おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です☆
ローグライクハーフの運営をはじめてから、はや2年が経とうとしています。
◆最近のローグライクハーフ界隈のお話☆
いま、5月配信のd66シナリオを書いています。
私にとって大事なナンバーになることもあって、いつも以上に真剣なテンションでやっています。
そんな折、ふと顔を上げると、ローグライクハーフファンによる作品が、数多く世に出ていることに気づきました。
今日はそんな作品のなかから、シナリオとサプリメントにスポットを当てて情報を集めました。
◆主にTALTOから。
「ローグライクハーフ」のシナリオやサプリメントは、TALTOというサイトに掲載していただくことを推奨しています。
「ローグライクハーフ」というTRPGジャンルを分類に掲載してほしいと打診して、キッチリと応えてくれた最初のサイトだったからです。
もちろん、他の掲載サイトでもまったく問題ありません☆
そのTALTOには現在、約30個のローグライクハーフシナリオ/サプリメントが掲載されています。
今回はここ半年間で発表された作品に絞って、ご紹介いたしますね。
作品紹介にあたって、TALTOにある「作品概要」の記述からの引用をさせていただきました。
◆「搬入せよ! 遠き東のハニワたち」
東洋夏さんによる作品です。
アランツァ世界を舞台とした作品で、東の国からやってきた「ハニワ」を運ぶd33シナリオ。
(作者による作品概要引用)
ネメディ平原を横切り、ロング・ナリクの豪商リエンス家の屋敷まで積み荷を届けることがあなたの任務。
荷馬車に積まれているのは遠く東の国から運ばれて来た「ハニワ」だという。
危険に満ちた旧街道を踏破して、無事にハニワを搬入することはできるだろうか?
https://talto.cc/projects/x9UXNxiRLB6-M3kiqqhSQ/rev/qbaTYsE0rG/booklets/Y2e5wqGM4z
◆「ウーサとウサギの迷宮」
寝子さんによる作品です。
タイトルどおり、ウサギに関連する迷宮です。
ウサギの従者やウサギのコックなど、ウサギへの愛が溢れたd33シナリオ。
https://talto.cc/projects/9ineaJJcMSwA1UffILH6O/rev/0rmf98Lq9E/booklets/Bo-QBNppw6
◆「食べ切れ! 闇鍋パーティー」
寝子さんによる作品です。
闇鍋を作り、食べる。そんなd33シナリオです。
アランツァ世界のクリーチャーも出てきます……モンスターとして、あるいは食材として!
(作者による作品概要引用)
闇鍋を作って食べるだけの、ノリで遊ぶシナリオです。深く考えてはいけません。
作者も闇鍋について詳しくないので間違っているかもしれませんが、雰囲気でお楽しみください。
初心者向けだと思います。
https://talto.cc/projects/fDa4SmsQ_M0DAC9NMZpCp/rev/j2IRPPyZav/booklets/gM69XCfuqs
◆「天駆ける狗のディナーは■ミの鍋」
天狗ろむさんによる作品です。
共通世界アランツァを舞台としたd66シナリオ。
「からくり都市チャマイ」での食材あつめを目的とした冒険。
寝子さんによる「食べ切れ! 闇鍋パーティー」とあわせて、アランツァ世界の食料事情の需要を感じた作品です☆
(作者による作品概要引用)
天狗ろむ作の初シナリオ+サプリメントができました!
仕様を分かっていなかった所為で文量が凄かったり、特殊ルール設けまくりと、色々と粗が目立つ作品ですが、楽しい作品にはなったかと思いますので、宜しければお楽しみください!
ほんのりとサプリメント「ヒーローズオブダークネス」対応していたり、していなかったりしています。
良き冒険があらんことを!
https://talto.cc/projects/NuK2xEMI2wXI37wWXZE-H/rev/Lt_PYvilXE/booklets/rkVlsk0QoD
◆続きは次週!
今回の記事ではTALTOに掲載されているローグライクハーフのシナリオ/サプリメントを4作品、ご紹介いたしました。
過去半年間に掲載された作品はあと5作品あります……次週に続きます☆
それではまた!
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2025年3月31日月曜日
2025年3月30日日曜日
Re:貿易都市ビストフ「ローグライクハーフ」都市サプリメント&新職業【異国魔法使い】 FT新聞 No.4449
おはようございます。
FT新聞編集長の水波です。
いよいよ来週の日曜日は、ロア・スペイダーによる新作d33シナリオ『怪盗は雪夜に舞う』が配信となります。
拠点となる街は貿易都市ビストフ!
それに伴いまして、以前配信しました「都市サプリメント」と「新職業」を再配信いたします。
ビストフ独自のアイテムや従者を駆使して、ぜひ『怪盗は雪夜に舞う』を楽しんで下さいね!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
◆貿易都市ビストフ
この街はアランツァ世界ではかなり北方にあるにも関わらず、温暖な気候を保っています。
温暖な海流の上を通ってきた東からの風が一年中吹いているためだと言われています(偏西風や偏東風のようなものですが、アランツァ世界には自転がないため、厳密には異なります)。
しかし、その風がどうして一年中吹いているのか、本質的な理由は分かっていません。
↓「都市サプリメント:貿易都市ビストフ」
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_SUP_Vistov.pdf
◆【異国魔法使い】
【魔術点】をベースとした新しい職業で、基本ルールで【魔術点】を副能力値を選んだ場合と使い勝手は似ています。
【炎球】や【気絶】といった〈弱いクリーチャー〉に対抗する呪文がないのが弱点ですが、明かりや黄金を生み出すといった創造性あふれる呪文が使え、別の面で便利です。
ローグライクハーフ 新職業【異国魔法使い】
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_NewClass_ExoticWizard.txt
↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MAPofARANCIA.png
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◆貿易都市ビストフ
この街はアランツァ世界ではかなり北方にあるにも関わらず、温暖な気候を保っています。
温暖な海流の上を通ってきた東からの風が一年中吹いているためだと言われています(偏西風や偏東風のようなものですが、アランツァ世界には自転がないため、厳密には異なります)。
しかし、その風がどうして一年中吹いているのか、本質的な理由は分かっていません。
↓「都市サプリメント:貿易都市ビストフ」
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◆【異国魔法使い】
【魔術点】をベースとした新しい職業で、基本ルールで【魔術点】を副能力値を選んだ場合と使い勝手は似ています。
【炎球】や【気絶】といった〈弱いクリーチャー〉に対抗する呪文がないのが弱点ですが、明かりや黄金を生み出すといった創造性あふれる呪文が使え、別の面で便利です。
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2025年3月29日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第633号 FT新聞 No.4448
From:水波流
時間が無くても本が読みたくて、ひたすら図書館で借りては読み漁っていた10年前。
最近読んだ本を読書記録につけたら、その頃に既読だった事に気づいてショックを受ける。内容は覚えてなくても読んだ事すら覚えてないというのはさすがに……。
なので、このところは少しずつ読むように心がけています。
from:葉山海月
「コーヒーは体にいい」と言われたのでガブガブ飲んでいたら「糖尿に悪いからやめなさい」と言われたので今日はサラダ記念日。
from:中山将平
僕ら、最新の情報を公式Twitterでも公開しています。
まだフォローいただいていない方、ぜひ以下のURLよりフォローしていただけましたら。
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さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■3/23(日)~3/28(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2025年3月23日(日) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4442
Re:アランツァワールドガイド Vol.4 貿易都市ビストフ
・4月第1日曜に配信予定のロア・スペイダーによる新作d33シナリオは貿易都市ビストフが舞台になります。
それに伴って、以前配信しましたアランツァワールドガイドを再配信いたします。
海に出ることを考える冒険者にとっては、重要な土地、貿易都市ビストフ。
そこを旅しながら、カメル教授が出会ったものは?
ぜひ冒険の舞台を想像して、楽しみにお待ちください!
2025年3月24日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4443
☆今後の刊行予定☆
・本日は前回チラリと触れた春の刊行作品について、さらに夏のコミックマーケットにて刊行するべく、現在奮闘中の作品についてのご案内です。
まずは、作家ロア・スペイダー氏の2作品を刊行!
ゲームブック『単眼の巨獣』☆
FT書房が展開する世界「アランツァ」の中核をなすモンスターのひとつ【混沌】に属するクリーチャーを主人公とした中編ゲームブックです。
イラストは中山将平氏!
もうひとつはローグライクハーフのd33シナリオを4本収録した、新サプリメント『雪剣の頂 勇者の轍(仮)』です☆
北方都市サン・サレンを拠点とし、同都市に関するワールドガイドに加え、装備品や従者の購入が可能となる「都市サプリメント」と、【新職業】として【秘術師】を掲載。
イラストは海底キメラ氏!
その他、夏のコミックマーケットで刊行予定の作品についても触れていきます!
お見逃しなきよう!
2025年3月25日(火) 中山将平 FT新聞 No.4444
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第42回
・中山氏が創作している『カエルの勇者ケロナイツ』(ファンタジー世界に住まうカエル人たちの活躍を描いたオリジナル作品)。
その創作から、学んだことを書きつづります。
中山氏、実はTRPGを遊んでいて「サイコロを振りすぎなんじゃないかな……」と思うことがあるのです。
例えば、箱を開けたとき、ふたの裏に小さな文字が書かれていたとしましょう。
その文字に「気づけるかどうか」をサイコロで決めることについてどう感じられるでしょうか。
もしそれが緊迫した状況で、一度しか確認できないなら見落としもあるかもしれません。
しかし、箱に正常な観察力を持って注目できているなら、「鈍感だから気づけなかった」という説明に納得できるか心配になります。
それでは、サイコロを振る場面=運について、いったいどういうことなのかを掘り下げて分析してまいります。
2025年3月26日(水) ぜろ FT新聞 No.4445
第4回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第431回をお届けしました。
今回挑戦する作品は、丹野佑・著『戦場の風』です。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
戦場の端っこで、敵国ドラッツェンの繰り出すウォードレイクに遭遇し、どうにか逃げのびます。
牛飼いジェイコブ、聖騎士の配下だった兵士アンドロを同行者に加え、王女を探して戦場を走ります。
ジェイコブからアイテムをもらい、不意打ちを食らったのち、丘の中でひときわ大きな建物である聖堂に向かうのだが……。
冒険は続きます。
2025年3月27日(木) 齊藤飛鳥 FT新聞 No.4446
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.29『常闇の伴侶』その5
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
今回の挑戦する作品は「ローグライクハーフ」シリーズ『常闇の伴侶』
《太古の森》で行なわれている、怪しい儀式の原因を突き止めれば、高額報酬が期待できる。そんな噂を安酒場で聞いた冒険家乙女のクワニャウマは、カリウキ氏族の戦士ゲルダとまじない師ヴィドと《太古の森》の探索を始めた。ついに怪しい儀式の原因は闇エルフ達であり、それに樹人の長老の弟が使われていることが判明。樹人の長老の依頼で、儀式によって衰弱している弟の安楽死を依頼されたクワニャウマ達は、長老の弟の木を探し求めて《太古の森》の探索を続けるのであった。
その中で出会った少女を連れ、『闇の聖域』に住まうラスボスとの謁見へ。
はたして、彼らの運命は!?
二周目、堂々のラスト!
2025年3月28日(金) 休刊日 FT新聞 No.4447
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(ヴェルサリウス28世さん)
FT新聞1ウィーク! 第632号 FT新聞 No.4441
>「イギリスでは1650年にオックスフォードに最初のコーヒーハウスが開業したとされてますので年代的には合ってるかもしれません」
投稿後に気づいたのですが、オックスフォードに最初のコーヒーハウスが開業した1650年当時、イギリスには緑茶すらないので、コーヒーと紅茶で対照実験をすることはあり得ないですね。1657年、ロンドンのコーヒーハウスで初めてイギリスでの茶の販売が始まりましたが、これは緑茶で、売り出しにあたっての宣伝ポスターには、茶の効用について「頭痛、結石、水腫、壊血病、記憶喪失、頭痛、下痢、恐ろしい夢などの症状に効き目あり」などという東洋の神秘薬としての売出しでした。紅茶(発酵茶)がイギリスに入るのは1689年以降のことです。
参照:キリン歴史ミュージアム「酒・飲料の歴史 第3話 茶の歴史」
https://museum.kirinholdings.com/history/tea/story3c.html
同じ1657年に新聞に出たコーヒーの広告も、「コーヒーと呼ばれる飲み物(きわめて身体によき天然の飲料、すぐれたる効能多し)。胃の孔を塞ぎ、体内の熱を強め、消化を助け、精神の働きを促し、気持ちを快活にする。ただれ目、咳、風邪、粘膜の炎症、肺病、頭痛、水腫、風疹、痛風、懐血病など多くに効く」という広告でした。
参照:UCC社「歴史」
https://www.ucc.co.jp/enjoy/encyclopedia/history/index.html
イギリス以外で見ても、だいたいコーヒーよりも紅茶が入ってくる方が遅いみたいですね。
(お返事:葉山海月)
ありがとうございます!
なるほどー。お茶も薬として売られていたのですねー。確かにコーラなんかも、最初は薬として売られたように覚えております。
「だいたいコーヒーよりも紅茶が入ってくる方が遅い」とのことですが。
あたしゃすっかり逆かと思っていました。以外ですねー
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Re:アランツァワールドガイド Vol.4 貿易都市ビストフ
・4月第1日曜に配信予定のロア・スペイダーによる新作d33シナリオは貿易都市ビストフが舞台になります。
それに伴って、以前配信しましたアランツァワールドガイドを再配信いたします。
海に出ることを考える冒険者にとっては、重要な土地、貿易都市ビストフ。
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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第42回
・中山氏が創作している『カエルの勇者ケロナイツ』(ファンタジー世界に住まうカエル人たちの活躍を描いたオリジナル作品)。
その創作から、学んだことを書きつづります。
中山氏、実はTRPGを遊んでいて「サイコロを振りすぎなんじゃないかな……」と思うことがあるのです。
例えば、箱を開けたとき、ふたの裏に小さな文字が書かれていたとしましょう。
その文字に「気づけるかどうか」をサイコロで決めることについてどう感じられるでしょうか。
もしそれが緊迫した状況で、一度しか確認できないなら見落としもあるかもしれません。
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それでは、サイコロを振る場面=運について、いったいどういうことなのかを掘り下げて分析してまいります。
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第4回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
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今回挑戦する作品は、丹野佑・著『戦場の風』です。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
戦場の端っこで、敵国ドラッツェンの繰り出すウォードレイクに遭遇し、どうにか逃げのびます。
牛飼いジェイコブ、聖騎士の配下だった兵士アンドロを同行者に加え、王女を探して戦場を走ります。
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齊藤飛鳥・小説リプレイvol.29『常闇の伴侶』その5
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今回の挑戦する作品は「ローグライクハーフ」シリーズ『常闇の伴侶』
《太古の森》で行なわれている、怪しい儀式の原因を突き止めれば、高額報酬が期待できる。そんな噂を安酒場で聞いた冒険家乙女のクワニャウマは、カリウキ氏族の戦士ゲルダとまじない師ヴィドと《太古の森》の探索を始めた。ついに怪しい儀式の原因は闇エルフ達であり、それに樹人の長老の弟が使われていることが判明。樹人の長老の依頼で、儀式によって衰弱している弟の安楽死を依頼されたクワニャウマ達は、長老の弟の木を探し求めて《太古の森》の探索を続けるのであった。
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はたして、彼らの運命は!?
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2025年3月28日(金) 休刊日 FT新聞 No.4447
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すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
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(ヴェルサリウス28世さん)
FT新聞1ウィーク! 第632号 FT新聞 No.4441
>「イギリスでは1650年にオックスフォードに最初のコーヒーハウスが開業したとされてますので年代的には合ってるかもしれません」
投稿後に気づいたのですが、オックスフォードに最初のコーヒーハウスが開業した1650年当時、イギリスには緑茶すらないので、コーヒーと紅茶で対照実験をすることはあり得ないですね。1657年、ロンドンのコーヒーハウスで初めてイギリスでの茶の販売が始まりましたが、これは緑茶で、売り出しにあたっての宣伝ポスターには、茶の効用について「頭痛、結石、水腫、壊血病、記憶喪失、頭痛、下痢、恐ろしい夢などの症状に効き目あり」などという東洋の神秘薬としての売出しでした。紅茶(発酵茶)がイギリスに入るのは1689年以降のことです。
参照:キリン歴史ミュージアム「酒・飲料の歴史 第3話 茶の歴史」
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同じ1657年に新聞に出たコーヒーの広告も、「コーヒーと呼ばれる飲み物(きわめて身体によき天然の飲料、すぐれたる効能多し)。胃の孔を塞ぎ、体内の熱を強め、消化を助け、精神の働きを促し、気持ちを快活にする。ただれ目、咳、風邪、粘膜の炎症、肺病、頭痛、水腫、風疹、痛風、懐血病など多くに効く」という広告でした。
参照:UCC社「歴史」
https://www.ucc.co.jp/enjoy/encyclopedia/history/index.html
イギリス以外で見ても、だいたいコーヒーよりも紅茶が入ってくる方が遅いみたいですね。
(お返事:葉山海月)
ありがとうございます!
なるほどー。お茶も薬として売られていたのですねー。確かにコーラなんかも、最初は薬として売られたように覚えております。
「だいたいコーヒーよりも紅茶が入ってくる方が遅い」とのことですが。
あたしゃすっかり逆かと思っていました。以外ですねー
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2025年3月28日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4447
おはようございます。
本日は、タイトルのとおり休刊日です。
毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
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2025年3月27日木曜日
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.29『常闇の伴侶』その5 FT新聞 No.4446
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児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.29
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
〜前回までのあらすじ〜
《太古の森》で行なわれている、怪しい儀式の原因を突き止めれば、高額報酬が期待できる。そんな噂を安酒場で聞いた冒険家乙女のクワニャウマは、カリウキ氏族の戦士ゲルダとまじない師ヴィドと《太古の森》の探索を始めた。ついに怪しい儀式の原因は闇エルフ達であり、それに樹人の長老の弟が使われていることが判明。樹人の長老の依頼で、儀式によって衰弱している弟の安楽死を依頼されたクワニャウマ達は、長老の弟の木を探し求めて《太古の森》の探索を続けるのであった。
『常闇の伴侶』のリプレイは、主人公キャラと従者キャラを同時に動かしながら書き進めている状態が続きます。
前にもT&T『廃都コッロールからの脱出』リプレイで、助けに行く仲間達を設定した時があったのですが、一緒に冒険に参加することはなかったので他キャラとの掛け合いはほとんどありませんでした。しかし、こちらでは従者として一緒に冒険をするので、かなりの回数の掛け合いが発生します。
幸いなことに、ゲルダの個性がはっきりとしているおかげで、「ゲルダは主人公へはツッコミ、従者へは姉御で対応してくれる」と想像できたので無事に掛け合いを書けました。
問題は、ヴィドと従者の掛け合いです。
何と、今回分の加筆修正を見直すまで、彼らの掛け合いが今まで一度もなかったことに気がつきませんでした。
せっかくキャラを作ったのに、あきらかに浮いています。これでは、頑張って従者キャラを作った意味がありません。
そういうわけで、あわててヴィドと従者キャラの掛け合いを加筆しました。
主人公以外のキャラを一人増やしただけなのに、この体たらくです。
数多くのNPCをさばけるTRPGのゲームマスター担当の方は、やっぱりすごいです。
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
ローグライクハーフ
『常闇の伴侶』リプレイその5
《2回目の冒険》
齊藤(羽生)飛鳥
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
6:中間イベント2≪2回目の冒険≫:『切株トレント』
再びヴィドと合流し、こちらの今までのいきさつをおおかた説明し終えた時だった。
ナナカマドの木立の枝から枝へ張り巡らされた闇蜘蛛の巣に絡め取られ、なにやらモゾモゾと動く生き物の姿があった。
いや、生き物なのか……これは?
「おっと、珍しいものが捕まってるぜ」
「知っているのか、ヴィド!?」
怪訝な表情を浮かべるわたしに、ヴィドが合点がいった様子で説明してくれる。
「俺たちフーウェイの民は樹人を倒した後に、止めを刺すために株のところで切り落とすんだ。上の部分はお前も知ってのとおり、いろいろなものに加工するために使う。じゃあ下の部分はどうなるかってえと……」
ヴィドは含み笑いをしながら、ネバネバする蜘蛛の糸でもがき続ける生き物を指し示した。
「〈切株トレント〉だ。こんな根っこだけになっても何年かは生きれるってのが樹人の生命力の凄いところだよ。知能は動物並みになるが、大変従順で乗りやすく加工されて騎乗動物として重宝されるのだそうだ。以上、ミン・メーショ・ボー作『ぶった切れトレント』参照」
参考文献まで言及した丁寧な説明だったのに、一気にヴィドの発言がネタに思えてきた。なんでだろう?
「〈収穫人〉たちがやったのか、それとも闇エルフやオークどもか……いずれにしてもナナカマドなら魔除けとしても良いものだ」
ゲルダがそう呟いて、特徴的な五芒星を形取った小さな白い花にそっと触れた。フーウェイではナナカマドは魔女の樹と呼ばれ、破魔の力を持つと言われている。
「お嬢ちゃんもそう思うだろ?」
ヴィドが振り返って声を掛けた。小さな鈴の音と共にナナカマドの幹から、ちらりと少女の白い顔が覗く。やがて観念したようにおずおずとわたしたちに近づいてくる。
「やれやれ着いてきちまったのか」
ゲルダが迷惑そうに顔を顰める。少女は言われた言葉が分からないのか首を傾げている。
「まぁ来ちまったもんは仕方ない。できれば闇エルフたちの事を教えて貰いたいもんだが……まぁ無理そうだな」
ヴィドはそっと目を逸す。この少女はどうやら耳が聞こえていないようだ。照れたような笑顔を浮かべながらそのままわたしの傍まで近づきマントの裾を握る。
炎球でこんがりさせかけたわたしに、ただで笑顔を向けてくれるなんて天使か何かなの、この子!?
