第一章『出会い』
よるのくにが ありました
よるのくには とても くらくて
どこまで みちが つづいているのか
ちっとも みえません
「えーん えーん」
どこからか だれかが
ないているこえが きこえてきました
けれども だれが ないているのか
ちっとも わかりません
よるのくには とても くらいのです
よるのくにの いちばん くらいところで
ひとり だれかが ないていました
「こんばんは
ねぇ キミはどうして ないてるの?」
「わからないの
でも とても カナシイから」
「どうしてカナシイの?」
「わかんない」
まっくらな せかいに あらわれた
やさしい ランプのあかりに
ちいさな おんなのこが こたえました
よるのくにの いちばん くらいところで
ひとり おんなのこが ないていました
「あなたは だぁれ?」
「ボクは うさぎのようせい ハロウィン・モーニング
ながいから ハロモ ってよんでいいよ!」
「うん わかった」
「キミのことを おしえてよ!」
「わからない
わたし わからないの なんにも」
「おなまえも わからない?」
「うん」
「そっか アンノウンか じゃあ アンちゃんだね!」
よるのくにの いちばん くらいところで
ふしぎな ふたり であいました
「アンノウン?
よくわからないけど どういう いみ?」
「よくわからなくて いいんだよ
わからない っていう いみだから!」
「なにそれ へんなの」
「アンちゃん きにいらなかったかなぁ?
じゃあ ウンちゃんでもいいよ!」
「それはヤだ!
アンちゃんでいい カワイイし!」
「えへへ だよね!」
よるのくにの いちばん くらいところで
きづけば ふたり わらっていました
「ねぇ アンちゃん ボクと たびにでようよ!」
「えっ なんで?」
「アンちゃん
もう ずっと ずっと ひとりで ないてたでしょ?」
「うん」
「だから ボクは あいにきたんだ
よるのくにの いちばん とおいところから
うさぎはね ミミがいいからさ わかるんだよ!」
「!?」
「だって ひとりで ここにいても
ずっと ずっと わからなかったんだよね?
なんで カナシイのか
アンちゃんのこと ボク もっとしりたいよ!」
第二章『旅立ち』
ちいさな ふたり たびにでました
「そこ あしもとに きをつけて!」
「うん」
よるのみちには いろんなものが おちていました
きをつけて あるかなければ とても あぶないのです
「これはね ぜんぶ せーんぶ だれかの
ワスレモノなんだ」
「どういうこと?」
「いまはね すてられちゃった ガラクタみたいだけど
むかし だれかの タカラモノ だったんだよ」
「いらなくなったから すてちゃった ってこと!?
みちにすてるのは ダメだよ!
きいたことあるもん
ふほうとうき っていうんでしょ?」
「ちがうけど まぁ にてはいるのかなぁ」
「ヒトはね なにも もたずにやってきて
なにも もたずにさってゆく きまりなんだよ
どれだけ おおくの タカラモノを てにいれても
オワリのさきには もっていけないんだ」
「わかんないよ」
「いまの アンちゃんには ちょっと むずかしいかなぁ
でも
てにいれる タカラモノは
タノシイもの ばかりじゃないから
ワスレタリ ナクシタリ それでもいいんだよ」
「わかんない」
「だいじょうぶだよ
アンちゃんが カナシイのには りゆうがあるし
ワスレルのにも たいせつな りゆうがある
ってことさ」
「・・・」
アンちゃんは ちいさな てのひらを じっとみつめ
なにか かんがえごとを しているようでした
ちょうど そんなとき だったのです
よるのみちの むこうから
とても いいにおいが してきたのは
「わぁー いいにおい
なんだろ わたし このにおい しってる!?」
「うん いいにおいだね!」
「あっ アップルパイのにおいだっ!!!」
第三章『ダイスキの魔法』
はらぺこ ふたり かけだしていました
「ところで アンちゃん アップルパイってなに?」
「えっ しらないの!?」
「うーん えーと だからー アップルのー パイだよ」
「そっか
で アップルのパイってなに?」
「ごめんごめん
アップルはねー りんご っていういみ
パイはねー むずかしいなぁ
なんかー サクサクで すっごく おいしいパン
わたしね アップルパイがダイスキなんだ!」
「うんうん そっか
またひとつ キミのことがわかって うれしいよ!」
きでできたテーブルに おおきな ふたつのイスと
ちいさな ひとつのイス
かわいい しろい おさらにのった
やきたての アップルパイ
ふたりは ぺろりと たべてしまいました
「わたし なんで ワスレテタんだろ?
こんなに ダイスキな アップルパイのこと
どれだけ おもいだそうとしても
なんにも おもいだせなかったのに」
「そういうこともあるよ
カナシイきもちで ココロがいっぱいだと
でも
タカラモノは なくなったわけじゃないよ
ずっと まってるんだよ
キミが おもいだしてくれるのを」
「アンちゃん いきることって なんだとおもう?」
「そんなの わかんないよ」
「じゃあ カナシムことかな? クルシムことかな?」
「そんなのイヤ!
わたしは ウレシイこと タノシイこと ダイスキなこと
そんなので いっぱいにしたいよっ!!」
「それでも カナシイは なくならないとしても?」
「だからなに?
