日本テレビ『月曜から夜ふかし』捏造問題が国際問題化も…NHKラジオ“尖閣発言”にも通ずる危うさ
「あってはならないこと」
ついに社長が頭を下げ、謝罪した――。 マツコ・デラックス(52)と『SUPER EIGHT』村上信五(43)が出演する日本テレビ系『月曜から夜ふかし』の番組公式サイトは3月27日に声明を発表し、放送内容に「意図的に編集」した部分があったと謝罪した。 【写真あり】村上信五&小島瑠璃子と深夜のカラオケで”夜ふかし密会”の一部始終 問題となったのは3月24日放送分。街頭インタビューに登場した中国・広州出身女性が日本語で 「あんまり中国にカラスが飛んでいるのはいない」 と話し、 「みんな食べているから少ない。とにかく煮込んで食べて終わり」 と述べた。 ようは中国では“カラス食文化”があるので、屋外で飛んでいる姿をあまり見かけないというのだ。これにマツコと村上は大笑いしていたが……。 声明では 《実際には女性が『中国ではカラスを食べる』という趣旨の発言をした事実は一切なく、別の話題について話した内容を制作スタッフが意図的に編集し、女性の発言の趣旨とは全く異なる内容になっていました》 と説明していた。 3月31日に行われた日本テレビの定例社長会見で、福田博之社長は同問題に対し、 「演出の範囲を超えており、あってはならないこと。申し訳ありませんでした」 と謝罪した。 テレビ番組では時に“ヤラセ”や、インタビュー相手の素人が実はエキストラ事務所の所属だったという“仕込み”が発生することがある。しかし、今回はそのレベルではない。 「インタビューに応じた女性に悪意はなく、編集した人間が悪意を持ってやったわけです。映像には《※中国全域ではありません》と注釈テロップがつけられていましたが、何のエクスキューズにもなりません。『月曜から夜ふかし』は13年も続く、日テレ深夜の人気番組ですが、このようなずさんな編集がわかった以上、今後も疑いの目で見られることになります。番組存続の危機と言っていいでしょう」(テレビ局関係者) ◆中国共産党が関心を持ち、問題を拡大する恐れ この問題が危ういのは、中国は“野蛮である”というイメージを植え付けかねないことだ。 中国共産党は日本のメディアを定点観察しており、同番組を取り上げ「悪質な情報操作だ」と抗議する可能性もゼロではない。 昨年8月にはNHKのラジオ国際放送で中国籍の外部スタッフが沖縄県・尖閣諸島について 「中国の領土である」 と不適切発言を行った。NHKは 「ニュースとは無関係の発言が放送されたことは不適切であり、深くお詫び申し上げます。再発防止策を徹底します」 と謝罪。総務省は再発防止策の徹底と順守状況の公表を求める行政指導を行っている。 この件に関して、中国共産党系メディア「福建日報」は 《このスタッフはNHKに雇用されている以上、本来存在しない原稿を自身の判断で加えるべきではなかった。重大な職務違反である》 というネットユーザーの声を紹介する一方で、 《中国人である以上、中国人の立場を表明した行動は理解できるし尊敬に値する》 というコメントも取り上げている。 こうした前例があるだけに、中国共産党が関心を持ち、問題をさらに拡大する恐れもあるのだ。日テレ関係者の話。 「局内でも『あまりにもお粗末すぎる』と批判が殺到しています。国際問題にもなりかねない案件。なぜこのような編集が行われたのか? チェック体制は働いていたのか? 徹底調査する必要があると思います」 そこで日本テレビにメールにて、“なぜこのような編集が行われたのか?”“今後、問題VTRの編集過程や番組のチェック体制などを公表する予定はありますか?”と質問したところ、 《制作スタッフ(ディレクター)が、より面白くしたいと考え、自分の判断で編集をしてしまいました。当該ディレクターは現在、自分の考え自体が誤っていたと反省しております。プロデューサー・演出等複数のスタッフが下見をしましたが気付きませんでした。制作プロセスを徹底的に見直し、編集が取材対象者の意図を逸脱することのないように、研修を徹底するなど改めて制作者一同に指導して参ります》 と回答した。 マツコも村上もまさかこんなことになるとは思ってもみなかっただろう。
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