デジタル庁、アイドルライブでマイナカードの実証実験 本人確認で不正転売防止
配信
デジタル庁は29日、千葉県美浜区の幕張メッセで、マイナンバーカードを活用してアイドルグループのライブチケットの不正転売を防止する実証実験を公開した。マイナカードによる本人確認で、複数のアカウントによる大量購入などを防ぐのが目的。カードの情報を登録した来場者はQRコードと顔認証で専用ゲートを通過し、ライブを楽しんだ。 【写真】マイナンバーカードを利用した本人確認でアイドルライブに入場するファンら 実証実験は芸能プロダクションなどを運営するアップフロントグループ(東京都品川区)が協力し、29、30日の2日間にわたる「ハロープロジェクト ひなフェス 2025」の4公演で実施。チケットサイトとデジタル庁の「デジタル認証アプリ」を連携させ、本人確認を行った。 マイナカード認証を使った電子チケットの専用入場口を設け、来場者の顔とスマートフォンなどに表示されたQRコードをタブレット端末で読み取って電子チケットを確認。紙チケットでの入場と比べ、効率の差などを検証した。 認証チケットにはアイドルのデジタルカードなどの特典がつけられた。アップフロントプロモーションの西口猛社長によると、4公演の合計来場者約2万2千人のうち、約13%が認証チケットを利用したという。 西口社長は「本当に見たいと思っているファンにチケットを届けることができるようになる」と話す。転売業者が100以上のアカウントを作成し、チケット抽選に応募するケースもあるといい、今回の公演でも約300枚の不正転売が確認されたという。高額なものは定価の約7倍となる7万円で販売されていたものもあったという。 電子チケットの開発を手掛けるplayground(プレイグラウンド・東京都千代田区)の伊藤圭史社長は「マイナカードとの連携は、シンプルになるよう改良されていて、システム開発がしやすかった」と話した。約3カ月で既存の電子チケットシステムとの連携ができたという。
- 13
- 15
- 3