〈社説〉オンラインカジノ 違法性と危うさの周知を

 いつでも、どこでも賭けられるオンラインカジノの経験者が国内で推計337万人に上るという。警察庁の初の調査でわかった。

 賭け金の総額は年間1兆2千億円を超え、1人当たり63万円ほどになるという。調査対象者の半数近くは、利用するために借金をした経験があった。軽い気持ちでアクセスした人たちが、巨額のお金を巻き上げられている現状が浮かぶ。

 オンラインカジノはれっきとした犯罪だ。刑法の賭博罪に当たり、50万円以下の罰金や、常習だと3年以下の懲役にも問われる。

 サイトの多くは海外で運営されている。それぞれの国で事業許可を得ていたとしても、日本からアクセスして賭ければ罪になることを忘れないようにしたい。

 怖いのは、スマホなどで賭けられるため、周りから行為が見えにくいことだ。有名選手や芸能人にも広がり、その影響で始める人もいる。若手を中心に利用年代は幅広く、未経験者を含め4割超には違法との認識がなかった。

 日本語で利用できる40サイトを調査で抽出・分析したところ、所在地は、中米、アフリカ、地中海などのタックスヘイブン(租税回避地)とされる島々だった。アクセスのほとんどが日本からというサイトが目立つ。

 憂慮すべき状況である。オンラインカジノのサイトを利用しない、できない仕組みづくりを急がねばならない。

 政府は「ギャンブル依存症対策推進基本計画」を閣議決定した。違法性の周知や、賭博にかかわる運営側の取り締まりが柱だ。

 賭け金や配当を仲介する決済代行業者、SNSなどを介して利用者を誘導する「アフィリエイター」は賭博ほう助罪に触れる可能性があり、摘発を強化する。

 通信事業者にもサイトの広告表示をさせないよう働きかけ、クレジットカード会社には賭け金などの決済に使われないよう注意喚起していくという。それぞれ着実に進めてもらいたい。

 一方、総務省は、通信事業者がサイト接続を強制的に止めるブロッキングの導入を検討するという。憲法が保障する「通信の秘密」を侵害しないよう、根拠や範囲の慎重な見極めが要る。

 24時間賭けられるオンラインカジノは依存症につながりやすい。今回の調査でも、対象者の6割に自覚があった。競馬や競艇といった公営ギャンブルでもオンライン化が進んでいる。依存症対策の強化は待ったなしだ。

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