感動するわたしの横で、ヴィドが切株トレントを眺めなら訊ねてきた。
「騎乗生物にできるが、どうする?」
「ごめん。わたし、乗り物酔いするんでパス」
「もったいねえなぁ」
ヴィドはそう言ったものの、心底惜しんでいる様子はない。
「この子、わたしの集落の子じゃない。どこの子?」
ウペペサンケは、同じエルフのよしみか、少女に話しかける。
でも、少女は久しぶりに会う同族が嬉しいのか、はたまた年が近い相手と会えたのが嬉しいのか、笑顔を見せるだけだった。
7:刃花草
エルフの少女は、わたしたちについて来た。
ウペペサンケがエルフの言語で話しかけても、耳が聞こえないため、会話が成立しない。
だから、どうしてついて来るのか、理由がさっぱりわからない。
わかることと言えば、ひたすらわたしになついて、いい笑顔を無料提供してくれていることくらい。
何一つ善行を施していないわたしに笑顔を無料提供してくれるとは、すごくいい子だ!
しばらくして、人間サイズの巨大な花が咲いているのを発見した。
それも、二輪も。
「さすが《太古の森》ね。こんな大きな花を咲かせられるなんて、どれだけ大地が肥えているのやら」
わたしが感心して花に近づこうとすると、ゲルダが肩をつかんで引き止めてきた。
「あれは刃花草だ。自ら敵意を向ける事は無いが、縄張りに足を踏み入れたものには、鋭い刃の花びらを飛ばして自衛してくる。不用意に近づくと命を落とすことになるかもしれん」
「それもそうね。メンゴメンゴ」
「クワニャウマの死体を回収するなら、追加料金金貨1枚」
「骨身に刻んで気をつける!」
こうして、一つ賢くなったわたしの後ろで、ゲルダがウペペサンケに「お前、短期間でクワニャウマの扱いがうまくなったな」と褒めているのが聞こえたのだった。
8:オークの狩り罠
その直後だった。
足元の地面が急になくなった。
落とし穴だ!
「危なっ!」
とっさに両手足で穴の側面にふんばる。
落とし穴の底には、鋭くとがった槍の穂先がいくつもあった。
よく見たら、しゃれこうべまである!
頭上を見上げると、エルフの少女がおろおろとしているのが見えた。
よかった。わたしの傍らにいたから、一緒に巻きこんだかと思ったけど、無事だった。
こんないたいけな子に怪我をさせたら、傷一つ残さず治療するために有り金を湯水のごとく治療費を注ぎこんでしまうので、無傷でいてくれてよかった。
「オークの狩り罠か。落ちずにすむとは、クワニャウマは運がいい」
「褒めてくれるのはうれしいけど、脱出するのに手を貸してほしいなぁ」
「契約外の要望は、追加料金金貨1枚」
「オークごときが作った狩り罠に、この冒険家乙女クワニャウマ様が屈してたまるかァァーッ!!」
わたしは、自力で落とし穴を這い上がった。
そんなわたしに、エルフの少女は心底安心した様子で笑顔を見せてくれたのだった。天使だ。
9:最終イベント≪2回目の冒険≫:『闇の聖域』
「ウペペサンケはまだ若いのに、しっかりしている」
ゲルダが、ウペペサンケをほめる。ウペペサンケは、虚無顔にはにかんだ表情をかすかに浮かべる。
「同感。自分を安く売らないし、仲間を甘やかさない姿勢がいいよね」
共感してわたしも褒めると、ゲルダが怪訝な顔でわたしを見た。
「あの仕打ちを受け不機嫌にならんとは、思ったより器が大きいのだな、クワニャウマ」
「クワニャウマ、大物」
「やだなぁ、照れるじゃない」
お互いに褒め合える関係性とは、いいものだ。
次は、ゲルダとエルフの少女のいいところを語り合おうとしたところで、澱んだ臭気が鼻を突く。森の抱える闇が一層濃くなった事を感じる。
長老の樹の周囲と同じように開けた静謐な空間が、なにをすればこうも邪悪に濁り果てるというか。元に戻すのにどれだけのお金と時間を損するのかと思うと、わたしは静かな怒りがふつふつと湧き上がるのを感じていた。ゲルダが苦々しげな様子でぺっと唾を吐き捨てる。前にも思ったけど、〈男〉らしい行動と言うより、おっさんぽい。
正面に悠々とそびえ立つのは、長老の樹と見まがうばかり高く広い枝ぶりのトネリコの巨木だ。
「酷いな……」
その幹は無数にえぐり取られ、奇妙な文様や図形をそこかしこに刻まれ、黒々とした蔦が幾重にも巻き付き、枝中に毒虫が這いずり回り、弱りきっていた。
腐った果実のような匂いが漂い、羽虫の群れが立てる耳障りな羽音が癇に障り、わたしは手で追い払おうとする。
ひっと押し殺した悲鳴。傍らの少女が蒼白な顔で口元を押さえている。
ふと大樹の幹の影で何かが蠢いた気がした。幹を栗鼠が駆け上がる。遥か頭上に生い茂る樹冠の影のなかから、何者かが八つの足を醜悪に藻掻かせながら這いずりだしてきたのが見えた。
うわぁ……これは押し殺した悲鳴の一つや二つ、出したくもなるわ……。
わたしは、目の前に出現した巨大な蜘蛛を凝視した。
「あれは、〈晦冥の大蜘蛛〉だ。古代樹に植え付けた卵が今にも孵化しそうだから、小蜘蛛も襲い掛かってくると考えていい」
ゲルダがナイフをかまえる。
「あいつの蜘蛛の糸、危険」
ウペペサンケも弓に矢をつがえる。
「あなたは下がっていて」
わたしはエルフの少女を下がらせると、剣をかまえた。
「フシャー!」
〈晦冥の大蜘蛛〉は糸を噴出してきた。
とっさにわたしとゲルダはかわすも、ウペペサンケは糸に絡め取られてしまった!
「動けない……」
「後で助けるから、無理して動かない! 蜘蛛め! 金貨5枚をドブに捨てさせようとは、よほど命が惜しくないようね!」
「たとえ〈晦冥の大蜘蛛〉であろうと、私は背中を見せん!」
わたしとゲルダの剣が〈晦冥の大蜘蛛〉に決まる。
だが、喜ぶ間もなく、古代樹に植え付けられた卵から、小蜘蛛が2匹孵化してきた!
「嬉しくない予想が大当たり!」
「とにかく、ここは戦い続けろ!」
わたしとゲルダは、〈晦冥の大蜘蛛〉の吐き出す糸をかわし、もう一度攻撃にかかる。
「いつっ……!」
ゲルダが小蜘蛛の攻撃を受ける。
でも、〈晦冥の大蜘蛛〉に刃を食らわすのはさすがだ。
わたしも、莫大な報酬がほしいし、きちんと仕事しないとな。
「何の恨みもないが、情けもないので、わたしの金儲けのために、生まれたてのその命を散らせ!」
わたしが躊躇なくいたいけな小蜘蛛を狙うと、〈晦冥の大蜘蛛〉が親心からとっさに自分からわたしの剣の前に身を投げ出す。
狙い通りだ。
もちろん、わたしはか弱い生まれたての小蜘蛛を本気で殺す気はない。
あれは、あくまで〈晦冥の大蜘蛛〉を攻撃しやすくするための猿芝居だ。
わたしの剣は、いとも簡単に〈晦冥の大蜘蛛〉をとらえる。
「パミー!」
〈晦冥の大蜘蛛〉は見た目に反してかわいらしい鳴き声をあげると、小蜘蛛たちを連れて大急ぎで森の奥へ撤退する。
その時、何かを落としていったのが見えた。
「宝か? 宝だな!」
すかさず飛びつく。
それは、身代わりの依代だった!
「あの蜘蛛、いいお宝を持っているじゃないの。ウィーッヒッヒッヒッ、ウィーッヒッヒッヒッ!!」
「笑いすぎだ、クワニャウマ。それより、早くウペペサンケにくっついた蜘蛛の糸をはずそう」
「そうだった。ウペペサンケ、ちょっと痛いかもしれないけど、じっとしていてね」
金の余裕が心の余裕というわけではないけれど、金目の物を確保できたわたしは、優しい気持ちになれたのだった。
10:冒険の達成 ≪2回目の冒険≫
大樹の根元に立ち、頭上を遙かに見わたす。蜘蛛を追い払った程度でこの地を覆い隠す闇が祓われる訳ではない。しかし吐き気を催す臭気は少し鳴りを潜め、静けさが辺りに漂い始めていた。すると、あの臭気は、〈晦冥の大蜘蛛〉かその卵が出していたのか。卵の殻が残っているから、袋に詰めて悪臭を嗅がせて敵を昏倒させるアイテムが作れて、うまくすれば売れるかも……と、ちょっと思考がそれかかったけれど、頭上から聞こえてくるうめき声にも似た葉擦れの音に、わたしは長老の樹の言葉を思い出す。
《真夜中の夏至祭が始まれば、古代樹の力を絞り出すために弟の身体はより苦しみに満たされるだろう。ならばいっそ……》
わたしは懐から禁忌とされた植物枯らしの薬をそっと取り出す。だが、
「まだ早いぜ」
わたしたちと別行動をとっていたヴィドが首を横に振りながら言う。二日酔いはもう完治したようだ。
「全身に禁呪を刻み込まれ、闇の聖域とされた古代樹には、闇神の加護が強すぎ、闇の眷属でなくてはこれ以上近寄る事すら叶わない。長老の樹の話では、夏至祭の儀式の最中であればその障壁が緩む瞬間があるはずだ」
そこで、わたしは決心した。
「やるのは真夜中。儀式とやらが始まってからだね」
遠くで角笛の音が響き渡る。ふと見やると夕焼けが空を朱く染めていた。夏至の長い日も終わろうとしている。
エルフの少女は空に目を遣ると慌てた様子でわたしたちから離れた。
「そうだな、お前はそろそろ村に戻ったほうがいい」
ゲルダの言葉が聞こえたわけではないだろうが、少女は少し逡巡する様子を見せたが闇エルフの集落がある方角へ足を向ける。そして後ろ髪を引かれる様子で何度も振り返りながら、木立の奥へ姿を消した。
帰る家があるのか。よかった。
帰りが少しでも遅いと折檻される家庭ではないことを祈ろう。
それを見送るとわたしたちは古代樹から離れた場所に陣取り、休息の準備を始めた。
鋭い鳴き声とともに1羽のカササギがやってきて、わたしたちの頭上を何周か回ると咥えていた何かをぽとりと落とした。頭上を見上げると、そのまま用事は済んだとばかりに飛び去ってゆく。
ニワトコの低い木立に引っかかった袋を開けてみると、ジャムの詰まった瓶と木の実や果実が沢山入っていた。この辺りではムスティッカと呼ばれる小さな青い果実を潰した甘酸っぱいジャムを少し掬いとって口に含むと、疲労や怪我が不思議と癒されていく。きっと長老の樹からの援助に違いない。
しかも、食料2個分もらえた。
この無料提供はありがたい!
冒険家の依頼者に必要なのは、こういう福利厚生ができるかどうかの心づかいだとつくづく思う。
「ところで、さっきから気になっていたんだが、その子は誰だ?」
ヴィドは、ウペペサンケの顔をのぞきこむように見る。そう言えば、おおかたの説明はしたものの、ヴィドにウペペサンケを紹介しそびれていた!
どうりで、今まで二人の間に会話らしい会話がなかったわけだ!
ウペペサンケを見れば、緊張したように背筋をのばしていた。
どうやら、ヴィドに気に入られなかったらクビにされるかもしれないと思って緊張しているらしい。
「お前と別行動を取っている時に立ち寄ったエルフの集落で雇った従者のウペペサンケだ」
「初めて冒険家の従者を務める弓使いだから金貨5枚で雇ったけど、自分を安く売らない心構えのよさから、ゆくゆくは金貨10枚は取れそうな逸材よ」
「ゲルダはともかく、クワニャウマの紹介の言葉は何なんだよ」
ヴィドは苦笑してから、ウペペサンケの方に向き直る。
「ウペペサンケか。遅ればせながら、初めまして。俺はカリウキ氏族のまじない師のヴィドだ。よろしく」
「よろしく!」
ヴィドが首を言い渡す気配もなく、それどころか気さくに挨拶をしてきたことで、ウペペサンケの緊張は解けて虚無顔ながらも元気よく挨拶をする。
その様子を見て、ゲルダがこっそりと小さく微笑む。
日はどんどん暮れていき、森は闇に包まれていく。
でも、樹人の長老の福利厚生や仲間達のおかげで、わたしの心は闇に包まれなかった。
(続く)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2024年末に5巻が刊行。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2024年6月に『歌人探偵定家』(東京創元社)を、同年11月29日に『賊徒、暁に千里を奔る』(KADOKAWA)を刊行。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
ローグライクハーフd66シナリオ
『常闇の伴侶』
著 水波流
2024年7月7日FT新聞配信/2025年書籍版発売予定
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
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TRPG小説リプレイ
Vol.29
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〜前回までのあらすじ〜
《太古の森》で行なわれている、怪しい儀式の原因を突き止めれば、高額報酬が期待できる。そんな噂を安酒場で聞いた冒険家乙女のクワニャウマは、カリウキ氏族の戦士ゲルダとまじない師ヴィドと《太古の森》の探索を始めた。ついに怪しい儀式の原因は闇エルフ達であり、それに樹人の長老の弟が使われていることが判明。樹人の長老の依頼で、儀式によって衰弱している弟の安楽死を依頼されたクワニャウマ達は、長老の弟の木を探し求めて《太古の森》の探索を続けるのであった。
『常闇の伴侶』のリプレイは、主人公キャラと従者キャラを同時に動かしながら書き進めている状態が続きます。
前にもT&T『廃都コッロールからの脱出』リプレイで、助けに行く仲間達を設定した時があったのですが、一緒に冒険に参加することはなかったので他キャラとの掛け合いはほとんどありませんでした。しかし、こちらでは従者として一緒に冒険をするので、かなりの回数の掛け合いが発生します。
幸いなことに、ゲルダの個性がはっきりとしているおかげで、「ゲルダは主人公へはツッコミ、従者へは姉御で対応してくれる」と想像できたので無事に掛け合いを書けました。
問題は、ヴィドと従者の掛け合いです。
何と、今回分の加筆修正を見直すまで、彼らの掛け合いが今まで一度もなかったことに気がつきませんでした。
せっかくキャラを作ったのに、あきらかに浮いています。これでは、頑張って従者キャラを作った意味がありません。
そういうわけで、あわててヴィドと従者キャラの掛け合いを加筆しました。
主人公以外のキャラを一人増やしただけなのに、この体たらくです。
数多くのNPCをさばけるTRPGのゲームマスター担当の方は、やっぱりすごいです。
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
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ローグライクハーフ
『常闇の伴侶』リプレイその5
《2回目の冒険》
齊藤(羽生)飛鳥
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6:中間イベント2≪2回目の冒険≫:『切株トレント』
再びヴィドと合流し、こちらの今までのいきさつをおおかた説明し終えた時だった。
ナナカマドの木立の枝から枝へ張り巡らされた闇蜘蛛の巣に絡め取られ、なにやらモゾモゾと動く生き物の姿があった。
いや、生き物なのか……これは?
「おっと、珍しいものが捕まってるぜ」
「知っているのか、ヴィド!?」
怪訝な表情を浮かべるわたしに、ヴィドが合点がいった様子で説明してくれる。
「俺たちフーウェイの民は樹人を倒した後に、止めを刺すために株のところで切り落とすんだ。上の部分はお前も知ってのとおり、いろいろなものに加工するために使う。じゃあ下の部分はどうなるかってえと……」
ヴィドは含み笑いをしながら、ネバネバする蜘蛛の糸でもがき続ける生き物を指し示した。
「〈切株トレント〉だ。こんな根っこだけになっても何年かは生きれるってのが樹人の生命力の凄いところだよ。知能は動物並みになるが、大変従順で乗りやすく加工されて騎乗動物として重宝されるのだそうだ。以上、ミン・メーショ・ボー作『ぶった切れトレント』参照」
参考文献まで言及した丁寧な説明だったのに、一気にヴィドの発言がネタに思えてきた。なんでだろう?
「〈収穫人〉たちがやったのか、それとも闇エルフやオークどもか……いずれにしてもナナカマドなら魔除けとしても良いものだ」
ゲルダがそう呟いて、特徴的な五芒星を形取った小さな白い花にそっと触れた。フーウェイではナナカマドは魔女の樹と呼ばれ、破魔の力を持つと言われている。
「お嬢ちゃんもそう思うだろ?」
ヴィドが振り返って声を掛けた。小さな鈴の音と共にナナカマドの幹から、ちらりと少女の白い顔が覗く。やがて観念したようにおずおずとわたしたちに近づいてくる。
「やれやれ着いてきちまったのか」
ゲルダが迷惑そうに顔を顰める。少女は言われた言葉が分からないのか首を傾げている。
「まぁ来ちまったもんは仕方ない。できれば闇エルフたちの事を教えて貰いたいもんだが……まぁ無理そうだな」
ヴィドはそっと目を逸す。この少女はどうやら耳が聞こえていないようだ。照れたような笑顔を浮かべながらそのままわたしの傍まで近づきマントの裾を握る。
炎球でこんがりさせかけたわたしに、ただで笑顔を向けてくれるなんて天使か何かなの、この子!?
感動するわたしの横で、ヴィドが切株トレントを眺めなら訊ねてきた。
「騎乗生物にできるが、どうする?」
「ごめん。わたし、乗り物酔いするんでパス」
「もったいねえなぁ」
ヴィドはそう言ったものの、心底惜しんでいる様子はない。
「この子、わたしの集落の子じゃない。どこの子?」
ウペペサンケは、同じエルフのよしみか、少女に話しかける。
でも、少女は久しぶりに会う同族が嬉しいのか、はたまた年が近い相手と会えたのが嬉しいのか、笑顔を見せるだけだった。
7:刃花草
エルフの少女は、わたしたちについて来た。
ウペペサンケがエルフの言語で話しかけても、耳が聞こえないため、会話が成立しない。
だから、どうしてついて来るのか、理由がさっぱりわからない。
わかることと言えば、ひたすらわたしになついて、いい笑顔を無料提供してくれていることくらい。
何一つ善行を施していないわたしに笑顔を無料提供してくれるとは、すごくいい子だ!
しばらくして、人間サイズの巨大な花が咲いているのを発見した。
それも、二輪も。
「さすが《太古の森》ね。こんな大きな花を咲かせられるなんて、どれだけ大地が肥えているのやら」
わたしが感心して花に近づこうとすると、ゲルダが肩をつかんで引き止めてきた。
「あれは刃花草だ。自ら敵意を向ける事は無いが、縄張りに足を踏み入れたものには、鋭い刃の花びらを飛ばして自衛してくる。不用意に近づくと命を落とすことになるかもしれん」
「それもそうね。メンゴメンゴ」
「クワニャウマの死体を回収するなら、追加料金金貨1枚」
「骨身に刻んで気をつける!」
こうして、一つ賢くなったわたしの後ろで、ゲルダがウペペサンケに「お前、短期間でクワニャウマの扱いがうまくなったな」と褒めているのが聞こえたのだった。
8:オークの狩り罠
その直後だった。
足元の地面が急になくなった。
落とし穴だ!
「危なっ!」
とっさに両手足で穴の側面にふんばる。
落とし穴の底には、鋭くとがった槍の穂先がいくつもあった。
よく見たら、しゃれこうべまである!
頭上を見上げると、エルフの少女がおろおろとしているのが見えた。
よかった。わたしの傍らにいたから、一緒に巻きこんだかと思ったけど、無事だった。
こんないたいけな子に怪我をさせたら、傷一つ残さず治療するために有り金を湯水のごとく治療費を注ぎこんでしまうので、無傷でいてくれてよかった。
「オークの狩り罠か。落ちずにすむとは、クワニャウマは運がいい」
「褒めてくれるのはうれしいけど、脱出するのに手を貸してほしいなぁ」
「契約外の要望は、追加料金金貨1枚」
「オークごときが作った狩り罠に、この冒険家乙女クワニャウマ様が屈してたまるかァァーッ!!」
わたしは、自力で落とし穴を這い上がった。
そんなわたしに、エルフの少女は心底安心した様子で笑顔を見せてくれたのだった。天使だ。
9:最終イベント≪2回目の冒険≫:『闇の聖域』
「ウペペサンケはまだ若いのに、しっかりしている」
ゲルダが、ウペペサンケをほめる。ウペペサンケは、虚無顔にはにかんだ表情をかすかに浮かべる。
「同感。自分を安く売らないし、仲間を甘やかさない姿勢がいいよね」
共感してわたしも褒めると、ゲルダが怪訝な顔でわたしを見た。
「あの仕打ちを受け不機嫌にならんとは、思ったより器が大きいのだな、クワニャウマ」
「クワニャウマ、大物」
「やだなぁ、照れるじゃない」
お互いに褒め合える関係性とは、いいものだ。
次は、ゲルダとエルフの少女のいいところを語り合おうとしたところで、澱んだ臭気が鼻を突く。森の抱える闇が一層濃くなった事を感じる。
長老の樹の周囲と同じように開けた静謐な空間が、なにをすればこうも邪悪に濁り果てるというか。元に戻すのにどれだけのお金と時間を損するのかと思うと、わたしは静かな怒りがふつふつと湧き上がるのを感じていた。ゲルダが苦々しげな様子でぺっと唾を吐き捨てる。前にも思ったけど、〈男〉らしい行動と言うより、おっさんぽい。
正面に悠々とそびえ立つのは、長老の樹と見まがうばかり高く広い枝ぶりのトネリコの巨木だ。
「酷いな……」
その幹は無数にえぐり取られ、奇妙な文様や図形をそこかしこに刻まれ、黒々とした蔦が幾重にも巻き付き、枝中に毒虫が這いずり回り、弱りきっていた。
腐った果実のような匂いが漂い、羽虫の群れが立てる耳障りな羽音が癇に障り、わたしは手で追い払おうとする。
ひっと押し殺した悲鳴。傍らの少女が蒼白な顔で口元を押さえている。
ふと大樹の幹の影で何かが蠢いた気がした。幹を栗鼠が駆け上がる。遥か頭上に生い茂る樹冠の影のなかから、何者かが八つの足を醜悪に藻掻かせながら這いずりだしてきたのが見えた。
うわぁ……これは押し殺した悲鳴の一つや二つ、出したくもなるわ……。
わたしは、目の前に出現した巨大な蜘蛛を凝視した。
「あれは、〈晦冥の大蜘蛛〉だ。古代樹に植え付けた卵が今にも孵化しそうだから、小蜘蛛も襲い掛かってくると考えていい」
ゲルダがナイフをかまえる。
「あいつの蜘蛛の糸、危険」
ウペペサンケも弓に矢をつがえる。
「あなたは下がっていて」
わたしはエルフの少女を下がらせると、剣をかまえた。
「フシャー!」
〈晦冥の大蜘蛛〉は糸を噴出してきた。
とっさにわたしとゲルダはかわすも、ウペペサンケは糸に絡め取られてしまった!
