【第12回】「出せる証拠はたったの3点のはず」——中小機構が事実関係を“争えない”理由と情報開示請求が意味するもの
中小機構が提出してきた答弁書は「処分性」のみに絞った、極めて限定的な内容でした。
一方、私たちは今後、いよいよ**実体面の「事実関係」**を争うフェーズに入っていくことが予想されます。
その中で、確信していることがあります。
被告(中小機構)が「出せる証拠」は、すでに情報開示請求で開示された3点しか存在しない、ということです。
情報開示請求でわかった「証拠の限界」
私たちはこれまで、事実確認のため中小機構に対して7件にわたる詳細な情報開示請求を行ってきました。
請求の内容は以下のようなものです:
実地検査に関する写真・報告・録音等の記録
取消処分や予告に関する内部決裁・議事録
機構と委託事業者(パソナ)との連絡文書
弁護士対応に対する社内検討文書 など
これらに対して、中小機構が実際に開示してきたのは、たった3点。
実地検査時に撮影された写真台帳
簡素な「調査報告書」
取消処分の伺い書
つまり、中小機構が公的に「これ以上の意思決定文書や調査記録は存在しない」と明言したことになります。
録音データの扱いと証拠能力
中小機構が今後、証拠として提出する可能性があるのは「録音データ」です。
しかしながら、この録音には大きな問題があります。
録音の実施をこちらに禁止していた
録音データが一方的に録られたものである
相互の合意のない録音は、裁判で証拠としての効力に限界がある
このような録音に基づいて取消処分を正当化しようとするのであれば、著しく透明性と公平性に欠けるものと言わざるを得ません。
これ以外の証拠が出てきたら「虚偽の開示」?
仮に今後、情報開示請求で開示されなかった「新しい証拠」が提出されたとしたら、それは次の事実を意味します。
情報開示請求に対して、中小機構が虚偽の説明を行い、
意図的に資料を隠していたということ。
これは情報公開制度の根幹を揺るがす行為であり、裁判所の信頼も大きく損なうことになるはずです。
「調査も、記録も、意思決定もない」まま下された取消処分
繰り返しになりますが、私たちは開示請求で以下の記録を求めました:
実地検査の訪問決定・議事録
実地検査後の内部報告書
取消予告を出すに至った経緯と決裁文書
弁護士対応に関する社内検討内容
しかしながら、これらは一切開示されておらず、意思決定の根拠が存在しないまま取消処分が下された可能性が極めて高いのです。
このような行政処分が果たして許されて良いのでしょうか?
裁判の次の焦点:「証拠の信頼性と手続の正当性」
今後、裁判では次の点が問われることになります。
情報開示請求で出てきた以外の資料が本当に存在しないか
黒塗りされた箇所に何が書かれているのか
そもそも調査手続が適正に行われていたのか
逆に言えば、ここから新たな資料が出てくる場合、それは明確な隠蔽・虚偽開示となります。
私たちは、この点を徹底的に明らかにしていくつもりです。
最後に:調査とは「納得を得るため」にある
補助金の取消処分は、経営に直接打撃を与える重大な行政行為です。
写真があるから
一方的な録音があるから
「誰かがそう言ったから」
そうしたあいまいな根拠で、企業の信頼と未来を奪うことは、決して許されることではありません。
調査とは、疑念を晴らすためにあり、
処分とは、透明で納得のいく理由があってこそ成立するものです。


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