「長いんだよ!」「どこからが質問?」 記者が見たフジ・第三者委員会“5時間半会見” 裏側では何が起こっていたのか
3月31日20時08分:「長いんだよ!」記者が社長に怒号
質問に清水社長が答えていた中、突然聞こえてきたのは「長いんだよ!」という怒号。マイクに乗らなくても聞こえるほどの大声で「中見がないんだったらダラダラしゃべるな!」などと叫んでいる記者がおり、司会から不規則発言はやめるようにと注意されていました。
3月31日22時03分:質問2巡目がスタート
質問は1社1回限りの原則で進み、やっと筆者に質問権が当たったのですがなぜか先ほどまで隣に座っていた記者が別の席に移動してマイクを横取り。別の記者から「あなたは2回目でしょうが!」と怒られていましたが完全無視を決め込んでそのまま質問を始めました。終盤ということもあり、記者の理性が少しずつ崩壊してきたのでしょうか。ねとらぼ編集部からの質問については別の記事に掲載しているので、本記事では割愛します。 そんな中、ついに全社1問の質問を終えて2巡目がスタートしました。
3月31日22時09分:松本人志さんに関する質問で混乱
残り数問と制約された場面で混乱が起きたのは、松本人志さんに関する質問。フジテレビによると「本事案と関係ない質問」とのことで企業広報にメールしてくださいと質問をさえぎられていました。
3月31日22時14分:清水社長「すみません、これはどこからが質問なんでしょうか」
その後も別の記者から質問なのか演説なのか分からないように思われる質問 が続き、清水社長が「すみません、これはどこからが質問なんでしょうか」と聞き返す場面も。
3月31日22時27分:会見終了
そして最後の質問に対する清水社長の回答が終了。司会から「スムーズは進行へのご協力ありがとうございました」とのあいさつがあり、会見は22時27分ごろに終了しました。
記者の目:印象に残ったポイント3点
今回の会見で筆者の印象に残った点は大きく分けて3つ。 1つ目は「司会者の巧みな戦略」です。通常の会見ではどちらかというとスーツを着た大人しそうな記者が序盤にあてられる傾向が強い中、本会見では一癖ありそうな記者やフリーランスの記者が中心に当てられており、オールドメディアの記者からはかなり不満の声が聞かれました。 しかし筆者はこれをフジテレビ側の巧みな戦略ではないかとにらみました。 というのも今回の会見においては「質問は1社1問1回限り」とされていたのですが、この制約は「第三者委員会会見」と「FMHの会見」を合わせて1回というルールだったため、難易度の高い質問をしてきそうな名物記者たちを答弁なれしている第三者委員会の弁護士にぶつけることでフジテレビ側の回答難易度を下げようという考えが働いているのではと感じたのです。 もちろんたまたまそうした状況となった可能性もありますが、序盤から会見場内で誰かが当たるたびに「あぁ、あの人来てるんだ」と言われるような記者たちがこぞって質問権を得ている様子はなかなか異様でした。 2つ目は「これは質問なのか、演説なのかという記者の質問」です。 質問権を得た途端、「苦言を呈しに来ました」と、ある宗教団体についての批判を大声で始めた参加者がいたことはいくつかのメディアが報じていましたが、これ以外にも質問内容が判然としないものが多数見受けられ、清水社長が「すみません、これはどこからが質問なんでしょうか」と聞き返す場面までありました。 最後に、「なぜ記者は怒鳴り散らしているのか」。多くの記者が何かの義憤に駆られているような姿勢で、第三者委員会のメンバーと清水社長に怒りをぶつけるような質問の仕方をしている点は現場にいてとても違和感がありました。 記者会見は記者やメディアのために存在するのではありません。また、記者は読者・視聴者の理解を深めるため、その代理として質問しているという立ち位置だと筆者は考えています。 にもかかわらず詰問口調で「まさか調べてないとは言わないでしょうね」というような質問の仕方をしたり、他の人が質問している場面で不規則発言を繰り返したり、1人1回という質問のルールを無視して強引な質問を続ける記者たちを見て、同じ職業ということが恥ずかしくなりました。 今回の記者会見は、フジテレビ内でのコンプライアンスや社会一般的なルールが守られていなかったことから開かれたものともいえます。しかしそれを追求する記者たちがルールを守れていないという点は非常に残念に感じました。