NHKから国民を守る党 立花党首 財務省前で襲われけが 男は逮捕

14日夕方、東京・霞が関の財務省の前で行われていたデモのそばで、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏がいきなり刃物で襲われ、けがをしました。その場で逮捕された30歳の男の容疑者は「立花氏を殺そうと思った」などと供述していて、警視庁は殺人未遂の疑いで捜査しています。

14日午後5時すぎ、財務省の前で行われていたデモの近くで、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)が突然、近づいてきた男に刃物で襲われました。

警視庁によりますと、男は立花氏に向かって刃渡り16センチほどのナタのような刃物を振り下ろし、立花氏は頭と耳などに切り傷を負いました。

その場で逮捕されたのは、自称、東京・杉並区の無職、宮西詩音容疑者(30)で、警視庁は殺人未遂の疑いで捜査しています。

宮西容疑者は、支援者などと写真撮影を行っていた立花氏に近づき、自分の順番になったところでいきなり切りつけたということです。

現場にいた2人の男性が直後に容疑者を取り押さえましたが、このうち30代の男性が足に軽いけがをしたということです。

調べに対し宮西容疑者は「立花氏を殺そうと思った」と供述しているということで、警視庁が詳しいいきさつなどを調べています。

立花氏は16日に投票が行われる千葉県知事選挙に立候補しています。

車を降りてまもなく襲われたか

当時、財務省の周辺では、財務省前の歩道の2か所と道路を挟んで向かい側にある経済産業省前の歩道のあわせて3か所に人が集まり、財務省に対する批判などマイクを使った主張を続けていました。

立花氏がいたのは経済産業省側の歩道で、選挙カーで現場に到着し、車を降りてまもなく、男に襲われました。

現場の状況は

SNS上では数日前から、「財務省解体」などを訴える集会を14日に行うという告知の投稿が拡散していました。

警視庁は混乱に備えて、現場を管轄する警察署の署員のほか、機動隊員も待機させて警戒していました。

財務省側の歩道では午後4時ごろから人が集まり始め、警察官がカラーコーンで一般の歩行者と集会の参加者を分けるなどの対応にあたりました。

午後5時ごろにはあわせて数百人が集まる中、主催者などによるマイクを使った主張が始まっていました。

一方、事件が起きた経済産業省側の歩道では、午後5時を過ぎたころから急きょ人が集まりはじめ、現場は立花氏の支援者、立花氏らの主張を動画で配信しようとする人、さらに一般の歩行者ら、数百人がいる中で、騒然とした状況になっていました。

目撃した人は

目撃していた男性は「立花氏の演説前に行われた握手や写真撮影の列に並んでいた若者が、切りつけたようだった。叫び声がして振り向いたら立花氏は血を流していて、左耳を抑えていた。周囲には支援者がたくさんいたのでびっくりした」と話していました。

現場にいた40代の男性は「立花氏が演説前に、集まった人たちと写真撮影をしていたところ、『うわっ』という声が聞こえたので、そちらのほうを見ると、立花氏が男に襲われていました。男は周りの人にすぐ取り押さえられ、持っていたナタのような物が地面に転がっていました。こんなことが起きて怖いです」と話していました。

現場付近にいた50代の男性は「写真撮影が始まってしばらくすると、周りにいた人が大きな声を上げたので、よく見たところ、立花さんが血を流した状態で耳をおさえていました。男は無言で取り押さえられていました。暴力で対抗するのではなく、しっかりと議論で解決してほしいです」と話していました。

すぐ近くにいたという50代の男性は「立花氏が支援者と握手や写真撮影をしていたら、突然、安全ブザーのような『ギュンギュン』という大きな音が鳴った。驚いて振り向くと立花氏が耳を押さえていた。地面には刃渡り15センチくらいのなたが落ちていて、持ち手には白い布のようなものが巻かれていた。一瞬の出来事で本当に驚いた。襲ったとみられる男の顔は血の気がひいて真っ青だった。主義主張の違いがあるかもしれないが暴力はいけないと思う」と話しました。

自身のXに投稿

立花氏は午後5時半すぎに、自身のXに「元気です。救急車なう。2センチ×3センチの裂傷。意識あり、衝撃の痛さはなし」などと投稿しました。

また、午後5時50分すぎには、頭に包帯に巻いた状態で「病院ですが、大丈夫です。傷がありますが、大丈夫です」などと話す動画を投稿しました。

スペシャルコンテンツ