南海トラフ巨大地震 新たな被害想定を公表 首都圏では

南海トラフで起きる巨大地震について、国は最悪の場合、首都圏では津波で6000人以上が死亡し、激しい揺れや液状化などで多くの建物が倒壊するおそれがあるとする新たな被害想定を公表しました。
一方、迅速な避難態勢や耐震化などの対策をさらに進めることで、犠牲者を大幅に減らすことが出来るとしています。

近い将来、発生が懸念されている南海トラフの巨大地震について、国は東日本大震災のあとに公表した被害想定から10年余りが経過したとして、最新の知見に基づいた地形データやこれまでの防災対策の進捗状況などを踏まえて見直しました。
31日公表された新たな想定によりますと、最悪の場合、伊豆諸島と小笠原諸島の3つの島では高さ20メートル以上の巨大な津波が押し寄せるほか、伊豆諸島や千葉県、それに神奈川県の7つの市町村で10メートル以上、東京の5つの区や横浜市、千葉市など、60の市区町村で3メートル以上の大津波が想定されています。
特に伊豆諸島では地震発生から10分余りで津波の高さが1メートルに達すると推計されています。
また、最大で山梨県と長野県で震度6強、神奈川県で震度6弱、そのほかの関東の広域で震度5強や5弱の強い揺れが襲うと想定されました。
津波や揺れによる倒壊、液状化、火災などにより想定される死者は最悪の場合、神奈川県でおよそ3100人、千葉県でおよそ1800人、東京都でおよそ1400人山梨県で300人、長野県で80人茨城県で10人などとなっています。
詳細なデータを用いた計算の結果浸水の範囲が前回よりも広がり、死者の数がやや増えています。
津波や揺れ、液状化などによる全壊や焼失する建物は関東甲信の8つの都県で1万8520棟にのぼると推計されました。
このほか、避難者は最悪の場合、地震発生の翌日には1都7県でおよそ23万人、1週間後には首都圏で27万9700人あまりに達すると想定されています。
さらにインフラにも大きな影響が想定されていて、関東南部と甲信を中心に鉄道や道路の被害が相次ぐほか、水道の断水による影響は地震発生翌日で167万人あまりにのぼるとしています。
また、激しい揺れや津波で火力発電所の運転が停止したり、電柱や変電所、送電線に被害が出るなどして停電も相次ぎ、地震発生直後には関東甲信の1都5県で139万戸に達すると想定されています。
国は南海トラフ巨大地震が発生すれば広域に甚大な被害が及ぶとする一方、津波からの速やかな避難や建物の耐震化などの防災対策を進めた場合には犠牲者を大幅に減らすことができるとも試算していて、「被害の大きさに一喜一憂せず、対策を着実に実施することが必要だ」としています。

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