市立病院の工事費 37億円借り忘れ 積立金などで穴埋め 小田原市
神奈川県小田原市が2024年度の市立病院事業会計で事務的なミスをし、事業費を37億円借り忘れていたことが明らかになった。市は28日、臨時市議会を招集し、積立金などから収入不足を穴埋めする補正予算案を提出、可決された。
市は26年春の開院をめざして市立病院の建て替えを進めている。24年度は新病棟の本体工事費をまかなうため、87億7950万円を企業債として借り入れるはずだった。
だが、会計担当者は今年2月に起債手続きをした際、起債額を37億円少なく計算。上司らもこれを見落としていた。工事代金は年度内に2回にわけて支払うが、企業債は1度しか起債しない。担当者はこの仕組みを勘違いし、すでに支払った前払い分の37億円を除外していたという。
工事代金を3月18日に精査した際、37億円の収入不足が判明。金額が大きすぎるため、議会の議決が必要になった。
市議会は25日に病院事業会計を含む25年度の当初予算案を可決し、閉会したばかり。中2日で再び市議会を開き、予算を修正するのは前代未聞という。
企業債による借り入れは単年度ごとと決まっているため、穴があいた37億円分をあとから借り入れて埋め合わせることはできない。手持ちの資金が37億円も減ったため、市では市立病院の建て替えをはじめとする病院事業の資金計画を早急に見直すとしている。
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