「動けない……」
「後で助けるから、無理して動かない! 蜘蛛め! 金貨5枚をドブに捨てさせようとは、よほど命が惜しくないようね!」
「たとえ〈晦冥の大蜘蛛〉であろうと、私は背中を見せん!」
わたしとゲルダの剣が〈晦冥の大蜘蛛〉に決まる。
だが、喜ぶ間もなく、古代樹に植え付けられた卵から、小蜘蛛が2匹孵化してきた!
「嬉しくない予想が大当たり!」
「とにかく、ここは戦い続けろ!」
わたしとゲルダは、〈晦冥の大蜘蛛〉の吐き出す糸をかわし、もう一度攻撃にかかる。
「いつっ……!」
ゲルダが小蜘蛛の攻撃を受ける。
でも、〈晦冥の大蜘蛛〉に刃を食らわすのはさすがだ。
わたしも、莫大な報酬がほしいし、きちんと仕事しないとな。
「何の恨みもないが、情けもないので、わたしの金儲けのために、生まれたてのその命を散らせ!」
わたしが躊躇なくいたいけな小蜘蛛を狙うと、〈晦冥の大蜘蛛〉が親心からとっさに自分からわたしの剣の前に身を投げ出す。
狙い通りだ。
もちろん、わたしはか弱い生まれたての小蜘蛛を本気で殺す気はない。
あれは、あくまで〈晦冥の大蜘蛛〉を攻撃しやすくするための猿芝居だ。
わたしの剣は、いとも簡単に〈晦冥の大蜘蛛〉をとらえる。
「パミー!」
〈晦冥の大蜘蛛〉は見た目に反してかわいらしい鳴き声をあげると、小蜘蛛たちを連れて大急ぎで森の奥へ撤退する。
その時、何かを落としていったのが見えた。
「宝か? 宝だな!」
すかさず飛びつく。
それは、身代わりの依代だった!
「あの蜘蛛、いいお宝を持っているじゃないの。ウィーッヒッヒッヒッ、ウィーッヒッヒッヒッ!!」
「笑いすぎだ、クワニャウマ。それより、早くウペペサンケにくっついた蜘蛛の糸をはずそう」
「そうだった。ウペペサンケ、ちょっと痛いかもしれないけど、じっとしていてね」
金の余裕が心の余裕というわけではないけれど、金目の物を確保できたわたしは、優しい気持ちになれたのだった。
10:冒険の達成 ≪2回目の冒険≫
大樹の根元に立ち、頭上を遙かに見わたす。蜘蛛を追い払った程度でこの地を覆い隠す闇が祓われる訳ではない。しかし吐き気を催す臭気は少し鳴りを潜め、静けさが辺りに漂い始めていた。すると、あの臭気は、〈晦冥の大蜘蛛〉かその卵が出していたのか。卵の殻が残っているから、袋に詰めて悪臭を嗅がせて敵を昏倒させるアイテムが作れて、うまくすれば売れるかも……と、ちょっと思考がそれかかったけれど、頭上から聞こえてくるうめき声にも似た葉擦れの音に、わたしは長老の樹の言葉を思い出す。
《真夜中の夏至祭が始まれば、古代樹の力を絞り出すために弟の身体はより苦しみに満たされるだろう。ならばいっそ……》
わたしは懐から禁忌とされた植物枯らしの薬をそっと取り出す。だが、
「まだ早いぜ」
わたしたちと別行動をとっていたヴィドが首を横に振りながら言う。二日酔いはもう完治したようだ。
「全身に禁呪を刻み込まれ、闇の聖域とされた古代樹には、闇神の加護が強すぎ、闇の眷属でなくてはこれ以上近寄る事すら叶わない。長老の樹の話では、夏至祭の儀式の最中であればその障壁が緩む瞬間があるはずだ」
そこで、わたしは決心した。
「やるのは真夜中。儀式とやらが始まってからだね」
遠くで角笛の音が響き渡る。ふと見やると夕焼けが空を朱く染めていた。夏至の長い日も終わろうとしている。
エルフの少女は空に目を遣ると慌てた様子でわたしたちから離れた。
「そうだな、お前はそろそろ村に戻ったほうがいい」
ゲルダの言葉が聞こえたわけではないだろうが、少女は少し逡巡する様子を見せたが闇エルフの集落がある方角へ足を向ける。そして後ろ髪を引かれる様子で何度も振り返りながら、木立の奥へ姿を消した。
帰る家があるのか。よかった。
帰りが少しでも遅いと折檻される家庭ではないことを祈ろう。
それを見送るとわたしたちは古代樹から離れた場所に陣取り、休息の準備を始めた。
鋭い鳴き声とともに1羽のカササギがやってきて、わたしたちの頭上を何周か回ると咥えていた何かをぽとりと落とした。頭上を見上げると、そのまま用事は済んだとばかりに飛び去ってゆく。
ニワトコの低い木立に引っかかった袋を開けてみると、ジャムの詰まった瓶と木の実や果実が沢山入っていた。この辺りではムスティッカと呼ばれる小さな青い果実を潰した甘酸っぱいジャムを少し掬いとって口に含むと、疲労や怪我が不思議と癒されていく。きっと長老の樹からの援助に違いない。
しかも、食料2個分もらえた。
この無料提供はありがたい!
冒険家の依頼者に必要なのは、こういう福利厚生ができるかどうかの心づかいだとつくづく思う。
「ところで、さっきから気になっていたんだが、その子は誰だ?」
ヴィドは、ウペペサンケの顔をのぞきこむように見る。そう言えば、おおかたの説明はしたものの、ヴィドにウペペサンケを紹介しそびれていた!
どうりで、今まで二人の間に会話らしい会話がなかったわけだ!
ウペペサンケを見れば、緊張したように背筋をのばしていた。
どうやら、ヴィドに気に入られなかったらクビにされるかもしれないと思って緊張しているらしい。
「お前と別行動を取っている時に立ち寄ったエルフの集落で雇った従者のウペペサンケだ」
「初めて冒険家の従者を務める弓使いだから金貨5枚で雇ったけど、自分を安く売らない心構えのよさから、ゆくゆくは金貨10枚は取れそうな逸材よ」
「ゲルダはともかく、クワニャウマの紹介の言葉は何なんだよ」
ヴィドは苦笑してから、ウペペサンケの方に向き直る。
「ウペペサンケか。遅ればせながら、初めまして。俺はカリウキ氏族のまじない師のヴィドだ。よろしく」
「よろしく!」
ヴィドが首を言い渡す気配もなく、それどころか気さくに挨拶をしてきたことで、ウペペサンケの緊張は解けて虚無顔ながらも元気よく挨拶をする。
その様子を見て、ゲルダがこっそりと小さく微笑む。
日はどんどん暮れていき、森は闇に包まれていく。
でも、樹人の長老の福利厚生や仲間達のおかげで、わたしの心は闇に包まれなかった。
(続く)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2024年末に5巻が刊行。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2024年6月に『歌人探偵定家』(東京創元社)を、同年11月29日に『賊徒、暁に千里を奔る』(KADOKAWA)を刊行。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
ローグライクハーフd66シナリオ
『常闇の伴侶』
著 水波流
2024年7月7日FT新聞配信/2025年書籍版発売予定
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2025年3月26日水曜日
第4回【戦場の風】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4445
第4回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【戦場の風】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
ゲームブック「戦場の風」のプレイを続けています。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
戦場の端っこで、敵国ドラッツェンの繰り出すウォードレイクに遭遇し、どうにか逃げのびます。
牛飼いジェイコブ、聖騎士の配下だった兵士アンドロを同行者に加え、王女を探して戦場を走ります。
【ウォーレン 技術点12 体力点17/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
●アタック04-5 ウォーレン、牛寄せの笛を得る
友軍のテントを出発する。
俺と、牛飼いジェイコブ、兵士アンドロの3人と、馬が1頭。
俺とアンドロは王女を探しに。
牛飼いジェイコブは、この金牛の丘に牛舎と家があるため、そこまで戻るのが目的だ。
そのジェイコブは、道中でウォードレイクの話を出してきた。
どうやらジェイコブも、ウォードレイクを見たことがあるらしい。
しかしそれは、俺たちのように襲われたからじゃない。
ドラッツェンの兵士に、ウォードレイクの餌として牛をよこせと買いたたかれたという。
ジェイコブは、ウォードレイクが牛1頭をまるごと平らげる場面を目撃していたのだ。
ウォードレイクは牛が好物。
何気ない話だが、これは重要かもしれない。
牛とウォードレイクが同時に登場する場面でもあれば、だが。
丘を上がる道を進む。戦場は局地的なので、牧草地を歩くぶんにはなにごともない。
牛が見当たらないのは、ウォードレイクを恐れているためかもしれない。
やがて、牛舎と家屋が見えた。
ここにある家といえば、それはもちろんジェイコブの家に違いないだろう。
「うちに寄っていってくだせえ。ここまで連れてきてもらったお礼がしたいだ」
ここで、招待を受けるか、申し出を断って別れるかの選択となった。
うーんどうしたものか。
ジェイコブは、俺の使命はじゅうぶんに承知しているはずだ。
お礼と言っても、のんびりと食事にご招待なんていう、悠長なことはしないに違いない。
そう思いたい。
だから、今回は立ち寄ってみても良いのではないか。
そう結論づけて、俺はジェイコブの家に立ち寄ることにした。
あ。そういえばジェイコブ、家族を置いて勝手に逃げてたんだっけ。
お礼どころか、家族の修羅場に立ち会うことになってしまったら、タイムロスどころじゃないぞ。
その心配は杞憂だった。家族は、ジェイコブが無事に戻ってこられたことで、再会を喜び合った。
それはそうか。戦場の中だ。いつ殺されてもおかしくない。事実ジェイコブは、ドラッツェン兵に殺されかけていた。
……考えてみれば、俺の使命は王女を説得し、無事に脱出させること。
それは敗戦を意味するだけではない。この戦場を、ひいてはこの土地を放棄することだ。
つまりジェイコブ一家は今後、ドラッツェンの管轄下で、ウォードレイクの餌として牛を飼育するという運命が、すでに確定していると言ってもいい。
すまないな。我が国に力がないばかりにそのような憂き目に合わせてしまう。
ジェイコブはお礼にと、笛を差し出した。
本当は牛を1頭あげたいところだが、今渡されても邪魔だろうと。
まあ、そうだな。牛の使いみちはさっき想像していたが、連れ歩くとなれば話は別だ。
で、笛はというと、牛寄せの笛とのことだ。
この笛を吹けば、寝ている牛でも呼び集めることができるという。
しかも、この笛を使う際にはパラグラフジャンプを試みられる。
つまり、俺が吹いても効果が出るということか。
それはすごいな。ただの笛ではなく、特別な魔力でも秘めているのか。
牛集めの魔力。作成した付与魔術師の技術もセンスも不思議だ。
「おい! 開けろ! 誰かいるのか!!」
ドアがガンガンと叩かれる。
ドラッツェン兵だ。
俺たちが入るところを目撃されていたのかもしれない。
面倒な事態になってしまったな。
●アタック04-6 ウォーレン、ドラッツェン兵と戦う
対処としては、不意を打って倒してしまうか、あるいは裏口からこっそり逃げることだろう。
牛飼いの一家だけなら、ごまかしきれる可能性は十分にある。
逆にここで兵士と戦い、1人でも逃がしてしまった日には、牛飼い一家が危険にさらされることになる。
しかし、俺が想像した選択肢は出なかった。
問われたのは、ほかに仲間がいるかどうかだ。
いるな。アンドロが。
選択肢を進む。
アンドロは傷つき疲れ果てた兵士だ。
急な逃走には対応できない。
そのため、俺がひとりでドラッツェン兵と戦わなければならないとのことだ。
ドラッツェン兵は2人だった。
2人とも、確実に倒しきらなければならない。
ジェイコブと目配せをする。
ジェイコブがドアを開けた瞬間に、不意打ちをかました。
ドラッツェン兵は2人いた。
戦闘開始だ。
【ドラッツェン兵1 技術点7 体力点6】
【ドラッツェン兵2 技術点8 体力点5】
戸口に立ったために、1人ずつ順番に戦う形を取れた。
ここを死守してアンドロと、ジェイコブ一家を守らなければならない。
そのため、技術点を1点減らして戦わなければいけないとのことだ。
今回の俺は技術点12。十分に強い。少しのペナルティなどものともせず、勝てるだろう。
しかし弱い俺だったら、この戦いはかなり手ごわいぞ。
ここで俺は、余分な考察を働かせてしまう。
FT書房は、緻密な作品づくりをする傾向が強い。
そのFT書房が、想定される正解ルートに、弱いステイタスだと突破できない可能性が高いイベントなどを置くだろうか。
これがイアン・リビングストン作品だったなら、どんなに強い敵が配置されていても気にしないのだが。
じゃあ、どこで間違えたのか。
アンドロを連れて行くのは絶対に必要だって思うんだよ。
少なくとも、彼が王女に伝えたい言葉の中身を知るまでは、同行させるつもりでいる。
そうなると、この牛飼いの家に立ち寄ったこと自体が間違いってことになる。
牛寄せの笛も、パラグラフジャンプをともなうアイテム。
そんな重要アイテムを不正解ルートに配置するとしたら、それはそれでけっこう意地悪だ。
それとも、ここ以外の場所で入手できる可能性があるとか?
思考はここまでで中断させよう。
この先は、今の時点で結論づけられることではない。
ドラッツェン兵との戦いは、圧勝だった。
出鼻でうっかりかすり傷を負ったものの、その後は完勝だ。
もちろん兵士を1人も逃がしてなどいない。
逃げた兵士に上官に報告でもされようものなら、次は牛飼い一家に危害が及ぶからな。
さあ、時間もない。ドラッツェン兵の後処理は、ジェイコブに任せよう。
ここで戦いがあったとわからないように始末するんだ。ほかの兵士が探しにきても、知らぬ存ぜぬで切り抜けるようにな。
俺とアンドロは、牛飼いの家を出発する。
・丘の中でひときわ大きな建物である聖堂に向かう
・あえて戦場になっている方向へ近づく
次の選択肢は、これだ。
戦場との距離が、ぐんぐん縮まってきたのを感じる。
もう、王女の近くまで来ているのか?
「あえて」なんて言われてしまうと、そっちは選び辛いな。
それにたった今、同行するアンドロは戦闘では活躍できないことが判明したばかりだ。
可能な限り、戦闘は避けつつ王女の居場所を探るべきだ。
ここは、聖堂に向かおう。
●アタック04-7 ウォーレン、司祭に質問する
聖堂。
そこは、敵味方の兵を問わず、傷病兵を収容する、いわば野外病院と化していた。
「たとえ戦の最中であろうとも、神の前では等しく平等に扱う。それが我々の考えです」
聖堂に入り戸惑っている俺たちに、初老の司祭が声をかけてきた。
柔和な笑みを浮かべてはいるものの、衣類は汚れ、傷んでいる。司祭自身も傷病者のケアに当たっているに違いない。
「あなたはここに、どのようなご用でいらしたのかな?」
・王女を探していると答える
・施しを受けたいと答える
これは悩ましい質問だ。
王女を探している、と伝えても良いものか。伝えなければはじまらない。それはわかっているのだが。
ここにはドラッツェンの兵も収容されている。
そんな場所で不用意に王女を探していることを告げて、どうなる。
司祭が王女の所在を本当に知らなければ、知らないで済む話だ。
しかし、もし知っていた場合、司祭が考えなしの人で、この場でうっかり王女の所在を語ろうものなら、ドラッツェン側にその情報が流れてしまうことが想定される。
そして、司祭が思慮深い人であれば、この場では「知らない」と答えるだろう。
つまり、司祭の「知らない」という返事には、2つの場合が想定される。
だからと言って、「施しを受けたい」と言ってしまうのは気が咎める。
傷病者の治療にあたっている施設で、森の足下の悪さで軽傷を負った程度の俺が施しを受けるなど、してはいけないことだと思う。
そんなことでこの場所の治癒にかけるリソースを減らしたくない。
結局俺は、司祭の思慮深さに期待して、王女の所在を尋ねた。
司祭の返答は「我々は存じ上げません」だった。
そうだろう。司祭としては、そう答えるしかあるまい。
我々にしかわからない、何らかの合図でも送ってくる可能性も考えたが、それもなかった。
それだって当たり前だ。
「王女の行方を捜しに来たロング・ナリクの兵」を装ったドラッツェン軍の可能性が捨てきれない以上、何もしないことがもっとも賢明だ。
つまり司祭は、非常に頭の良い人物か、あるいは本当に王女の居場所を知らないか、のどちらかということだ。
司祭は再度、なにか手伝えることはないかと尋ねてきた。
選択肢は、「施しを受ける」か「戦場へ向かう」かだ。
施しは受けないことに決めている。
ここは危険を冒してでも、戦場に行くしか、ないか。
アンドロにはここで待っていてもらおうかとも思ったが、アンドロはそれをきっぱり断った。
自分がいない時に王女と会えたらどうするのか、と言って。
俺は、アンドロと連れ立って、戦場へと向かった。
次回、ついに王女との邂逅。
【ウォーレン 技術点12 体力点17→15/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
・牛飼いの笛
■登場人物
ウォーレン ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。主人公。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
聖騎士ウォーレン ロング・ナリクの当代一の聖騎士。ロング・ナリク軍の副官。戦地で命を落とす。
ジェイコブ 金牛の丘の牛飼い
アンドロ 聖騎士ウォーレンに従っていた兵士。ウォードレイクに遭遇し生き延びる。王女に伝えたいことがある。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
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ぜろです。
ゲームブック「戦場の風」のプレイを続けています。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
戦場の端っこで、敵国ドラッツェンの繰り出すウォードレイクに遭遇し、どうにか逃げのびます。
牛飼いジェイコブ、聖騎士の配下だった兵士アンドロを同行者に加え、王女を探して戦場を走ります。
【ウォーレン 技術点12 体力点17/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
●アタック04-5 ウォーレン、牛寄せの笛を得る
友軍のテントを出発する。
俺と、牛飼いジェイコブ、兵士アンドロの3人と、馬が1頭。
俺とアンドロは王女を探しに。
牛飼いジェイコブは、この金牛の丘に牛舎と家があるため、そこまで戻るのが目的だ。
そのジェイコブは、道中でウォードレイクの話を出してきた。
どうやらジェイコブも、ウォードレイクを見たことがあるらしい。
しかしそれは、俺たちのように襲われたからじゃない。
ドラッツェンの兵士に、ウォードレイクの餌として牛をよこせと買いたたかれたという。
ジェイコブは、ウォードレイクが牛1頭をまるごと平らげる場面を目撃していたのだ。
ウォードレイクは牛が好物。
何気ない話だが、これは重要かもしれない。
牛とウォードレイクが同時に登場する場面でもあれば、だが。
丘を上がる道を進む。戦場は局地的なので、牧草地を歩くぶんにはなにごともない。
牛が見当たらないのは、ウォードレイクを恐れているためかもしれない。
やがて、牛舎と家屋が見えた。
ここにある家といえば、それはもちろんジェイコブの家に違いないだろう。
「うちに寄っていってくだせえ。ここまで連れてきてもらったお礼がしたいだ」
ここで、招待を受けるか、申し出を断って別れるかの選択となった。
うーんどうしたものか。
ジェイコブは、俺の使命はじゅうぶんに承知しているはずだ。
お礼と言っても、のんびりと食事にご招待なんていう、悠長なことはしないに違いない。
そう思いたい。
だから、今回は立ち寄ってみても良いのではないか。
そう結論づけて、俺はジェイコブの家に立ち寄ることにした。
あ。そういえばジェイコブ、家族を置いて勝手に逃げてたんだっけ。
お礼どころか、家族の修羅場に立ち会うことになってしまったら、タイムロスどころじゃないぞ。
その心配は杞憂だった。家族は、ジェイコブが無事に戻ってこられたことで、再会を喜び合った。
それはそうか。戦場の中だ。いつ殺されてもおかしくない。事実ジェイコブは、ドラッツェン兵に殺されかけていた。
……考えてみれば、俺の使命は王女を説得し、無事に脱出させること。
それは敗戦を意味するだけではない。この戦場を、ひいてはこの土地を放棄することだ。
つまりジェイコブ一家は今後、ドラッツェンの管轄下で、ウォードレイクの餌として牛を飼育するという運命が、すでに確定していると言ってもいい。
すまないな。我が国に力がないばかりにそのような憂き目に合わせてしまう。
ジェイコブはお礼にと、笛を差し出した。
本当は牛を1頭あげたいところだが、今渡されても邪魔だろうと。
まあ、そうだな。牛の使いみちはさっき想像していたが、連れ歩くとなれば話は別だ。
で、笛はというと、牛寄せの笛とのことだ。
この笛を吹けば、寝ている牛でも呼び集めることができるという。
しかも、この笛を使う際にはパラグラフジャンプを試みられる。
つまり、俺が吹いても効果が出るということか。
それはすごいな。ただの笛ではなく、特別な魔力でも秘めているのか。
牛集めの魔力。作成した付与魔術師の技術もセンスも不思議だ。
「おい! 開けろ! 誰かいるのか!!」
ドアがガンガンと叩かれる。
ドラッツェン兵だ。
俺たちが入るところを目撃されていたのかもしれない。
面倒な事態になってしまったな。
●アタック04-6 ウォーレン、ドラッツェン兵と戦う
対処としては、不意を打って倒してしまうか、あるいは裏口からこっそり逃げることだろう。
牛飼いの一家だけなら、ごまかしきれる可能性は十分にある。
逆にここで兵士と戦い、1人でも逃がしてしまった日には、牛飼い一家が危険にさらされることになる。
しかし、俺が想像した選択肢は出なかった。
問われたのは、ほかに仲間がいるかどうかだ。
いるな。アンドロが。
選択肢を進む。
アンドロは傷つき疲れ果てた兵士だ。
急な逃走には対応できない。
そのため、俺がひとりでドラッツェン兵と戦わなければならないとのことだ。
ドラッツェン兵は2人だった。
2人とも、確実に倒しきらなければならない。
ジェイコブと目配せをする。
ジェイコブがドアを開けた瞬間に、不意打ちをかました。
ドラッツェン兵は2人いた。
戦闘開始だ。
【ドラッツェン兵1 技術点7 体力点6】
【ドラッツェン兵2 技術点8 体力点5】
戸口に立ったために、1人ずつ順番に戦う形を取れた。
ここを死守してアンドロと、ジェイコブ一家を守らなければならない。
そのため、技術点を1点減らして戦わなければいけないとのことだ。
今回の俺は技術点12。十分に強い。少しのペナルティなどものともせず、勝てるだろう。
しかし弱い俺だったら、この戦いはかなり手ごわいぞ。
ここで俺は、余分な考察を働かせてしまう。
FT書房は、緻密な作品づくりをする傾向が強い。
そのFT書房が、想定される正解ルートに、弱いステイタスだと突破できない可能性が高いイベントなどを置くだろうか。
これがイアン・リビングストン作品だったなら、どんなに強い敵が配置されていても気にしないのだが。
じゃあ、どこで間違えたのか。
アンドロを連れて行くのは絶対に必要だって思うんだよ。
少なくとも、彼が王女に伝えたい言葉の中身を知るまでは、同行させるつもりでいる。
そうなると、この牛飼いの家に立ち寄ったこと自体が間違いってことになる。
牛寄せの笛も、パラグラフジャンプをともなうアイテム。
そんな重要アイテムを不正解ルートに配置するとしたら、それはそれでけっこう意地悪だ。
それとも、ここ以外の場所で入手できる可能性があるとか?
