ボールパーク効果、北海道・北広島に勢い 30日で開業2年 人口流入、企業進出…主要観光地に躍進
【北広島】プロ野球北海道日本ハムファイターズの新球場を含む「北海道ボールパークFビレッジ(BP)」が30日で開業2年を迎える。2024年の来場者数は開業年の23年より72万人多い418万人を記録。BPを核としたまちづくりの一環で、JR北広島駅西口では今月、複合商業施設やホテルの開業が相次ぐなど開発が進む。ただ、BP近くにJR新駅ができる28年までは、交通渋滞やアクセスの不便さが続く見込みで利便性向上が課題だ。 【動画】エスコンフィールド北海道で初の球宴 試合開始前に「ブルーカーペットショー」 「新たなマチの拠点ができた」。JR北広島駅西口の商業施設「tonarie(トナリエ)北広島」がプレオープンした14日、北広島市の上野正三市長(77)はこう強調した。 トナリエは、不動産開発の日本エスコン(東京)が建設した複合ビル(地上13階建て)の1~3階に入る。空知管内沼田町のクラフトビールなどを提供するビアパブやラーメン店、ドラッグストアなど21店が営業を開始。28日には4~13階に「エスコンフィールド HOKKAIDO ホテル北広島駅前」が開業した。 駅周辺に、これまで市民が集える商業施設はなく、閑散としていた。北広島高2年の森柚子花さん(17)は「北広島がどんどん進化していて、駅そばの学校に通う楽しみが増える」と歓迎する。 21年に市とパートナー協定を結んだ日本エスコンが、地域の活性化につなげようと駅周辺の市有地を購入、開発を進める。複合ビルの向かいには、26年11月に分譲マンション(地上14階地下1階建て)が完成予定。全197戸のうち約180戸が契約済みで、半数以上が道外在住者だ。1階には認可保育所が入る。 BP開業効果は他にも表れている。市によると、30代の子育て世帯を中心に市内への移住者が増加。市内の一部小学校では児童数が3割以上増えたところもある。 市の人口は微減傾向だが、16年にBP構想が本格化して以降、市内への転入者数が市外への転出者数を上回る「社会増」が20~200人ほど毎年続く。市は「BP開業が北広島のイメージ向上につながった」とみる。 企業進出も活発で、17年以降で200社が市内に進出、23年度の市の固定資産税収入はBP構想公表前の17年度比で14%増加した。 BPの24年の年間来場者数は418万7046人で、23年(3~12月)の346万4637人を21%上回った。年間来場者数400万人超は旭山動物園(旭川市、23年度)の3倍以上に匹敵し、今や北海道を代表する観光地だ。 ただ、地元の経済関係者からは「BP効果は限定的」との声も。北広島商工会の竹村画二副会長(64)は「地元にお金が落ちているのは一部で、マチ全体ににぎわいがもたらされたわけではない。どう周遊性を高めるかが大事だ」と話す。 一方、交通面は開業3年目以降も課題として残る。JR北広島駅と球場間は徒歩で20分ほどかかり、車での来場者が多く、駐車場不足や交通渋滞が日常的に発生する。 電車での来場者は歩くかシャトルバス(有料)の利用となるが、昨シーズン3試合ほど球場で観戦した札幌市北区の会社員中田雅美さん(40)は「バスは満員状態で小学生の子ども2人は乗りたがらず、子連れで20分歩くのはつらい」と不満を漏らす。 北広島市の請願を受けて、BP近くにできるJR新駅の開業は28年。市内では、北広島駅と球場を結ぶ民間のシェアサイクル事業が昨年5月に始まり、利用者数を伸ばす。川村裕樹副市長は「シェアサイクルはアクセス向上の一助になっているが、まだ不十分。交通面の対策は急務で、自転車台数の増加や別の手段も検討したい」と話す。