なかよし 1959年(昭和34年)3月号 昭和29年12月(昭和30年1月号)の『なかよし』創刊と同年8月の『りぼん』創刊は小説など読み物主体の編集で始まった『少女』『少女クラブ』『少女ブック』などの『少女雑誌』が『少女漫画雑誌』に変化する契機となった。当時少女漫画の描き手の多くは男性漫画家で、この号の『なかよし』も、13作中女性漫画家による作品は林栄子「山の子マキ」1作のみで、他は全て少年漫画の描き手であった男性漫画家による作品である。最初に『なかよし』で多くの読者支持を得た女性漫画家による作品は、わたなべまさこ 「天使のひとみ」1957年11月号 - 1958年9月号で、その後に水野英子「石の花」1961年1月号 – 12月号がある。1961年2月号連載開始の赤松セツ子「しあわせの星」は1964年10月号まで続く人気連載作となり、その間に多くの女性漫画家が誕生した。
4月号はだんぜんなかよし4月特大号7大ふろく
①春のおしゃれバック ②別冊 ペスよおをふれ ③別冊 エリカの青い目 ④別冊 ナナコよ!・かのこちゃん ⑤エリカちゃんしたじき ⑥学習カード ⑦時間表しおり
山の子マキ 林 栄子 18頁(4色1+2色17)1959年1月号 - 1960年3月号
リボンの騎士 連載の変遷 参考資料 wikipedia
少女クラブ(1953年1月号〜1956年1月号)に連載された「リボンの騎士」(『少女クラブ版』と呼ばれる)、『なかよし』(1958年1月号〜1959年6月号)に連載した少女クラブ版の続編の「リボンの騎士」(これは後に単行本化の際に『双子の騎士』と改題された)、さらに『なかよし』(1963年1月号〜1966年10月号)に連載した少女クラブ版のリメイク作品としての「リボンの騎士」(『なかよし版』と呼ばれる)、最後に少女フレンド(1967年24号〜29号)に連載された「リボンの騎士」(『少女フレンド版』と呼ばれる)の計4回の連載がある。
この号掲載の「リボンの騎士」は『双子の騎士』(連載時の題は『リボンの騎士』)で、結婚したサファイアとフランツの間に生まれた男女の双子・デージィ王子とビオレッタ姫が主人公。ダリア公爵夫妻の陰謀で兄のデージィが森に捨てられてしまい、妹のビオレッタが王子と姫の二役を務め、二代目・リボンの騎士に変身して悪党に立ち向かう。
『なかよし版』は最初は少女クラブ版を踏襲していたが、海賊ブラッドや女神ビーナスなど登場人物が増えて、物語の後半の展開は複雑になっている。
『少女フレンド版』はSF仕立てで25世紀に生きる発明家のフランツが主人公。先祖のサファイアにタイムマシンで会いに行き、恋が芽生えるという内容であった。手塚治虫は原案のみで、作画は当時虫プロに所属していた北野英明が担当した。
リボンの騎士 手塚治虫 10頁(4色1+2色9)1958年1月号 - 1959年6月号
森でそだったデージイは、ある日お城へやってきたところを、公しゃくのために、つかまってしまったのでした。
ひよりちゃん旅日記 伊東章夫 10頁1959年1月号 - 8月号
旅にでかけたひよりちゃんは、よわむしのさむらいと、やどやどにとまりましたが、そこで・・・。
かのこちゃん 山根赤鬼 12頁1956年6月号 - 1964年8月号
こん平くんが、中学校たいこうの、マラソン大会のせんしゅにえらばれました!ところが・・・。
山根赤鬼:1935年富山県に生まれる。49年、双子の兄と交代で執筆した「北日坊や」(『北日本少年新聞』)で中学2年のときデビュー。田川水泡に師事し、赤鬼のペンネームをもらう(兄は青鬼)「よたろうくん」がヒットし、少年誌にユーモア漫画を描く。89年、田川水泡から「のらくろ」を描くことを任される。そのほかに学習誌に描いた「かばどんとなおみちゃん」「まんが5・7・5」(88年、第17回日本漫画家協会賞)、「かのこちゃん」「バリバリ丸井せん平」「のらくろ川柳漫画」などがある。2003年没。
ながれゆく花 水島順 18頁1958年3月号 - 1959年7月号
美鈴が、光男をたすけるため、おまわりさんをよびにいったあいだに、思いがけなくも、兄のたけしが・・・。
おらあトシ子よ 山根ただし(山根青鬼) 12頁1959年1月号 - 1960年4月号
今日は、ひなまつり。かいものにいったトシ子ちゃんが、ちょっと、つまみぐいしたばかりに・・・。
遠藤政治『週刊少年マガジン』創刊号からの連載作品「冒険船長」1959年(昭和34年1号 ー 12号)行方不明になった兄を探す竜崎勇は、白蠟紳士の要塞鬼岩城に兄が捕まっていることを知り、鯨捕りのダンさんと共に、はげたか船長から譲られた帆船「はやぶさ号」で鬼岩城へ向かう。スパイや鬼岩城の秘密兵器に苦しみながらも、内部からの勇の兄の破壊工作と、勇達の活躍により、ついに鬼岩城は崩壊。白蠟紳士も爆死し、勇は兄と再会する。
同時期発表の『なかよし』連載「だれかよんでる」は、読者の支持を得て1年10ヶ月(22回)の長期連載となった。
だれかよんでる 遠藤政治 16頁 1958年9月号 - 1960年6月号
ボート小屋へとじこめられた、美也と典夫のふたりは・・・。そして、まほうばこのゆくえは・・・。
おてがらチエちゃん 西田一歩 原作:松原副香 4頁1959年1月号 - 1960年3月号
くすりやのおじさんが、かぜぐすりとまちがえて、どくのくすりをうってしまった・・・。さあ、たいへん!
アケビちゃん しのだひでお 6頁1959年1月号 - 1960年8月号
せいせきがあがったと、よろこんだかんちゃん・・・でも、そのせいせきひょうが・・・。
ハルミのねがい 高木康之 13頁1959年1月号 - 8月号
夕やみせまる公園のベンチで、ひとりこしかけていたハルミのまえへ、とつぜんあらわれた、みしらぬ少年・・・。
赤いちょうちょ よりたやすお 12頁1959年1月号 - 6月号
てがみのさしだし人からうけとった、なぞのつつには、どんなひみつが・・・?
別冊ふろく 山の子マキ・ナナコよ! B5版84頁
エリカの青い目 え:岸田はるみ 詩:新川和江 33頁(2色1+32)
ナナコよ! 中島利行 44頁1958年9月号 - 1960年8月号
このブログは日本の漫画文化の礎を築いた、主に昭和三十年代を舞台に活躍した漫画家とその作品が、時の経過に埋もれることなく今の時代に語られる事を願って、昭和三十年代の漫画雑誌と作品を紹介してます。ご意見、ご指摘がありましたら、メッセージまたはコメントをお寄せください。よろしくお願いします。
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Re:無題
漫画家は多くの本を読んだり、映画を見たり、音楽に触れ、それらからインスパイアされ、作品を生み出す事があると読んだことがあります。
ビオレッタとデイジーもそのようにして生まれた主人公だったのでしょう・・・
MANGA bookshelf
2021-05-27 07:13:13
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