思考はここまでで中断させよう。
この先は、今の時点で結論づけられることではない。
ドラッツェン兵との戦いは、圧勝だった。
出鼻でうっかりかすり傷を負ったものの、その後は完勝だ。
もちろん兵士を1人も逃がしてなどいない。
逃げた兵士に上官に報告でもされようものなら、次は牛飼い一家に危害が及ぶからな。
さあ、時間もない。ドラッツェン兵の後処理は、ジェイコブに任せよう。
ここで戦いがあったとわからないように始末するんだ。ほかの兵士が探しにきても、知らぬ存ぜぬで切り抜けるようにな。
俺とアンドロは、牛飼いの家を出発する。
・丘の中でひときわ大きな建物である聖堂に向かう
・あえて戦場になっている方向へ近づく
次の選択肢は、これだ。
戦場との距離が、ぐんぐん縮まってきたのを感じる。
もう、王女の近くまで来ているのか?
「あえて」なんて言われてしまうと、そっちは選び辛いな。
それにたった今、同行するアンドロは戦闘では活躍できないことが判明したばかりだ。
可能な限り、戦闘は避けつつ王女の居場所を探るべきだ。
ここは、聖堂に向かおう。
●アタック04-7 ウォーレン、司祭に質問する
聖堂。
そこは、敵味方の兵を問わず、傷病兵を収容する、いわば野外病院と化していた。
「たとえ戦の最中であろうとも、神の前では等しく平等に扱う。それが我々の考えです」
聖堂に入り戸惑っている俺たちに、初老の司祭が声をかけてきた。
柔和な笑みを浮かべてはいるものの、衣類は汚れ、傷んでいる。司祭自身も傷病者のケアに当たっているに違いない。
「あなたはここに、どのようなご用でいらしたのかな?」
・王女を探していると答える
・施しを受けたいと答える
これは悩ましい質問だ。
王女を探している、と伝えても良いものか。伝えなければはじまらない。それはわかっているのだが。
ここにはドラッツェンの兵も収容されている。
そんな場所で不用意に王女を探していることを告げて、どうなる。
司祭が王女の所在を本当に知らなければ、知らないで済む話だ。
しかし、もし知っていた場合、司祭が考えなしの人で、この場でうっかり王女の所在を語ろうものなら、ドラッツェン側にその情報が流れてしまうことが想定される。
そして、司祭が思慮深い人であれば、この場では「知らない」と答えるだろう。
つまり、司祭の「知らない」という返事には、2つの場合が想定される。
だからと言って、「施しを受けたい」と言ってしまうのは気が咎める。
傷病者の治療にあたっている施設で、森の足下の悪さで軽傷を負った程度の俺が施しを受けるなど、してはいけないことだと思う。
そんなことでこの場所の治癒にかけるリソースを減らしたくない。
結局俺は、司祭の思慮深さに期待して、王女の所在を尋ねた。
司祭の返答は「我々は存じ上げません」だった。
そうだろう。司祭としては、そう答えるしかあるまい。
我々にしかわからない、何らかの合図でも送ってくる可能性も考えたが、それもなかった。
それだって当たり前だ。
「王女の行方を捜しに来たロング・ナリクの兵」を装ったドラッツェン軍の可能性が捨てきれない以上、何もしないことがもっとも賢明だ。
つまり司祭は、非常に頭の良い人物か、あるいは本当に王女の居場所を知らないか、のどちらかということだ。
司祭は再度、なにか手伝えることはないかと尋ねてきた。
選択肢は、「施しを受ける」か「戦場へ向かう」かだ。
施しは受けないことに決めている。
ここは危険を冒してでも、戦場に行くしか、ないか。
アンドロにはここで待っていてもらおうかとも思ったが、アンドロはそれをきっぱり断った。
自分がいない時に王女と会えたらどうするのか、と言って。
俺は、アンドロと連れ立って、戦場へと向かった。
次回、ついに王女との邂逅。
【ウォーレン 技術点12 体力点17→15/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
・牛飼いの笛
■登場人物
ウォーレン ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。主人公。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
聖騎士ウォーレン ロング・ナリクの当代一の聖騎士。ロング・ナリク軍の副官。戦地で命を落とす。
ジェイコブ 金牛の丘の牛飼い
アンドロ 聖騎士ウォーレンに従っていた兵士。ウォードレイクに遭遇し生き延びる。王女に伝えたいことがある。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
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ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
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2025年3月25日火曜日
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第42回 FT新聞 No.4444
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第42回
「運」
(中山将平)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
おはようございます。
イラストレーターの中山将平です。
この記事の「通し番号」をぜひご覧ください。
そう、FT新聞4444番なのです!!
このようなクリティカルな番号の記事を書かせていただけるとは、光栄の極み!
何か特別なことを書こうと考えました。
そこで選んだ話題がなんと「運」!!
いや、本当にここだけの話なのですが、僕実はTRPGを遊んでいて「サイコロを振りすぎなんじゃないかな……」と思うことがあるのです。
実際、自分で作ったカエル人のTRPGを遊んでいて、そう感じました。
サイコロを振る行為って、いかにも「ゲームを遊んでいる」という雰囲気があって好きな方も多いはずだと感じています。
でも、それが物語全体に与える影響が小さすぎるとき、「いちいちこれをする必要があるのか」と、どうしても自身に問うてしまう自分がいるんです。
これについて、どういうときに自分がそう感じるのか自問自答してみました。
その結果と、自分にとってどのような方法が良いと感じられたのかということを、今日は書いてみます。
考えていて気づいたのですが、どうやらこの話題は「TRPGをどのようなゲームと考えているか」と大きく関係しているようです。
ファンタジー系のTRPGを楽しまれている方に役立つ記事にできたら幸いです。
それでは、具体的に見ていきましょう。
◆ 演劇なのか、創作なのか、思考実験なのか、それとも……
前述の通り、僕はこの話題を「TRPGをどのようなゲームと考えているか」と大きく関係づけて考えていました。
というのも、なぜサイコロを振るのか考えたところ、「そういうゲームだから」という答えがあり得ると思えたからです。
果たして、TRPGはサイコロを振る必要のあるゲームなのでしょうか。
個人的な見解として、TRPGは大きく4つの側面を持っているように感じています。
1つ目は演劇として側面。
キャラを即興で演じることの楽しさ。シナリオへの没入感。
ある意味では感情の共有とも思えます。
別の意味では自己表現の一種でしょうか。
声色を変えたり、小さな仕草を大切にしたり、キャラ同士の関係性への言及を強めたりという形でこれを目にしてきました。
2つ目は創作としての側面。
シナリオそのものを作ったり、キャラクターを作ったりする楽しさ。
想像の世界を他人と肯定しあい、一つの物語を気づいていくことの充実感。
もしくは、1人で「自分の世界の拡張」を行う小さな魔法とでも言いましょうか。
様々なシナリオ、リプレイ、考察を作られる方々に、最高の賛辞を贈りたいといつも心に願っています。
3つ目は思考実験としての側面。
一見創作としての面と似ていますが、明らかに異なる特徴だと感じます。
「現実世界の前提を取り外して、物事の本質を見たとき、どのように判断するか」の思考実験として楽しいという視点です。
主眼は現実世界の理解にあると思われるかもしれませんが、僕自身は想像の世界であれ現実世界であれ本質は変わりづらいものだと考えています。
前提が違う世界の疑似体験と言い換えられるかもしれません。
4つ目はゲームとしての側面。
あくまで一つの遊び、一つのゲームとして「クリア」を目指しながら楽しむものだという捉え方です。
ゲームである以上ルールが大切であり、その部分でどこまで透明性(処理の分かりやすさ)を持てるかはシステム次第なのかなと思っています。
これらの側面に対し、実はどれもサイコロによる「ランダム性」の必要度合いはそれほど大きくないように感じられないでしょうか。
あくまで私見ですが、おそらく一番サイコロが活躍するのはゲームとして捉えたときであり、そのときでさえも「必要」とまでは言えないかもしれません。
しかし一方で、サイコロを振る行為は「必要ではないが、場面によってはあると楽しいものでもある」ということもまた感じました。
では、なぜランダム性が「あると楽しい」と感じたのか、見てみましょう。
◆ できるのか、できないのか
思うに、ランダム性があると楽しい場面って、基本的に「できるかできないか」あるいは「どの程度できるか」判断が難しい時ではないでしょうか。
例えば、弓を射たとき的に当てることができるかどうか。
これって、どんな達人でも当てられる時と当てられないときがあると思うんです。
そうすると、サイコロで当たったかどうか決める意味が出てくるように思われないでしょうか。
ただ、やはり悩ましいのは線引きです。
どこからが「できるかできないか」判断が難しいことで、どこからが「完全にできる」ことや「完全にできない」ことなのか。
その線引きがどこでなされるかによって、サイコロを使う意味は大きく変わると思うのです。
それが悩ましいのは、与えられる状況が個別具体的なものであり、都度考える必要が出てくるからかもしれません。
そうすると、このことをある程度「一般化」できて、通念としてのルールを導けているとより快適に感じられるのではないでしょうか。
例えば、箱を開けたとき、ふたの裏に小さな文字が書かれていたとしましょう。
その文字に「気づけるかどうか」をサイコロで決めることについてどう感じられるでしょうか。
もしそれが緊迫した状況で、一度しか確認できないなら見落としもあるかもしれません。
しかし、箱に正常な観察力を持って注目できているなら、「鈍感だから気づけなかった」という説明に納得できるか心配になります。
僕はこの話から、「時間をかけて繰り返し試みることができることは、完全にできることとして扱う」という「一般化」を試みました。
◆ 専門性の壁
思うに、僕がサイコロを振りすぎではないかと感じていたのは主に「情報に気づけるかどうか」という感覚的な部分であったように思っています。
どうしても、「時間をかけて観察できるなら、あるいは慎重に見ることができるなら、気づけないことは少ない……ほとんどないと思える程度だ」と感じてしまうからです。
その情報が得られるかどうかが物語の中で相当に重要なら隠されることも分かりますが、実際そうとも限らないことは想像に難くないかと思います。
言い換えると、物語に入り込んでいく場面においてサイコロを振りながら進めていくことが、どこか物語性自体を膜で覆ってしまって没入感を緩めてしまうように感じる、ということでもあると思います。
そうして考えたとき、先ほどの「時間をかけて繰り返し試みることができることは、完全にできることとして扱う」という「一般化」には穴があることに気づかれるかもしれません。
これが「鍵開け」や「弓が的に当たるか」に適用される場合、例えば盗賊や射手の「お株を奪う」ルールになりかねないということが想定されるからです。
確かに、専門的な知識や技術を持たない人物が「時間を掛けたらどんなことでもできる」というのは少々無理があるように感じられます。
その専門性を獲得できるほどの、あるいは足らない技術を埋められるだけの「十分な時間」は、おそらく一つのシナリオの中に用意できないだろうと思えるからです。
そこで、一般化する内容を修正することにしました。
「専門性が必要ではないことのうち、時間を掛けて繰り返し試みることができることは、完全にできることとして扱う」という風に。
今のところ、ここから修正を迫られる事態には出くわしていません。
ただ、それは僕の経験の浅さゆえかもしれないと感じています。
もしも読者の方の中に「いや、これでは対応できないケースがあったぞ」というお話をご存知の方がいらっしゃれば、ぜひご感想にて教えていただけましたら。
そういう想いもあって、この内容を共有させていただきたかったのです。
◆ まとめ
FT新聞4444回の記事では、TRPGにおけるサイコロ(ランダム性)について考えていることを書いてみました。
それでは、今日はそろそろこのあたりで。
よきファンタジー・ライフを。
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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第42回
「運」
(中山将平)
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何か特別なことを書こうと考えました。
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いや、本当にここだけの話なのですが、僕実はTRPGを遊んでいて「サイコロを振りすぎなんじゃないかな……」と思うことがあるのです。
実際、自分で作ったカエル人のTRPGを遊んでいて、そう感じました。
サイコロを振る行為って、いかにも「ゲームを遊んでいる」という雰囲気があって好きな方も多いはずだと感じています。
でも、それが物語全体に与える影響が小さすぎるとき、「いちいちこれをする必要があるのか」と、どうしても自身に問うてしまう自分がいるんです。
これについて、どういうときに自分がそう感じるのか自問自答してみました。
その結果と、自分にとってどのような方法が良いと感じられたのかということを、今日は書いてみます。
考えていて気づいたのですが、どうやらこの話題は「TRPGをどのようなゲームと考えているか」と大きく関係しているようです。
ファンタジー系のTRPGを楽しまれている方に役立つ記事にできたら幸いです。
それでは、具体的に見ていきましょう。
◆ 演劇なのか、創作なのか、思考実験なのか、それとも……
前述の通り、僕はこの話題を「TRPGをどのようなゲームと考えているか」と大きく関係づけて考えていました。
というのも、なぜサイコロを振るのか考えたところ、「そういうゲームだから」という答えがあり得ると思えたからです。
果たして、TRPGはサイコロを振る必要のあるゲームなのでしょうか。
個人的な見解として、TRPGは大きく4つの側面を持っているように感じています。
1つ目は演劇として側面。
キャラを即興で演じることの楽しさ。シナリオへの没入感。
ある意味では感情の共有とも思えます。
別の意味では自己表現の一種でしょうか。
声色を変えたり、小さな仕草を大切にしたり、キャラ同士の関係性への言及を強めたりという形でこれを目にしてきました。
2つ目は創作としての側面。
シナリオそのものを作ったり、キャラクターを作ったりする楽しさ。
想像の世界を他人と肯定しあい、一つの物語を気づいていくことの充実感。
もしくは、1人で「自分の世界の拡張」を行う小さな魔法とでも言いましょうか。
様々なシナリオ、リプレイ、考察を作られる方々に、最高の賛辞を贈りたいといつも心に願っています。
3つ目は思考実験としての側面。
一見創作としての面と似ていますが、明らかに異なる特徴だと感じます。
「現実世界の前提を取り外して、物事の本質を見たとき、どのように判断するか」の思考実験として楽しいという視点です。
主眼は現実世界の理解にあると思われるかもしれませんが、僕自身は想像の世界であれ現実世界であれ本質は変わりづらいものだと考えています。
前提が違う世界の疑似体験と言い換えられるかもしれません。
4つ目はゲームとしての側面。
あくまで一つの遊び、一つのゲームとして「クリア」を目指しながら楽しむものだという捉え方です。
ゲームである以上ルールが大切であり、その部分でどこまで透明性(処理の分かりやすさ)を持てるかはシステム次第なのかなと思っています。
これらの側面に対し、実はどれもサイコロによる「ランダム性」の必要度合いはそれほど大きくないように感じられないでしょうか。
あくまで私見ですが、おそらく一番サイコロが活躍するのはゲームとして捉えたときであり、そのときでさえも「必要」とまでは言えないかもしれません。
しかし一方で、サイコロを振る行為は「必要ではないが、場面によってはあると楽しいものでもある」ということもまた感じました。
では、なぜランダム性が「あると楽しい」と感じたのか、見てみましょう。
◆ できるのか、できないのか
思うに、ランダム性があると楽しい場面って、基本的に「できるかできないか」あるいは「どの程度できるか」判断が難しい時ではないでしょうか。
例えば、弓を射たとき的に当てることができるかどうか。
これって、どんな達人でも当てられる時と当てられないときがあると思うんです。
そうすると、サイコロで当たったかどうか決める意味が出てくるように思われないでしょうか。
ただ、やはり悩ましいのは線引きです。
どこからが「できるかできないか」判断が難しいことで、どこからが「完全にできる」ことや「完全にできない」ことなのか。
その線引きがどこでなされるかによって、サイコロを使う意味は大きく変わると思うのです。
それが悩ましいのは、与えられる状況が個別具体的なものであり、都度考える必要が出てくるからかもしれません。
そうすると、このことをある程度「一般化」できて、通念としてのルールを導けているとより快適に感じられるのではないでしょうか。
例えば、箱を開けたとき、ふたの裏に小さな文字が書かれていたとしましょう。
その文字に「気づけるかどうか」をサイコロで決めることについてどう感じられるでしょうか。
もしそれが緊迫した状況で、一度しか確認できないなら見落としもあるかもしれません。
しかし、箱に正常な観察力を持って注目できているなら、「鈍感だから気づけなかった」という説明に納得できるか心配になります。
僕はこの話から、「時間をかけて繰り返し試みることができることは、完全にできることとして扱う」という「一般化」を試みました。
◆ 専門性の壁
思うに、僕がサイコロを振りすぎではないかと感じていたのは主に「情報に気づけるかどうか」という感覚的な部分であったように思っています。
どうしても、「時間をかけて観察できるなら、あるいは慎重に見ることができるなら、気づけないことは少ない……ほとんどないと思える程度だ」と感じてしまうからです。
その情報が得られるかどうかが物語の中で相当に重要なら隠されることも分かりますが、実際そうとも限らないことは想像に難くないかと思います。
言い換えると、物語に入り込んでいく場面においてサイコロを振りながら進めていくことが、どこか物語性自体を膜で覆ってしまって没入感を緩めてしまうように感じる、ということでもあると思います。
そうして考えたとき、先ほどの「時間をかけて繰り返し試みることができることは、完全にできることとして扱う」という「一般化」には穴があることに気づかれるかもしれません。
これが「鍵開け」や「弓が的に当たるか」に適用される場合、例えば盗賊や射手の「お株を奪う」ルールになりかねないということが想定されるからです。
確かに、専門的な知識や技術を持たない人物が「時間を掛けたらどんなことでもできる」というのは少々無理があるように感じられます。
その専門性を獲得できるほどの、あるいは足らない技術を埋められるだけの「十分な時間」は、おそらく一つのシナリオの中に用意できないだろうと思えるからです。
そこで、一般化する内容を修正することにしました。
「専門性が必要ではないことのうち、時間を掛けて繰り返し試みることができることは、完全にできることとして扱う」という風に。
今のところ、ここから修正を迫られる事態には出くわしていません。
ただ、それは僕の経験の浅さゆえかもしれないと感じています。
もしも読者の方の中に「いや、これでは対応できないケースがあったぞ」というお話をご存知の方がいらっしゃれば、ぜひご感想にて教えていただけましたら。
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◆ まとめ
FT新聞4444回の記事では、TRPGにおけるサイコロ(ランダム性)について考えていることを書いてみました。
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2025年3月24日月曜日
☆今後の刊行予定☆ FT新聞 No.4443
おはようございます。
梅田のボルダリングジムに向かう電車のなかから杉本です。
本日は前回チラリと触れた春の刊行作品について、さらに夏のコミックマーケットにて刊行するべく、現在奮闘中の作品についてのご案内です。
◆ロアの作品
5月なかばに開催される春のゲームマーケットで、作家ロア・スペイダーの2作品を刊行いたします!
ひとつはゲームブック「単眼の巨獣」☆
FT書房が展開する世界「アランツァ」の中核をなすモンスターのひとつ【混沌】に属するクリーチャーを主人公とした中編ゲームブックです。
イラストは中山将平!