わたしの ムテキの ダイスキぐんだんは
そんなのに ぜったい まけないんだからっ!!!」
それは まるで まほうのようでした
おなかの なかから ちからが わいてきて
ワスレラレテイタ アンちゃんの タカラモノたちが
どこかで ヒカリはじめました
アップルパイは まほうで できています
いいえ
きっと ダイスキはすべて まほうで できているのです
アナタが それを しんじるのなら
ウソも ホントになるのです
よるのくにとは そういう ちへいのひとつなのです
「ねぇ ハロモの ダイスキなたべものってなぁに?」
「うーん そうだなぁ
ボクは ソーセージがすきかなぁ!」
「うさちゃんなのに おにく?
へんなのー
でも おいしいよね ふふ
わたしも しりたくなっちゃった
もっと ハロモのこと!」
「へへっ そういわれると
なんだか ちょっと はずかしいな
でも ありがとう
ボク アンちゃんに あいにきて よかったよ!」
「うん あいにきてくれて ありがと ハロモ!
わたし きっと さみしかったんだ
ずっと ひとりで」
「そっか でも もう さみしくないよ
ボクたち ずっと ずーっと いっしょだよ!」
「いひひっ よーし
もっと もっと タカラモノさがそうよ ゴーゴー!!」
第四章『はじめてのオトモダチ』
なかよし ふたり やってきました
みずうみにうかぶ ガラクタのむこうに
タカラモノが ゆらゆらと
ヒカリながら ゆれていました
「あーっ!? アヒルちゃんだっ!!」
「わっ かわいいね!」
「アヒルちゃんはね
わたしの はじめての オトモダチなんだ」
「えっ!?」
「わたしね むかし おふろがキライだったんだ
ヤダ!! はいりたくない!!!
ってないてたら ××が
オトモダチと いっしょにはいったら タノシイよ!
って アヒルちゃんを つれてきてくれたの」
「アンちゃん いま ××って」
「あれ!? なんでだろ?
だれかが いっしょにいたのに わかんない
ダイスキだったのに なんで おもいだせないんだろ?
ホントは ダイスキじゃなかったのかなぁ?」
「そっか
いまはまだ おもいだす トキ じゃないのかも?
だいじょうぶ そういうこともあるよ
でもね アンちゃん これだけはワスレナイデ
ダイスキだから おもいだせない
そういうこともあるんだよ
キミの たいせつな ダイスキだもん
しんじてあげようよ!」
「うん わかった」
「おふろのあとはね
××がね やさしくドライヤーしてくれてね
そしたらね いいにおいがしてきてね
とちゅうでね わたしがね
まってられなくなっちゃってね
はしってね せなかにね くっついたらね
××がね コラっておこるけどね
ダイスキなやさしいかおでね わらってるの」
「ワスレテタ ぜんぶ ぜんぶ わたしの ダイスキ!
××と ××と アヒルちゃん」
「そっか はじめての オトモダチか はは
うん
ぜんぶ ぜーんぶ ステキなタカラモノだね!」
そういってわらった ハロモくんのかおが
なんだか すこし くらくなりました
「あれ ハロモ どうしたの?」
「あっ うっ えっとぉ うわぁ まいったなぁ!?
ホシノチカラが もう なくなりそうだよぉ」
「ホシノチカラ?」
「あっ えーっと なんていえばいいかな
このランプのあかりって どこかでうまれた
ホシノチカラ
それを あつめたものなんだ」
「あっ ホシノチカラ じゃなくても
ツキノチカラ でも
アメノチカラ でも なんでもいいんだけど
あっ さいごのは ちがうか」
「とにかく よるのくにって まっくらだよね?
それをてらす あかりがないと どこにもいけないんだ
もし このランプがなかったら
アンちゃんに あいにくることが できなかったし
ふたりで たびにでることも できなかった
そしてね
このさきは どこにもいけないんだ」
「えっ じゃあ ヤバイじゃん!?」
「そう ヤバイんだよ!
このままじゃ」
(聴こえますか?
ワタシは今 アナタ方の ココロに
直接 呼び掛けています
ワタシは アナタ方が 神 と呼んでいる存在
と云っても 差し支え無い
等と宣うのも 吝かでは無きにしも在らず
然れど 其のような瑣末な事象は 如何でも善いのです
此の侭では 久方振りのフリルが
バッドエンドで終わってシマウマ!!!)
「えぇーっ!? なに? カミ? フリル? シマウマ?
よくわかんないけど
どうしたらいいの ハロモぉ?」
「はわわわわわわっ!?
ボクたちには どうにもできないよぉ
ホシがうまれるのは このちへいじゃないんだ
ボクたちにできるのは
ただ しんじて まつことだけなんだよぉ」
「どこかで ホシがうまれるのを?」
「うん
いや でも いのることはできるはずだよ!?
イニシエのイイツタエなんだけど
さいはてより きたりしFL
ホシノチカラと ならんことをっ!!!」
(ホシとか ツキとか FLとか よくわかんないけど えーい
わたしたちには ヒカリが ひつようです
どんなに くらくても
このみちを あるいていけますように
なくためだけに うまれてきたんじゃないよね
わらいたいよ ホントは いつだって わらいたいんだよ
ママっ!!! パパっ!!!)
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