CM出稿を続けてくれる企業は「蜘蛛の糸」
中居正広の性的トラブルに端を発した一連の騒動によって、80社近い企業がCM出稿差し止め、約233億円もの広告収入が吹き飛ぶと言われているフジテレビ。「第三者委員会の調査結果は3月中にも出る」(フジ社員)とされているが、それまで苦境が続くことは間違いなく、調査結果次第ではスポンサーが戻ってこないという事態も起こり得る。
番組の制作現場も、混乱を極めている。フジ番組の制作会社スタッフが明かす。
「「撤退」しているのはスポンサーだけではありません。最近はドラマ撮影でも、ロケ先から『フジはちょっと……』と言われて撮影場所を借りられないケースが多発しています。
バラエティ番組でも、タレントに出演を渋られることは多い。付き合いの浅い芸能事務所のなかには、フジの経営状況を懸念して『ギャラを前払いにしてほしい』と要求してくるところまで出てきている。一方で上層部からは、『CMがないので番組の尺を長くしてくれ』と言われているので、現場は四苦八苦しています」
民放キー局編成幹部によると、テレビ番組の制作には、「プライム帯だと安くて800万円、高いと4000万円近くかかる。他局と比較してもフジの番組は軒並み高い」という。当然、制作費を負担してくれるのはスポンサーである。だからこそ、危機的状況にあってCM出稿を続けてくれる企業は、フジにとっては蜘蛛の糸のような存在だ。
「テレビ局はスポンサーの動きについて公式発表をしないので正確な数字はわかりませんが、今やフジにCM出稿を続けている企業は数えるほどになっている。美容整形や通販系、それも非上場企業が多いですね」(大手広告代理店社員)
後編記事『「取引先との会食に女性社員を連れていくのはよくあること」「一番悪いのは中居正広氏」…!〈にしたんクリニック・夢グループ〉名物経営者たちが明かした「フジ『性上納騒動』の本当の問題点」』へ続く。
「週刊現代」2025年2月22・3月1日合併号より