多種多様に変化する【混沌】の姿を、さまざまに描いてくれました。
もうひとつはローグライクハーフのd33シナリオを4本収録した、新サプリメント「雪剣の頂 勇者の轍(仮)」です☆
北方都市サン・サレンを拠点とし、同都市に関するワールドガイドに加え、装備品や従者の購入が可能となる「都市サプリメント」と、【新職業】として【秘術師】を掲載。
イラストは海底キメラ!
過酷な雪の世界を、作品の暖かみとのあざやかなコントラストとともに描き出します。
現在進行形で見させてもらっていますが、心の柔らかいところに触れるようなすばらしいイラストばかりです。
◆夏のコミックマーケットでは?
さてさて、少し気が早くもありますが、夏のコミックマーケットで刊行予定の作品についても触れていきましょう!
8月刊行予定の目玉作品は「モンスター!モンスター!TRPG」から、同作品の世界を知るために必携の1冊「ズィムララのモンスターラリー(仮)」です☆
このTRPGに登場するさまざまなモンスターに加えて、どのような世界なのか、さらにはキャラクターを作成する際に役立つ魔法のデータ(の一部)などを扱ったサプリメントです。
「基本ルールブック」よりもこちらを先に翻訳するほうがいいと思うほどに、役立つこと請け合いの一作です。
「ローグライクハーフ」からはサプリメント「ヒーローズオブダークネス」の刊行を予定しております☆
モンスター種族でプレイすることが可能になるサプリメントで、合計22種類の【種族】を収録しています。
イラストは中山将平!
モンスター種族を活き活きと描いてくれます(予言)☆
「ローグライクハーフ」からはさらに、d66シナリオ「エメラルド海の探索」を刊行いたします。
貿易都市ビストフを拠点とし、大海原を航海する真夏にふさわしいシナリオです。
d66シナリオの他に「ワールドガイド」「都市サプリメント」として「貿易都市ビストフ」を、【新職業】として【異国魔法使い】を収録。
イラストは成田芋虫先生に担当していただくことが決まりました!
ドラゴンたちとの戦いを描いた「ドラゴンレディハーフ」や都市アドベンチャーシナリオ「〈四猫亭〉の幽霊」など、先生に描いていただいた作品はいずれも大好評。
青い空と白い砂浜……今回の作品も楽しみです☆
夏のコミックマーケット
・ズィムララのモンスターラリー(仮)
ローグライクハーフサプリメント
・「エメラルド海の探索」
・「ヒーローズオブダークネス」
それではまた!
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梅田のボルダリングジムに向かう電車のなかから杉本です。
本日は前回チラリと触れた春の刊行作品について、さらに夏のコミックマーケットにて刊行するべく、現在奮闘中の作品についてのご案内です。
◆ロアの作品
5月なかばに開催される春のゲームマーケットで、作家ロア・スペイダーの2作品を刊行いたします!
ひとつはゲームブック「単眼の巨獣」☆
FT書房が展開する世界「アランツァ」の中核をなすモンスターのひとつ【混沌】に属するクリーチャーを主人公とした中編ゲームブックです。
イラストは中山将平!
多種多様に変化する【混沌】の姿を、さまざまに描いてくれました。
もうひとつはローグライクハーフのd33シナリオを4本収録した、新サプリメント「雪剣の頂 勇者の轍(仮)」です☆
北方都市サン・サレンを拠点とし、同都市に関するワールドガイドに加え、装備品や従者の購入が可能となる「都市サプリメント」と、【新職業】として【秘術師】を掲載。
イラストは海底キメラ!
過酷な雪の世界を、作品の暖かみとのあざやかなコントラストとともに描き出します。
現在進行形で見させてもらっていますが、心の柔らかいところに触れるようなすばらしいイラストばかりです。
◆夏のコミックマーケットでは?
さてさて、少し気が早くもありますが、夏のコミックマーケットで刊行予定の作品についても触れていきましょう!
8月刊行予定の目玉作品は「モンスター!モンスター!TRPG」から、同作品の世界を知るために必携の1冊「ズィムララのモンスターラリー(仮)」です☆
このTRPGに登場するさまざまなモンスターに加えて、どのような世界なのか、さらにはキャラクターを作成する際に役立つ魔法のデータ(の一部)などを扱ったサプリメントです。
「基本ルールブック」よりもこちらを先に翻訳するほうがいいと思うほどに、役立つこと請け合いの一作です。
「ローグライクハーフ」からはサプリメント「ヒーローズオブダークネス」の刊行を予定しております☆
モンスター種族でプレイすることが可能になるサプリメントで、合計22種類の【種族】を収録しています。
イラストは中山将平!
モンスター種族を活き活きと描いてくれます(予言)☆
「ローグライクハーフ」からはさらに、d66シナリオ「エメラルド海の探索」を刊行いたします。
貿易都市ビストフを拠点とし、大海原を航海する真夏にふさわしいシナリオです。
d66シナリオの他に「ワールドガイド」「都市サプリメント」として「貿易都市ビストフ」を、【新職業】として【異国魔法使い】を収録。
イラストは成田芋虫先生に担当していただくことが決まりました!
ドラゴンたちとの戦いを描いた「ドラゴンレディハーフ」や都市アドベンチャーシナリオ「〈四猫亭〉の幽霊」など、先生に描いていただいた作品はいずれも大好評。
青い空と白い砂浜……今回の作品も楽しみです☆
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ローグライクハーフサプリメント
・「エメラルド海の探索」
・「ヒーローズオブダークネス」
それではまた!
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2025年3月23日日曜日
Re:アランツァワールドガイド Vol.4 貿易都市ビストフ FT新聞 No.4442
おはようございます。
FT新聞編集長の水波です。
4月第1日曜に配信予定のロア・スペイダーによる新作d33シナリオは貿易都市ビストフが舞台になります。
それに伴って、以前配信しましたアランツァワールドガイドを再配信いたします。
ぜひ冒険の舞台を想像して、楽しみにお待ちください!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
旅人カメル・グラント教授は、自分が汗をかきはじめていることに気づいた。
少し暑い。
どちらかといえば北方にあたる港街だが、どちらかといえば暖かい。
路上に道具と材料を広げて、舟づくりにいそしむ人が見てとれる。
背の高い、肌の色が白い者たちは、落ち着いた様子で街を歩く。
盗賊都市として悪名高い、ネグラレーナ市の姉妹都市。
貿易都市ビストフは、海に出ることを考える冒険者にとっては、重要な土地だ。
◆カラメール市との類似性。
体格のいい、褐色の肌をした者たちが、寡黙に荷おろしや造船の仕事に従事している。
ドリザードと呼ばれる、龍と大トカゲの血を引く【騎乗生物】の背に、大量の荷物を載せている。
正式名称はドラゴンリザード。
飛ぶことはできないが馬よりも強く、優秀な家畜である。
戦闘用ドリザードは火を噴くが、港にいるものたちは種が違う。
行き交う人々を見ながら、カメルはいつか歩いた「冒険都市カラメール」の街並みを思い出していた。
今でこそ発展したカラメールだが、水運の発達がかつては遅く、ビストフに大きく遅れを取っていた。
ビストフは、カラメールからこのドリザードを連れてきて、品種改良を繰り返した。
ドリザードだけではない……ビストフはかつて、発展が遅かった南部から多くのものを、帆船を使って運び込んだ。
北部にもかかわらず、肌の色が濃い(褐色の人種がほとんどだ)者が多いのは、そのためである。
当時、経済的に困窮していたカラメールの民が、富を求めてこの街に流れ込んできた。
このカラメール民たちは支配者層にこそ少ないが、船乗りとして必要とされ、それなりの生活を送っている。
それなり、だ。
決して裕福ではないが……移民というものが送る生活の相場をカメルは知っている。
◆【善の種族】
褐色の船乗りたちに混じって、コビット(小人)たちが荷物の上げ下ろしをしているのが見える。
彼らは背の低い種族だが、港湾労働者としては優秀だ。
コビットの種族たちはこのような港湾労働者や、船乗りに就くことが多い。
理由はいろいろあるだろう……たとえば背が低い種族は重心が低いため、船酔いをしづらいのかもしれない。
カメルは個人的な見解として、彼らの多くは享楽的な性格をしているため、危険だが実入りの多い仕事を好むのだと、推察している。
この街の構成種族は3種類──人間、コビット、そしてエルフだ。
だが、街なかでエルフを見かけることはほとんどない。
彼らの数は人間やコビットと比べると、ずっと少ない。
そして、エルフたちはこの街の知的階級層に食い込んで、海外から流入する魔法や、魔法の装備品の研究に従事する。
そこいらで見かけることはまずないのだ。
◆街並み。
ビストフの街を歩く。
周囲の森を船に変えてまで発展したこの街の人々は、好奇心に満ちている。
珍しいラクダ人のカメルへと注がれる視線はあるが、差別的なものではない。
むしろ、話しかける機会すら求めているように感じる。
普段であればカメルも、足を止めて街の人々と話をすることはやぶさかではないが……今日は少し急いでいた。
人との待ち合わせがあったのだ。
カメルは商店街を歩きながら、ひとつだけ店に入ると決める。
歩きながらその店を武具店に決めて、入る。
カメル自身は冒険者ではなくただの旅人だが、未来の冒険者を育てる仕事に就いている。
こういった店は、見ておきたい。
店に入ったカメルは、息を呑んだ。
店の中央に美しい、ひと振りのカタナが飾られている。
天井から差す陽の光が、その湾曲した鞘の美しさを際立たせている。
「東国からの逸品でさ。キョウ(京)の街の有名な鍛治師が打ったものです」
店長はそう言って、鞘から刀を抜く。
ゆがみのない刀身の腹についた、美しく波打つ紋様に、ため息が漏れる。
カメルは店主に礼を言い、店を出る。
この街には異国のものがあふれている。
そのなかでもっとも遠いのは、まさに今見た東国の装備品だろう。
もっと一般的なのは、ジンド大陸から入ってきたものだ。
ジンド。
エメラルド海の向こうにある、不思議な大陸。
金属がほとんど採掘されないその土地では、代わりに骨と石を使って日用品、武器、防具などをこしらえるという。
ビストフにはそういった、異国の珍しい品があふれている。
◆マドレーン諸島。
貿易都市ビストフが海洋冒険に適しているもうひとつの理由は、マドレーン諸島の存在だ。
港を出た船は通常、魔物めいた海のクリーチャーや海賊、嵐といった脅威にさらされる。
だが、ビストフからほどよい間隔で点在する島々のおかげで、出航した船は比較的安全な補給を続けながら、かなりの航海距離を稼ぐことができる。
マドレーン諸島そのものは、マドレーン本島をはじめとするいくつかの未開の島からなっている。
これらの島は港の周辺こそ補給路として発展しているものの、島の奥へと一歩足を踏み入れると、そこはもう危険な地域である。
マドレーン島、極彩島、未開島、モネク島、ギノク島、屍島、そして航路を外れたところにポツンとある宝石島などが、マドレーン諸島の代表的な島として挙げられる。
◆ビストフと周辺地域。
古い伝承によれば、かつて貿易都市ビストフの周辺には、大きな森があった。
しかし、それらの森は、この街の発展とともに消えていった。
帆船がひとつ造られるごとに、周辺の森がひとつ姿を消したのだ。
船の建造には、それほど大量の木材を必要とした。
森の命と引き換えに、ビストフは繁栄していった。
貿易都市ビストフの近郊にある街、盗賊都市ネグラレーナについても触れておこう。
盗賊都市ネグラレーナと貿易都市ビストフは、マキシミリアンという名の一族が領主を務めている。
ビストフの領主はヴィルヘルム・マキシミリアン……小柄ながら剣の扱いがうまく、知的な人物としても知られる。
ネグラレーナとビストフは同族統治が行われているため、ある種の「役割分担」がなされている。
ネグラレーナは、広大なネメディ平原に対する支配力を高めるために、軍事都市的な発展を続けている。
これに対して、ビストフは貿易と造船に力を入れている。
冒険者がビストフから船を出す場合、費用が……特に税金が安い。
ほとんど2倍に近い価格差があるのだ。
◆ドラートル船。
この地域の貿易を支えているのは、ドラートルという名前で知られる巨大な家畜である。
このクリーチャーは数十人が乗る帆船をけん引できるほど大きく、ビストフの貿易経済を支えている。
亀に似た甲羅と長い首を持ち、「海の馬」と呼ばれるほど持久力のあるタフなクリーチャーだ。
ドラートルは大きな生きものだが、海洋を航海するさいにはあまり使われない。
沿岸部沿いに航海する商船をけん引するほうが情緒が安定して、速度が出せる。
そのため、冒険者が乗る船にドラートルが関わることはあまりない。
ドラートルは図体は大きいし、人間に対して従順であるが、戦いに向いた性格をしていない。
◆海ガメさま。
マドレーン海域には海ガメさまの名で知られる、有名な〈巨大なクリーチャー〉が生息している。
海ガメさまは背の甲羅部分が平たい、巨大な海ガメである。
善の共通語を話すことができ、遭難者を見つけるとその背に乗せて本土まで運ぶ。
そのためなのか、海ガメさまの背には簡素な小屋をはじめ、人間が生活するために必要な最低限の設備が整えられている。
とはいえ、遭難者を背に乗せていない状態の海ガメさまは海中深くまで潜ることもあるため、その居住設備は海藻やフジツボなどの影響を受けてボロボロな状態だ。
◆再会。
商店街を抜けて、カメル・グラントは街の奥へと歩いていく。
白い肌の女性が、遠くからカメルに手を振る。
「グラント先生! こちらです」
カメルはほほえんで、久しぶりに会うことができた元生徒と抱擁を交わす。
エルフのユキワタリ(雪渡り)は北の地方の出身だが、政治的な理由から聖フランチェスコに亡命して、オレニアックス剣術学校の生徒として一時期、滞在していた。
そうはいっても、卒業を目指して学問にいそしんでいたわけではない。
街に滞在するための身分として、つまりは客人として、生徒扱いになっていたに過ぎなかった。
しかし、どんな理由が背景にあろうとも、カメルにとって生徒は生徒だった。
そんなユキワタリの本職は魔法使いだ。
彼女が使う魔法は、聖フランチェスコ市からやってきたカメルからすれば、少し変わったものだ。
この貿易都市では、異国魔法と呼ばれる魔法が発達しているのだ。
海の向こうからやってきたと言われる魔法で、自分自身の生命力を捧げることで魔法を行使するのだという。
街の北にある塔にこの街のエルフたちが集まっていて、日々その研究を続けているという。
ユキワタリは異国魔法使いが集まるその塔に、カメルを案内してくれた。
「越冬ツバメの塔」と呼ばれる、古くて美しい建物だった。
ぶ厚い壁に囲まれた塔の内側は暖かく、柔らかい明かりに満ちていた。
エルフたちはそこで、異国から来たその魔法の研究を日々、続けているという。
魔法のいくつかを実際に見せてもらい、カメルは嘆息した。
地面に落ちる直前にその速度がゆっくりになったり、術者が小さく縮んだりと、さまざまな神秘を見せてもらった。
部外者である自分が、魔法のわざを見せてもらえる幸運をありがたく思った。
◆そして、次の街へ。
ユキワタリとカメルは昔話に花を咲かせながら、夕暮れの街を歩いた。
ビストフは貿易によって栄える豊かな街だが、実は今、貿易に支障を生む大きなできごとが海の向こうで起きているらしい。
マドレーン海域を越えた先にあるエメラルド海で、〈クラーケン〉が出現したというのだ。
この神出鬼没のクリーチャーは貴重な帆船を沈めては、船外に飛び出す人間を食べるという。
それで、船を出すものがすっかりいなくなっているのだそうだ。
「でも、心配ないと思います。領主マキシミリアン様はすでに、〈クラーケン〉討伐を引き受けてくれる勇士を街に招き、船まで用意しているという話ですから」
ユキワタリはそう話す。
その声のトーンは「本当にそう思っている」というよりは、「大丈夫だと思いたい」というニュアンスを含む、不安そうなものだった。
カメルはうなずいて、
「それならきっと大丈夫だね」
と、優しく答える。
その優しさの奥にある想いは、単にユキワタリの心が落ち着くようにという願いの気持ち、だけではなかった。
カメルは聖フランチェスコ市で暮らしている間、冒険者の卵とも言える子どもたちに、授業を教えている。
そんな彼には、危険な冒険におもむくというその人物が他人とは思えない。
だから、死なずにいてほしいのだ。
名も知らず、会ったことさえない冒険者の無事を祈りながら、暮れていく夕陽をカメルは眺めていた。
参考文献紹介
マドレーン海域と貿易都市ビストフは、『ゲームブック短編集 ハンテッドガーデンハート』に収録された「マドレーンの海域」に登場。
東国ヤーパンの冒険は、山田賢治著「剣豪推参」を参照。
海ガメさまは『宝石島の冒険』に登場する、巨大なクリーチャー。
貿易都市ビストフは「ローグライクハーフ」のd66シナリオ第3弾「エメラルド海の探索」に登場。
↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MAPofARANCIA.png
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旅人カメル・グラント教授は、自分が汗をかきはじめていることに気づいた。
少し暑い。
どちらかといえば北方にあたる港街だが、どちらかといえば暖かい。
路上に道具と材料を広げて、舟づくりにいそしむ人が見てとれる。
背の高い、肌の色が白い者たちは、落ち着いた様子で街を歩く。
盗賊都市として悪名高い、ネグラレーナ市の姉妹都市。
貿易都市ビストフは、海に出ることを考える冒険者にとっては、重要な土地だ。
◆カラメール市との類似性。
体格のいい、褐色の肌をした者たちが、寡黙に荷おろしや造船の仕事に従事している。
ドリザードと呼ばれる、龍と大トカゲの血を引く【騎乗生物】の背に、大量の荷物を載せている。
正式名称はドラゴンリザード。
飛ぶことはできないが馬よりも強く、優秀な家畜である。
戦闘用ドリザードは火を噴くが、港にいるものたちは種が違う。
行き交う人々を見ながら、カメルはいつか歩いた「冒険都市カラメール」の街並みを思い出していた。
今でこそ発展したカラメールだが、水運の発達がかつては遅く、ビストフに大きく遅れを取っていた。
ビストフは、カラメールからこのドリザードを連れてきて、品種改良を繰り返した。
ドリザードだけではない……ビストフはかつて、発展が遅かった南部から多くのものを、帆船を使って運び込んだ。
北部にもかかわらず、肌の色が濃い(褐色の人種がほとんどだ)者が多いのは、そのためである。
当時、経済的に困窮していたカラメールの民が、富を求めてこの街に流れ込んできた。
このカラメール民たちは支配者層にこそ少ないが、船乗りとして必要とされ、それなりの生活を送っている。
それなり、だ。
決して裕福ではないが……移民というものが送る生活の相場をカメルは知っている。
◆【善の種族】
褐色の船乗りたちに混じって、コビット(小人)たちが荷物の上げ下ろしをしているのが見える。
彼らは背の低い種族だが、港湾労働者としては優秀だ。
コビットの種族たちはこのような港湾労働者や、船乗りに就くことが多い。
理由はいろいろあるだろう……たとえば背が低い種族は重心が低いため、船酔いをしづらいのかもしれない。
カメルは個人的な見解として、彼らの多くは享楽的な性格をしているため、危険だが実入りの多い仕事を好むのだと、推察している。
この街の構成種族は3種類──人間、コビット、そしてエルフだ。
だが、街なかでエルフを見かけることはほとんどない。
彼らの数は人間やコビットと比べると、ずっと少ない。
そして、エルフたちはこの街の知的階級層に食い込んで、海外から流入する魔法や、魔法の装備品の研究に従事する。
そこいらで見かけることはまずないのだ。
◆街並み。
ビストフの街を歩く。
周囲の森を船に変えてまで発展したこの街の人々は、好奇心に満ちている。
珍しいラクダ人のカメルへと注がれる視線はあるが、差別的なものではない。
むしろ、話しかける機会すら求めているように感じる。
普段であればカメルも、足を止めて街の人々と話をすることはやぶさかではないが……今日は少し急いでいた。
人との待ち合わせがあったのだ。
カメルは商店街を歩きながら、ひとつだけ店に入ると決める。
歩きながらその店を武具店に決めて、入る。
カメル自身は冒険者ではなくただの旅人だが、未来の冒険者を育てる仕事に就いている。
こういった店は、見ておきたい。
店に入ったカメルは、息を呑んだ。
店の中央に美しい、ひと振りのカタナが飾られている。
天井から差す陽の光が、その湾曲した鞘の美しさを際立たせている。
「東国からの逸品でさ。キョウ(京)の街の有名な鍛治師が打ったものです」
店長はそう言って、鞘から刀を抜く。
ゆがみのない刀身の腹についた、美しく波打つ紋様に、ため息が漏れる。
カメルは店主に礼を言い、店を出る。
この街には異国のものがあふれている。
そのなかでもっとも遠いのは、まさに今見た東国の装備品だろう。
もっと一般的なのは、ジンド大陸から入ってきたものだ。
ジンド。
エメラルド海の向こうにある、不思議な大陸。
金属がほとんど採掘されないその土地では、代わりに骨と石を使って日用品、武器、防具などをこしらえるという。
ビストフにはそういった、異国の珍しい品があふれている。
◆マドレーン諸島。
貿易都市ビストフが海洋冒険に適しているもうひとつの理由は、マドレーン諸島の存在だ。
港を出た船は通常、魔物めいた海のクリーチャーや海賊、嵐といった脅威にさらされる。
だが、ビストフからほどよい間隔で点在する島々のおかげで、出航した船は比較的安全な補給を続けながら、かなりの航海距離を稼ぐことができる。
マドレーン諸島そのものは、マドレーン本島をはじめとするいくつかの未開の島からなっている。
これらの島は港の周辺こそ補給路として発展しているものの、島の奥へと一歩足を踏み入れると、そこはもう危険な地域である。
マドレーン島、極彩島、未開島、モネク島、ギノク島、屍島、そして航路を外れたところにポツンとある宝石島などが、マドレーン諸島の代表的な島として挙げられる。
◆ビストフと周辺地域。
古い伝承によれば、かつて貿易都市ビストフの周辺には、大きな森があった。
しかし、それらの森は、この街の発展とともに消えていった。
帆船がひとつ造られるごとに、周辺の森がひとつ姿を消したのだ。
船の建造には、それほど大量の木材を必要とした。
森の命と引き換えに、ビストフは繁栄していった。
貿易都市ビストフの近郊にある街、盗賊都市ネグラレーナについても触れておこう。
盗賊都市ネグラレーナと貿易都市ビストフは、マキシミリアンという名の一族が領主を務めている。
ビストフの領主はヴィルヘルム・マキシミリアン……小柄ながら剣の扱いがうまく、知的な人物としても知られる。
ネグラレーナとビストフは同族統治が行われているため、ある種の「役割分担」がなされている。
ネグラレーナは、広大なネメディ平原に対する支配力を高めるために、軍事都市的な発展を続けている。
これに対して、ビストフは貿易と造船に力を入れている。
冒険者がビストフから船を出す場合、費用が……特に税金が安い。
ほとんど2倍に近い価格差があるのだ。
◆ドラートル船。
この地域の貿易を支えているのは、ドラートルという名前で知られる巨大な家畜である。
このクリーチャーは数十人が乗る帆船をけん引できるほど大きく、ビストフの貿易経済を支えている。
