茨城県内 小中高95校減 直近10年、少子化加速 閉校施設 利活用に課題
少子化などの影響を受け、茨城県内の小中高校17校が本年度末で閉校する。直近10年間で95校減少した。学校の再編や統合などで学校運営がスリム化される一方、児童生徒や教員の思い出が詰まった学校施設の利活用が課題となっている。
「母校の名前がなくなってしまうのは正直寂しい。それでもここで過ごした思い出は消えない」。同県桜川市真壁町亀熊の市立桜川中で3月、最後の卒業式が開かれた。式典後の教室で、卒業生の一人は目を潤ませた。
同校は4月、同市真壁地区の小学校などとともに真壁学園義務教育学校に統合される。少子化の影響で1学年1クラスしかない学校が増えたため、市が統合を決めた。
市の担当者によると、学校施設の利活用に当たっては閉校する学校に通う生徒のメンタルにも配慮が必要とし、年度明けから地元住民などの声を聞きながら検討していくという。
県教育委員会によると、本年度末で閉校するのは小学校6校、中学校9校、義務教育学校と高校が各1校で計17校。来年度の新設は小学校1校、中学校2校、義務教育学校1校がいずれも統合校として開校するほか、私立高1校も新設される
県内学校数の直近10年間の推移を見ると、本年度の国公私立の小学校は439校で、2014年度に比べて99校減った。中学校は224校で同14校減、高校は127校1分校で横ばい。中等教育学校2校、義務教育で16校増えた。
一方、県立学校の廃校施設の利用状況(昨年8月時点)は、19~21年度末に廃校となった3校の校舎や屋内体育館がいまだ活用策を検討中にとどまっている。市町村立学校でも活用し切れていない状況だ。
同県美浦村は小学校3校を統合し、来年度に美浦小を開校。学校施設跡地利活用検討委員会を立ち上げ、緊急時の避難場所など利活用方針を決定した。村によると、今後は住民の意見と照らし合わせ、公募型プロポーザルなどを検討する。
一方、既に学校跡地を抱える他自治体の担当者によると、TX沿線や高速道路のインターチェンジ(IC)付近といった好立地の施設は民間事業者への売却などが決まりやすいが、アクセスの悪い立地や老朽化した建物は利活用が難しいといった課題があるという。
地元住民などの思いと事業者側との折り合いが難しい場合もある。担当者は「少子化が続けば廃校となる学校も増える。地域の実情に合った形での利活用策を迅速に進めていく必要がある」と話した。