本州唯一の村立高校、存続求める決議案可決 「村内の生徒は1人」も「学び求める場貴重」

山添村立奈良県立山辺高校山添分校=奈良県山添村
山添村立奈良県立山辺高校山添分校=奈良県山添村

奈良県山添村の野村栄作村長が令和11年3月に閉校する方針を示した村立県立山辺高校山添分校について、18日の定例村議会で、本校化して存続することを求める決議案が賛成多数で可決された。

決議案は、分校の存続を願って約3千人分の署名が村に提出されたことを踏まえ、奥谷和夫村議が「分校を必要とする多くの人たちのために本校化を求める」と発議。賛成5、反対4で可決された。

賛成した野村信介村議は「本校化することで、村の価値がより高まる。今の時代の学びを求める場としてこれほど貴重な存在はない」と話した。一方、吉矢義彦村議は「村内で同校に通う生徒は1人しかいない。交通手段が発展し進学先が自由に選べるようになった今、分校の将来性は見通せない」と反対した。

野村村長は「意見を真摯に受け止め、閉校の意向を説明し、丁寧に理解を求めていきたい」と話した。

「分校閉校への理解を求めたい」と話す山添村の野村栄作村長=同村
「分校閉校への理解を求めたい」と話す山添村の野村栄作村長=同村

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