亀に似た甲羅と長い首を持ち、「海の馬」と呼ばれるほど持久力のあるタフなクリーチャーだ。
ドラートルは大きな生きものだが、海洋を航海するさいにはあまり使われない。
沿岸部沿いに航海する商船をけん引するほうが情緒が安定して、速度が出せる。
そのため、冒険者が乗る船にドラートルが関わることはあまりない。
ドラートルは図体は大きいし、人間に対して従順であるが、戦いに向いた性格をしていない。
◆海ガメさま。
マドレーン海域には海ガメさまの名で知られる、有名な〈巨大なクリーチャー〉が生息している。
海ガメさまは背の甲羅部分が平たい、巨大な海ガメである。
善の共通語を話すことができ、遭難者を見つけるとその背に乗せて本土まで運ぶ。
そのためなのか、海ガメさまの背には簡素な小屋をはじめ、人間が生活するために必要な最低限の設備が整えられている。
とはいえ、遭難者を背に乗せていない状態の海ガメさまは海中深くまで潜ることもあるため、その居住設備は海藻やフジツボなどの影響を受けてボロボロな状態だ。
◆再会。
商店街を抜けて、カメル・グラントは街の奥へと歩いていく。
白い肌の女性が、遠くからカメルに手を振る。
「グラント先生! こちらです」
カメルはほほえんで、久しぶりに会うことができた元生徒と抱擁を交わす。
エルフのユキワタリ(雪渡り)は北の地方の出身だが、政治的な理由から聖フランチェスコに亡命して、オレニアックス剣術学校の生徒として一時期、滞在していた。
そうはいっても、卒業を目指して学問にいそしんでいたわけではない。
街に滞在するための身分として、つまりは客人として、生徒扱いになっていたに過ぎなかった。
しかし、どんな理由が背景にあろうとも、カメルにとって生徒は生徒だった。
そんなユキワタリの本職は魔法使いだ。
彼女が使う魔法は、聖フランチェスコ市からやってきたカメルからすれば、少し変わったものだ。
この貿易都市では、異国魔法と呼ばれる魔法が発達しているのだ。
海の向こうからやってきたと言われる魔法で、自分自身の生命力を捧げることで魔法を行使するのだという。
街の北にある塔にこの街のエルフたちが集まっていて、日々その研究を続けているという。
ユキワタリは異国魔法使いが集まるその塔に、カメルを案内してくれた。
「越冬ツバメの塔」と呼ばれる、古くて美しい建物だった。
ぶ厚い壁に囲まれた塔の内側は暖かく、柔らかい明かりに満ちていた。
エルフたちはそこで、異国から来たその魔法の研究を日々、続けているという。
魔法のいくつかを実際に見せてもらい、カメルは嘆息した。
地面に落ちる直前にその速度がゆっくりになったり、術者が小さく縮んだりと、さまざまな神秘を見せてもらった。
部外者である自分が、魔法のわざを見せてもらえる幸運をありがたく思った。
◆そして、次の街へ。
ユキワタリとカメルは昔話に花を咲かせながら、夕暮れの街を歩いた。
ビストフは貿易によって栄える豊かな街だが、実は今、貿易に支障を生む大きなできごとが海の向こうで起きているらしい。
マドレーン海域を越えた先にあるエメラルド海で、〈クラーケン〉が出現したというのだ。
この神出鬼没のクリーチャーは貴重な帆船を沈めては、船外に飛び出す人間を食べるという。
それで、船を出すものがすっかりいなくなっているのだそうだ。
「でも、心配ないと思います。領主マキシミリアン様はすでに、〈クラーケン〉討伐を引き受けてくれる勇士を街に招き、船まで用意しているという話ですから」
ユキワタリはそう話す。
その声のトーンは「本当にそう思っている」というよりは、「大丈夫だと思いたい」というニュアンスを含む、不安そうなものだった。
カメルはうなずいて、
「それならきっと大丈夫だね」
と、優しく答える。
その優しさの奥にある想いは、単にユキワタリの心が落ち着くようにという願いの気持ち、だけではなかった。
カメルは聖フランチェスコ市で暮らしている間、冒険者の卵とも言える子どもたちに、授業を教えている。
そんな彼には、危険な冒険におもむくというその人物が他人とは思えない。
だから、死なずにいてほしいのだ。
名も知らず、会ったことさえない冒険者の無事を祈りながら、暮れていく夕陽をカメルは眺めていた。
参考文献紹介
マドレーン海域と貿易都市ビストフは、『ゲームブック短編集 ハンテッドガーデンハート』に収録された「マドレーンの海域」に登場。
東国ヤーパンの冒険は、山田賢治著「剣豪推参」を参照。
海ガメさまは『宝石島の冒険』に登場する、巨大なクリーチャー。
貿易都市ビストフは「ローグライクハーフ」のd66シナリオ第3弾「エメラルド海の探索」に登場。
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2025年3月22日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第632号 FT新聞 No.4441
From:水波流
『エウレカセブン』20周年!(周年の話題ばかりで恐縮ですが……)
エウレカはTV版本編が物語として綺麗に終わっていたので、映画版や続編などを見る気が起こらず、今に至ります。
今考えると全50話って2005年当時にしてもなかなかのボリュームですね。
テクノBGMで戦闘シーンの浮遊感と爽快感は中毒性があって、いま見ても(聞いても)古びないなぁ。
分かる人にしか分からない話をすると、私はレントン&エウレカよりドミニク&アネモネに感情移入して見ていたので、漫画版には衝撃を受けました。
from:葉山海月
マジ話。
一年間放置していた水素バッテリーがお釈迦に!
これを防ぐには、2週間に1回は様子をみなきゃならないんですが、つまり、楽しくホビーをはじめたつもりが、水素バッテリーに管理されている感がぬぐえません。
from:中山将平
年始に「やりたいなぁ」という想いを持ち、少しずつ実現させたいと考えを練っていることがあります。
今年の後半頃に『ローグライクハーフ』の(オフラインでの)イベントが出来ないかなぁという考えです。
予約制のゲーム卓や物販、アランツァについてのトーク、シナリオ作成に役立つ何かの企画などなどを盛り込めたら最高だなぁと思っています。
開催地は関西圏になりそうだと想定しています。
まだ本当に開催できるかは未定ですが、「これがあるなら参加してみたい!」という内容がありましたら、ご感想にてぜひお知らせいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■3/16(日)~3/21(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2025年3月16日(日) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4435
アランツァクリーチャー事典 Vol.14
・本日は日曜日。ローグライクハーフ関連記事をお送りいたします。
アランツァクリーチャー事典の第14回です。
今回のジャンルは『怪物』!
ファンタジー世界にはお馴染みの、異形なる怪物。
多数ラインナップされているため、2回に分けてのご紹介です。
あなたのお気に入りの怪物はいるでしょうか?
どうぞお楽しみ下さいませ。
2025年3月17日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4436
「フォレストマスターへの道」進行中……☆
・1月に開催した「フォレストマスターへの道」ですが、編集部による仮組みが終わって、開設したdiscordサーバーにて、フォレストマスターにチェックしていただいております。
サーバーに不参加のフォレストマスターはご参加いただくか、FT書房までご連絡ください。
期間は3月いっぱいです……よろしくお願いします!
また、4月のd33シナリオや、出版準備などの情報もばっちり!
Don't miss it!
2024年3月18日(火) かなでひびき FT新聞 No.4437
これはゲームブックなのですか!? vol.118
・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回紹介する本は『本当に恐ろしいクトゥルフ神話』(著・クトゥルフ神話研究会 笹倉出版社)です。世界観からクトゥルフに出てくる神々。アイテムなどが美麗なイラストとともに手早くおさえられます。
さらに、小説からゲームまで、ジャンルを超えたバラエティ豊かな作品紹介がウレシイ!
いまや、ホラーの一大巨頭であるクトゥルフ。
だけど「クトゥルフって何?」という、知識の敷居が高そうで敬遠した方、必読!
もちろん、FT書房から出ている「クトゥルフ」もののお供に!
2025年3月19日(水) ぜろ FT新聞 No.4438
第3回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第430回をお届けしました。
今回挑戦する作品は、丹野佑・著『戦場の風』です。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
主戦場にたどり着くことすらできずに、ラスボスクラスに最強の騎竜ウォードレイクに死屍累々。
あっという間に4人目の挑戦者ウォーレンの出番です。
能力的にはつよつよですが、戦いはご免とばかりに逃げの一手。ウォードレイクから逃れ、さらに戦地へ向かいます。
そのさなか、助けた羊飼い、ジェイコブの土地勘を借り、ドラッツェン軍の封鎖を抜けて自陣へ。
ほっとするのもつかの間、コーデリア王女はどこに?
冒険は続きます。
2025年3月20日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4439
「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.27
・岡和田晃氏による、新しく楽しい読み物満載な「SF Prologue Wave」とのコラボ企画記事です。
今回も、前回、『金星、地獄の動物園』と同じ作者、間瀬純子先生の作品をお届けします。
その名も、『卵巣後宮(らんそうこうきゅう)』
その名の通り、後宮というみやびさの中に、血、臓腑の香りがするなまめかしいホラー。
クトゥルー神話の紡ぎ手としても高く評価されている間瀬純子先生の語りを、ご堪能ください。
2025年3月21日(金) 休刊日 FT新聞 No.4440
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
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■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(ヴェルサリウス28世さん)
FT新聞1ウィーク! 第631号 FT新聞 No.4434
>Q.昔々、まだコーヒーが毒とも薬ともわからなかった時代。
ある王様が、死刑囚二人を呼び寄せ、一人にはコーヒーを。一人には紅茶を与え、それを実験しました。
一番先に亡くなった方は誰でしょうか?
A.王さま。
「対照実験の概念を知っているとは見所のある王様だな。もっとも、コーヒーにも紅茶にもカフェインが入っているので紅茶投与群を対照群とするのは不適なのだが、この時代ではまだ分からないか。王様と死刑囚がコーヒーを投与されたと知ってるのも良くないな。コーヒーを投与したA群、コーヒー風味でコーヒー成分の入ってない偽薬を投与したB群、紅茶を投与したC群、紅茶風味飲料を投与したD群、コーヒーも紅茶も投与しないE群を作るのがいいんじゃないか。そもそも死刑囚は日頃から王様より食生活が良くない奴が多くて対照実験に向かないだろう」
「まあまあ。そこは問題文より所与の前提として、王様が先に死んだ理由を考えてみましょうよ」
「謎々として、まず文字で考えてみるか。コーヒー・・・珈琲・・・ 王加われば王に非ず」
「ちょっと意味が分からないですね」
「英語にしてみるか。COFFEEとTEA。共通する文字はEだな。KINGにはEがない。emeth(真理)からeを消すとmeth(死)となったので即死した」
「前半英語で考えてたのに後半急にヘブライ後のアルファベット転写が出てきてめちゃくちゃですが、emethのeを消すというのはオタクの基礎教養という感じで面白いですね。正解じゃないでしょうけど」
「コーヒーと紅茶を投与した囚人は影響を見るために寿命まで丁重に取り扱われたので結果的に王様が先に寿命で死んだ」
「ウミガメのスープ的にはあり得ますね」
「王様は実験直後に革命が起きて断頭台の露と消えたとか」
「史実では、コーヒーは15世紀にはアラビア語圏で広まり、ヨーロッパには16世紀に存在が知られるようになり、17世紀中にヨーロッパ全土に伝播したようですね。最初に革命で処刑された王様はおそらくイギリスのチャールズ1世、1649年の清教徒革命で処刑されてます。まだギロチンは発明されてないので斬首刑です。イギリスでは1650年にオックスフォードに最初のコーヒーハウスが開業したとされてますので年代的には合ってるかもしれません」
「あ! 「亡くなった方」なんで王様ってことじゃないか?」
「死刑囚なら出題者が敬意を表する必要はないから? なるほど。王族のみに用いる「最高敬語」というものがあり、天皇の死は「崩御」、皇太子の死は「薨御(こうぎょ)」、天皇、上皇、三后、皇太子以外の皇族の死は「薨去(こうきょ)」といいます。これは律令制に基づく用語ですが、『礼記』にも「天子の死は崩(ほう)と曰ひ、諸侯は薨(こう)と曰ひ、大夫(たいふ)は卒(そつ)と曰ひ、士は不禄(ふろく)と曰ひ、庶人は死と曰ふ」とあります。」
「「亡くなった方」程度なら死刑囚に使ったって別におかしくはなさそうだがな。実際、死刑囚の遺族に遺体を返すときは「亡くなった○○様のご遺体をお返しします」くらい言ってるんじゃないの? 「囚人第一五三号ノ死体ヲ下ゲ渡スニツキ引キ取ラレタシ」とか言ってるんだろうか」
(お返事:葉山海月)
ありがとうございます。
そしてお久しぶりです。
長らくお見えになっていないので、心配しておりました。
コーヒーの歴史からのこぼれ話。結局はコーヒーは毒ではなくって、王様が老衰で亡くなった、という笑い話として提出させていただきましたが、ヴェルサリウス28世さんの手にかかると、ミステリになりました。
もうこれ一セットで、短編ですね!
(ぜろさん)
>モケーレ・ムベンベとかヨナルデパズトーリ
これは…本当に登場してしまう伏線みたいに読めてしまう(笑)
実物が登場したらかなりやばいですが、同名の従者キャラならアリ…なのか?
そして「常闇の伴侶」がついに直接的な単語で出ましたね。今後の展開に期待です。
(お返事:齊藤飛鳥)
今回も御感想を下さり、まことにありがとうございますm(_ _)m
>モケーレ・ムベンベとかヨナルデパズトーリ
伏線ではないのですが、実際に従者で登場したら本当に大変なことになりそうです^^
アランツァ世界にいていい生物なのかわからないですが、もしもよいなら『モンスター!モンスター!』のように、モンスターな従者を作ってみるのもよいかも……とインスピレーションがわきました♪
キーワード「常闇の伴侶」が、ついに登場となるも、これからますます謎が深まっていきます。
この辺りのシナリオ展開がうまくて、ぐいぐいと引き込まれていくのが、たまりません^^b
(忍者福島さん)
ウンディーネもつよしスペシャルをドーピングしてしまったのですね(笑)
そのうち闇エルフに触角を生やされて目がキュピーンと光る様になってしまうのでしょうか(笑)
クワニャウマがこんな時でも金貨15枚キノコを確保!と喜ぶあたりがキャラ立ってていいですね〜!
(お返事:齊藤飛鳥)
今回も御感想を下さり、まことにありがとうございますm(_ _)m
マ神を信仰する闇エルフ特製の毒(つよしスペシャル)が泉に流されたせいで、ウンディーネが受難です^^
> そのうち闇エルフに触角を生やされて目がキュピーンと光る〜
毒の効果の末期症状としてありそうです(笑)
クワニャウマのキャラ立ちをお褒め下さり、ありがとうございます!
(ジャラル アフサラールさん)
私も同じ本読みました。流石に内容が少し古くなったので映画はニコラス・ケイジの出た『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』、漫画は神話系事件立ち向かう警察を描く『神話警察24時』、小説はコミカライズも始まった家の「穴」にゴミを捨て続けると…の『庭に穴ができた。ダンジョンかもしれないけど俺はゴミ捨て場にしてる 』、ゲームでは「ランドルフ・カーター」と名乗る外見がヴクラフトさんに見える(笑)キャラが出てくる『Fate/Grand Order』(シナリオ:『禁忌降臨庭園 セイレム』)とかも紹介した新版が出て欲しいですね。
(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます!
『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』!
かなでも見ました!
現代の演出で、伝統的を演出したら、想像効果で二つのいいとこどり! な傑作でしたねー。
そして、また、いろんな作品ご紹介、ありがとうございます。
『庭に穴ができた。ダンジョンかもしれないけど俺はゴミ捨て場にしてる 』いいですね!
こういうコージーな奇妙さに、かなでグッときます。なんか星新一先生の『おーい。でてこーい』ライクですね!
機会があったら読んでみますねー。
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『エウレカセブン』20周年!(周年の話題ばかりで恐縮ですが……)
エウレカはTV版本編が物語として綺麗に終わっていたので、映画版や続編などを見る気が起こらず、今に至ります。
今考えると全50話って2005年当時にしてもなかなかのボリュームですね。
テクノBGMで戦闘シーンの浮遊感と爽快感は中毒性があって、いま見ても(聞いても)古びないなぁ。
分かる人にしか分からない話をすると、私はレントン&エウレカよりドミニク&アネモネに感情移入して見ていたので、漫画版には衝撃を受けました。
from:葉山海月
マジ話。
一年間放置していた水素バッテリーがお釈迦に!
これを防ぐには、2週間に1回は様子をみなきゃならないんですが、つまり、楽しくホビーをはじめたつもりが、水素バッテリーに管理されている感がぬぐえません。
from:中山将平
年始に「やりたいなぁ」という想いを持ち、少しずつ実現させたいと考えを練っていることがあります。
今年の後半頃に『ローグライクハーフ』の(オフラインでの)イベントが出来ないかなぁという考えです。
予約制のゲーム卓や物販、アランツァについてのトーク、シナリオ作成に役立つ何かの企画などなどを盛り込めたら最高だなぁと思っています。
開催地は関西圏になりそうだと想定しています。
まだ本当に開催できるかは未定ですが、「これがあるなら参加してみたい!」という内容がありましたら、ご感想にてぜひお知らせいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
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■3/16(日)~3/21(金)の記事一覧
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2025年3月16日(日) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4435
アランツァクリーチャー事典 Vol.14
・本日は日曜日。ローグライクハーフ関連記事をお送りいたします。
アランツァクリーチャー事典の第14回です。
今回のジャンルは『怪物』!
ファンタジー世界にはお馴染みの、異形なる怪物。
多数ラインナップされているため、2回に分けてのご紹介です。
あなたのお気に入りの怪物はいるでしょうか?
どうぞお楽しみ下さいませ。
2025年3月17日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4436
「フォレストマスターへの道」進行中……☆
・1月に開催した「フォレストマスターへの道」ですが、編集部による仮組みが終わって、開設したdiscordサーバーにて、フォレストマスターにチェックしていただいております。
サーバーに不参加のフォレストマスターはご参加いただくか、FT書房までご連絡ください。
期間は3月いっぱいです……よろしくお願いします!
また、4月のd33シナリオや、出版準備などの情報もばっちり!
Don't miss it!
2024年3月18日(火) かなでひびき FT新聞 No.4437
これはゲームブックなのですか!? vol.118
・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回紹介する本は『本当に恐ろしいクトゥルフ神話』(著・クトゥルフ神話研究会 笹倉出版社)です。世界観からクトゥルフに出てくる神々。アイテムなどが美麗なイラストとともに手早くおさえられます。
さらに、小説からゲームまで、ジャンルを超えたバラエティ豊かな作品紹介がウレシイ!
いまや、ホラーの一大巨頭であるクトゥルフ。
だけど「クトゥルフって何?」という、知識の敷居が高そうで敬遠した方、必読!
もちろん、FT書房から出ている「クトゥルフ」もののお供に!
2025年3月19日(水) ぜろ FT新聞 No.4438
第3回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第430回をお届けしました。
今回挑戦する作品は、丹野佑・著『戦場の風』です。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
主戦場にたどり着くことすらできずに、ラスボスクラスに最強の騎竜ウォードレイクに死屍累々。
あっという間に4人目の挑戦者ウォーレンの出番です。
能力的にはつよつよですが、戦いはご免とばかりに逃げの一手。ウォードレイクから逃れ、さらに戦地へ向かいます。
そのさなか、助けた羊飼い、ジェイコブの土地勘を借り、ドラッツェン軍の封鎖を抜けて自陣へ。
ほっとするのもつかの間、コーデリア王女はどこに?
冒険は続きます。
2025年3月20日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4439
「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.27
・岡和田晃氏による、新しく楽しい読み物満載な「SF Prologue Wave」とのコラボ企画記事です。
今回も、前回、『金星、地獄の動物園』と同じ作者、間瀬純子先生の作品をお届けします。
その名も、『卵巣後宮(らんそうこうきゅう)』
その名の通り、後宮というみやびさの中に、血、臓腑の香りがするなまめかしいホラー。
クトゥルー神話の紡ぎ手としても高く評価されている間瀬純子先生の語りを、ご堪能ください。
2025年3月21日(金) 休刊日 FT新聞 No.4440
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(ヴェルサリウス28世さん)
FT新聞1ウィーク! 第631号 FT新聞 No.4434
>Q.昔々、まだコーヒーが毒とも薬ともわからなかった時代。
ある王様が、死刑囚二人を呼び寄せ、一人にはコーヒーを。一人には紅茶を与え、それを実験しました。
一番先に亡くなった方は誰でしょうか?
