2025年2月15日~16日に、東京・浜松町にて開催された「東京ゲームダンジョン7」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。
魔法のスープのレシピを探して旅に出よう
『トットと魔法のスープ』は、石化してしまったネコの村の住人たちを救うためにトットとチロが冒険の旅に出る、絵本風の世界観で繰り広げられるアイテム調合RPGだ。日本の個人ゲーム開発者のあるのミカン氏が手掛ける。
ある日、森に薬草採りに出かけたネコのトットとチロが村に戻ると、住民たちが石化してしまっているという事態に遭遇。2人は住人たちを救うために、石化を解く力があるという魔法の鍋で作った「スープ」のレシピを求めて冒険の旅に出る――というストーリーが描かれる。
本作のゲームシステムは、奇をてらうことのない比較的オーソドックスなRPG。ストーリーベースで物語が進行し、モンスターとの戦いを経てキャラクターが成長する。多くのプレイヤーにとっては慣れ親しんだ形といっていいだろう。
今回の試遊体験版では、そんな物語の一端を垣間見ることができた。目的となるのはスープの調合ということで、その素材はフィールド上で直接採取したり、モンスターを倒したりすることで手に入れていく。
必要な素材ごとに獲得できる場所が決まっているため、すべて集めるためには体験版のフィールドをくまなく探索しなければならない。しかし、そのままでは通ることのできない障害物や、橋を塞ぐように陣取る強力なモンスターが出現する。
なので、手近な範囲から探索となるわけだが、フィールド上には宝箱があり、障害物を取り除くためのギミックアイテムを発見できたり、戦闘で使える魔法を獲得することができたりする。いずれも必要なものばかりなので、探索の小さな達成感を続けて味わえる。
戦闘については、フィールド上のモンスターとシンボルエンカウントで戦闘画面に突入するタイプで、ターン制コマンドバトルを繰り広げる。成長要素をあえて縛るような特殊なプレイスタイルでもなければ、無理なく攻略していける難易度という印象。
主人公キャラとモンスターとの残りHPを見比べ、1ターンでお互いにどの程度のダメージが発生するか観察し、残りMPとも相談しつつ攻めるか回復するかを判断する。クラシックな形を思い出させてくれるかのような、しっかりとしたプレイフィールだった。
そんな本作の最大の魅力は、やはり主人公たちをはじめとする、かわいい動物のキャラクターが登場する冒険が楽しめるというところだと感じた。戦いはあるものの絵柄のおかげもあって殺伐とした感覚はなく、優しい雰囲気で物語が進んでいくのも良いものだ。
約10年前の作品のリメイク
本作は、2014年にリリースされた同名のFlashゲーム(Adobe Flash Playerを利用して動作するゲーム)の公開10周年を記念して制作されたリメイク作品だ。
Adobe Flash Playerは2020年12月31日をもってサポートが終了されており、2021年1月12日以降はFlash PlayerでのFlashコンテンツは実行できないようになっている。従って、旧版のFlashゲームをプレイすることは現在では叶わなくなっているが、リメイク版はもちろん現行PC(Windows, Mac)でプレイすることが可能となっている。
旧版のWebサイトはまだ残っているため見比べてみたが、リメイク版では当時の雰囲気をそのままにビジュアルなどが洗練されているという印象だ。旧版のファンだったという方など、またあらためてプレイしてみてはいかがだろうか。
『トットと魔法のスープ』は、BOOTHにてPC向けに配信中。今回ブース出展された試遊体験版と同じ内容の体験版がPLiCyにて公開されているので、本稿で興味を持っていただけた方は気軽に体験版をプレイしてみよう。
なお、現在はBOOTHでのダウンロード販売のみとなってるが、今後はSteamでの配信も予定されているとのこと。最新情報は、あるのミカン氏のSNSにて確認してほしい。
基本情報 | トットと魔法のスープ |
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開発 | あるのミカン |
販売 | あるのミカン |
配信日 | 2024年11月29日 / 日本語有り |
定価 | 1,980円(BOOTH) |