日本テレビ系「月曜から夜ふかし」(月曜午後10時)の番組公式サイトは27日、声明を発表し、放送内容に「意図的に編集」した部分があったと謝罪した。当の日テレ内でも番組側に対して「捏造」と怒りの声が噴出。問題が起きた背景として2つの要因が浮上した。放送13年を迎えた人気番組は存亡の危機に立たされそうだ。
24日放送分では、都内で街頭インタビューした模様が紹介された。その一人だった中国・広州出身女性は日本語で「あんまり中国にカラスが飛んでいるのはいない」と話し、「みんな食べているから少ない。とにかく煮込んで食べて終わり」と告白。つまり、中国国内ではカラスを煮込んで食すため、屋外で飛んでいる姿をあまり見かけないというわけだ。MCを務める「SUPER EIGHT」村上信五とタレントのマツコ・デラックスはスタジオで声を上げて笑った。
ただ、声明では「実際には女性が『中国ではカラスを食べる』という趣旨の発言をした事実は一切なく、別の話題について話した内容を制作スタッフが意図的に編集し、女性の発言の趣旨とは全く異なる内容になっていました」と報告した。「テレビメディアとして決してあってはならない行為」と認め、「取材に協力いただいた女性ご本人並びに視聴者の皆様に心からお詫び申し上げます」と謝罪した。
これには身内の日テレ内でも番組側に対して「捏造」と怒りの声が噴出している。事情に詳しい日テレ関係者の話。
「当該ロケは人がせわしなく行き交うJR新宿駅東南口付近で行われました。女性が話した2つの話を編集作業の段階で継ぎ合わせ、〝中国ではカラスを食べる〟という内容に捏造し、画面右下に『※中国全域ではありません』と注釈テロップをつけ、放送。この注釈テロップの存在が〝中国ではカラスを食べる〟と意図的な編集を加えた証拠になり、言い逃れはできなくなった。局内で『非常にタチが悪い』と怒りの声が噴出しています」
問題が起きた背景として2つの要因が浮上している。
1つは、いわゆる〝撮れ高(とれだか)〟だ。収録した内容がおもしろかった時、テレビ業界では「今日は撮れ高が良かった」と言う。
「『夜ふかし』の街頭インタビューでは1回の放送分で、数百人に声をかけます。その中から撮れ高が良いのはごくわずか。今回は思うような撮れ高を得られなかったのか、捏造してしまったようです」(前出関係者)
2つめは、中国人スタッフの不在だ。
「『夜ふかし』の番組スタッフには中国人スタッフがいたけど、すでに担当から外れています。この中国人スタッフがいれば、編集後のチェック段階で〝中国ではカラスを食べる〟という趣旨を本当に話したのかとマスターテープ(収録したそのままの素材)を確認するなどできたはずです」(同)
「夜ふかし」は一般人が街頭インタビューで話したことをナレーションでイジり、村上とマツコが笑うのがウリ。いわば素人イジりだ。株主優待生活を送る投資家の「桐谷さん」、街頭インタビューで滑舌がビミョーで「フェス」を「フェフ」と話したように聞こえた「フェフ姉さん」らが人気を得たが…。
「捏造したらアウトです。今後、街頭インタビューを放送してもSNSでは捏造を疑われる。局内では番組存亡の危機と言われています」(同)
「夜ふかし」は2012年4月に深夜枠で放送開始され、根強い人気で22年4月にプライムタイム(午後7~11時)に昇格していたが、一気に雲行きが怪しくなってきた。