A.王さま。
「対照実験の概念を知っているとは見所のある王様だな。もっとも、コーヒーにも紅茶にもカフェインが入っているので紅茶投与群を対照群とするのは不適なのだが、この時代ではまだ分からないか。王様と死刑囚がコーヒーを投与されたと知ってるのも良くないな。コーヒーを投与したA群、コーヒー風味でコーヒー成分の入ってない偽薬を投与したB群、紅茶を投与したC群、紅茶風味飲料を投与したD群、コーヒーも紅茶も投与しないE群を作るのがいいんじゃないか。そもそも死刑囚は日頃から王様より食生活が良くない奴が多くて対照実験に向かないだろう」
「まあまあ。そこは問題文より所与の前提として、王様が先に死んだ理由を考えてみましょうよ」
「謎々として、まず文字で考えてみるか。コーヒー・・・珈琲・・・ 王加われば王に非ず」
「ちょっと意味が分からないですね」
「英語にしてみるか。COFFEEとTEA。共通する文字はEだな。KINGにはEがない。emeth(真理)からeを消すとmeth(死)となったので即死した」
「前半英語で考えてたのに後半急にヘブライ後のアルファベット転写が出てきてめちゃくちゃですが、emethのeを消すというのはオタクの基礎教養という感じで面白いですね。正解じゃないでしょうけど」
「コーヒーと紅茶を投与した囚人は影響を見るために寿命まで丁重に取り扱われたので結果的に王様が先に寿命で死んだ」
「ウミガメのスープ的にはあり得ますね」
「王様は実験直後に革命が起きて断頭台の露と消えたとか」
「史実では、コーヒーは15世紀にはアラビア語圏で広まり、ヨーロッパには16世紀に存在が知られるようになり、17世紀中にヨーロッパ全土に伝播したようですね。最初に革命で処刑された王様はおそらくイギリスのチャールズ1世、1649年の清教徒革命で処刑されてます。まだギロチンは発明されてないので斬首刑です。イギリスでは1650年にオックスフォードに最初のコーヒーハウスが開業したとされてますので年代的には合ってるかもしれません」
「あ! 「亡くなった方」なんで王様ってことじゃないか?」
「死刑囚なら出題者が敬意を表する必要はないから? なるほど。王族のみに用いる「最高敬語」というものがあり、天皇の死は「崩御」、皇太子の死は「薨御(こうぎょ)」、天皇、上皇、三后、皇太子以外の皇族の死は「薨去(こうきょ)」といいます。これは律令制に基づく用語ですが、『礼記』にも「天子の死は崩(ほう)と曰ひ、諸侯は薨(こう)と曰ひ、大夫(たいふ)は卒(そつ)と曰ひ、士は不禄(ふろく)と曰ひ、庶人は死と曰ふ」とあります。」
「「亡くなった方」程度なら死刑囚に使ったって別におかしくはなさそうだがな。実際、死刑囚の遺族に遺体を返すときは「亡くなった○○様のご遺体をお返しします」くらい言ってるんじゃないの? 「囚人第一五三号ノ死体ヲ下ゲ渡スニツキ引キ取ラレタシ」とか言ってるんだろうか」
(お返事:葉山海月)
ありがとうございます。
そしてお久しぶりです。
長らくお見えになっていないので、心配しておりました。
コーヒーの歴史からのこぼれ話。結局はコーヒーは毒ではなくって、王様が老衰で亡くなった、という笑い話として提出させていただきましたが、ヴェルサリウス28世さんの手にかかると、ミステリになりました。
もうこれ一セットで、短編ですね!
(ぜろさん)
>モケーレ・ムベンベとかヨナルデパズトーリ
これは…本当に登場してしまう伏線みたいに読めてしまう(笑)
実物が登場したらかなりやばいですが、同名の従者キャラならアリ…なのか?
そして「常闇の伴侶」がついに直接的な単語で出ましたね。今後の展開に期待です。
(お返事:齊藤飛鳥)
今回も御感想を下さり、まことにありがとうございますm(_ _)m
>モケーレ・ムベンベとかヨナルデパズトーリ
伏線ではないのですが、実際に従者で登場したら本当に大変なことになりそうです^^
アランツァ世界にいていい生物なのかわからないですが、もしもよいなら『モンスター!モンスター!』のように、モンスターな従者を作ってみるのもよいかも……とインスピレーションがわきました♪
キーワード「常闇の伴侶」が、ついに登場となるも、これからますます謎が深まっていきます。
この辺りのシナリオ展開がうまくて、ぐいぐいと引き込まれていくのが、たまりません^^b
(忍者福島さん)
ウンディーネもつよしスペシャルをドーピングしてしまったのですね(笑)
そのうち闇エルフに触角を生やされて目がキュピーンと光る様になってしまうのでしょうか(笑)
クワニャウマがこんな時でも金貨15枚キノコを確保!と喜ぶあたりがキャラ立ってていいですね〜!
(お返事:齊藤飛鳥)
今回も御感想を下さり、まことにありがとうございますm(_ _)m
マ神を信仰する闇エルフ特製の毒(つよしスペシャル)が泉に流されたせいで、ウンディーネが受難です^^
> そのうち闇エルフに触角を生やされて目がキュピーンと光る〜
毒の効果の末期症状としてありそうです(笑)
クワニャウマのキャラ立ちをお褒め下さり、ありがとうございます!
(ジャラル アフサラールさん)
私も同じ本読みました。流石に内容が少し古くなったので映画はニコラス・ケイジの出た『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』、漫画は神話系事件立ち向かう警察を描く『神話警察24時』、小説はコミカライズも始まった家の「穴」にゴミを捨て続けると…の『庭に穴ができた。ダンジョンかもしれないけど俺はゴミ捨て場にしてる 』、ゲームでは「ランドルフ・カーター」と名乗る外見がヴクラフトさんに見える(笑)キャラが出てくる『Fate/Grand Order』(シナリオ:『禁忌降臨庭園 セイレム』)とかも紹介した新版が出て欲しいですね。
(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます!
『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』!
かなでも見ました!
現代の演出で、伝統的を演出したら、想像効果で二つのいいとこどり! な傑作でしたねー。
そして、また、いろんな作品ご紹介、ありがとうございます。
『庭に穴ができた。ダンジョンかもしれないけど俺はゴミ捨て場にしてる 』いいですね!
こういうコージーな奇妙さに、かなでグッときます。なんか星新一先生の『おーい。でてこーい』ライクですね!
機会があったら読んでみますねー。
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2025年3月20日木曜日
「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.27 FT新聞 No.4439
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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.27
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●はじめに(岡和田晃)
「FT新聞」No.4425に、「SF Prologue Wave」とのコラボレーション企画として「金星、地獄の動物園」が配信された間瀬純子さんといえば、クトゥルー神話の紡ぎ手としても高く評価されています。
例えば、自覚的に書かれたクトゥルー神話作品である「オーロラの海の満ち干」(「ナイトランド」4号、2012年)は"The Ebb and Flow of the Aurora Sea"として英訳(キース・ローラー訳)され、エドワード・リプセット編『Speculative Japan 4』(黒田藩プレス、2018)に収められるほどに高い評価を得ています。
今回の「卵巣後宮」は、「ナイトランド・クォータリー」創刊準備号「幻獣」(2014年)に収められた「血の城」のスピンオフで、「異境クトゥルー譚」シリーズの一編に属すると言います。異境性という意味では、「ナイトランド・クォータリー」Vol.38に寄せられた最新作にして(偽)ルシアン・ホラーの傑作「赤水境の聖女」(2025年)と併読するのも一興でしょう。
読者から「今まで読んだ中で一番こわい短編小説」に選ばれたこともあるほどの逸品です。残虐描写にはご注意を!
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
「卵巣後宮(らんそうこうきゅう)」
間瀬純子
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
一
後宮は世界を美しく模していた。
世界とは心帝国が統べる中渦平原である。
帝国の長は神にも等しい虹玉帝(こうぎょくてい)猊下だ。
世界の外にも陸があり、人めいた生き物も住んでいるが、猊下の徳にあずかれぬ彼らは心を持たない。
私は、虹玉帝猊下の坐(いま)す後宮にあまた侍る帝妃の侍女であった。お仕えするのは、第三十七帝妃、鉛涯樹(エンガイジュ)王国の忠姫(ただひめ)さまである。
私は鉛涯樹王国の農民の娘だ。名を宏根(ひろね)という。従妹で幼馴染みでもある宏葉(ひろは)とともに、忠姫さまに順って後宮まで参った。
私も宏葉も、嫁ぎも子を産みもしない。
とはいえ、鉛涯樹王国では王族以外の女人は文字を習うことはないのだ。文字を覚え、世界の中心たる都まで来て、我が姫の支えとなれるのである。私たちは珍しくも尊い一生を与えられたのではなかろうか。
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https://prologuewave.club/wp-content/uploads/2017/03/rannsoukoukyuu_masejyunnko.pdf
初出:「SF Prologue Wave」
https://prologuewave.club/archives/6045
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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.27
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●はじめに(岡和田晃)
「FT新聞」No.4425に、「SF Prologue Wave」とのコラボレーション企画として「金星、地獄の動物園」が配信された間瀬純子さんといえば、クトゥルー神話の紡ぎ手としても高く評価されています。
例えば、自覚的に書かれたクトゥルー神話作品である「オーロラの海の満ち干」(「ナイトランド」4号、2012年)は"The Ebb and Flow of the Aurora Sea"として英訳(キース・ローラー訳)され、エドワード・リプセット編『Speculative Japan 4』(黒田藩プレス、2018)に収められるほどに高い評価を得ています。
今回の「卵巣後宮」は、「ナイトランド・クォータリー」創刊準備号「幻獣」(2014年)に収められた「血の城」のスピンオフで、「異境クトゥルー譚」シリーズの一編に属すると言います。異境性という意味では、「ナイトランド・クォータリー」Vol.38に寄せられた最新作にして(偽)ルシアン・ホラーの傑作「赤水境の聖女」(2025年)と併読するのも一興でしょう。
読者から「今まで読んだ中で一番こわい短編小説」に選ばれたこともあるほどの逸品です。残虐描写にはご注意を!
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「卵巣後宮(らんそうこうきゅう)」
間瀬純子
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一
後宮は世界を美しく模していた。
世界とは心帝国が統べる中渦平原である。
帝国の長は神にも等しい虹玉帝(こうぎょくてい)猊下だ。
世界の外にも陸があり、人めいた生き物も住んでいるが、猊下の徳にあずかれぬ彼らは心を持たない。
私は、虹玉帝猊下の坐(いま)す後宮にあまた侍る帝妃の侍女であった。お仕えするのは、第三十七帝妃、鉛涯樹(エンガイジュ)王国の忠姫(ただひめ)さまである。
私は鉛涯樹王国の農民の娘だ。名を宏根(ひろね)という。従妹で幼馴染みでもある宏葉(ひろは)とともに、忠姫さまに順って後宮まで参った。
私も宏葉も、嫁ぎも子を産みもしない。
とはいえ、鉛涯樹王国では王族以外の女人は文字を習うことはないのだ。文字を覚え、世界の中心たる都まで来て、我が姫の支えとなれるのである。私たちは珍しくも尊い一生を与えられたのではなかろうか。
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2025年3月19日水曜日
第3回【戦場の風】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4438
第3回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【戦場の風】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
ゲームブック「戦場の風」のプレイを続けています。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
主戦場にたどり着くことすらできずに、ラスボスクラスに最強の騎竜ウォードレイクに死屍累々。
あっという間に4人目の挑戦者ウォーレンの出番です。
能力的にはつよつよですが、戦いはご免とばかりに逃げの一手。ウォードレイクから逃れ、さらに戦地へ向かいます。
コーデリア王女の無事を祈りながら。
【ウォーレン 技術点12 体力点19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
●アタック04-2 ウォーレン、牛飼いを助ける
味方の部隊と別れ、森を抜けた。
敵軍のいない方向を狙ったので、追手には遭遇しなかった。
街道に出て少し進む。
「助けてくれぇ!」
必死な叫び声がする。
街道を必死にへろへろ走っている小男が見えた。
それを、鎧の兵士が追いかけている。
鎧はそれなりに重量があるので、へろへろな小男といい勝負だ。
へろへろおにごっこ。
そうは言っても小男は限界が近そう。このままではいずれ捕まるだろう。
そしてその鎧の兵士のいでたちは、国内では見慣れないものだった。
つまり、敵国ドラッツェンの兵士なのだろう。
さてここで選択肢だ。
・小男を助けるため、ドラッツェン兵と戦う
・関わらずに先を急ぐ
敵兵が1人で我が国の国民に危害を加えようとしているのだから、ここは助けに入るのが当然と考えるところだ。
しかしここで使命のことが頭をよぎる。王女の救出が最優先。ここで小男を助けている余裕があるかどうかもわからない。
って、今さらこんな選択肢を出されても、俺の心は決まっている。
小男を助ける。
単に目の前の出来事を放っておけないって理由じゃない。
俺には圧倒的に情報が不足しているのだ。
それに、いくら移動は迅速にと言っても、先刻も駐屯地で一夜を過ごしたところだ。
ここだけ一分一秒を争う雰囲気を出されても困る。
俺は手綱を操り、小男とドラッツェン兵との間に割り込んだ。
「てめえ! ロング・ナリクの騎兵か!!」
ドラッツェン兵はガラが悪い。そして無謀だ。
騎馬対歩兵では明らかに分が悪いとわかりそうなものなのに、おいかけっこでへろへろなのに、立ち向かってきた。
【ドラッツェン兵 技術点5 体力点6】
はっきり言って、弱い。
技術点12の俺からしたら、負ける要素が見当たらない。
この技術点の圧倒的な差には、こちらが馬上であることも加味されているのだろう。
そんなわけで、何の危機感を抱くこともなく、ノーダメージで勝利した。
これが俺の初戦闘だ。
「ありがとうごぜえます。あなたは命の恩人です!」
口調に少しなまりがある。このあたりの住民だろうか。
「おら、ジェイコブと言いますだ。この先の丘で牛飼いをしてますだ」
戦場の牛飼いか。
「イクサさはじまって、おいら、怖くなって逃げ出してきたんですだ」
そこでドラッツェン兵に見つかってしまったのか。
住民であれば、守るべき民。なにも特別なことをしたわけではない。
それを聞くと、ジェイコブは感極まってしまった。
「なんて、なんて立派なお方だぁ!」
そういうのはいいから。なんか情報くれない?
「頼みますだ。騎士様。この先に行くんでしょう? おいらも連れて行ってくだせえ」
おおっと。ちょっと予想外な展開が来た。君は逃げてきたのではなかったのか?
「恥ずかしながらおいら、家族を置いてひとり逃げてしまったんですだ。娘もおるのに。どうかしてたですだ。やっぱり、家族のところに戻らねえと」
なんだかんだで、選択肢もなく一緒に連れて行く流れになってしまった。
馬の速度と徒歩の速度の差は大きい。これは思わぬタイムロスになってしまうのでは。
「この立派な馬なら、もう1人乗せるくらいなんてことないでしょう?」
強引な奴。けどこれで、タイムロス問題は解消された。
「そうだ。この先の街道は危ないですだ。ドラッツェンの軍隊が封鎖してるだ」
そしてついにようやく、待望の情報がもたらされたのだった。
助けてよかった。この情報がなかったら、危なかったかもしれない。
●アタック04-3 ウォーレン、自陣に入る
街道が危ないという牛飼いジェイコブは、他に2つの道を示してくれた。
「林を抜けるか、川を渡った方がいいですだ」
ここで選択肢が出る。
・ジェイコブの同行を断わり、街道を進む
・川を渡る道を選ぶ
・林を抜ける道を選ぶ
街道を進むのはさすがにないだろう。
川と林。詳しい道の説明はない。判断材料も、ない。
だが俺は、林を抜ける道を選ぶことにした。
判断材料が乏しい中、一応の理由はある。
ジェイコブは、「林を抜けるか、川を渡った方がいい」と言った。
こういう場面では、普段使い慣れた道や、意識している道が先に出るものだ。
つまりジェイコブにとっては、林を抜ける道の方が使い勝手が良い道ということになる。
作者がそこまで考えているのかはわからないが、俺がここで考えて結論を出すとしたら、そうなる。
ということで、林を抜けていこう。
そして俺たちは、問題なく林を抜けることができた。
街道の封鎖ポイントらしき場所も、視認こそできなかったが、ざわめきが聞こえてきた。
ジェイコブの情報に嘘はなかったようだ。そもそも嘘をつく理由も必要もないが。
ただ、誤算もあった。
ジェイコブは「林を抜ける道」なんて言っていたが、道なんて言えるようなシロモノではなかった。
足下は悪く、木々も避けなければならない。俺も愛馬も疲弊してしまい、体力点を2点、失ってしまった。
このくらいのロスはやむを得ないか。
慣れの差とか、徒歩と馬の違いは計算外とか、そういうものかもしれない。
その後もジェイコブの道案内のおかげで危なげなく進み、ドラッツェン軍の見張りをかいくぐりつつ、金牛の丘のふもとまで到達することができた。
ジェイコブの助けがなければ、とてもここまでは来られなかっただろう。
やはりこの牛飼いを助けるのは正解だった。
丘を登るうちに、風に乗って、いやなにおいが漂ってくる。
それは、さびた鉄のようなにおいだ。俺は知っている。これは、血のにおい。
地鳴りのような音も聞こえる。
軍勢が、今もこの丘のどこかで、戦いを繰り広げている。
やがて、踏み荒らされた地面に突き刺さったままの矢や、討ち捨てられた剣や防具の残骸などを目にするようになってきた。
そしてもちろん、敵味方を問わない遺体も。
このまま戦いの中心地に乗り入れるのは得策ではない。
俺が目指すのは友軍の陣地であって、戦場ではない。
ジェイコブを先に送り届けた方がよかったかもしれないが、そう言っていられる状況ではなくなってしまった。
ここからはジェイコブの案内ではなく、自身の経験から戦いの音を慎重に避け、道を選ぶ。
やがて俺は、ロング・ナリクの旗が立つテントを発見した。
ドラッツェン軍に奇抜な発想の軍師がいて、ロング・ナリク軍の偽装をしているなんていうよほどのレアケースでもなければ、自軍の陣で間違いない。
俺は迷わず中へと進む。
「なんと、あのドラッツェン軍の封鎖を抜けてきたというのか」
こちらには、土地勘に優れた案内人がいたのでね。
「本来、我々が退路を確保するため、街道に陣取っていたのだ。しかし退けられてしまい、この有様だ。動くに動けずこの場に陣取っているものの……」
あまり芳しくない戦況なのはよくわかった。
さらに、戦いから脱落した兵もここに加わり、漫然と規模が拡大しているという。
この陣は、完全に負け戦ムードが漂っている。
無理もない。局地戦で敗走し、傷ついた兵士を収容しているこの陣地の目線から見れば、もはや勝ち筋は見えない。
俺はジェイコブに少し待っていてもらい、兵士たちから情報を集めることにした。
●アタック04-4 ウォーレンとウォーレン
さて、情報は重要だ。誰に話しかけるべきだろうか。
3人の兵士が目についた。誰に話しかけても良いという。
でも多分、全員にゆっくり話を聞くような時間は持てないだろう。誰か1人を選ぶといったところか。
・荷物を背負って歩き回っている兵士
・苛立たしげにタバコをふかしている兵士
・疲労しきって座り込んでいる兵士
荷物を背負っている兵士はきっと、もともとのこの陣地の兵が連絡役でもしているのだろう。
苛立った兵士の愚痴なんて聞きたくない。
疲労しきっている兵士はおそらく、主戦場でなんらかの経験をしてきたに違いない。
俺は、疲労しきっている兵士のもとへ行き、話しかけた。
「放っておいてくれ。俺はもう、戦いたくないんだ」
俺は直感した。彼は、何か重大な局面に居合わせたのだと。
「何があった」
「……俺は、ウォーレン様の部下だったんだ」
……え?
ウォーレンは、俺だが?
そして、ここで、俺は、ようやく気がついたのだ。
俺の名前ウォーレンが、この戦場で戦死したという、ロング・ナリク当代一の聖騎士ウォーレンと完全にかぶっていることに。
やっちまったああぁぁ。
とはいえ、もう事故ってしまったものはしょうがない。
このまま進めるしかない。
なんならこのウォーレンでクリアしてしまってもいい。
聖騎士ウォーレンは、この戦いには副官として参加していた。
とはいえ、コーデリア王女は初陣なのだから、実質的な指揮官と言って良いだろう。
「俺たちの部隊はあの化け物、ウォードレイクにぶつかっちまった。俺たちは王女を逃がすために、しんがりとしてウォードレイクを引き付けていた。ああ……」
だいたいわかった。
俺じゃない、聖騎士のほうのウォーレンも、ウォードレイクを前になすすべがなかったのだ。
俺は、そんな戦場に、これから身を投じなければならない。
コーデリア王女を救いだすために。敗戦でも良いから、この戦いを終わらせるために。
俺の決意と使命を聞いた兵士は、言った。
「俺も連れて行ってくれ」
なんと。
この兵士には、コーデリア王女に伝えなければならない言葉があるという。
今の今まで、それはもう無理と諦めていたのだが、俺が戦場に向かうのなら、会える可能性があると感じたようだ。
そういうことなら、俺に断る理由はないな。
彼が伝えなければならないこととは、なんだろう。
やはり、聖騎士ウォーレンの最期の言葉だろうか。きっとそうだろうな。
それが、王女に撤退を促すものであってくれると、うれしい。
兵士は、名をアンドロと名乗った。
主人公の同行者でアンドロと言ったら、どうしても「アンドロ梅田」を連想してしまうな。
あちらは、騎士は騎士でも「宇宙の騎士テッカマン」だが。
アンドロ、かぶとを脱いだらものすごいモジャモジャアフロが隠れてたりしないか?
こうして、新たな同行者を得た俺は、いよいよ危地へと出発する。
次回、コーデリア王女はどこに?
