、曇

12/20の天気 最高気温20℃、最低気温15℃、平均気温18℃

歩く

08/12/20

Vikas通りの橋からながめたヤムナ河。悪名高きデリーの朝霧でほとんど見えません。この緩やかな流れはタージ・マハールまで続いています。この霧で朝の国際空港も大混乱です。

50メートルほど先にいた象や駱駝もご覧のとおり霧でぼやけて、遠くにいるのかと勘違いしてしまいます。