新明和など4社に課徴金5億2000万円 機械式駐車場談合
大手ゼネコンが発注したマンションやビルなどの機械式駐車装置の設置工事を巡り談合したとして、公正取引委員会は24日、新明和工業など4社に独占禁止法違反(不当な取引制限)で総額約5億2000万円の課徴金納付命令を出した。
課徴金の内訳は新明和工業が5587万円、日精(東京・港)が2億6733万円、住友重機械工業子会社の住友重機械搬送システム(同・品川)が1億9995万円、フジパスク(同・世田谷)が298万円。日本コンベヤ(同・千代田)を含めた5社に再発防止を求める排除措置命令を出した。
IHI子会社のIHI運搬機械(東京・中央)の関与も認定したものの、課徴金減免(リーニエンシー)制度に基づき調査開始前に違反を自主申告したため、行政処分を見送った。
公取委によると、各社は遅くとも2017〜18年以降、ゼネコンから見積もり合わせを求められた際に営業担当者が電話やメールで情報交換するなどして、受注予定者を決めていた。
高額なものだと数億円規模に上る契約もあった。各社は発注された工事について設計図面の作成に協力していた事業者が受注できるよう調整していた。
新明和工業は「命じられた内容を誠実に遂行し、体制の強化に取り組んでいく」、住友重機械工業は「コンプライアンスの徹底に取り組んでいく」などとコメントした。
一部の社の担当者は業界団体での活動を通じて他社との関係を築いていた。公取委はフジパスクを除く5社が加盟していた立体駐車場工業会に対し、会員への独禁法順守の周知徹底などを要請した。
公取委は23年9月、日本ケーブルと日成ビルド工業にも独禁法違反の疑いで立ち入り検査していたが、違反に関与していないと判断した。
独禁法は複数の企業が話し合い、価格や販売量を設定するカルテルや入札価格を事前に調整する談合を「不当な取引制限」として禁じている。