【ウォーレン 技術点12 体力点19→17/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
■登場人物
ウォーレン ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。主人公。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
聖騎士ウォーレン ロング・ナリクの当代一の聖騎士。ロング・ナリク軍の副官。戦地で命を落とす。
ジェイコブ 金牛の丘の牛飼い
アンドロ 梅田。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
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あっという間に4人目の挑戦者ウォーレンの出番です。
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コーデリア王女の無事を祈りながら。
【ウォーレン 技術点12 体力点19 運点12】
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味方の部隊と別れ、森を抜けた。
敵軍のいない方向を狙ったので、追手には遭遇しなかった。
街道に出て少し進む。
「助けてくれぇ!」
必死な叫び声がする。
街道を必死にへろへろ走っている小男が見えた。
それを、鎧の兵士が追いかけている。
鎧はそれなりに重量があるので、へろへろな小男といい勝負だ。
へろへろおにごっこ。
そうは言っても小男は限界が近そう。このままではいずれ捕まるだろう。
そしてその鎧の兵士のいでたちは、国内では見慣れないものだった。
つまり、敵国ドラッツェンの兵士なのだろう。
さてここで選択肢だ。
・小男を助けるため、ドラッツェン兵と戦う
・関わらずに先を急ぐ
敵兵が1人で我が国の国民に危害を加えようとしているのだから、ここは助けに入るのが当然と考えるところだ。
しかしここで使命のことが頭をよぎる。王女の救出が最優先。ここで小男を助けている余裕があるかどうかもわからない。
って、今さらこんな選択肢を出されても、俺の心は決まっている。
小男を助ける。
単に目の前の出来事を放っておけないって理由じゃない。
俺には圧倒的に情報が不足しているのだ。
それに、いくら移動は迅速にと言っても、先刻も駐屯地で一夜を過ごしたところだ。
ここだけ一分一秒を争う雰囲気を出されても困る。
俺は手綱を操り、小男とドラッツェン兵との間に割り込んだ。
「てめえ! ロング・ナリクの騎兵か!!」
ドラッツェン兵はガラが悪い。そして無謀だ。
騎馬対歩兵では明らかに分が悪いとわかりそうなものなのに、おいかけっこでへろへろなのに、立ち向かってきた。
【ドラッツェン兵 技術点5 体力点6】
はっきり言って、弱い。
技術点12の俺からしたら、負ける要素が見当たらない。
この技術点の圧倒的な差には、こちらが馬上であることも加味されているのだろう。
そんなわけで、何の危機感を抱くこともなく、ノーダメージで勝利した。
これが俺の初戦闘だ。
「ありがとうごぜえます。あなたは命の恩人です!」
口調に少しなまりがある。このあたりの住民だろうか。
「おら、ジェイコブと言いますだ。この先の丘で牛飼いをしてますだ」
戦場の牛飼いか。
「イクサさはじまって、おいら、怖くなって逃げ出してきたんですだ」
そこでドラッツェン兵に見つかってしまったのか。
住民であれば、守るべき民。なにも特別なことをしたわけではない。
それを聞くと、ジェイコブは感極まってしまった。
「なんて、なんて立派なお方だぁ!」
そういうのはいいから。なんか情報くれない?
「頼みますだ。騎士様。この先に行くんでしょう? おいらも連れて行ってくだせえ」
おおっと。ちょっと予想外な展開が来た。君は逃げてきたのではなかったのか?
「恥ずかしながらおいら、家族を置いてひとり逃げてしまったんですだ。娘もおるのに。どうかしてたですだ。やっぱり、家族のところに戻らねえと」
なんだかんだで、選択肢もなく一緒に連れて行く流れになってしまった。
馬の速度と徒歩の速度の差は大きい。これは思わぬタイムロスになってしまうのでは。
「この立派な馬なら、もう1人乗せるくらいなんてことないでしょう?」
強引な奴。けどこれで、タイムロス問題は解消された。
「そうだ。この先の街道は危ないですだ。ドラッツェンの軍隊が封鎖してるだ」
そしてついにようやく、待望の情報がもたらされたのだった。
助けてよかった。この情報がなかったら、危なかったかもしれない。
●アタック04-3 ウォーレン、自陣に入る
街道が危ないという牛飼いジェイコブは、他に2つの道を示してくれた。
「林を抜けるか、川を渡った方がいいですだ」
ここで選択肢が出る。
・ジェイコブの同行を断わり、街道を進む
・川を渡る道を選ぶ
・林を抜ける道を選ぶ
街道を進むのはさすがにないだろう。
川と林。詳しい道の説明はない。判断材料も、ない。
だが俺は、林を抜ける道を選ぶことにした。
判断材料が乏しい中、一応の理由はある。
ジェイコブは、「林を抜けるか、川を渡った方がいい」と言った。
こういう場面では、普段使い慣れた道や、意識している道が先に出るものだ。
つまりジェイコブにとっては、林を抜ける道の方が使い勝手が良い道ということになる。
作者がそこまで考えているのかはわからないが、俺がここで考えて結論を出すとしたら、そうなる。
ということで、林を抜けていこう。
そして俺たちは、問題なく林を抜けることができた。
街道の封鎖ポイントらしき場所も、視認こそできなかったが、ざわめきが聞こえてきた。
ジェイコブの情報に嘘はなかったようだ。そもそも嘘をつく理由も必要もないが。
ただ、誤算もあった。
ジェイコブは「林を抜ける道」なんて言っていたが、道なんて言えるようなシロモノではなかった。
足下は悪く、木々も避けなければならない。俺も愛馬も疲弊してしまい、体力点を2点、失ってしまった。
このくらいのロスはやむを得ないか。
慣れの差とか、徒歩と馬の違いは計算外とか、そういうものかもしれない。
その後もジェイコブの道案内のおかげで危なげなく進み、ドラッツェン軍の見張りをかいくぐりつつ、金牛の丘のふもとまで到達することができた。
ジェイコブの助けがなければ、とてもここまでは来られなかっただろう。
やはりこの牛飼いを助けるのは正解だった。
丘を登るうちに、風に乗って、いやなにおいが漂ってくる。
それは、さびた鉄のようなにおいだ。俺は知っている。これは、血のにおい。
地鳴りのような音も聞こえる。
軍勢が、今もこの丘のどこかで、戦いを繰り広げている。
やがて、踏み荒らされた地面に突き刺さったままの矢や、討ち捨てられた剣や防具の残骸などを目にするようになってきた。
そしてもちろん、敵味方を問わない遺体も。
このまま戦いの中心地に乗り入れるのは得策ではない。
俺が目指すのは友軍の陣地であって、戦場ではない。
ジェイコブを先に送り届けた方がよかったかもしれないが、そう言っていられる状況ではなくなってしまった。
ここからはジェイコブの案内ではなく、自身の経験から戦いの音を慎重に避け、道を選ぶ。
やがて俺は、ロング・ナリクの旗が立つテントを発見した。
ドラッツェン軍に奇抜な発想の軍師がいて、ロング・ナリク軍の偽装をしているなんていうよほどのレアケースでもなければ、自軍の陣で間違いない。
俺は迷わず中へと進む。
「なんと、あのドラッツェン軍の封鎖を抜けてきたというのか」
こちらには、土地勘に優れた案内人がいたのでね。
「本来、我々が退路を確保するため、街道に陣取っていたのだ。しかし退けられてしまい、この有様だ。動くに動けずこの場に陣取っているものの……」
あまり芳しくない戦況なのはよくわかった。
さらに、戦いから脱落した兵もここに加わり、漫然と規模が拡大しているという。
この陣は、完全に負け戦ムードが漂っている。
無理もない。局地戦で敗走し、傷ついた兵士を収容しているこの陣地の目線から見れば、もはや勝ち筋は見えない。
俺はジェイコブに少し待っていてもらい、兵士たちから情報を集めることにした。
●アタック04-4 ウォーレンとウォーレン
さて、情報は重要だ。誰に話しかけるべきだろうか。
3人の兵士が目についた。誰に話しかけても良いという。
でも多分、全員にゆっくり話を聞くような時間は持てないだろう。誰か1人を選ぶといったところか。
・荷物を背負って歩き回っている兵士
・苛立たしげにタバコをふかしている兵士
・疲労しきって座り込んでいる兵士
荷物を背負っている兵士はきっと、もともとのこの陣地の兵が連絡役でもしているのだろう。
苛立った兵士の愚痴なんて聞きたくない。
疲労しきっている兵士はおそらく、主戦場でなんらかの経験をしてきたに違いない。
俺は、疲労しきっている兵士のもとへ行き、話しかけた。
「放っておいてくれ。俺はもう、戦いたくないんだ」
俺は直感した。彼は、何か重大な局面に居合わせたのだと。
「何があった」
「……俺は、ウォーレン様の部下だったんだ」
……え?
ウォーレンは、俺だが?
そして、ここで、俺は、ようやく気がついたのだ。
俺の名前ウォーレンが、この戦場で戦死したという、ロング・ナリク当代一の聖騎士ウォーレンと完全にかぶっていることに。
やっちまったああぁぁ。
とはいえ、もう事故ってしまったものはしょうがない。
このまま進めるしかない。
なんならこのウォーレンでクリアしてしまってもいい。
聖騎士ウォーレンは、この戦いには副官として参加していた。
とはいえ、コーデリア王女は初陣なのだから、実質的な指揮官と言って良いだろう。
「俺たちの部隊はあの化け物、ウォードレイクにぶつかっちまった。俺たちは王女を逃がすために、しんがりとしてウォードレイクを引き付けていた。ああ……」
だいたいわかった。
俺じゃない、聖騎士のほうのウォーレンも、ウォードレイクを前になすすべがなかったのだ。
俺は、そんな戦場に、これから身を投じなければならない。
コーデリア王女を救いだすために。敗戦でも良いから、この戦いを終わらせるために。
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「俺も連れて行ってくれ」
なんと。
この兵士には、コーデリア王女に伝えなければならない言葉があるという。
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そういうことなら、俺に断る理由はないな。
彼が伝えなければならないこととは、なんだろう。
やはり、聖騎士ウォーレンの最期の言葉だろうか。きっとそうだろうな。
それが、王女に撤退を促すものであってくれると、うれしい。
兵士は、名をアンドロと名乗った。
主人公の同行者でアンドロと言ったら、どうしても「アンドロ梅田」を連想してしまうな。
あちらは、騎士は騎士でも「宇宙の騎士テッカマン」だが。
アンドロ、かぶとを脱いだらものすごいモジャモジャアフロが隠れてたりしないか?
こうして、新たな同行者を得た俺は、いよいよ危地へと出発する。
次回、コーデリア王女はどこに?
【ウォーレン 技術点12 体力点19→17/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
■登場人物
ウォーレン ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。主人公。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
聖騎士ウォーレン ロング・ナリクの当代一の聖騎士。ロング・ナリク軍の副官。戦地で命を落とす。
ジェイコブ 金牛の丘の牛飼い
アンドロ 梅田。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
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https://www.amazon.co.jp/dp/B00SSZ9D5C
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ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
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https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report
【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。
https://ftnews-archive.blogspot.com/
【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。
https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84
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メールマガジン【FT新聞】
編集: 水波流、葉山海月、中山将平
発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房)
ホームページ: https://ftbooks.xyz/
メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください)
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2025年3月18日火曜日
これはゲームブックなのですか!? vol.118 FT新聞 No.4437
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
『これはゲームブックなのですか!?』vol.118
かなでひびき
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
どうもー、永遠のクトゥルフ、つーかホラー大好き! バーチャル図書委員長かなでひびきです!
みんな大好きクトゥルフ神話!
「クトゥルフ」をモチーフにした英単語フレーズ集なんかも出て、その勢いは留まるところを知らない!
ていうか、FT書房も、クトゥルフのゲームブックを、モチのロンで出しています。
原作+αな『クトゥルフのいざない』
オリジナルゲームブック『クトゥルー短編集』と、その姉妹編『クトゥルー短編集 暗黒詩篇』
ということは、それだけ需要がある、ということ。
しっかしねー。
「ああ! あたしまっさらなクトゥルフ初心者。だけどこっそりと基礎知識でも得て、流行の先端に乗りたい!」と考えているアナタに朗報!?
今回紹介する本は『本当に恐ろしいクトゥルフ神話』(著・クトゥルフ神話研究会 笹倉出版社)よ!
話はまず世界観から始まるわ。
クトゥルフ世界の生みの親、ラブクラフトと彼の生きた時代。
そして、ラブクラフト以降、クトゥルフ神話がどういう成長をしたのか?
日本にはどのように入ってきて、どんな進化をとげたのか?
などが語られている。
そして、いよいよ本論!
『インスマウスを覆う影』など、基本中の基本ストーリーを、九つ、厳選してダイジェストでお送りする!
大体3ページぐらいで終わるし、ホラーならではの緊張感、後味の悪さもキレのある表現で書かれている。
これを忙しさにかまけるアナタの基礎知識テキストとして読むもよし! 興味がわいたら、濃厚な本編を読むもよし!
第二章は、クトゥルフに出てくる神々。
「アザトース」を筆頭に、「ヨグ=ソトース」「クトゥルフ」など、メジャーなものがいっぱい。
奇妙に衒学的、哲学的なスタンドのようなその存在に、イラスト付きで見入ってしまうことウケアイ!
第三章は、そのアイテム
『ネクロノミコン』、『ルルイエ異本』などのマストアイテムがズラリ。
第四章は、「クトゥルフ神話」の代表的な舞台。
「ルルイエ神殿」から「アーカム」まで、その背景を細かに語っている。
もちろん、緻密なイラスト付きで、これ一本で「クトゥルフ」ものを楽しむ基礎知識はできる!
コンパクトだし、FT書房の「クトゥルフ」ゲームブックを読む際には、ぜひ傍らにおいて欲しいわ!
だけど、かなでが一押ししたいのは、最後の章の関連作品紹介!
バイブルで本編とも言える、元祖『クトゥルフ』ものから、批評。
ファンタジーの『魔界水滸伝』とか、SF!?な菊地秀行先生の『妖神グルメ』
推理小説の『黒い仏』
最近のホラー『玩具修理者』
ライトノベルからから、『這いよれ! ニャル子さん!』
村上春樹先生の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』
さらに、漫画なら諸星大二郎先生の『栞と紙魚子』。高橋葉介先生の『仮面少年』
もちろん、映像作品もあるけど、その中に『ウルトラマンティガ』『デジモンアドベンチャー』が出てきたのは、目をムイタわ!
あるいは、バンド「人間椅子」のアルバム『黄金の夜明け』
ゲームでも、『アローン・イン・ザ・ダーク』などのメジャーどころからPCエンジン『ネクロマンサー』、アダルトソフト『沙耶の唄』、そして1987年発売の古典的名作『ラプラスの魔』
他にもトレカにカレンダーにフィギュアと。
「名作はジャンルを超える」というけど、クトゥルフ自体それを呑み込めるキャパシティの深さは、いい意味化物的!
ということを、つくづく分からせてくれる一本!
見逃せば人生後悔することウケアイ!
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
『本当に恐ろしいクトゥルフ神話』
著 クトゥルフ神話研究会
出版社:笠倉出版社 ムック 2010/7/13 571円(+税)
なお同出版社による、増補改訂版も2012年に発売している
『恐怖と混沌のクトゥルフ神話ビジュアルガイド』
著 クトゥルフ神話研究会
出版社:笠倉出版社 ムック 2012/8/13 900円(+税)
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『これはゲームブックなのですか!?』vol.118
かなでひびき
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どうもー、永遠のクトゥルフ、つーかホラー大好き! バーチャル図書委員長かなでひびきです!
みんな大好きクトゥルフ神話!
「クトゥルフ」をモチーフにした英単語フレーズ集なんかも出て、その勢いは留まるところを知らない!
ていうか、FT書房も、クトゥルフのゲームブックを、モチのロンで出しています。
原作+αな『クトゥルフのいざない』
オリジナルゲームブック『クトゥルー短編集』と、その姉妹編『クトゥルー短編集 暗黒詩篇』
ということは、それだけ需要がある、ということ。
しっかしねー。
「ああ! あたしまっさらなクトゥルフ初心者。だけどこっそりと基礎知識でも得て、流行の先端に乗りたい!」と考えているアナタに朗報!?
今回紹介する本は『本当に恐ろしいクトゥルフ神話』(著・クトゥルフ神話研究会 笹倉出版社)よ!
話はまず世界観から始まるわ。
クトゥルフ世界の生みの親、ラブクラフトと彼の生きた時代。
そして、ラブクラフト以降、クトゥルフ神話がどういう成長をしたのか?
日本にはどのように入ってきて、どんな進化をとげたのか?
などが語られている。
そして、いよいよ本論!
『インスマウスを覆う影』など、基本中の基本ストーリーを、九つ、厳選してダイジェストでお送りする!
大体3ページぐらいで終わるし、ホラーならではの緊張感、後味の悪さもキレのある表現で書かれている。
これを忙しさにかまけるアナタの基礎知識テキストとして読むもよし! 興味がわいたら、濃厚な本編を読むもよし!
第二章は、クトゥルフに出てくる神々。
「アザトース」を筆頭に、「ヨグ=ソトース」「クトゥルフ」など、メジャーなものがいっぱい。
奇妙に衒学的、哲学的なスタンドのようなその存在に、イラスト付きで見入ってしまうことウケアイ!
第三章は、そのアイテム
『ネクロノミコン』、『ルルイエ異本』などのマストアイテムがズラリ。
第四章は、「クトゥルフ神話」の代表的な舞台。
「ルルイエ神殿」から「アーカム」まで、その背景を細かに語っている。
もちろん、緻密なイラスト付きで、これ一本で「クトゥルフ」ものを楽しむ基礎知識はできる!
コンパクトだし、FT書房の「クトゥルフ」ゲームブックを読む際には、ぜひ傍らにおいて欲しいわ!
だけど、かなでが一押ししたいのは、最後の章の関連作品紹介!
バイブルで本編とも言える、元祖『クトゥルフ』ものから、批評。
ファンタジーの『魔界水滸伝』とか、SF!?な菊地秀行先生の『妖神グルメ』
推理小説の『黒い仏』
最近のホラー『玩具修理者』
ライトノベルからから、『這いよれ! ニャル子さん!』
村上春樹先生の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』
さらに、漫画なら諸星大二郎先生の『栞と紙魚子』。高橋葉介先生の『仮面少年』
もちろん、映像作品もあるけど、その中に『ウルトラマンティガ』『デジモンアドベンチャー』が出てきたのは、目をムイタわ!
あるいは、バンド「人間椅子」のアルバム『黄金の夜明け』
ゲームでも、『アローン・イン・ザ・ダーク』などのメジャーどころからPCエンジン『ネクロマンサー』、アダルトソフト『沙耶の唄』、そして1987年発売の古典的名作『ラプラスの魔』
他にもトレカにカレンダーにフィギュアと。
「名作はジャンルを超える」というけど、クトゥルフ自体それを呑み込めるキャパシティの深さは、いい意味化物的!
ということを、つくづく分からせてくれる一本!
見逃せば人生後悔することウケアイ!
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
『本当に恐ろしいクトゥルフ神話』
著 クトゥルフ神話研究会
出版社:笠倉出版社 ムック 2010/7/13 571円(+税)
なお同出版社による、増補改訂版も2012年に発売している
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著 クトゥルフ神話研究会
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2025年3月17日月曜日
「フォレストマスターへの道」進行中……☆ FT新聞 No.4436
おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です。
春も近いですね。
暖かい日と寒い日が交互に来るので、天候を気にしながら生活しています。
◆「フォレストマスターへの道」
1月に開催した「フォレストマスターへの道」ですが、編集部による仮組みが終わって、開設したdiscordサーバーにて、フォレストマスターにチェックしていただいております。
サーバーに不参加のフォレストマスターはご参加いただくか、FT書房までご連絡ください。
期間は3月いっぱいです……よろしくお願いします!
◆4月のd33シナリオは。
毎月第一日曜日はゲームブック枠で、現在はローグライクハーフの新しいシナリオを配信しております。
奇数月はd66シナリオ、偶数月はd33シナリオです。
4月はロア・スペイダーによる新作「怪盗は雪夜に舞う」をお届けします!
舞台は貿易都市ビストフ。
大陸の「窓」とも称されるこの街は、さまざまな場所からの文化を輸入して栄えるエキゾチックな土地です。
今回のシナリオにも、東国要素がしっかりと物語に関わってくるようです☆
◆出版準備は?
FT書房からの新作は、5月に開催される春のゲームマーケットを皮切りに、着々と準備を進めております。
春のゲームマーケットではロア・スペイダーの中編ゲームブック『単眼の巨獣』と、北方都市サン・サレンを舞台としたd33シナリオ4本を収録した『雪剣の頂 勇者の轍(仮題)』の2作品を出版予定です。
夏以降のラインナップも固まりつつあるのですが、少し長くなりそうなので、また改めてご報告いたしますね。
それではまた!
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◆「フォレストマスターへの道」
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◆4月のd33シナリオは。
毎月第一日曜日はゲームブック枠で、現在はローグライクハーフの新しいシナリオを配信しております。
奇数月はd66シナリオ、偶数月はd33シナリオです。
4月はロア・スペイダーによる新作「怪盗は雪夜に舞う」をお届けします!
舞台は貿易都市ビストフ。
大陸の「窓」とも称されるこの街は、さまざまな場所からの文化を輸入して栄えるエキゾチックな土地です。
今回のシナリオにも、東国要素がしっかりと物語に関わってくるようです☆
◆出版準備は?
FT書房からの新作は、5月に開催される春のゲームマーケットを皮切りに、着々と準備を進めております。
春のゲームマーケットではロア・スペイダーの中編ゲームブック『単眼の巨獣』と、北方都市サン・サレンを舞台としたd33シナリオ4本を収録した『雪剣の頂 勇者の轍(仮題)』の2作品を出版予定です。
夏以降のラインナップも固まりつつあるのですが、少し長くなりそうなので、また改めてご報告いたしますね。
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